意外と面白い発見もあって楽しめる、very well familyによるティーンスラングまとめ記事(↓)、早速続きに参りましょう。
まずは、既に2回も引用表示しておきながら詳細に触れそびれていた、「General(一般的な)」スラングの前半残り2語からですね。
- IYKYK - 「if you know, you know」(知ってる人は知ってることだけどね)の意味
- Low-Key - 何かを小馬鹿にしたいという感情や願望に加えられる表現(つまり、「I'm low-key freaking out(地味にビビッてるんだけど)」のように)
まずは1つ目のIYKYK、これはもちろん知らないと中々想像もつかないフレーズですけど、何を意味するのかの元フレーズを言われてみても、正直「何やねん」と思えるものかもしれません。
「If you know, you know.(もしあなたが知っているなら、あなたは知っている)」という、あまりにも当たり前すぎる話から、僕はパッと見でなんとなく、(ネットミームの一種である)百円ショップの店員による「そこに無ければ無いですね」(↓) や…
あるいはもっと最近で言えば進次郎構文(↓)とか…
あとは、ある種「知ってる人なら当然知ってるよね」という、一度ずっと前の記事で使ったことがあったネタ(と思いきや、検索してチェックしてみたら、リンクを貼っただけでネタの中身にまでは触れていなかったようですが)である「みんな知ってるね」みたいなネタ(↓)かと思ったのですが……
dic.pixiv.net
(ちなみにこれだけ一応リンクを貼るだけでなく簡単に説明しておくと、(ちょうどリンクカード(↑)の説明文に表示されている通り)片倉ドラえもん百科の一コマに、『ドラえもんのガールフレンド みんな知ってるね』という、さも常識のように、誰一人知らない謎のドラミちゃんもどきみたいなヤツ(スネ夫とドラが融合したみたいなキモフォルム)が紹介されるシーンがあったのですが、恐らく全国のキッズが全員「知らんがな!」と突っ込んだであろう、何だか笑えるネタですね(笑)。
転じて、どう考えても誰も知らないものに対して「○○。みんな知ってるね」と書くことで総ツッコミ待ち状態に入るという、高度なギャグセンスによるウィットに富んだ、非常に使えるネットネタの一つといえましょう(ホントかよ(笑)))
…がしかし、どうやらこのIYKYKはそんな面白ネタ的なニュアンスではなく、主にSNSのハッシュタグで使われて、「知ってる人は知ってるよね!」「分かる人には分かる、あの話!」というニュアンスが含まれる略語スラングのようです。
今回も、実際の使用例をSlang.netから拝借させていただきましょう。
Wait, did Monica and Chase break up?
(待って、モニカとチェイスって別れたの?)
Yep, last nite. #IYKYK(そだよ、ゆーべね。#IYKYK(#知る人ぞ知るネタ))
今回の例文は、正直アーバン・ディクショナリーで出されていた例文(リンク↓)の方がもうちょい雰囲気が分かりやすいような気がしたので、そちらも紹介しておこうと思います。
Last nights party was crazy #iykyk
(昨晩のパーティーはめちゃんこヤバかったね #iykyk(#行った人だけが知ってるあのヤバさ!))
まぁ例文の使われる場面としてはアバディクの方が「なるほどね」と思える感じだったものの、用法自体はSlang.netの解説文が完全に説明してくれており、まさに説明文の後半にもあった通り、自分のした体験や身内ネタを、「こんなに凄かった、まさか知らない人はいないよね?」といういわば内輪盛り上がりネタの極致みたいな使われ方が主で、何といいますか、排他的な感じ・知ってる自分は特権階級とでもいわんばかりの、いかにも若い子らのSNSで使われそうなマウント成分を含むしょうもないフレーズのようです。
(Slang.netの投票も、イイネ👍とイクナイネ👎の数が完全に拮抗している辺り、イラつく表現であると感じている子も多そうだといえましょう。)
ま、正直IYKYKという文字の並びの通り、若干空気の読めないフレーズなのかなという気もするものの、そのKYという日本語の新語流行語も、個人的には「うーん、何かイマイチ面白みに欠ける表現だな…」と思えたといいますか、古の時代からインターネッツに居座っているネット長老的な立場としては、そもそもKYというのはサンゴ礁のうんぬんだったのが、いきなり「空気が読めない」に変わったような…という印象もあったものの……(まさにニコ百科にまとめられていましたが(↓))
…まぁKY自体もいつの間にか完全に廃れた略語になった気もしますし、IYKYKも、何かあんまり面白いと思えない表現(言い方は悪いですが、何か面白くない人が好んで使いそう、とでも言いますか…)なので、(まぁアメリカ文化のことなんざ知りませんが)個人的には早晩廃れていくフレーズなんじゃないかな、って気がします。
とはいえ、少なくとも今現在はティーンキッズたちに大人気の、知らない子にマウントを取るときに使われがちなスラングって感じですね。
続いては既に取り上げていた一般スラング前半のラスト、Low-Keyになりますが、こちらは元記事の説明も結構分かりやすい感じで、「あくまで微妙に…だけどね」と、あえて対象を過小評価することで虚勢を張る……みたいな使い方のようですけれども、しかし今回もまた、Slang.netの方には少しだけ違う感じの説明がなされていました。
こちらでは、Low-keyというのは「控えめな(modest/ unassuming)」という定義になっているようで、特に「小馬鹿にしている」というニュアンスは説明文や例文からは感じられず、単純に「こっそり」みたいな、おとなしめなニュアンス(特に恋愛関係・片想いの様子を描写する目的で)を表すもののようです。
I can't believe they are dating!
