色々な「ポスト」!

それでは前回途中状態で終わっていたご質問の続きに参りましょう。


とはいっても特に内容につながりはないので、続きといっても新しいネタになる形ですね。

 

アルファベット2〜3文字だと、別の言葉で同じ略語になったりしそうですけど、、

例えば、PSとか…?

流石にplay stationはないでしょうけど笑、恐らく一番普通なのはpost script、、って、postscriptは一語??ということは、単語のイニシャルのアルファベットを並べてるわけではないんですよね?

他にも、private secretaryとか、public schoolとか、まぁもちろん自分は略して言ったことなんてないですし、軽く調べたら出てきただけですけどね笑

 

⇒こちらまず「同じ略語でも、別の言葉になることもままあり」という点については、その後、一連の略語シリーズの別の記事でも確かどこかで触れていた話でしたが、もちろん26文字の組み合わせでしかない英略語なんて、被りのオンパレードといえる感じですね。

例として挙げていただいたPSなんかは、まさにややこしいもの筆頭といえましょう。

もちろん日本人的には「プレステ」が一番に思い浮かびますけど、実はプレステも一語(PlayStation)であり、世界展開している有名ブランドですから何気に英語でも使われる略語なため、意外と「まさかそんなわけは」ってことも全くなく、プレステの略である可能性も大いにある感じですね。


とはいえやはりこの略語で一番メジャーな意味はpostscriptで、まさしくおっしゃられている通りこれも一語の言葉なんですけど、単語の要素としては「post」+「script」と分解できますし、より馴染みのある書き方にすると「P.S.」とも書かれるわけですが、「ポストスクリプト」と聞くと一見「コンピューター言語にそんなのなかったっけ?」と思えて、めっちゃややこしいことにAdobeの開発したページ記述言語やそのファイルで実際全く同じ名前のものが存在するんですけれども、一般用語としてはやはり「P.S.」表記にすればよりピンと来やすいかもしれません、手紙なんかで最後に書かれる「追伸」を意味する「ピーエス」ですね!

(ちなみに基本的に「ピリオド」は省略を意味する記号なので、略語ではしばしば文字が省略されていることを意味するためにピリオドが打たれますし、この場合、一語なので「P.」と「S.」の間にスペースはないのが正式になります。)


そちらが今回のメインテーマとなりそうなので後でもう少し詳しく触れてみようと思うのですが、その前にPS自体に触れておくと、なるほどこいつはprivate secretary(私設秘書)やpublic school(公立学校)の略語でもありますが、よく考えたら地味に「公立学校」の反対語であるprivate school(私立学校)もPSになっちゃいますし、ここで言われる「public school」は、イギリスのエリート校である「パブリックスクール」(そのまんまですが)のことを指している語といえそうですね。

ja.wikipedia.org

イギリスの学校システムについては全くのモグリなので詳しいことは分からないですけど、上記ウィキペ記事にもある通り、パブリックスクールはその名前に反してまさかの私立にあたる特権学校のようで、ややこしすぎワロタ(笑)って感じですね。

とはいえ改めて、あえて略される場合は、アメリカで言うpublic school(単なる公立学校の意味、私立学校の対義語)ではなく、この伝統的の学校(日本語だと「共立学校」や「義塾」とも表されるようですね)を指す語だといえましょう。

 

…と、「追伸」や「プレステ」というパッと浮かぶ元ネタがあったのでごまんとあると思っていましたが、他には案外これといって思い浮かびませんねぇ。

Wikipediaの曖昧さ回避ページ(↓)を見てみると…

en.wikipedia.org

plastic surgery=形成外科学の略とか、単位でpsと書けばピコ秒(0.000000000001秒)とかもありますけど、正直あんまりピンとは来ませんね。

…って、リスト最下部に、「アメリカやその他の国で、state school(州立学校)またはpublic school」とあり、「おいおい結局『公立学校』のことでよかったのか、じゃあ同じ略語になりそうな私立学校はどうなる?!」と怒りの検索をしてみた所…

こちらのThe Free Dictionary (↓)にズバリ、「PiS」という略語が載っていましたが……

acronyms.thefreedictionary.com

でもよく見たらこちらは「Private Independent School」のことのようで、「Independent」って語が挟まってたらそりゃ真ん中に「i」も入りますわな……と思える形になっちゃってましたね。

