ダイヤモンドはめっちゃ圧力をかければ人工的に産み出せます、圧を加えて炭素をガッチガチに固めるようなイメージで、ダテに世界一硬い物質ではないってことですね……ってな話をきっかけに、最近は圧力について見ている感じです。
やや難解なサイフォンの原理の話もそこそこに、前回は気圧というものについてサワリだけ、「あれは、上空にある空気の重さがのしかかってきとるものなんすよ」みたいなことに触れていました。
その証拠に、標高の高い場所ではそこより上にある空気が少なくなるから(空に天井はないわけですけど、大気圏は無限に続くわけではないので、空気の層には限り=てっぺんがあるわけですね)、重さが小さい=気圧が低くなる……なんてことを書いていましたが、これはまぁ、「いやそれは常識だべ。流石に言われんでも知ってる」って話だったかもしれません。
とはいえそんなことは普段改めて考えるような話でもなく、「言われてみれば結構不思議だ、どうなってるんだ?」と思える話の宝庫であるように思えるため、またグダグダこの辺の圧力話を書き連ね、何か面白いネタが出てきてくれることに期待させてもらうといたしましょう。
(マジで最近は中々ネタを考える時間もなく、そんな感じの、ノリと勢いだけで書いているような雰囲気でどうも恐縮です。
…まぁ、ネタを考えて書いた記事と、何も考えずヨダレ垂らしながら白目剥いて書いている記事とで別にそれほど違いはないかもしれませんが(笑)、書いてる本人としてはやっぱり、何とも片手間のやっつけ仕事的な感覚を自分でも覚えてしまうもので、せっかく記事としてアップするならもうちょっと腰を据えてじっくり書きたいなぁ…と思っている次第にございます。
なるべく1記事で1つぐらいは「面白かった、読んでよかった」と思えるポイントを残したい限りですが、まぁ「そういう裏話的な駄文も、読んでて面白いもんでもないし、わざわざ書くのはやめた方がいいですね」とかこないだ反省していたばかりでしたし、雑に文を繰り出していたらたまたまいいネタが出てくることに期待して、とっとと続けさせていただきましょう(笑))
もちろん気圧は標高によって大きく変わるわけですけど、高さによってどのぐらい変わるのでしょうか?
これは空気の重さを考えれば自動的に求まる話なわけですけれども、検索したら我らが学研キッズネットに、流石は子供向けの解説記事、めちゃくちゃ分かりやすい気圧の説明とともに、数字が紹介されていましたね!
10m高くなるごとに約1hPaずつ下がっていきます。
そう、10メートルごとに大体1ヘクトパスカルずつ下がっていくという感じで、これはどのぐらいの重さになるのかを逆算的に求めてみると…
1気圧=約1000 hPaは、子供サイズの手の平100 cm2に100 kgのおもりを乗せるのと同じ重さである…という話でしたから、1 hPaというのはその1/1000の力…
つまり、10メートル高い位置に移動するごとに、小さな手の平にかかる加重が大体100グラムずつ小さくなっていくぐらい、上空の空気の重さが減っていくってことなんですね。
(まぁその「手の平」の例えも、分かりやすいようで実は分かりにくかったかもしれず、「からだ全体」で考えた方が分かりやすかったかもしれませんね。
産総研が公開されているレポートによると、日本人の体表面積は、平均して男性16900 cm2、女性が15100 cm2だそうで、まぁ切りの良い数字にすべく女性の方で考えると、からだ全体は約15000 kg=15トンもの空気に圧縮されながら生きている、ってことになります。
改めて、それは一方向に、例えば巨大なプレス機に挟まれて15トンの力で潰されている…というわけでは決してなく、全方向に等しく力がかかって、その合計が15トンということですね。
…まぁそう考えても「いや15トンて…!」と驚きの力ですし(プレス機に挟まれた場合、問答無用でペチャンコになるのに、全方向から力が加わった場合、全然問題ない(仮にもう1気圧が加わったとしても)というのも不思議なものです)…
…実際その力に耐えられる人体の構造は中々スゴイものがありますけど、いずれにせよ、人体全体にかかる力を考えたら、1 hPa下がるごとに全身に加わる力が15 kgずつ弱まるということですから、10 mの違いで結構な空気の呪縛から逃れられる感じだといえましょう。)
先ほどの学研キッズの記事は本当にかなり詳しくて素晴らしい記事で、何度も書いている空気には重さがあることも触れられていましたし、他にも山登りの例など大変分かりやすい話が満載だったのですが、実際僕も触れようと思っていた、ポテチの袋の例なんかは大変面白くまた分かりやすい気圧の違いの例といえますねぇ~。
