アメリカでは熱い大統領選挙戦が繰り広げられていますが、非米国市民の僕は投票権もありませんし、そそくさと本題へと参りましょう(まぁ、別に投票権があっても、政治の話はスルーすると思いますけどね(笑))。
前回は化粧水の意義について見ており、前々回の「スキンケアの正しい順番」記事で書かれていた「化粧水は不要」論は、必ずしもそう断言できる話でもない(=使わない人もいるし、必須ではないけれど、役に立つ場面も間違いなくある)という感じでしたが…
…前回の記事にもまた面白そうな関連記事がいくつもありましたけど、とりあえず今回は前々回の記事でリンクが張られていた、「意味あるんか」シリーズの続きとして、顔に使うパック(英語だとフェイスマスク)について見てみようと思います。
前々回のウィリアムズ医師は、化粧水同様、「そんなに意味がありません」と言っていた記憶がありますが、まぁ気休め程度かもしれないとはいえ、「完全に無意味・逆に良くない」までは流石にないのかな、なんて気がしますね。
こないだも書いていた通り、僕自身、ファンケルで洗顔・化粧水・乳液セットを買ったときにおまけでついてきたものを使ったことがありましたけど、個人的にはほぼ実感できる効果はなかった気がする……ものの、まぁでも薬剤が顔にしばらくついて何となくしっとりはした気もするかもしれませんし、実際、一度や二度の使用で効果が実感できるはずもありませんから、そもそも僕には語る資格がないのかもしれません。
そんなわけで、天下のクリーブランド・クリニックによるまとめ記事を、今回も早速参考にさせていいただきましょう。
フェイスマスクは実際に効果があるのか、それとも単なる流行なのか?(Do Face Masks Actually Work or Are They Just a Fad?)
高級で珍しい成分が、必ずしも良いとは限らないのです
自分磨きを続けることへの執着と探求の中で、フェイスマスク(パック)がフロントランナーとして登場してきました。悲しい気分、ストレス、不安ですって?パックで解決できないことはありません。そうですよね?
肌への不満から、プレティーン(※原語は「tween」=子供とティーンエイジャーの間(between)、大体8~12歳のキッズのこと)のお泊り会、果ては魅力的なキラキラした小包装まで―あらゆる年代の若者たちがパックに手を伸ばしています。しかし、この美容グッズは、劇的な美肌効果を過大に宣伝してはいないのでしょうか?
皮膚科医のシルピ・ケタルパルMD(医師)が、パックについて皆さんに知っておいてほしいことをご説明くださいます。
ベーシックなものはOK
「スキンケアに関しては、洗顔、毎日の日焼け止め、そして毎日の保湿を優先すべきだと、私は患者さん全員に言っています」とケタルパル医師がおっしゃいます。「しかし、パックは良いスキンケアのルーティンを補完することは可能ですね。」
パックは、有効成分を肌の奥深くまで運び、毛穴に浸透させ、肌がより多くの成分を吸収できるようにすることで効果を発揮しているものです。パックは、多くの方が求めていらっしゃる即効性があるので、一時的かもしれませんが、イベントのための活力や輝きを与えることが可能となっています。
ケタルパル医師によると、シートパック(または韓国式パック)は、施術や更には日焼けで肌が敏感になっていたり炎症を起こしていたりする場合に、肌を落ち着かせるために最適だということです。シートパックは、保湿成分を、紙を通して直接肌に届けて浸透させるので、保湿効果もより高い傾向があります。一方、クリームパックは、ニキビやシワなど、特定の肌トラブルや悩みに対応している傾向があるものです。
パックを使用する前に、優しい洗顔料とぬるま湯で顔を洗い、メイクや汚れや残渣物を落としておきましょう。ぬるま湯を使うことで、毛穴が開いたままになり、成分が浸透しやすくなります。
成分、特に若い肌のためのものに注目
現在市販されている多くのパックは、珍しい成分を含んでいるとアピールされているものです。しかし、本当にキラキラしたものやキノコの汁、あるいはカタツムリのゼリーなんかを顔中に塗りたくる必要があるのでしょうか?多くの場合、そういった高級パックには香料、着色料、パラベン(※正式名称パラオキシ安息香酸エステル、防腐剤の一種)が多く含まれており―これらは全て、肌(特に敏感肌)を大混乱に陥れる可能性があるものなのです。
では、パックを選ぶときには何を基準にすればいいのでしょうか?