まぁこれは(適当な推測ですが)恐らく、公立学校はアメリカならWikipediaの説明にもあった通り州立の学校が多いですし、「同じ州立学校」という括りがあるので一緒くたにまとめて「PS」とされることも多いけれど、「私立学校」の場合、共通点は実際「公立学校ではない」ことしかないわけで、あまり一緒くたにまとめられることがない=そもそも略して書かれる場面・必要性もあまりない……という形で、「学校を語っている文脈でのPSといえば、public schoolのこと」という暗黙の了解があるのかもしれませんね。

正直「いやマジで見分けが付かないんだから、『PuS』と『PrS(あるいはPiS)』みたいに、区別つけよーぜ」とも思えてしまいますけど、まぁこればっかりは伝統的にそうなってるんだからそうなんだよ、としかいえない感じでしょうか。


…ま、ぶっちゃけどーでもえぇわい(笑)としか思えない話ですけど、まさにこんな感じで、略語、特に2文字のものなんてややこしさの塊ですから、よっぽど文脈的に明らかである場合を除き、使わない方がいい……あるいは使うなら最初に何の略なのか明記する(例えば「Public school, hereafter PS, ...(パブリックスクール、以下PS)」のが賢い記述といえましょう。

 

で、話を「追伸」の「P.S.」に戻しますと、これは「ポスト・スクリプト」の略な訳ですが、まぁこないだの「Congratulations→GRATZ」しかり、「refrigerator→fridge」しかり、場合によってはたったの一語が省略される(どころか、こいつらはスペルすら微妙に変わってますやん、ってレベルですしね)こともままあるわけですけどそれはともかく、ちょっと話が広がりそうだった「Post」に着目してみるといたしましょう。


「ポスト」という語は、これは幼稚園児でも知ってるおなじみの単語ですけど、一番最初に浮かぶのはやっぱりあの郵便ポストのポストではないかと思いますが、地味に色々な意味、しかも全然関係ないように思える意味があって、案外ややっこちぃやつなんですよね。

馴染みのあるものでいうと、他にも小学生の全員が知っている使い方である、サッカーゴールの「ゴールポスト」のポストなんかもまさしくpostで、これはまぁ郵便ポストもゴールポストも金属のデカブツですからちょっと近いとは言えるものの、一応「郵便受け」「支柱・くい・棒状の物体」という違いはある形になります。


あとは、特にネット時代になってより身近になった使い方として、何らかの文章なりイラストなりといった作品をポストする、いわば「投稿する」という意味もおなじみといえましょう。

これの派生として、投稿・掲示されたものそのものにも使われ、この意味のpostをより名詞化した「poster=ポスター」なんてのも、小学生でも知ってる単語ですね。

(ただし、この意味の「post」自体にも、名詞として「投稿物・掲示物」という意味はあります。ちょうど、「ワシントン・ポスト」なんかが有名ですが、これは有名な新聞の名前ですから、そう考えると名詞でも使えるのは明らかでしょうか。

 ちなみに「ポスター」は、説明するまでもないですが、掲示物の中でも特に視覚的に目立つ存在である貼り紙・ビラという意味合いが強い語で、さらにいえば、動詞の「post」に「~する人」を意味する接尾辞「-er」がついた語ともいえるので、「投稿する人・投稿者」って意味にもなりますね。)

 

とはいえ「投稿」も、郵便物を「投函する」に近いですし、まぁここまでは正直ぶっちゃけ似通った意味にも思えて、そらそういう意味もあるでしょうね、と思える気がするんですけど、他に、まるで違う意味でも使われるのがこのポストくんなんですね。


1つ目はズバリ、「社長というポストに就く」みたいな文脈でおなじみ、「地位・立場」という意味が挙げられます。

これも、郵便ポストと全く同じ「post」という英単語になります。


そしてもう1つが、「ポスト安倍は誰だ?!」みたいな使われ方のポストで、これはズバリ「~の後」という意味の接頭辞「post-」であり、まさしくこれが「追伸」のpostだった形ですね!


そちらに触れる前に、そもそも例文として挙げた、時の総理大臣や要職の名前をくっつけて「ポスト○○」みたいな表現、これニュースとかで子供の頃からたまに見ていたんですけど、ぶっちゃけこいつ、僕は子供の頃、「社長というポスト」という使い方はギリギリ知っていたため、高校英語でこの接頭辞的な使い方を学んで誤解に気付くまでずっと「○○さんの地位(につく人)」って意味で使われてると思ってたんですけど、これは完全に違うんですよね。

今さっき書いていたばかりですが、これは「~の後」を意味する「post-」を付けた形で、「ポスト安倍」なら「安倍さんの後の・後釜」という意味であり、「地位」という意味とは全く関係ない使い方になります。


