前回は、誰しもが想像するよりも遥かにばっちぃため、頻繁に触れることでニキビや肌の汚さにもつながりかねないスマホのクリーニングについての記事を参考にしていましたが、この記事でもまたいくつか興味深い話が出ていました。
衛生全般の話だったため、「手洗いが重要」ということが盛んに喧伝されていたわけですけど、そこで、「ハンド・サニタイザー(手指消毒剤)もよく使われるようになったが、石鹸と水の方がやはりより効果的」という記述がありました。
「あれ?これ、以前(ちょうどもう1年前でしたが)、『最近は、ハンドジェルが最もお勧めの手洗いとして推奨されているようです』って話を見たことなかったっけ…?」と思い検索してみたら…
…実際、やはり天下のCDC(アメリカ疾病対策予防センター)やWHO(世界保健機関)がハンドジェルを強く推奨はしていましたし、天下のクリーブランド・クリニックとCDCとで矛盾…?と一瞬思えたものの、実はよく見たら、↑で言っていたのは、
「医療現場における手指衛生他のためのガイドライン」
…であり、医療現場ではなく、気軽に水へのアクセスが可能で、しかもそこまで殺菌のみが重視されるわけではない日常生活の場であれば、やはり石鹸と水による手洗いの方が汚れ除去の意味では優れているのかもしれませんね。
まぁ権威的には、世界最大規模とはいえ一病院に過ぎないクリーブランド・クリニックよりも、全米ひいては全世界の医療機関を統括するCDCの方がより信頼できるような気もするとはいえ、改めて、あくまで日常生活の場でいえば、恐らく水道と石鹸による手洗いの方がより推奨されるのでしょう…
…正しい手洗い法含め、どんな感じのまとめになっているのか、今回も下記HEALTH LIBRARY記事を参考にさせていただこうと思います。
手洗い(Handwashing)
誰しもが子供の頃、常々耳にした言葉でしょう:「手を洗いなさい!」 しかし、手を洗うとはどういうことなのか、そしてなぜその方法が重要なのでしょうか?少なくとも20秒間、正しい手技で擦り洗いをすることで、病気を起こす可能性のある細菌を取り除けます。最初のステップは、石鹸の効果を高めるために手を濡らすことです。
手洗いとは何?
手洗いとは、石鹸と流水で手を洗い、その後、手を乾かすことです。一日を通して何度も、特に食事の支度をする前やトイレの後に手を洗うのは大切なことです。しかし、いつ手を洗うかを知っているだけでは十分ではありません。どのように手を洗うかも知っておく必要があるのです。
そのやり方については、簡単なことだと思われるかもしれません。何せ、誰しも物心がついたときから洗面台で泡立ててきたわけですしね。だから、正しい手の洗い方なんて学ぶ必要はないのでは?しかし、物事はそう単純ではないのです。急いでいるときや、なぜそのテクニックが違いを生み出すのかについて理解していない場合、遠い昔に覚えたコツというのは簡単に消え去ってしまうものだと言えましょう。
手洗いの徹底と継続は、ご自身と家族の健康維持に役立ち得ます。実際病気にかかったとしても、手洗いをしっかりすることで、病原菌が他の人に広がるのを防ぐことが可能です。ですから、この一見シンプルに思える技術を学び直すことは、自分自身や大切な方たち―そして更には決して出会うことのない人たちにも、大きな見返りをもたらす可能性があるものとなっています。
(※各ステップは、絵でも明らかですが、以下の段落でも出てくるため日本語はそちらをご参照ください。本文中、ポイントは英語も併記しました。)
なぜ手洗いが重要なの?
