家庭で用意できる最も冷たい液体は…

前回の記事では、日本最北端に位置する凍らない湖こと支笏湖について触れていましたが、北海道の湖といえばもう1つ、美しく幻想的な霧で包まれやすいことでおなじみ、摩周湖とかはどうなんだろう、と思って調べてみた所、まさにそのものズバリの情報が見つかりました。

 

以下の道総研の記事によると……

 

www.hro.or.jp

摩周湖は、結氷するかしないかのちょうど境界線上ぐらいに位置するらしく、「不凍湖」とは呼べないものの、凍る場合でも、一年で最も冷え込む大寒を過ぎてようやく凍り始めるぐらいであり、近年は凍らない年も目立つ感じになってきたとのことで、「摩周湖が日本最北の不凍湖となる日が来るかもしれません」とありました。

 

そもそも摩周湖は北緯43.5872°、支笏湖は北緯42.7570°なので、緯度1°未満ならそんなに離れてないから違いがないのも当然…?と思えたものの、緯度1°は約110 kmの差ですから、0.83°の違いは約90 km違うということで、新宿-箱根間の距離と考えたら、やっぱり結構違うものですね。

 

温暖化の影響かどうかは分かりませんが、環境も時を経るごとに変わるものだということで、今後の摩周湖が凍るか凍らないかも、結構気になるポイントだといえましょう。

 

なお、そういった状況だからか、凍るにしても全面凍結は珍しく(約5年に1度ぐらいみたいですね)、しかも2018年には湖面に「100年に1度」といわれる不思議な模様が現れていたそうで、その神秘的な様子を見事に写真に収められているブログ記事が見つかりました。

 

camera-beginner.sakura.ne.jp

写真がメインの現行ブログのようですし、今回はリンク紹介に留め、無許可で画像は貼り付けないようにしようと思いますが、う~んこれは幻想的、流石はマシュー!


僕は、摩周湖へは夏に1回だけ行って見たことがありますけど、冬の摩周湖も、寒さにさえ目を瞑れば、訪れる価値は大いにありだといえそうですね!

 

なお、摩周湖は北海道川上郡弟子屈 (てしかが) 町に位置する、釧路に近い、北海道東部に位置する湖ですが…

 

ja.wikipedia.org

霧というよりむしろ、「透明度の高さ」で有名かもしれませんね!

 

↑のウィ記事にもある通り、20世紀の前半時点では世界でNo. 1、1950年代に謎の透明度低下でロシアのバイカル湖に抜かれてしまったようですけど、今でも世界No. 2の透明度を誇る湖ってことで、これは一見の価値がある素晴らしい観光名所だと思います。

 

…と、例によってネタ&時間不足により、謎の北海道推し記事が前回から続きましたが(笑)、他ネタでアイキャッチ画像を見繕おうと思っていたもののまたそこまで辿り着かない感じになりそうなので、凍っている状態ではないものの、美しき摩周湖の画像を以下の「弟子屈なび」の方からお借りして、(誰にも頼まれていない)旅行欲を高めるプレゼンテーションをすることで、次の話題に移行させていただきましょう。

 

www.masyuko.or.jp

https://www.masyuko.or.jp/より

 

Fuu~、くぉ~れは本当に美しいですね!

 

8月最終日である現在の気温は23℃(折りよく霧雨とのことでしたが)……避暑にも打ってつけですし、旅をしたくなった暁には、摩周湖ツアーなんてのも乙といえるのではないでしょうか。

 

…ってな所でまた完全に予定外の脱線ネタから始めてしまいましたが、前回は脱線ネタ後半として、「人体も凍りません」などということを書いていました。

 

それに関して、ちょうど北国ネタを書いていたついでに触れておくと、僕は割と色んな所で暮らした経験があるため、-20℃超という厳寒も経験したことがあるのですが、身体の内部は凍らなくても普通に身体と外気の境界……まぁそんな真冬に外を出歩く際は顔以外が露出することはありませんから、顔の一部になりますけど、普通に凍るっちゃ凍るんですよね。


具体的には、朝、まだ寝ぼけ眼で外に出る際…というかまぁ寝ぼけ眼に関わらず、めちゃくちゃ冷たい空気に晒されると自動的にうっすらと涙も出て来がちといえますけど(真冬、自転車とかで走ってると涙が浮かぶのはどなたもご経験があるかと思います)、-20℃を大きく下回ってくると、普通に、まばたきした瞬間、睫毛が凍ってしばしば目を開くのに抵抗を感じるぐらいです。

(目玉は流石に体温のおかげもあって凍らないものの、睫毛についた涙は、微量なこともあり、一瞬で凍結する形ですね。)

 

そしてもちろん、鼻の中も、大きく息を吸ったら、「あっ、シャーベットみを感じるぅ~」みたいな具合で、鼻の中・粘膜表皮…というより鼻水や鼻毛や鼻くそかもしれませんけど(笑)、「おほぉ~、凍ってるぅ~」ってのを体感できるのも、相当の低温にならないと体験できない、大変に面白い経験だと思います(笑)。

