そこで区切るのかよ!

呼吸反応を見ていく中で、せっかくだから覚えておくといいかもしれない重要物質、「グリセルアルデヒド 3-リン酸」(G3P)と、それを次のステップの物質に変換するための酵素であるGAPDHについて触れた後、その変換反応に関与するもう一つの超重要物質、「ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド」という長ったらしい名前の分子、長すぎるので「NAD」と略されますが、こいつの名前だけ出して前回は時間切れとなっていました。

 

前回の終わりに、「次回はこいつの話から触れていこうと思います」などと書いていましたが、よぉ考えたら別に大して触れる話もなかったわけですけれども(笑)、今回もまたどうしようもないぐらい時間がなかったので、大したことないネタで恐縮ですが、一応書くことがなくはなさそうなので、順番に細々した点を補足していこうかなと思います。

 

まず長ったらしい名前ですけど、まぁこれまで似たような名前が散々出てきたので普通に推測がつくのではないかと思えますが、まぁ小学生の頃に見ていたら、小学生なんてカッコ良さそうな音・自分に馴染みのある音でしか受け取れませんし、多分、

「ニコチン・アミドア(網扉?)・デニンジ(技の名前っぽい)・ヌクレオ(エクレアの兄弟か何か?)・チド(血度?)」

…みたいに推測してた(区切って覚えてた)気がしますけど、これは全然適当めちゃくちゃにも程がある話でして(笑)、実際は、

ニコチンアミド・アデニン・ジ・ヌクレオチド

という区切りなわけですね。

 

ニコチンアミドは、まぁこれは前回の記事の終わりにチラッと書いてましたけど、小学生でも名前は知ってるニコチンにアミド(アミノ酸に名前が近いことからも分かる通り、N-C=Oから成る、アミノ酸同士の結合部なんかに見られる構造ですね)がくっついたもので…

https://ja.wikipedia.org/wiki/ニコチンアミドより

…まぁ構造としてはこんな感じ(↑)になるものですが、NADはもちろん、これにアデニンがくっついたもので、「アデニン」はもう割と何度も出てきました、DNAの4種類の塩基「A, C, G, T」のAにあたる、要は遺伝子DNAとして体内に何億も存在している……と同時に、例のエネルギーの通貨=呼吸をする目的であるATPの一部にもなっている、まぁ下手したら生体内で一番重要(使われている)といえる化学物質といえるかもしれません。

 

で、続く「ジ」は、不思議なことに日本語でも「二 (2)」が「ジ」と読めるのであまりにも違和感がないわけですが、「モノ・ジ・トリ」というギリシャ語の数字接頭辞の「2」であり…

最後の「ヌクレオチド」は、DNAの話でも何度か出てきたのでおなじみでしょう、「糖・塩基・リン酸」の3点セットをまとめてそう呼んでいる、DNAの構成要素の一部としておなじみなわけですけど、ちょうど塩基としてニコチンアミドとアデニンというものがつながったヌクレオチドが2つつながったものになっているということで、その辺の知識があればズバリ名前も覚えやすい、大変分かりやすい(というか、因果関係が逆で、知識があれば名前から構造を推測できる、という方が正確かもしれませんが)形になっているわけですね。

 

ちなみに、「区切りが謎、まさかそこで区切る言葉だったとは!」というものは、まさにちょうどこないだ話に出していた「コエンザイム」、これ、まぁ僕はブームになった時には既に大学生であり、各語の意味を完全に知っていたのでそうは思わなかったんですけど、誰がどう考えても、小学生的には「コエン・ザイム」の方がしっくり来ますよね(笑)。

 

(改めて触れておくと、「補酵素」のことなので、「co-enzyme」で「コ・エンザイム」です。)

 

いやぁいいネタが浮かびました、せっかくなのでそんなしょうもないネタで今回はもうちょい記事を埋めてみますと、パッと浮かんだのではこれも昔、「楽しい有機化学講座」シリーズの脂肪の話で触れたことのあった「コレステロール」、これは流石に幼少期の僕も当然のごとく、

「コレステ・ロール」

という、ローリングに引っ張られてそう勘違いしてましたけど、そうではなく、実際は「ステロイド」なんかでおなじみの脂性成分を表す言葉の類似体と、古代ギリシャ語で「胆汁」を意味するcholeとがつながった、「コレ・ステロール」が正しい区切りになるんですねぇ~。

 

やっぱり生命科学用語はこの手の「そこで区切るのかよ!」が多く、ちょうど、もうすぐ呼吸反応を見進めていくときに出てくる予定だった、ズバリ↓の画像にもバッチリ書かれていますこの単語…

 

https://https://ja.wikipedia.org/wiki/細胞呼吸より

…「ミトコンドリア」、これも、僕はゲームの攻略本でなぜか出てきたので小学生の頃に初めて見た言葉でしたが、言うまでもないでしょう、子供には誰がどう考えても、「ミトコン・ドリア」で、美味しそうなドリアっぽい名前(糸こん・ドリア?)になっちゃうんですよねぇ~(笑)。

 

当然、それは間違いで、正しくは例によってギリシャ語で「糸」を意味する「mito」と(これはでも、日本語と不思議な類似性がありますね)、「顆粒」を意味する「chondros」の組み合わせで、「ミト・コンドリア」が正解なわけですね。

 

まぁこのドリアさんに関しては、また出てきたときに触れるといたしましょう。

 

あと個人的に印象深い「区切り変すぎる(笑)」語は、全然生命科学とは関係ないですけど、

プエルト・リコ

「キリマ・ンジャロ」

「クアラ・ルンプール」

などの地名がパッと浮かびましたが、「虜」や「プール」という語、および「ンから始まる言葉なんて存在するわけねぇだろ(笑)」という日本語との相性の悪さが、見事な罠となってるといえますねぇ~。

 

他にも生命科学用語でもまだまだ「謎区切り」語はあった気がしますけど(パッと浮かんだのでいえば、「ヘモ・グロビン」とかもですね。ロビンか、せめてビンじゃねぇのかよ(笑)(実際は「血」を意味する「ヘム」と、球体を意味する「グローブ」とが組み合わさった語ですね))、まぁ割とどうでもいいですし時間もなくなったのでその辺にしておきますが、「そこで区切るのかよ!」というネタだったので、今回も前回と全く同様、次触れる予定のブツの名前だけ出して、「どんな区切り方だ」という感じで終わりとさせていただきましょう(笑)。

 

ズバリ、本当は今回の記事で触れようと思っていたヤツ……NADと似たような名前で、しかも似たような機能も持つ、先ほどの呼吸イラストにも右半分で登場してきておりますFAD、こいつの名前は「フラビンアデニンジヌクレオチド」なんですね。

これは、小学生でも4音ずつで上手いこと区切れそうな気がしますが、まぁ、小学生だったら「フラビン・アデニン・ジヌクレ・オチド」って区切ってた気がします(笑)。

 

正解は一体何なのか、謎すぎる区切り方で恐縮ですが、また次回へ続くとさせていただきましょう……。

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