もうちっとだけ続く呼吸法シリーズ、4-7-8呼吸法、ボックス呼吸法、横隔膜呼吸法、交互片鼻呼吸法、口すぼめ呼吸法、さらにはライオン呼吸法という冗談みたいな感じでありながらもれっきとした伝統的なヨガのテクニックを見ていたのが前回でした。
今回も同じくヨガに源流を置いているっぽい、五本指呼吸法なる、いよいよ鼻や口ではなく手が主役となっているものも出てきた感じですね。
僕は何気にマッサージとかも好きですし、大変気になります…
…まだ上記リンクカードにもあるサムネのイラストしか見ていませんが、血流を同時に良くするような類のものなのでしょうか、興味深いファイブフィンガー・ブリージングのhealth essential記事に、早速参りましょう。
深いリラクゼーションを求めて、五本指呼吸法にトライしてみよう(Try Five-Finger Breathing for Deep Relaxation)
この多感覚的な呼吸法は、安らぎと落ち着き、更には痛みの緩和までもたらしてくれます
活気あふれるゴーゴーな世界では、真の脅威に直面していない時でさえも「闘争か逃走か」モードに簡単に陥ってしまい、身動きが取れなくなることがあるものです。しかし、意識的に一歩下がり、スピードを落とし、脳に魔法をかけるようにすれば、現在の状態を一変させるような平和と落ち着きのようなものを見つけることが可能となるかもしれません。
五本指呼吸法は、まさにその助けとなる、深いリラクゼーションおよび呼吸法なのです。
痛みの専門家であり、行動医学心理学者のジュディス・シェーマン博士が、五本指呼吸法とは何か、どのように行うのか、そしてどのようにリラックス、くつろぎ、さらには痛みの管理に対して役に立ち得るのかを説明してくれます。
五本指呼吸法とは何?
五本指呼吸法は、深いリラクゼーションをもたらす、シンプルながらパワフルな呼吸テクニックです―そして、概ねどこででも出来るものになっています(ただし、運転中やその他重機の操作中なんかはご遠慮くださいね)。
他の呼吸法とは異なり、五本指呼吸法は多感覚的な体験であり、呼吸だけに集中するものではありません。ゆっくりと、志向性を備えて、片方の手がもう片方の手に触れていく動きや感覚にも集中していくものとなっています。
これによって脳が深いリラックス状態に入り、エンドルフィンの分泌が引き起こされます。「エンドルフィンは体内で作られる天然の鎮痛剤なんです」とシェーマン博士が説明します。「化学的にはオピオイドと同じですが、便秘や、時折あるかゆみ、吐き気、あるいは嘔吐を引き起こすことはなく、睡眠や免疫系を乱すこともありません。」
言い換えれば、エンドルフィンは体が作る安全な天然薬物であり―深いリラクゼーションは、エンドルフィンが作られる工場であると考えることができるわけです。
五本指呼吸法のメリット
呼吸法のテクニックは、脳の休息、リラックス、およびリセットを司る部分である、副交感神経系を刺激します。緊張しているとき、圧倒されているとき、あるいは力が入っているとき、こういった技法は「闘争か逃走か」モードを脱し、より落ち着いた状態に導くのに役立つものなのです。
そして、五本指呼吸法は誰にでも効果がありますが、手術に向かう方や最近受けた処置から回復しつつある方々に、特に有効なものとなっています。
「手術室に連れ戻され始めたらすぐに、目を閉じてこのリラクゼーション法を行うのが良いかもしれません」と提案するのはシェーマン博士。「こうすることで、とても深くリラックスした状態で手術に臨むことができますよ。」
五本指呼吸法のような深いリラクゼーション技術には、以下のような効果の存在が示されています:
- ストレスや不安を和らげる。副交感神経系が活性化すると、心配事やストレス要因から心を切り離すことが可能となります。不安やストレスを軽減することで、炎症を抑え、免疫システムを活発にすることが可能です。
- 体をリラックスさせる。「研究によると、深くリラックスした状態で手術に臨む方は、全身麻酔を受ける前の鎮静剤の量が少なくて済むそうですよ」とシェーマン博士が語ります。これはつまり、手術や処置の後、脳が早く回復するということです。
- 痛みを軽減する。オピオイド(麻酔薬)は、人によっては非常に激しい中毒性が伴います。しかし、大手術の前後に深いリラクゼーションのテクニックを使うことで、痛みを抑えるためのオピオイドの必要性を最小限に抑えることが可能となるわけです。
- 回復を促進する。手術後に深いリラクゼーションのテクニックを実践すれば、早く立ち直る手助けにもなるかもしれません。「手術後、1日に3~4回、毎日深いリラクゼーションを実践している方々は、手術の傷の治りが有意に早いことが示されているんです」とシェーマン博士が指摘します。
