それでは予告通り、色々な色をした舌についてのまとめ記事で紹介されていたなかで個別記事が存在していた、白、黄色に続き、黒、かつ毛羽立った(ヘアリーな)舌とやらを見て参りましょう(↓)。
今回の記事には症状まとめイラストがなかったので、お誂え向きにその黒毛舌とやらがどんなものなのか、検索して画像を貼ってみようかと思います。
Black Hairy Tongueで検索したら、クリーブランド・クリニックのライバル(まぁ僕が勝手にライバルとか言ってるだけで、単に毎年全米ナンバー1, 2の総合評価を得ている、どちらも素晴らしい病院なだけですけどね(笑)。ただ、医療まとめ記事は、特に言語化できる理由はないものの、なぜか僕はクリーブランド・クリニックの方が圧倒的に好きです)、メイヨー・クリニックの記事に画像が掲載されていました。
Mayoさんからは画像だけお借りさせていただきましょう、症例画像が、ズバリこちら…!
これは…結構スゴイ!
「黒毛舌」としか言いようのない、かなりインパクトの大きなものですけど(拡大すると結構正視するのがきつい方もいらっしゃるかもしれませんが、はてなブログだと適宜縮小されるので問題ないと期待したい限りです)、今回のこちらも、見た目ほど深刻ではない症状とのこと……
…何が考えられる原因でどんな対策があるのか、今回も早速クリ・クリHEALTH LIBRARY記事に参りましょう。
黒毛舌症(Black Hairy Tongue)
黒い毛羽立った舌と聞くと酷いものだと思えるかもしれませんが、これは無害であり、かなり一般的な症状です。口腔内の不衛生、タバコの使用、および特定の薬の服用は、黒毛舌を引き起こし得る原因のほんの一例です。この症状は通常、口腔衛生を改善することで抑えることが可能となります。
概要
黒毛舌症とは何?
黒毛舌症は、舌の上部に毛が生えているように見える、一時的で無害な、かなり一般的な症状です。しかし、舌に生えている物質は実は毛ではなく、必ずしも黒ではありません―茶色、緑、白、あるいはその他の色になることもあり得ます。
舌の上部にある小さな突起―糸状乳頭と呼ばれます―が成長し、食べ物、細菌、および死細胞(角質)を集めることで色が沈着します。糸状乳頭は通常1ミリメートル(1/32インチ)ほどの長さで、本来は、成長する前に皮膚の層が剥がれていくのと同じように、舌から剥がれ落ちることになっているものです。この脱落プロセスは落屑(らくせつ)と呼ばれます。乳頭が剥がれ落ちない場合は、18ミリメートル(3/4インチ)にまで成長することもあり得ます。
黒毛舌症はどのくらい一般的なの?
アメリカ口腔医学会によると、黒毛舌症は約13%の方が一生の内に一度は罹患するとのことです。あらゆる人口集団に見られますが、男性や65歳以上の方により多く見られます。
症状と原因
黒毛舌症の症状は何?
通常、舌の見た目だけが唯一の症状で、痛みはありません。症例によってみられるかもしれないその他の症状としては、以下が含まれます:
- 灼熱感、くすぐったさ、あるいはえずくような感覚
- 口臭
- 食べ物の味の変化
何が黒毛舌症を引き起こすの?
黒毛舌症の最も一般的な2つの原因は、口腔内の不衛生と柔らかい食べ物の摂取です。乳頭が剥がれ落ちる過程では、舌の上部に刺激や摩擦が必要となるのがその理由です。一般的な黒毛舌症の原因には以下が含まれます:
黒い舌は何を示唆しているの?
ほとんどの場合、黒い毛羽立った舌は、家庭での口腔衛生を改善する必要があることを意味しています。しかし場合によっては、細菌や真菌の過剰繁殖が原因で起こることもあるかもしれません。このような場合、担当医から、抗生物質や抗真菌薬を処方してもらうことが可能です。
診断と検査
黒毛舌症はどう診断されるの?
ほとんどの場合、担当医が舌を見て診断を下すことが可能です。一般的に、検査は必要ありません。ただし、診断に疑問がある場合や、黒毛舌だけが問題ではないという懸念がある場合には、担当医が生検―舌の組織を採取して調べる検査―を行うことがあるかもしれません。
管理と治療
黒毛舌症はどうやって取り除くの?
