続々・ナウいスラングを知っておこう:エクストラ・フィット!他

ここ最近見始めさせてもろうてます親世代のための55スラング講座、まぁ若者言葉、それも英語のそれを知った所でどうなるの…って話ではあるのですが、ま、知識というか教養というのはそんなもんでしょう……と開き直って続きを見ていこうと思います。

本シリーズではvery well familyの記事(↓)を参考にさせていただいております。

www.verywellfamily.com

前回は、最初の「General(一般)」セクションのリストの半分を見終えていた……と思いきや、一部は掲載しただけで細かく見ていませんでした。

ということで、その、前回既に引用だけはしていたけれど触れそびれていた、残り6語(5語かと思っていたら、6語ありましたね)から参りましょう。

 

  • Extra - Over-the-top(限界を超えた・大げさな)、 extreme(極端な・過激な・極限の)

  • Fit - outfit(単純な意味としては「服装」)の短縮形(※実際の使い方としては、日本語でいう「お洒落・シャレオツ」に近い感じ)

  • Go Off - 大抵の場合、誰かが何かについて喚き散らしているときに、その続きを促すために言うフレーズ(「but go off, I guess(ま、続けてもらってもいいんじゃない?)」のように、皮肉ることも可能)

  • Hits Different - 「hits different」なものは、普通よりずっといい、ということ

  • IYKYK - 「if you know, you know」(知ってる人は知ってることだけどね)の意味

  • Low-Key - 何かを小馬鹿にしたいという感情や願望に加えられる表現(つまり、「I'm low-key freaking out(地味にビビッてるんだけど)」のように)

 

残ったものの内、ExtraFitGo Off、さらにいえばHits Differentなんかも、正直、英語を母語としない人間としては、ぶっちゃけ「辞書の定義に、元々そういう意味もあります」といわれても何も違和感を覚えない、単なる普通の意味…というかイディオムの一種みたいなものにも思えてしまうのが本音かもしれません。

しかしこれらはあくまでスラングなので、(少なくとも伝統的な)辞書では認められていない、若者を中心とした新しい使われ方といえる用法であり、(英語圏の)文法語法警察のみならず、それなりに教養ある大人の目からしたら「そんな崩れた言葉の使い方、認められん!」と憤りを覚える方も多いのではないか…と思われる形だといえましょう。


一応順番に見ていくと、Extraは、正直服とかのサイズの「XL(エクストラ・ラージ)」なんかでもおなじみですし、「限界を超えた」「極限の」みたいなニュアンスは(ちょうど今↑で書いていたように)別に全然あり得そうな意味にも思えるんですけど、まぁわざわざここで挙げられていることからも明らかな通り、この使い方はイマドキのスラングっぽい用法といえるようです。


正直いまいちピンとこなかったので、より詳しい説明&毎回若者っぽいメッセージチャットでの分かりやすい利用例も示してくれている、Slang.net先生にも教えを乞うてみようと思います。

 

https://slang.net/meaning/extraより

やはりこちらも全く同じ「Over the top」という説明になっていましたが、最初の文にある「ほとんどの場合、苛立ちを込めて」という但し書きは大変分かりやすいですね!

結局これは、「やり過ぎ・めちゃくちゃ過ぎて我慢の限界超え、もう相手しとれんわ」と思えるような人に対して使う表現だということで、これは完全にネガティブな意味合いの単語だったようです。


チャット例文も非常に分かりやすいものでした(↓)。

You going to Tiffany's house later?
ティファニーんち、この後行ったりする系?)

 

No, I can't handle her, everything about her is extra and I don't need that in my life right now.
(うんにゃ、あの子はマジ扱いきれないし、やることなすこと全てがextra(=大げさ・めちゃくちゃ・限度を超えてる・やり過ぎ)だから、今のアタシの人生に必要ねーわ)


基本的に「あんまり仲良くしたくない性質」なのが、extraな人だといえましょう。

まさにSlang.netの説明文の終わりにもあった通り、誰かに「お前はextraだ」と言われてしまったら、「おめぇ、何かもう振り切れすぎてて、ついてけねーよ」と言われているということで、ちょっと落ち着いてみた方がよいでしょう、という感じのようですね。

(間違っても、「エクストラ・バージンオイル」みたいな感じで、「スゴイ」「超特別な存在」みたく、「褒めてられいる」と勘違いしないように注意したい限りです(笑)。)

 

続いてのFitも、例えば「今日の服、フィットしてんねぇ~」とか言われたら日本語でも普通に「似合ってる・オシャレ」って意味に受け取れそうなもんですし、(クドイですが)そないスラング・新語的にも思えないわけですけど、こちらも実際どう使われ得るのか、Slang.netの力をお借りしてみようと思います。

 


ポジティブな表現なだけあって、(少なくとも先ほどのExtraよりは)「イイネ👍」の数が大変多いですが、これまた説明が分かりやすく、この語は基本的に、ちょうど前回出ていた「fire」という単語とセットで使われて、「激マブ」(ってこの表現自体が古いにも程がありますけど(笑)、まぁfireは「眩しい」という感がありますし、割と似ているニュアンスに思います)みたいな意味合いになるようですね。


例文として挙げられていたのは、

Wow gurl that is a fire fit!