 

ちなみに、雪に降られても、服にかかった雪が融けることも決してないので、建物に入る前にパッパと振り払うだけで全く濡れないというのも、北国あるあるな感じですね。

 

そしてそれに関連して、前回は「液体窒素につけたら、人体も普通に凍りますが…」などと書いていたんですけど、今回はその辺の話に脱線してみようと思います。


まぁ液体窒素も、生命系の研究では大変よく使うもので、液チのタンクは僕の今いる研究室にも常備されていますが、こいつの温度は-196℃という極低温で、一般的に入手できる温度の中で最低温の物質といえましょう。


ちなみに、「指をつけたら凍傷に…」と書いていたものの、実際は液体窒素の場合、体温に触れると一瞬で蒸発して気体の窒素になって飛んでいくため、微量であれば身体に付けても全然平気とはいえる感じです。

 

もちろん危険なのであえて自らぶっ被るとかはしませんけど、液体窒素で急速冷凍したチューブとかは、僕なんかは割と、(素手ではなく流石に医療用のゴム手袋をつけてますけど、それは手の保護というよりむしろ、単に実験サンプルを手の脂などから守るためなんですが)使い捨てのゴム手袋一枚の手で、液チに浸けたチューブを普通にひょいっとすくって取り出す…なんてことも日常的にやっています(もちろん非推奨……実際は安全管理委員会とかに見られたら懲罰ものかもしれません(笑))。

 

生命系の研究では主に細胞の保存なんかに使う液体窒素ですが、他にも、大腸菌のコンピテントセルを作製する際、最後菌体をバッファーとDMSOに懸濁した後、液体窒素を満たした容器にチューブをポイッと投げ込むことで、まるでエビフライみたいに「ジュー」という音とともに、大腸菌を急速冷凍してコンピを完成させる感じなんかでもよく使われます。

 

(コンピテントセルは、以下の記事で触れたことがありました↓)

con-cats.hatenablog.com

…まぁ、これも広い意味では「細胞の保存」ですし、コンピなんて言われても何の想像もつかないと思うので面白いネタでもなかったかもですけど、他にも、例えばRNAなんかは一本鎖で壊れやすいこともあり、凍結の際は急速冷凍が推奨されるので、RNAとか、他にもタンパク質などといった高分子を凍らせる際にも、「構造を壊さず一瞬で凍結」という意図で使われるのが液体窒素ですね。

 

しかし、液体窒素を持っていない研究室や、たまたまタンクが空で切らしている場合なんかもあり、その際に代替手段として使われることがあるのが、「凝固点降下」というわけではないものの、一連の超キンキンに冷える氷塩水の話で触れようと思っていた、エタノールドライアイス

 

ドライアイスエタノールを満たすことで、液チには遠く及ばないものの、食塩ドバドバの氷水(-20℃程度まで下がるものでした)より遥かに低い温度が実現可能でして、調べてみたら-72℃程度まで下がる、かなり低温な液体を用意できるんですね。


改めて、これは別に凝固点降下でも何でもなく、ドライアイスがそもそも約-79℃の物質で、そこに融点-114℃のエタノールを加えたら、凍ることなくエタノールがそこまで冷えてくれる…というだけですけど、エタノールドライアイスも、それぞれ消毒用のものとして薬局とか、アイスを保存する用途でスーパーなんかで普通に入手可能ですし、家庭で作れる最低温度の液体は、恐らくこのエタノールドライアイスかな、なんて思います。

 

まぁ、その温度を作っても、流石にバナナで釘を打てるようには……いや、-80℃程度なら、多分バナナも十分な硬度になるかな…?

…って、そもそもバナナで釘を打って何が楽しいねん、ハンマーを使えよハンマーをよ…って話ですし(笑)、全く何の意味もないっちゃあないですけど、液体窒素は一般家庭であまり用意できませんし(あれ、でもCPUの速度を競う『87CLOCKERS』という『のだめ』の作者さんの漫画で、普通に液チを個人で用意している、なんて話もありましたし、買おうと思えば買えるんですかね…?)、ご家庭で気軽にかなりの低温を用意したい方は、エタドラがオススメでしょう、という話でした。

(改めて、何のオススメだよ、って話ですけどね(笑)。

 ここまでの低温だと、ビールも一瞬で凍ってしまいますし、冷却用途には全く向いていませんし(笑)。

 一応、「バナナ釘」と同じインパクトの、「バラの花びらを凍結させて、握ったら粉々になる」という実験、こちらは花びらの薄さを考えても、絶対に実行可能ですね。

…そんなことする意味、マジで何にもありませんけど(笑))

 

といったところで、摩周湖でスペースが埋まったおかげで、今回はこの辺で、次回ももう1つだけ、関連脱線ネタに触れてみようかな、と思っています。

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