黒毛舌症の治療には、通常、家庭での口腔衛生の改善が行われます。それでも改善しない場合は、かかりつけの医療従事者が薬を処方する―あるいは重症の場合は、手術を勧める―こともあるかもしれません。
口腔衛生
黒毛舌症に罹った場合、まず最初にすべきことは口腔衛生の改善です。歯磨きとフロスをした後、歯ブラシや舌磨き用具(スクレイパー)で舌を徹底的に綺麗にすることを心がけましょう。
薬物療法
口腔衛生を改善しても黒毛舌症が治らない場合は、抗生物質、抗真菌薬、マウスウォッシュ、あるいはレチノイド(ビタミンAに関連する薬)などで治療が可能です。
手術
従来の手術やレーザー手術が、他の方法で問題が解決しなかった場合の選択肢となります。
黒毛舌症はどのくらいで治るの?
ほとんどの場合、黒毛舌症の症状は1~2週間で自然に治ります。もし症状がそれより長引く場合は、かかりつけの医療機関に受診予約を入れて、治療法についてご相談ください。
予防
黒毛舌症のリスクを減らすにはどうすればよい?
歯ブラシで舌を磨いたり、舌用スクレイパーを使ったりすることで、舌乳頭やそこに挟まった食べ物のカスを取り除くことが可能です。また、歯磨きは1日2回、フロスは1日1回行い、定期的に歯科医院で検査とクリーニングを受けるようにしましょう。
黒毛舌症のリスクを減らすためにできることもいくつかあります。例えば:
- コーヒー、紅茶、タバコ、アルコールを控える。
- 食生活を見直す。
- マウスウォッシュを変える―過酸化物や別の酸化剤を使用していないものを用いましょう。
- 薬が黒毛舌症の原因になっていると考えられる場合は、薬の変更について担当医に相談する。
見通し/予後
黒毛舌症になった人の長期的な見通しは?
ひとたび黒毛舌症の原因が分かれば、それを治し、再発のリスクを減らすための手段を講じることが可能です。多くの場合、舌を毎日綺麗にするなど、生活習慣を少し変えるだけです。
受け入れる
いつ医療機関を受診すべき?
例えば、ブラシやスクレイパーで舌をこすったり、コーヒーを飲む量を減らしたりなど、黒毛舌症にはご自身で対処することが可能です。それでも症状が続く場合は、かかりつけの医療機関を受診してください。服用中の薬のいずれかが黒毛舌症の原因になっていることが懸念される場合でも、処方された薬の服用を中止する前に、かかりつけの医療従事者に必ず相談するようにしてください。
また、特記事項として、黒毛舌症には異なる色が出る場合もあることが挙げられます―そしてもし実際に白い毛羽立った舌になったのであれば、それは毛状白板症と呼ばれるものが原因の可能性があります。これはウイルスの徴候かもしれません。
クリーブランド・クリニックからのメモ
黒毛舌症は見た目も響きも恐ろしいものです。しかし、この症状は一般的に無害で、治療も簡単です。家庭療法を試しても効果がなかった場合は、かかりつけの医療機関を受診してください。担当医が、原因を突き止め、舌を健康に保つ方法を見つけてくれますよ。
ここまで見た目のインパクトと「一切害はなし」ということの差が激しいものも中々ない気がしますが、やはり実際なった時の衝撃は強そうですし、不潔が原因であるならば、改善するいいきっかけになりそうではありますね。
(ここまで来ると、逆に開き直って「別に害はないんだろ?じゃあそのまんまで結構、どうせ俺は不衛生だし、清潔になんてなりたくないし…」とかやる気なくすパターンもあり得そうなぐらいにショックも大きそうですけど、害がないからこそ、身体からの「もっと清潔にしておくれぇ~」という優しいサインとも言えますし、基本的にはすぐ治せるとのことですから、衛生管理に気を付けるようにするのがベストに思えます。)
それでは次回は……特に何も考えてませんが、一連の口腔関連のネタで開いてあったタブの中から良さ気なのを選んで見てみようかなと考えています。