手洗いは、感染症の蔓延を防ぐ最善の方法のひとつです。台所のカウンターからガソリンスタンドのポンプまで、雑菌はあらゆる場所に存在しています。人間の免疫系は、多くの雑菌を撃退したり、深刻な害を防ぐことが可能です。しかし時には、それでも雑菌に負けて病気になってしまうこともあり得ます。そこで、効果的な手洗いの出番となるわけです。
調査によると、手を清潔に保つことで、下痢を引き起こした場合の3人に1人、呼吸器感染症の5人に1人の割合で予防が可能になるそうです。なぜなら、手というものは雑菌にとって便利な移動システムだからです。
雑菌がバスに乗ったり降りたりする様子を思い浮かべてみると、雑菌がある場所から別の場所へ移動する仕組みを理解しやすくなるかもしれません。雑菌はバス(あなたの手)に飛び乗り、目的地(あなたの体内の細胞)へと素早く移動することが可能となります。汚染された表面に触れた後、目、鼻、あるいは口に触れるだけでいいんですね。そこから雑菌は体内につながる粘膜に移動し、そこでキャンプを張って増殖しようとします。
しかし、手を洗うことで「バス」のルートを変えることができるわけです。雑菌は体内への侵入口へと移動する代わりに、排水溝へと流れていきます。少数の菌はしぶとく生き延びようとするかもしれません。しかし、適切な方法で長時間手を洗うことで、ほとんどの雑菌は目的地に着く前に取り除くことが可能となります。
病気にならなければ、家の中で他の人に菌を広めることも、公共の場(雑菌はそこで次のバスが来るのを待つことが可能となります)で菌を落とすこともありません。手を洗うことで、雑菌を足止めすることが可能になるわけですね。
どのくらいの時間をかけて手を洗うべき?
石鹸と流水で少なくとも20秒間は手を洗うべきです。多くの方々は、ちゃんとそうしていると思い込んでいることでしょう。しかし実際には、忙しい一日の中で、次の用事まで急いで駆けつけられるよう、洗面台での時間を急がずにいるのは難しいことです。調査によると、ほとんどの方は手洗いの効果がしっかり発揮されるのに十分な時間、手を洗っていないとのことです。
タイマーをセットすれば、20秒というのが自分の想像するよりもずっと長いことに気が付けることでしょう。「ハッピーバースデー」の歌を静かに2回口ずさむのに十分な時間です。時間を計れば計るほど、20秒間泡立てることに慣れていくのではないでしょうか。そしてすぐに習慣になります。
手洗いの手順はどんなもの?
素早く考えてみてください: 手洗いの正しい最初のステップは何でしょう?すぐに石鹸をつけることを思い浮かべるなら、近いですが、正確ではありません。まずは手を水で濡らすべきなのです。水をかけることで、石鹸が雑菌や毒素を捕捉し、除去する役に立ちます。
以下が推奨手順です:
- 手を濡らす(Wet your hands)。清潔な(clean)、流れる水(running water)(温水または冷水)を使います。その後、節水のために蛇口を閉めましょう。
- 石鹸をつける(Apply soap)。石鹸を泡立て、少なくとも20秒間手を擦り合わせます(rub your hands)。手首、両手の甲、指の間、爪の下も忘れずに洗いましょう。このパートは非常に重要です。手を擦り合わせる摩擦で、手を清潔にすることができます。
- 手をすすぐ(Rinse your hands)。蛇口を開いて、流水で手をすすぎます。石鹸が全てなくなったことを確認してください。しっかりとすすぐことで、手についた雑菌、化学物質、汚れを全て取り除きます。
- 蛇口を閉める(Turn off the faucet)。ヒジか、ペーパータオルを使いましょう。こうすることで、きれいになった手に多くの雑菌が付着するのを防ぐことができます。
- 手を乾かす(Dry your hands)。清潔なペーパータオルやハンドタオルを使って、しっかりと手を乾かしましょう。単に手を振るだけで、自然乾燥させたくなることがあるかもしれません。しかし、濡れた手は、乾いた手と比べてより雑菌が広がりやすいと研究結果が示しています。したがって、清潔な手をより長く保つために、手をきれいに乾かすようにしましょう。
いつ手を洗うべき?
