美しい分子その2・共結晶で進化型

かなり中途半端な形になってしまっていましたが、前回の記事(↓)では「美しい結晶構造を見てみよう」ということで、Quoraの記事で見かけた「ニューロトロフィン」という、中々に名前も美しいタンパク質を紹介していました。

 

con-cats.hatenablog.com

元のQuora記事にあった黒背景の画像がちょっと見辛かったので白黒反転させたものを載せていましたが、色合いが白バックには合わなかった気もしたので、さらに画像処理としてRGB変換(光の三原色=赤・緑・青の数字を入れ替える)を施してみたものも掲載してみるといたしましょう。

 

https://www.quora.com/What-are-some-of-the-prettiest-protein-structures-you-know-ofより、白黒反転・さらにRGB変換


ま、大して違いはないっすけど(笑)、ちょっと違う感じの、ゲームだと別のキャラとして出てきそうともいえ、趣深いともいえるのではないでしょうか。

 

…と、そんな見た目だけあれこれ語る頭の悪そうな記事にしようとも思いましたが、せっかくなのでニューロトロフィンの方にも触れてみますと、こないだ紹介していたPDBによる「今月の分子」第68回に登場していましたね(↓)。

 

numon.pdbj.org

まさに記事で解説がされている通り、人間にとって一番重要ともいえる、脳から脊髄へと広がる神経ネットワークが形成される際……つまり胎児期に、お母さんのお腹の中で、赤ちゃんの神経細胞を生かすか殺すかを決定しているという何気に超絶重要な分子なので、見た目のみならず、機能も「神経(ニューロン)を生かすもの」という、結構イカシてる分子だといえましょう。

(もっとも、ある程度の濃度のニューロトロフィンがないと神経は成長しないようですけど、逆に、ありすぎたらありすぎたで、神経細胞が死んでいく作用も及ぼしてしまう…という、いわゆるフィードバック制御もかかっているようです。

 まぁ生体分子では暴走を防ぐためのそういう制御はよくあることなのでそんなに驚きでもないですけど、「このフェアリーみたいな分子が、赤ちゃんに神経細胞をもたらしてくれる」と考えると中々ロマンチックにも思えます。

…あまりにもフェアリーが集まりすぎると悪さをしてしまう、というのもご愛嬌ですね(笑))

 

一方、構造の方に話を戻してみますと………

前回は、途中、ブラウザクラッシュで編集中の記事が消えてしまい、「本当はドレスのバリエーションもお見せしたかったのですが…」とか書いていたんですけど、別にバリエーションというのは上で示したカラーチェンジのことではなく……

…そもそも黒バックの画像として貼られていたQuora記事ですが、その回答コメントに元ネタとなった結晶構造のデータ、いわゆるPDBナンバー(PDBプロテイン・データ・バンク)が掲載されていれば、そこから既に何度もお世話になっているRCSBやUniProtなんかで白バック、かつ自分でもグルグル動かせる構造モデルを取得できたわけですけど、Quoraの回答にはPDBナンバーが載っていませんでした。

 

なので、RCSBの方で「NGF」(「neurotrophin」よりも、特定の物質であるNGF(神経成長因子)の方がいっぱいヒットしてきた感じです)で検索してみたところ、色々なバリエーションの分子が出てきたわけですけど…

(改めて、結晶構造ってのは解明した条件や共存する他の分子などによってちょろっと、あるいはガラッと変わってくるものなので、どのようにして取得した構造なのかで、微妙に違う形のものが多数存在するんですね)


…Quoraで紹介されていた構造ズバリのやつはなぜか見つからず、しかしあれが一番美しい気がした…というかシンプルで良さ・映えがあったので、色反転までして先ほども貼ったあの画像を採用させていただいた……という流れだった感じです。

 

とはいえせっかくなので、ちょっと上記フェアリー構造には劣る気がするものの、バージョン違いのドレスもいくつかあったので、今回記事の水増しとして(笑)、前回エラーで紛失していた当初書くつもりだったものよりもちょっと多めに見てみるといたしましょう。

 

まずは、フェアリーっぽくはないものの、むしろ女性用ドレスっぽさは更に上といえる、PDBナンバー1B8Kのこちら…

https://www.rcsb.org/structure/1b8kより

こちらは、今月の分子記事によると4種類あるニューロトロフィンの内、「Neurotrophin-3」というもののようですが、まさにドレス!

 

ちなみにヒト以外でも当然、脊椎動物には神経があるため同様なニュートロちゃんがいるわけですけど、こちら、コブラのNGFの結晶構造なんかは、今紹介していた3番に似ていますね。

https://www.rcsb.org/structure/4EC7より

…先ほどの前開きオープン型とは違い、こちらは下側が閉じている、ビキニスタイルっぽいドレスでしょうか(いやただ交差しているように見えるだけで、これも別に閉じてはいないですけどね。でも、シルエットは水着っぽいです(笑))。

まぁそもそも、もし角度を変えて見てみたらもうドレスでも何でもない、っていうか、言うほどそこまで美しいとかはなくね?って感じかもですが(笑)、それを言っちゃあおしまいですしせっかくなのでもうちょい紹介してみますと、ラマの精液内に存在するというNGFは、こんな感じの……

 

https://www.rcsb.org/structure/4EFVより

ど真ん中・中央部、ちょうどスティック&ボールで表された原子の部分ががまさに上手いこと顔にも見え、こちらはドレスの中に小人さんが囚われているかのような、ある意味これもフェアリー、ゲームのモンスターとかにいそうな不思議さも感じられますね。

 

さらには、マウスNGFから解かれた結晶構造なんかもありましたが…

https://www.rcsb.org/structure/1BETより

こちらはさらにちょっと構造が変わって、何となく「マウスが遺伝子変異でポケモン化した、謎の生命体」みたいなイメージで、由来生物・機能・構造の全てが噛み合った、奇跡のタンパク質分子だといえましょう!

(そんな大げさなもんでもないですけど(笑))


さらに発展型として、こんなものまで…

https://www.rcsb.org/structure/1SGFより

こちらはNGFとタンパク質分解酵素との共結晶という変り種で、都合いいことに上の部分が耳の立った頭部に見えますし、こちらは4つのプロテイナーゼをバックに従えた(武器として装備した)ミュウツー……みたいな、そんな妄想がゲーム少年としては爆発する感じですね(笑)。

(まぁ、プロテイナーゼはNGF自身を分解してしまうので、このミュウツーはそのまま従えている炎のような装飾品に食べられてしまう運命にあるわけですが…)


…と、あまりにもしょうもなさすぎるネタが続いていますが、ニューロトロフィンについてちょっと広げてみたら、次の分子に移る前に時間切れとなってしまいました。

せっかくなのでもうちょいこの結晶構造ネタを擦らせていただこうかと思います。

 

ちなみに、前回「はてなブログ編集中、頻繁にクラッシュする……はてな運営、4すべし」とか書いていたのですが、運営に質問したら速やかに返事が来まして、

「そういう報告は今のところございません。紺助様がお使いのコンピュータおよびブラウザが大分古いもののようで、既にアップデートの対応がされていないものとお見受けします。こちらとしても既にサポート外であるため、違う環境を使われることをオススメします」

…という大変丁寧な回答をいただけました。

実際、このブログはクッソぼろいPCで書いており、「既にサポート対象外です」と言われたら全くもって自分に責任があるため、これは単なる「おま環」(=お前の環境が悪い)だっただけであり、はてなは悪くなかった、ボロを使ってる自分が悪かったです…ってことだけ、きちんと明記しておこうと思います。

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