ケタルパル医師は、製品のラベルを読んで、以下のような言葉を探してみることを勧めています: 無香料、低刺激性、ならびに着色料やパラベン不使用といった言葉です。刺激の強い化学物質、アレルゲン、および防腐剤を顔に使用すると、山のような問題を引き起こす可能性があります。また、成分の中に、アレルギーを引き起こしたり、肌を刺激したりするものが含まれている危険性もありますね。これは特に、敏感肌になりがちなプレティーンに当てはまることです。
「世の中には、それほど楽しくエキサイティングではなくとも、なお肌にいい効果をもたらしてくれるパックは沢山あるんですよ」とケタルパル医師が語っています。「でも、顔につける前にラベルを読み、成分を知ることが肝心です。」
処方薬や市販薬とパックの成分との相互作用に注意することも重要です。薬の中には、皮膚の厚さを変えたり、皮膚を超敏感にしたりするものがあります―それら全ては、パックの成分と衝突してしまいかねません。
そのため、ビーベノム(蜂の毒)入りパックを使う前には、自分が求めている結果を得るための、より安全な代替品を紹介してもらえないかどうか、かかりつけの皮膚科医に確認するようにしましょう。
肌に良いパックはどんなもの?
肌荒れでお悩みで、即効性のあるものをお探しですか?肌の悩みに対処しようとする際の、ラベルに記載される、一般的な成分のいくつかがこちらです:
- 乾燥肌: ヒアルロン酸
- 小じわ: ビタミンC、ビタミンE、レスベラトロール(※ブドウやピーナッツの皮に含まれるポリフェノールの一種)、フェルラ酸(※植物の細胞壁に含まれるポリフェノールの一種)などの抗酸化物質
- ニキビ・吹き出物: サリチル酸およびアルファヒドロキシ酸(AHA)
- 酒さ様皮膚炎:ナイアシンアミド
- シミ・くすみ: 大豆、コウジ酸(※麹菌由来の美白効果がある物質)、トラネキサム酸(※人工合成された医薬品用途で使われるアミノ酸)、カンゾウ根エキス(※甘草の根や茎から作られる植物由来物質)
- 脂性肌: サリチル酸
家庭用パックは安全なの?
ケタルパル医師によると、中身にもよりますが、家庭用パックは作るのも使うのも完全に安全に行うことが可能だそうです。
どんな家庭用成分をパックに入れたらいいのか気になりますよね?
- 牛乳やヨーグルトには乳酸が含まれており、これは肌の角質を落として明るく見せてくれる可能性があるものです。
- アロエベラにはビタミンA、C、E、Bが含まれており、これらは肌を明るくする効果があり得ます。
- パパイヤには酵素群が含まれており、これらは肌を明るくする効果があり得ます。
- コーヒーは肌を一時的に乾燥させることで、毛穴を目立たなくする効果があり得ます。
レモンジュースやライムジュース、およびリンゴ酢などの酸性製品は避けましょう。こういった物質はpHが低く、肌荒れの原因になり得ます。
手作りのパックを使う前に、まず顔の一部分でテストし、その成分に肌が耐えられるかどうか確認してみることをケタルパル医師は推奨しています。顎のラインや耳の後ろなど、小さなエリアで試してみてください。また、目の周りのデリケートで薄い皮膚を保護するためには、少量のワセリンを使うこともケタルパル医師が提案しています。
価格が全てではない
「ある製品が高価だからといって、それがより良いものだとは限りません」とケタルパル医師が説明しています。「いくつかのパックに含まれる高級でエキゾチックな成分は、臨床試験で研究されていないので、安全かどうかはまだ分からないんです。」
何かシンプルで肌に良いことをしたいのでしたら、皮膚科で処方されるスージングマスク(※鎮静効果のあるフェイスマスク)を試してみてください、とケタルパル医師がおっしゃっています。シートパックを買ってきて、ご自分で保湿剤やアロエベラを付け加え、自宅で自分専用パックを作ってみるのなんかもいいかもしれませんね。
パックは、しっかり試験されたもの―インスタグラムで見かけた適当な広告やインフルエンサーが紹介するものではなく―にこだわるのがベスト(そしてより安全)です。
やはり、全否定するものでは決してなく、とはいえ必ずしも高いものがいいものとは限らず、挙げられていたビタミンや各種有機酸のような抗酸化物質、さらには下手したらヨーグルトやアロエやコーヒーみたいな、基礎成分が含まれていれば十分といえるものなのかもしれませんね。
遠い昔、一度使ってみた感想としては、行動が制限されてとにかく面倒くさかったという印象が強いため、そこまで肌の状態に困っているわけではない僕が使うことはないと思いますけど、何だか家庭的で平和な感じで、母親やパートナーとかが使っているのを見るのは好きな感じです(笑)。
安くて良いパックであれば、ルーティンに加えるのも決して悪くない気がしますね…!