(二人が付き合ってるなんて信じられない!)IKR? Evidently he's had a low-key crush on her for, like, 2 years.(めっちゃ分かる!どう見てもアイツ、2年ぐらいあの子に、ずっと a low-key crush(地味な片想い)し続けてたもんね)
なお、返答にあった「IKR?」というのも何のこっちゃと思いきや、関連ワードとしてすぐ下にリンクが貼られていましたけど、こちらは「I know, right?」のことだそうで、これは「知ってる」と「でしょ?」の組み合わせになりますから、「だよねぇ~、めっちゃ分かるよ!」「まさに同意!」を意味するこれまた若者スラング(略語)の一種ですね。
まぁいずれにせよ、特にSlang.netの方は使われる場面も限定されていそうですし、あんまり出番はないのかな、って気がします。
(その意味では、あえて対象を「大したことないよ」と下げる=「地味に怖い」とか「ほんのちょびっつだけお腹痛いかも…」とかみたいに、虚栄を張るニュアンスでの用法の方が汎用性は高いですし、そちらの方がよく見かける&使いやすい可能性もありますね。)
2語だけで結構な分量になってしまいましたが、前回予告で「後半戦にも参りましょう」とか言っていたので、せめて後半の1語ぐらいには触れておこうと思います。
アルファベット順なので、今回のこれの次が最初に触れていたOMGとONGになりますし、区切り的にも完全な後半戦はまた次回からとするのでちょうど良さそうですね。
Mood - 合意を表明する言葉
…と思ったら、イマイチ面白みに欠けるしょっぱい語でした。
例文がないと正直どう使われるのかがよぉ分からないものの、「今日8時からのパーティー、あなたのモトカレの○○を呼ぶ予定なんだけど、いい?」「Mood.」とかみたいに答えるんですかね…?
例文のあるSlang.netの力を借りようと思いましたが、例によって今回も全然違う用法が説明されていたので、少なくともこの使い方での用法・例文はイマイチ分かりかねる感じです(まぁ、「合意を表す」は単純明快すぎるので、それ以外の何物でもないとは思いますが)。
一応Slang.netの方を見ておくと…
こちらのmoodの定義は「今感じていること」という、カタカナの「ムード」まんまやんけ!と思える、ぶっちゃけ「知ってた」という感じでした(笑)。
正直そんな使い方はスラングでも何でもない気がしますし、スラング辞書の名が廃りますね(散々お世話になってて酷い言い様ですが(笑))。
とりあえず、例文にあった「Mood: Dead(気分:死亡)」とか、その下のツイート例=「今のムード」としてそれっぽい写真を貼るのはSNSでめっちゃありそうな感じですけど、より「若者スラング」としての「mood」は、「合意」と言いたい場面で一言「mood」と返す使い方がありそうだ、という感じだといえましょう。
…といった所で、moodは瞬殺だったのでもうちょい触れられそうでしたが、まぁ何気に記事の軽量化も心がけていきたい所ですし、続きはまた次回とさせていただこうと思います。
このmoodみたいにあんまり大したことない語は、もっとあっさり終わらせても良さそうですね。
似たような話ばかりで段々ワンパターン・マンネリ化してしまいそうなので、サクサク進めていきたい限りです。