- 睡眠を促進する。「患者さんたちは、深いリラクゼーションによって夜通し、時には病院内でさえもよく眠れるようになったと報告しています」とシェーマン博士が付け加えています。
五本指呼吸法のやり方
この手法を初めて行う場合は、ガイド付きの音声や動画を使って始めるとよいでしょう。コツをつかめば、リラックスしたいときにいつでも自分でできるようになります。
シェーマン博士が五本指呼吸の手順について案内してくれます。
(※元記事には、ここにシェーマンさんが実際に演じながら説明してくれている動画がありましたが、YouTube動画ではないので埋め込みが不可能でした。
気になる方は元記事から動画をご覧ください。)
1. 両手を準備する
五本指呼吸法では両手を使う必要があります。片方の手はベースとなり(この手は動きません)、もう片方の手は指をなぞるのに使います(こちらの手は動きます)。どちらを使ってもかまいませんが、利き手―字を書く方の手―を、指をなぞって動かす方に使うのが最も簡単かもしれません。
まず始めに、ベースとなる手を、指をゆったりと自然な形で広げた状態で前にかざします。
2. 親指をなぞり始める
動かす側の手の人差し指を、ベース側の手の親指の下―ちょうど親指と手首の境目―に当て、人差し指を親指の先までゆっくり動かし始めましょう。
「親指の先まで指を動かすときに、ゆっくりと息を吸い、同時に目を閉じてやるのもいいかもしれません」とシェーマン博士が指示してくれています。
親指の先端に達したら、そのまま先へと向かいます: 息を吐きながら、人差し指を親指の反対側へとゆっくり引きずり下ろしていくわけです。
3. 呼吸に集中しながら、続けていく
親指をなぞり終わったら、同じように人差し指をなぞって行き―その後、中指、薬指、小指をなぞります。
それぞれの指をなぞりながら、深くゆっくりと呼吸を続けてください。「優しく呼吸をしながら、自分自身をリラックスさせましょう」とシェーマン博士が勧めます。「息を吐くたびに、ますます深くリラックスしていきましょう。」
4. 方向を変える
手全体をなぞり、小指の下まできたら、方向を逆にし、来た道を戻って親指の方へと進んでいきます。
呼吸および人差し指が肌をなぞる感覚に集中しながら、ゆっくりと息を吸って吐き続けてください。「息を吐く度に、少しずつ解放していきましょう」とシェーマン博士が述べます。
呼吸をガイドにしながら、自分自身を可能な限り目一杯リラックスさせてあげてください。
5. 自分自身をリラックスさせる
必要な限り練習を続けましょう。「整ったら、目が開くかもしれませんが、これは見出したリラクゼーション効果をもたらしてくれているものなんです」とシェーマン博士が語ります。
次に何をするにしても、急がないようにしてください(入眠に関することでない限り)。リラクゼーションを大いに満喫し、それに身を任せる時間を自分自身に与えてあげましょう。
子供に五本指呼吸法を教える
子供をじっと座らせること、ましてや瞑想したり、典型的な呼吸法を学んだりさせるのは、難しいものだと言えましょう。しかし、五本指呼吸法は子供にも理解できる簡単な活動であり、気持ちを落ち着かせ、感情の制御を教えるのに役立つツールとなるものとなっています。
要するに、五本指呼吸法というのは、時に人生がもたらすこともある狂乱や熱狂から、一歩身を引きたい方のためのものなのです。
「この手法をスケジュールに組み込めば、一日の終わりに振り返って、自分を大切にするために何か成し遂げたんだと考えることができますよ」とシェーマン博士が語ります。
このトピックについてもっと知りたい方は、Health Essentials Podcastのエピソード、"Breathwork for Beginners."をお聞きください。Health Essentials Podcastの新しいエピソードは、毎週水曜日に公開されます。
想像よりずっとスピリチュアルな感じのアクションでしたが、しかし、僕は何気に肌と肌の触れ合いから発生する癒しの効果を決して過小評価しない男なので、これはとても心地良さそうな、素晴らしいテクニックであると思えますねぇ~。
呼吸とか別に気にせず、単に人差し指で自分の指の間をなぞっていったら意外とそれだけで気持ちよかったですし、そのまんま手首の付け根から上といわず、腕の方まで適当にスリスリしていったらもっと気持ちよかったので(笑)、普通に自分なりにアレンジを加えつつ、リラクゼーション効果を得るのが最善と言えそうです。
とはいえ呼吸を意識してやればもっと効果的なようですから、落ち着きたいときはこの呼吸法を思い出して、なるべくゆ~っくりとやってみるのもいいかもしれませんね。