黒い種は健康…?ブラックシードオイルとは

食用の油を見ていくシリーズを続けていますが、前回の種子油は、加工され過ぎていて良くないし、加工食品にも使われがちなため注意…というややネガティブな取り上げ方になっていました。

 

しかし、そのシード・オイルに、「ブラック」がついたBlack Seed Oilなるものもまた別の記事で取り上げられており(↓)…

 

health.clevelandclinic.org

 

…タイトルを見る限り、こちらは結構ヘルシーめなものなのかな、と思えますが、どうなのでしょうか。

 

今回も早速health essentials記事の方に参りましょう。

 

ブラックシードオイルの効能: 本当なの?(Black Seed Oil Benefits: Are They Real?)

多くの強調された健康効果の主張を裏付けるには、遥かに多くの研究が必要です

 


ブラックシード(ブラッククミンと呼ばれることもあります)は、N. Sativa(和名:ニオイクロタネソウ)と呼ばれる古代の植物の果実から生るものです。この植物の薬用利用は数千年前に遡ります。イスラム教やキリスト教の宗教書にも記載されているほどです。

今日、この種子から抽出されるブラックシードオイルは、ニキビ、関節炎、糖尿病といった、様々な健康状態の治療薬として宣伝され続けています。

しかし、こうした主張には注意が必要です。科学的な研究は、こういった効能の多くをサポートしていません―そして特定の人々は、完全にブラックシードオイルを避けるべきだと言えます。

予防医学の専門家であるロバート・サパーMD/MPH(医師/公衆衛生学修士)に詳しくお話を伺ってみましょう。

 

ブラックシードオイルの潜在的効能

ブラックシードオイルが特定の症状に対する万能薬であると思い込んではいけません、とサパー医師がおっしゃっています。

「特定の症状にブラックシードオイルを使用することを支持する強力かつ厳密な証拠は存在しません」とサパー医師が話しています。「しかし、ブラックシードオイルが多くの症状に役立つ可能性を示す小規模な研究はあります。更なる研究が必要ですね。」

サパー医師は、ブラックシードオイルに対して、「ある症状に対して、従来の医学の代わりに使用されるべきものでは決してありません」と強調しています。せいぜい、「従来の治療の補助的なもの」として使える可能性がある程度のものだとサパー医師が語っている通りです。言い換えれば、薬と一緒に使うべきということになります。

ブラックシードオイルが有益である可能性があるのは、以下のような場合です。

 

ニキビやその他の肌トラブル

ブラックシードオイル配合のクリーム、ジェル、およびローションは、ニキビを減らし、いつも最悪のタイミングで現れる厄介な出来物を抑えるのに役立つ可能性はあるかもしれません。

研究によれば、ブラックシードオイルには抗菌作用と抗炎症作用があり、ニキビを抑えるのに役立つ可能性はあります、とサパー医師が付記しています。ある研究では、ブラックシードオイル入りのジェルを1日2回、60日間使用したところ、ニキビの重症度が78%減少したと示されたとのことです。

また、ブラックシードオイルは、以下のような肌トラブルにも効果を有す可能性があるとの研究結果も複数示されています:

  • 白斑、または色素脱失
  • 湿疹
  • 創傷治癒
  • 乾癬

しかし、どれもさらなる研究が必要です。

 

季節性アレルギー症状の軽減

アレルギー性鼻炎(より一般的には花粉症として知られるもの)に伴う鼻水やくしゃみを経験している方は、世界中に推定4億人もいらっしゃいます。花粉、カビ、動物のフケ、およびその他のアレルゲンを吸い込んでしまったことによる被害です。

ブラックシードオイルは、これに対する緩和の希望を与えてくれるかもしれません、とサパー医師がおっしゃっています。

実際、2014年に発表された小規模な研究では、ブラックシードオイルの外用塗布により、92%の花粉症の方のアレルギー症状が軽減されたとのことです。また、ブラックシードオイルのカプセルを摂取することでも良い結果が得られています。

 

関節炎の緩和

ブラックシードオイルの炎症を抑える潜在的な能力は、関節リウマチ(RA)による関節痛に対処している場合に役立つかもしれません。

研究者は、ブラックシードオイルはRA患者の追加療法として有益な可能性があると結論付けました。しかし、この研究の結論は、42人の関節炎患者を対象とした非常に小規模な研究によるものです。

この抗炎症作用は、ブラックシードオイルに含まれるチモキノンという化合物に関係したものです。しかし、既存の研究のレビューでは、チモキノンの医学的治療としての有効性を探るためには更なる研究が必要であると指摘されています。

関節リウマチの深刻な関節破壊力を考えると、従来の手法が常に治療の主役であるべきです、とサパー医師が強調しています。

 

呼吸の改善

抗炎症というテーマに沿うと、ブラックシードオイルは以下の補完的な治療法としても有望視されています:

  • 喘息。2019年の研究では、ブラックシードオイル500ミリグラムを1日2回、4週間摂取した少人数グループの喘息コントロールテスト(ACT)のスコアが改善したことが示されました。ACTは喘息の息切れやその他の影響を評価するものです。
  • 慢性閉塞性肺疾患COPD)。100%純粋な低温圧搾ブラックシードオイル1グラムのカプセルを1日2回、3ヶ月間摂取した少人数の患者グループの肺機能が改善したことが、研究により見出されました。

喘息の深刻な性質と、未治療の喘息が入院や死にさえつながる可能性があることを考えると、従来のコントローラー療法(吸入コルチコステロイドやモンテルカストなど)が、必ず喘息治療の要であるべきです、とサパー医師が強調しています。

 

糖尿病の管理

ブラックシードオイルは、モロッコやヨルダンを含む世界各地で、血糖値を下げ、糖尿病を治療するために長い間使用されてきました。科学的研究は、このアプローチに一定の効果がある可能性を示唆しています。

2019年に発表された研究のレビューでは、ブラックシードオイルは糖尿病をコントロールするために伝統的な薬と一緒に使用できる可能性が示唆されています。しかしここでも、その抗糖尿病効果については更なる研究が必要だと、研究者によって指摘されています。

糖尿病のような重篤な疾患には、食生活の改善、運動、および様々な処方薬の有効性に関する優れた科学的データがあるため、これらを第一選択治療としなければなりません、とサパー医師が付け加えています。 

 

ガンと闘う

更なる研究の必要性を指摘しつつも、これまで発表された研究をレビューした結果、複数の研究者がブラックシードオイルを「安全で有望な抗ガン剤」と呼んでいます。2011年の論文では、12種類のガンに対するこの薬草の潜在的有効性が調査されました。

サパー医師は、いくつかの成功した抗ガン剤のルーツは自然界にあることがあります、と付記しています。例えば、パクリタキセル(多くの場合、タキソール®という商品名で販売されています)は、イチイの木に由来するものです。

しかし、この2011年の論文は、ガンの診断に直面したときに、天然化合物の治療法のみを使用するように人々を導くものでは決してありません。

 

ブラックシードオイルを飲むべきではない人

ブラックシードオイルのような「漢方薬」は、穏やかで体に良さそうに聞こえるかもしれませんが、だからといって常に安全に飲めるわけではありません。ブラックシードオイルは特定の人々にリスクをもたらす可能性があります。

サパー医師が、以下のような場合にはブラックシードオイルの摂取を控えるよう勧めています:

  • どんなタイプであれ、血液希釈剤を服用している場合、ブラックシードオイルは抗凝固剤としても働くため、出血やあざを増やす可能性があります。
  • 妊娠中の方。
  • ブラックシードオイルは血液をサラサラにし、術後の血小板減少につながる可能性があるため、手術を控えている方。

 

ブラックシードオイル使用によるその他の潜在的リスク

また、ブラックシードオイルの使用により、以下のような症例も報告されています:

  • ブラックシードオイルを摂取または外用塗布した後、一部の方に見られた発疹やアレルギー反応。
  • 糖尿病の方がブラックシードオイルを摂取した後、腎不全に。
  • 月経不順(生理不順)。
  • 胃腸の不快感や吐き気。

以下も覚えておいてください: 栄養補助食品に対する政府の監視は、処方箋薬や市販薬ほど厳しくありません。そのため、ご自身が摂取しているサプリメントの品質や濃度を正確に把握することが難しいのです。

漢方薬には薬と同じような薬理作用があります」とサパー医師が明言しています。「ただし異なる点は、副作用が起こる原因が非常に多岐にわたるということが挙げられます。」

ですから、ブラックシードオイルをサプリメントとして摂取しようと考えているのでしたら、まず医師に相談することが大切です。こういったサプリメントの副作用はあまり文書化されておらず、人によって違って見えることもあり得ます。

 

結言

ブラックシードオイルに関する既存の研究は存在しますが、様々な健康上の懸念の治療にサプリメントをどのように使用すべきか(あるいはそもそも使用するかどうか)を解明するには、より多くの研究と厳密な臨床試験が必要です。

ある程度慎重ながらも前向きな見方をする根拠はあるのでしょうか?もちろんです…しかし、サパー医師は、ブラックシードオイルは処方された薬の代用品ではないし、多くの健康宣伝文句は、現在の研究状況からすると「不釣り合いなほど肯定的」であると強調しています。

 

前回は種子全般の話でしたが、今回の「黒種子」というのは、ブラック・クミンという特定のタネのものだったという感じですね。


色々効能が謳われてはいましたが、世界最高峰の呼び声高い格式あるクリーブランド・クリニック的には、眉唾とまでは言わねども、「まだまだ検証が必要」と慎重な姿勢を取っている感じでした。

 

まぁそもそも買おうと思ってもどこで売ってるのかすら分からないレベルですし、手に取ることもない気もしますけど、もし難病の治療法を探る時に目にすることがあっても、過度の信頼は禁物かもしれない…と心がけておくことが大事そうですね。

 

では、油ネタはまだいくつかあるので、次回以降も順に見ていこうと思います。

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