この「高い所へポテチを持っていくと、袋がパンッパンになる」という話、小学生の頃聞いたときはやっぱりイマイチ納得できなかった(というか理解できなかった)記憶があるんですけど、別に全く難しい話ではなく、結局ポテチの袋は空気を通さないというのがポイントで…
(当たり前ですが、紙袋の口をしっかり閉じて山へ持っていっても、何も変化しません。
紙袋は、普通に外気を通すので(まぁ構造的に口をしっかり閉じられない、ってのが大きそうですが)、空気分子の移動・交換が可能だからですね。)
…ポテチの袋の中には、普通の場所で程よく膨らむレベルの空気(まぁ大気と同じ空気ではなく、活性のない窒素ガスですが)が入れられており、平地=1気圧でぺしゃんこにはならないぐらいの量のガスが、「内側からポテチ袋を押している」という状況になっています。
もちろん外側からは、大気が、同じ1気圧でポテチ袋を外側から押しているわけですけれども、そのバランスが取れているのが普段スーパーで見るポテチ袋というわけです。
これを標高の高い山なんかに持っていくと、ポテチ袋の中の空気はそのまんまの力で袋を中から押しているのに、外の気圧が下がっていくので、差し引き内部の空気が産み出す圧力の方が大きくなり、パンパンに膨らむようになる……ってのが「山の上だとポテチがパンパンに破裂しそうになっててワロタ」の仕組みなんですね。
世界最高峰、エベレストは標高8848メートルですけど、この山頂付近での気圧は大体0.3 気圧ぐらいだそうで…
(先ほどの計算式だと、8800メートルで標準大気圧より880 hPaぐらい低くなる=120 hPa=0.12気圧ぐらいになるはずですけど、標高が上がるほど空気の密度も小さくなるので、10メートル上がっても1 hPaは下がらなくなっていく結果、トータルでそこまでは下がらないんですね)
…ここで、エベレスト山頂でポテチがどうなるかの写真があればよかったんですけど、まぁ決死の登頂にそんなポテチ袋を持っていく余裕もないのか、あるいはそれともそこまでの低気圧だと余裕で破裂するので持っていく意味がない(というか爆発後になるだけ)のか、エベレスト山頂でのポテチ袋の写真は検索しても残念ながらありませんでしたが、検索結果のRedditの方に、(エベレストではないと思いますが)「山へドライブしたときのマイポテチ袋、破裂しそうワロタ」という写真を投稿してくれる方がいたので(標高は不明ですが、かなりパンパンです!)、アイキャッチ画像用に、こちらをお借りさせていただきましょう。
もう限界間近ですね(笑)。
当然、さらに高い所へ持っていけば、普通に糊付けしてある部分が耐えられなくなっていずれ破裂してしまうだけですけど、普段目に見えないので意識することのない「空気の圧力」も、こうして見ると地味に結構強いんだってのが明らかだといえますね。
なお、これはあくまで外気圧との関係でこうなっているだけなので、また下山すれば普通に通常サイズに戻る感じになっています。
(小学生の頃は、「もうこのポテチは、中の空気…というか袋そのものがそういう形に変わってしまったってこと?」とか思えていた気もしますが、中にいる空気分子の数やら形やら自体は全く何も変わっていません。
山の上の外気圧と比較して、袋の中には大量の空気分子がいるので、内部の圧力が相対的に大きくなる結果として膨らんでいるだけ、ってことですね。
気体は液体よりも体積が自由に変わるからこその現象だといえましょう)
また、ポテチがこんなにパンパンになっているのに、人間は全然パンパンにならないのも不思議といえますが、これはなぜかというと、(まぁ前会も触れてましたけど)改めて、我々生物には恒常性を維持する仕組みが備わっているので、自分自身の内圧を周りに応じて変えられるからなんですね。
ただし、その仕組みも万能ではないので、急にめちゃくちゃ高い所へいったら誰でも高山病になりますし、非常に繊細な方はちょっとの気圧変化で激しい頭痛に見舞われたりするなど、圧力の変化は健康にも大いに関係がある話だといえましょう。
…と、今回もこの辺で時間切れで、まさかのポテチネタのみで終えるという、とんでもない記事になってしまいましたが(笑)、これを踏まえて次回はまた、もうちょい不思議に思えて、知らない人の方が多そうな圧力の不思議な話へと踏み込んでいこうと思います。