真のご先祖様は……ナメクジウオだった!

動物界の全ての種をグループ分けした「門」を見ていくシリーズ、ついに(進化学的に原始的なものから並べた場合)ラストである、脊索動物門にまで到達しており、前回は脊索動物門所属のマイナーグループといえる「ホヤ」について触れていました。

 

言うまでもなく、脊索動物門の最大グループは「脊椎動物」であり、この辺本当にややこしいですが、ホヤは脊索動物ではあるけれど脊椎動物ではないので、そういえばじゃあこいつは何動物なんだと思ったら、グループ名としては「尾索動物」のようで…

 

ja.wikipedia.org

 

(ちなみに脊索動物門の下位グループということで、これは「尾索動物亜門」と、「亜門」レベルですね。)

 

…この辺の話を見ていると、何気にホヤ以外にも更にマイナーな、「ナメクジウオ」と一般的に呼ばれる「頭索動物亜門」というものもあったようで…

 

ja.wikipedia.org

 

…こちらはホヤよりももっと原始的、しかしこないだ見ていた半索動物のギボシムシよりは、こちらは同じ「脊索門」ということもあり、まさにウィ記事の概要にもある通り、これこそが我々脊椎動物の直接的な祖先、「生きる化石」などとも呼ばれる、「偉大な脊椎動物は、ここから始まった!」といえる重要な原始生物だということですね。

 

とはいえまぁ、ホヤですら「食べられます」という以上の話は特になかったですし、ナメクジウオさんも特に語るべき話は何もない……と思ったのですが、意外と色々興味深いことが掲載されており、記事内で紹介されていた内部構造を描いたイラストなんかが次の話に移るのにピッタリだったので、せっかくなのでこちらをお借りさせていただきましょう…

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/頭索動物より

まぁ個体レベルの写真は、上記ウィ記事リンクカードのサムネイルにあったような、遠目だとメダカなんかにも見えなくはない、普通に小魚みたいなやつなんですけど、中身も実際そこまで原始生物とは思えない結構複雑な構造ではあるようで、それもあってむしろ、前回見ていたホヤとかいう、皮余りのチューブみたいなはしたねぇやつなんかよりよっぽど高級な動物にも思えますね…!

 

(とはいえ体長は5センチほどで、寿司ネタにもなる存在感抜群のホヤさんよりは断然小型ですね、進化的にかなり原始なものに位置するので当然とはいえますが)

 

言うまでもなく、何よりの特徴が、グループ名にもなっている通り、ズバリ脊索(せきさく)を持つこと!

 

…と、ここで、これまで何度もしれっと話に出している「脊索とは何なのか…?」ですが……何なんでしょうね?(笑)

 

高校生物ではほぼ出てこなかったですし、僕もこの辺はしっかり学んだ記憶がないので何をもって脊索なのか、脊椎との違いは何なのか…みたいな定義のようなものはあやふやなのですが、早速ウィッキー先生の力を借りてみますと…

 

ja.wikipedia.org

 

脊索(せきさく)は全ての脊索動物で見られる柔軟な棒状体である。これは中胚葉由来の細胞から構成され、胚の初期の軸を規定する。

かつて原索動物と言われた群では成体までこれを維持する例がある。

下等な脊椎動物では一生にわたって体の主軸を支えるが、高等な脊椎動物では脊椎と置き替わる。

 

…う~んなるほど、脊椎は、まぁ中学理科でもおなじみですし説明不要でしょう、ズバリ背骨のことなんですけど、脊索というのは、背骨と同じような役割の器官ではあるけれど、柔らかいものになっているというのが特徴のようで、ズバリ、「やわらか背骨」!

 

なるほどこれは分かりやすいですね、実際、ナメクジウオにごつごつした背骨があるなんて到底思えませんし(まぁそんなこと言ったら、メダカみたいな小さい魚にも背骨なんてある気がしませんけど、焼き魚を食べるときに明らかなように、魚は脊椎動物なので、立派な背骨をお持ちではありますしね)、イメージも湧きやすい定義だといえましょう。

 

そして、何気に「高等な動物でも発生の初期は脊索が生じる」とのことで、最終的には脊椎と置き換わるらしいものの、そういえば発生学でそんな話を聞いたことがあった気もしてきました。

いずれにせよ、下等な動物では脊索は大人になってもそのまんまで、一方高等な動物だとそれが背骨に進化するということですから、まさに進化学的にこれらは少しずつ変わってきたものなんだなぁ、ということが窺える話になっている感じですね。

 

先ほどの内部構造の断面イラストにあった通り、背骨の仲間ですから当然、背側(まぁこの子には目や鼻といった感覚器官がないようなので、どっちが上か下かもよぉ分からん感じですけどね(笑))を頭からつま先(これも、魚タイプなので足があるわけじゃありませんが(笑))まで一本通ったもので、脳室に沿って存在していることから、神経と切っても切れない縁のあるものだといえましょう。

(ただし、脳は外胚葉由来の組織ですけど、脊索は先ほど引用したウィ記事の記述にもあった通り中胚葉由来なので、完全につながったものではないですけどね。

 具体的には、「発生時に、神経系を誘導する」というのが主な役割のようです。)

 

ちなみにこの断面図は、左端にある部分が頭で、「頭が浮いてるの…?」とか一瞬思える気もしちゃいますが(何かドクロヘッドにも見えますしね)、これはそうではなく、頭から尾ひれにかけてスパッと切断した断面図が右側で、左にあるのは胴体を真っ二つにした断面図(いわば魚の輪切り、鮭の切り身みたいな(笑))を横に並べて表示してくれているだけ、って感じですね。

(なのでまぁ、ある意味首ちょんぱに近いともいえるかもしれませんが(笑))

 

そんなわけで、脊索動物という門は、原始的な、生涯ずっと脊索を持つナメクジウオや、ホヤや、あとは極めて高等な脊椎動物を含む一大グループだったと、そういう話なわけでした。

 

ja.wikipedia.org

 

と、ここから脊椎動物に入っていこうと思いましたが、またまた完全に時間切れとなったので、今回は我々の真のご先祖=初めて脊索というものを作り出し、その後の脳神経系の発達に多大なる貢献をしてくれたナメクジウオについて軽く見ただけで〆とさせていただきましょう。

 

ナメクジなんてクソザコの代名詞ですけど(笑)、ウオがつくだけで偉大な存在になるというのも、結構驚きでした(まぁ、別に軟体動物のナメクジも、ネットミームで使われているだけで、言う程ザコではありませんが(笑))。

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