(ワーオ、超絶オシャレな子だね!)

という感じでしたが、この「gurl」もある意味新語というか、単に「girl」の別スペルですけど、もう1つの素晴らしいスラング先生であるアバディク(↓)の解説にある通り……

www.urbandictionary.com

「dude(ツレ・ダチ)」の女性版ということで、まぁ女の子が女の子を呼ぶときに使われることが多いのかな、って印象です。


個人的には、こちらへ来たときにかなり流行っていた「California Gurls」という超有名な曲が一番に思い浮かぶ単語(というかスペル)ですけど、Katyさんの曲は個人的にもっといいのが大量にあるように思えるので、ここではこの曲はあえて取り上げず、また音楽について語るネタになった時に改めて触れてみようかなと思います。

(しかし、未だに新しい曲のイメージがあるこれも、もう13年も前の曲ですか……。時間が経つのは早いものです。)


いずれにせよ、Fitは、ピッタリピチピチフィットしてる服装というわけではなく、fire fitで「ファイア級にシャレオツ」という極上の褒め言葉だという感じのようですね。

(あぁ、fireにいい訳語がないか悩みましたが、「ファイア級」とかいう何だよそれ(笑)と思えるのより、「熱盛」ってのが、新語感覚的にもピタリな感じでしょうか。)

dic.nicovideo.jp


そして続くGo Offも、基本的にgoを使ったイディオムなんて無限にあって自分が把握できていないものの方が多いぐらいですから、(さっきから同じこと言ってますけど)ここで「こういう意味があります」といわれても別に全く違和感はないというか、「あ、そーなんすか、不勉強で知りませんっしたわ」としか思えないわけですけど、まぁその辺の話はいい加減しつこいのでともかくとして、その意味については……

こちらは元記事の説明も十分で分かりやすかったものの、一応調べてみたら、微妙に違うニュアンスに思える感じになっていました。

 

https://slang.net/meaning/go_offより

(割と説明が長く、しかもチャット形式の例文にはこの後登場する別のスラングが使われていたため、例文に触れるのはまたそのとき覚えていたら…という形にするとして、ここでは省略して初っ端だけのスクショに留めておきました。)


Slang.netの定義としては「Angrily complain(怒りをはらんだ不平不満をぶちまける)」または「Freak out(パニクる)」ということで、元記事の「喚き散らしている人に対して、『どーぞ続けて』と言う際に使う」というニュアンスとは微妙~に違う気がするものの、まぁスラングの定義なんて決まりきったものはないですし、使われるシチュエーションとしては概ね同じ、「怒りに発狂している人に向けて」という感じの言葉のようですね。


スクショでは省略しましたが、Slang.netの続きの説明によると、このフレーズの由来は「爆弾が爆発して近くの物を『go off』して消し去ることから転じて…」という感じのようですが、まぁ日本語で似たような造語を作るなら、怒りに発狂している人を「ボムッた」とでも表現するようなものでしょうか。

まぁ、触らぬ神に祟りなしということで、怒っている人に対して、使い慣れない表現を投げていいことなど絶対にありませんから、自分では利用を避けたい表現といえそうです。

 

そしてもう一つのイディオム的なフレーズはHits Differentになりますけど、まぁこれも正直、「いや別に何の捻りもない、そのまんまの意味な気もするけど…?」と思える、「他とは違うヒット」的な意味合いのようですね。


こちらもSlang.netの説明を垣間見させていただくと……

 

https://slang.net/meaning/hits_differentより


まぁ、元記事の説明にあった「他よりいい」というのとはこれも若干違う気がする、「別の形で影響を受ける」みたいなニュアンスのようで、こっちの方が素直に意味を受け取りやすい気もします。


例文は、

This song just hits different since mom died.

(ママが亡くなってから、この曲の印象が変わったんだ。)

という感じで、まぁ「他よりもいい」というニュアンスもあるっちゃあるものの、基本的にはほぼ直訳通り、「異なる感覚(基本的にはポジティブな方に)で打たれる」という感じのようですね。

(スクショからは省略したものの、この例文の下には、ピンクの車の写真とともに、

The pink just hits different

(このピンクは、また格別の良さがあるね)

というツイートも紹介されていましたけど、この使い方だと、元記事のニュアンスに大分近い気もするといえるでしょうか。)


とはいえやっぱり非ネイティブ的には至って普通の表現(全くこのスラングを知らなくても、普通に意味を取れそう)に思えますが、英語話者の目からしたら新鮮な表現なのかもしれませんね。

 

…といった所で、当初予定していた「General」セクション後半に行くどころか、前回触れそびれた6語全部すら見終える前にタイムアップとなってしまいました。


グダグダ牛歩ペースで恐縮ですが、残る2語も、挙げられていた説明だけではちょっとニュアンスが掴み辛い気もしたので、Slang.netの力を借りつつ順に見ていこうかなと思います。

次回はその2語を見て、(このペースだと後半全部は難しいかもしれないものの)一般的なスラングの後半に入っていく予定です。

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