家でも、職場でも、公共の場に出るときでも、一日を通して何度も手を洗うべきです。しかし、日常の慌ただしさや喧騒の中で、そういったタイミングは見落としてしまいがちです。FACESという標語を思い浮かべることで、手を洗う重要なタイミングを思い出すことが可能となりましょう。FACESは以下を意味します:
- 食べ物(Food)
- 動物(Animals)
- 介護(Caregiving)
- 体液に触れる(Exposure to bodily fluids)
- 特別な状況(Special situations)
上記の各行が、泡立てを必要とする状況を表しています。
雑菌を、目、鼻、口に入り込む可能性のある顔に付着させないようにしましょう。どうすれば雑菌を遠ざけることができるのでしょうか?以下、詳しく見ていきましょう。
食べ物
食べ物は直接口に入るため、雑菌にとって体内に侵入する格好の場となっています。手を洗うことで、食べ物や食べ物を扱う場所を清潔に保つ手助けとなり得ます:
- 食べ物、特にフィンガーフード(※指でつまんで食べる料理)を食べる前
- 料理の前後
- 生肉に触れた直後(調味料や冷蔵庫の取っ手など、他のいかなるものにも触れる前)
- 堆肥や生ゴミに触れた後
- 台所のカウンターやその他の場所を拭いた後(この場合、クリーナーの化学物質を手から取り除きたいわけです)
動物
愛するペットを含む動物は、雑菌を撒き散らす可能性があります。以下の後には、必ず手を洗いましょう:
- 特に料理中やキッチンでの作業中にペットを触った後
- ペットの餌やおやつを用意した後
- 屋内飼育以外の動物に触れた後
- ケージや、普段動物がいるスペースを掃除した後
介護
子供や親、あるいは自宅以外の人の世話をしている場合、その方々から雑菌をもらわないようにするのは難しいものと言えます。リスクを減らすために、以下の後は洗うようにしましょう:
- 病気の人の世話をした後
- おむつを替えた後
- トイレの後片付けを手伝った後
体液にさらされる
体液は、多くの雑菌が混ざり合い、次の旅を計画している場所です。雑菌の旅を防ぐために、必ず手を洗いましょう:
- トイレの後
- くしゃみや咳をした後
- 鼻をかんだ後
- 嘔吐物や下痢便(自分自身、または他人のもの)を拭いた後
- (自分自身、または他人の)傷口を洗浄する/包帯を巻く前と後
特別なシチュエーション
人生はいつも綺麗に整頓された状態に収まるとは限りません。手を洗う必要がある最もキーとなる場面は、上述の通りです。しかしそれ以外にも、手を洗ったり、洗面台に行けない場合はハンド・サニタイザー(手指消毒剤)を使ったりする必要がある状況があります。それには以下が含まれます:
- コンタクトレンズを装着する前(この場合は石鹸と水を使いましょう)
- コンピュータのキーボードやその他の装置など、職場で共有するものを使用した後
- ドアノブ、エレベーターのボタン、手すりなど、多くの人が触る物の表面を触った後
- 公共の場や屋外から帰宅したとき
- 雇用主のガイドラインに手洗いの推奨が記載されている場合。例えば、特定のタイミングで手洗い場を利用したり、手袋の着脱手順に従ったりする必要がある場合があります
手洗いのタイミングや頻度について疑問や不安がある場合は、医療従事者に相談してみると良いでしょう。ご自身の病歴、家族のニーズ、および仕事内容など、それぞれの状況に応じてアドバイスをしてくれますよ。
手を洗うのに抗菌石鹸を使う必要はある?
いいえ。必要なのは、石鹸(種類は問いません)と水だけです。ほとんどの人にとって、抗菌石鹸が普通の石鹸と水よりも病気の予防に優れているという証拠は存在しません。医療従事者は、状況に応じて異なる指導に従う必要がある可能性はあります。
ボディソープをハンドソープとして使える?
はい。どのようなソープでも効果的ですし、手についた雑菌を取り除くのに役立ちます。ただし、上記の手順に従うようにしてください。ボディーソープには強い香りを持つものがあり、洗った後に手に残る可能性があることには留意しましょう。
手を洗う代わりにハンド・サニタイザーを使ってもいいの?
場合によります。手を清潔にする各種方法はそれぞれ少し違う作用を有しています。石鹸と水は、手から雑菌や有害物質を取り除くのに効果的です。ハンド・サニタイザーは、ある種の雑菌を殺します。
ハンド・サニタイザーよりも石鹸と水の方が優れているので、可能な限り石鹸と水を選ぶべきと言えます:
- ノロウイルスやC.Diffなど、重症化する可能性のある特定の雑菌を除去する場合
- 農薬や重金属(鉛など)を除去する場合
- 釣りやキャンプなどの野外活動でついた汚れ、油汚れ、あるいは残留物を除去する場合
しかし、ハンド・サニタイザーは、以下を含む特定の状況では便利です:
- 病院や介護施設にいる人を見舞う時。ほとんどの場合、面会前後にハンド・サニタイザーを使用するのが適切です。(C.diffのような特定の感染症にかかっている場合は、代わりに石鹸と水を使用してください。)
- 石鹸と水道にアクセスできない場合。その場合はハンド・サニタイザーを使用できますが、できるだけ早く洗面台で泡立てるようにしましょう。
- 幼児が手を消毒する必要がある場合。通常、特に手のべたつきや汚れが目立つ場合、子供には石鹸と水を使うのが一番です。しかし、小さな子供が手洗いをマスターするには時間がかかり得ます。特に旅行先や外出先では、ハンド・サニタイザーを使うのが簡便です。ただし、大人が監督し、こういった製品(飲み込むと有害な場合があります)は子どもの手の届かない所に置くようにしてください。
COVID-19の原因となるウイルスを含む雑菌を効果的に殺すため、ハンド・サニタイザーには少なくとも60%のエチルアルコール(エタノール)または70%のイソプロピルアルコール(イソプロパノール、2-プロパノール)が含まれていることを確認してください。
手の洗いすぎは危険?