…って、偉そうに解説しながら、「いやそんな勘違い誰がするかよ(笑)。誰でも知ってるよ申し訳ないけど(笑)」と思われるかもしれませんけれども(笑)、少なくとも子供の頃の僕は完全に勘違いしてしまっていた使い方で、多分ですけど、割とそう勘違いされている人は僕以外にも世の中いらっしゃるんじゃないかなぁ、なんて気もします(改めて、そんなこと全くないかもしれませんが(笑))。


ポスト安倍」は、正直「地位」という意味でも通ってしまう気がするので若干分かり辛いものの、例えば「ポストシーズン」なら、スポーツのレギュラーシーズンの日程のことを意味する言葉ですし(そういえばそう考えると、postseasonも「PS」と略せますね)、他にもそうですねぇ、「ポストモダン」とか社会の教科書で見たことがある気がしますが、これは「ポスト(後)・モダン=近代」ってことで、「近代後」という意味、まぁより分かりやすく書けば、ポストモダニズムとかとも書かれる通り「近代主義後」、要は「脱近代主義」って形ですけど、その辺の歴史はこれまた僕はモグリですし、ウィキペ先生に説明をお任せしましょう。

ja.wikipedia.org

この手の接頭辞的な使い方のpost-、あとは例えば「ポストコロナ」なら「コロナ禍後の」って意味になりますし、やっぱり日常シーンだと政治家の名前なんかで「ポスト○○」ってのが一番耳にしたことがあったかな、って気がするものの、そんな感じで、「ポスト」ってのは「~の後」という意味の接頭辞としても非常によく使われる語ということですね。


ポストスクリプトに話を戻すと、post-scriptで、script=文字・文章みたいな意味合いですから、「文字列・文章の後」という意味で、これは「追伸」になる形です。


ちなみに「post-」の対義語は「pre-」で、いうまでもなくこれは「~の前」を意味する接頭辞ですが、パッと浮かんだ「プレ○○」だと例えば「プレリュード」なら「前奏曲」、viewにpreをつけた「プレビュー」なら「しっかり見る前段階=試写・下見・内覧」みたいな意味だし、match=試合につけて「プレマッチ」とかなら「前哨戦」になるなど、色々な名詞につけて「前の」的な意味合いを作れる接頭辞ですね。

(ちなみに「script」にpostではなくpreをつけた「prescript」は、「前にある文字列」という感じで、我々社会人にとって常に前方に位置して遵守すべき「法令・おきて・指令」という意味になりますけど、これはあんまり目にする機会はない気がするかもしれません。

 ただ、これの語尾をちょっと変えた「prescription」は、「処方箋」という意味でそれなりに生活に密着した単語といえますけど、ただまぁこれはあんまり「前の」という意味から派生して考え辛いので(一応、「病気になる前に書き記す」的な発想は出来るものの、「いやいや診断後に渡すのが処方箋でしょ(笑)」とも思えますし、かなり無理やり感のある説明しかできない感じですね(笑))、おまけ的な語として紹介してみた感じでした。)


あとせっかくなのでpost-の方でもよく見る単語をもう一つおまけで見ておくと、こちらも接頭辞というよりもう独立した単語な感じですが「postpone」は日常生活で死ぬほど出てくる単語で、「後に・置く」的な語源になる形だと思いますけど、これはズバリ「延期する」で、延期したい場面なんて生活してればめちゃんこ出て来ますから、よく耳にするこの「ポスポーン」、覚えておくと便利な単語といえましょう。

 

…と、当初「ポストはなぜポストなの?」という記事タイトルで、全然違う意味に思えるそれぞれの使われ方の語源にでも立ち返ってみようと思ったのですが、単語の歴史にも触れてくれているメリウェブ辞書の記述(↓)を見ても……

www.merriam-webster.com

…結局「それぞれ、その意味に近い微妙に違うラテン語や古語に由来する」ぐらいの話しかなくて面白くも何ともなかったので、そちらに深入りするのは断念しました。


とはいえ、「ポスト」という単語それ自体で結構話が広がってくれたので、相変わらずかなりの牛歩ペースですが、今回はこの辺にして続きのご質問はまた次回見ていこうと思います。


アイキャッチ画像は、当然ポストですね!可愛らしいポストのキャラいらすとがあったので、こちらをお借りさせていただきましょう。


以上、postについて触れてみたポスト(記事)でした。明日もまた続きをポスト(投稿)しようと思います。

クソサムギャグで〆る形で恐縮ですが(笑)、なるべく早く「ポスト英略語シリーズ(英略語シリーズの後)」に入りたい限りです。

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