良いことでも、やりすぎることはあり得ます。重要なタイミングで手を洗うことは重要ですが、頻繁に泡立てすぎると、以下のようなことが起こり得ます:
- 健康的な油分や、雑菌を撃退するのに必要な善玉菌を手から奪ってしまう
- 手がひび割れたり、乾燥したり、荒れたりする。これにより雑菌が体内に侵入しやすくなってしまいます
- 湿疹のある方々の場合、発作を引き起こしてしまう
- 刺激性接触皮膚炎につながる
仕事やその他の理由で頻繁に手を洗う必要がある場合は、エモリエント成分(※皮膚軟化剤)配合の保湿剤を使って手を落ち着かせるのが有効かもしれません。また、皮膚をできるだけ滑らかに保ち、刺激やその他の問題を予防する方法について、かかりつけの医療従事者に相談することも可能です。
クリーブランド・クリニックからのメモ
歯磨きや皿洗いと同じように、手洗いも自動操縦で行っている作業のひとつではないでしょうか。百万回はやっているので、やり方についてあまり深くは考えないかもしれません。しかし、改善の余地がないかどうか、ときどき自分自身をチェックしてみるのは良い考えです。
手洗いに関して言えば、ルーティンにもう数秒ゴシゴシ擦る時間を加えるというのがそれに当たるかもしれません。あるいは、清潔なタオルで手を完全に乾かすことを思い出す必要がある方もいらっしゃるかもしれないですね。手洗いをマスターするためにほんの少し時間をかけるだけで、ご自身や家族の健康を維持する上で大きな見返りがもたらされ得ますよ。
HEALTH LIBRARY記事は長めで、途中からうんざりしていましたが(笑)、正しい手洗いはやはり生活で最も重要な行為のひとつといえそうですね。
アメリカは、国民の衛生意識が低すぎるからか、トイレにこの手の「正しい手洗い法」の張り紙がしてあることが多いんですけど、この中でも特に、
「手を洗った後に蛇口を止める際、直接触らずにペーパータオルを介して止める」
というの、僕は、ほぼペーパータオルなんて常備されてない日本のトイレ・学校のトイレなんかを使っていた子供の頃からずーっと「本当はそうしたい」と思ってましたけど、「潔癖かよ(笑)」と思われそうで正直人前でわざわざそんなことをするのは恥ずかしくもあるのですが、やはり医療機関が推奨するレベルの行為なんですよね。
当たり前ですが、糞便には何億もの細菌がいるわけで、それに触れた可能性のある汚い手で開け閉めした蛇口が清潔なわけはないですから、まぁ本文を見たら「ヒジで」なんて書いてあって、「まぁ手が汚れるよりはいいけどさ、肘が汚れるのも嫌じゃない?」とも思えたものの(笑)、トイレのドアノブ含め、手を洗った後はなるべく何かと直接的な接触を避けるのに越したことはないと思います。
今時の水道はセンサーで自動なことが多いですし、それは本当にありがたいですね。
なお、潔癖をこじらせると、「トイレに備え付けのペーパータオルとか、何かもうそれ自体にバイ菌がついてそうじゃない?」と思えるかもしれませんけど、まぁ実際たまにお店のトイレとかである、ティッシュボックスみたいなのに入ってるようなタイプの場合、そこから引っ張る際、水飛沫が飛んでて中身の紙がなんか濡れてる……とかだとちょっと抵抗ありますけど、フィーダーからガラガラと引っ張れるものは、流石にそこは使うメリットの方が大きいのは間違いないといえましょう。
(トイレに限らず空気中に雑菌はうようよ漂っていますが、「手が触れた」とかじゃない限り、空気接触で紙の上に居残る雑菌はほぼ空気と同レベルだと思います。)
無駄に長くなりましたが、手洗いの励行は健康全般に確実に効いてくるので、推奨したい限りです。