続×9・今時の略語をチェックしておこう(IMHO再び・SNAFU・俺の屍を越えてゆけ他)

一押し流行語のセレクションなだけあって、何気にどれも取り上げる価値のある感じでほとんどの項目を紹介させていただいていますPreply記事のイマドキ英略語(↓)、今回からは「意見・反応を表す表現」というセクションですね。

preply.com
まぁ正直「感情表現」とそない変わらんくない?とも思えるものの、まぁ違うっちゃ違いますしそんなグループ分けはともかくとして、まず最もよく使われると思われるこの節トップにはIMOIMHO(記事ではなぜか一語扱いでしたが、これはコンマとか「/」とかの区切りを忘れてるだけで、使うならIMOIMHOのどちらかですね)、そしていくつか後にTBH(To be honest;「正直言ってさぁ、…」)が登場していましたが、これはどちらもこないだの略語シリーズ最初の記事で見ていた、別のまとめ記事(必須略語20語)で既に取り上げられていたものですね。


その記事では触れていませんでしたが、ちょうどTBHで件の単語が出てきたこともあり補足脱線させていただくと、実はこのIMHO、個人的には初めて見たとき、僕は絶対「In my honest opinion」で「私の正直な・率直な意見では…」という、「ハッキリ申し上げると…」的な意味なのかなと推測してたんですけど、どの辞書・解説記事を見てもこの略語本来の表現としては「In my humble opinion」(humble=「謙虚な」で、「愚見では・僭越ながら申し上げさせていただくと…」の意ですね)が挙げられており、辛うじて「honestとみなすこともある」と書かれることも稀にある…ぐらいの形になっていたため、これはまぁ間違いなく「率直に言うと…」よりも「控えめに申し上げて…」という、非常にアメリカらしからぬ、グイグイ行くのではなくちょっと奥ゆかしい態度を示す、珍しいパターンといえそうです(笑)。


念のため、IMHOに関して率直な意見を申してくれている記事もちょっと見ておくといたしましょう。

www.theatlantic.com
こちら、アメリカの老舗出版社・The Atranticによる記事ですが、IMHOの『H』は、HumbleでもHonestでもありませんよ」という非常に興味深いタイトルになっていますね。

どっちでもないなら、じゃあ、果たして何なのか…?!

公開フォーラム記事ではないので全文翻訳引用は控えておこうと思いますが、ポイントと思える興味深い段落だけ、いくつか抜粋させていただきましょう。

 

imhoのことが好きじゃないなんてあり得ないことだ。

インターネットをやっていれば、この言葉を少なくとも何十回となく目にしているはずである。通常、この語の周りの文章から意見が出る形になっている:Those jeans don't look very good, imho.(そのジーンズはあまりよくないね、imhoだけど)のように。

(中略)


しかし先日水曜日に、imhoは明白な危機に見舞われた。BuzzFeedの社員が、imhoのhという文字が何を表しているのかについて、意見がまとまらなかったと報じたのである。あるスタッフは「in my humble opinion」という意味だと主張した。別の人は「in my honest opinion」を表すと語っている。彼らはそれをコンテンツにし、ネット投票を行った(民主主義だけでは正しい使い方を決めることはできないので、これは愚かなことだといえるが)。この議論は、すぐに英語圏のインターネット上に広がった


報道された時点では、「honest」が約11,000票多く獲得し、リードしている。ここThe Atlanticでは、私の尊敬する同僚であるAlexis Madrigalが、既にこの論争に意見を寄せている:インターネット黎明期まで振り返ることのできる多くのガイドブックによればimhoは「in my humble opinion」の略であるとのことだ。さらなる点として、humbleだけを載せた本は沢山あるし、humblehonestの両方を載せた本も沢山ある。しかし、「honest」だけを掲載した本は存在しないのである。


語源的に言えば、Alexisは正しい。imhohは明らかにhumbleに由来しているのは確かだ。


しかし、今日のimhoの意味に関していえば、彼は間違っている。(すまないAlexis―私はただ正直なことを書いているだけなんだ)。考えてみて欲しい:Honesthumbleは完全に異なる意味の二語なのだ。同じ性質について語る類のものですらない。Honestは、その後に続く文の真実性について何かを伝えるものである。Humbleは、そのトーンと感情的な含みを伝えるものだ。もしもimhoが、humblehonestのどちらかの意味をきっちり持ち―そして我々の半分が一方を使い、残り半分が他方を使っているとするならば―我々は意味論的に無秩序の中で生きていることになる。(以下同じ主張の繰り返し・略)


しかしもちろん、実際はそうではない。我々は皆、imhoの意味を知っているのだ。フレンドリーなアドバイス、厳かな小休止、あるいはジョークを導入するための、文字の集合体なのである。言い換えると、imhoは単語なのだ。普通の言葉として認められている、他の多くのイニシャリズムの仲間入りを果たしたわけだ:snafu、radar、laser、zip codeなどと同じだといえよう。より具体的にいえば、imhodiscourse markerディスコース・マーカー=論理つなぎ言葉)なのだ―however(しかしながら)、well(えーっと)、anyway(とにかく)などといった、文章の部品をつなぐ接着剤のような役割を果たす単語やフレーズなのである。Imhoは、そのフレーズが信念の表明であることを指定しているといえる。


ともかく、これはかなり良い言葉なのだ、imhoではあるが。他のディスコース・マーカーと比べても、ずっと可愛らしい。とはいえしかし、それにしても、私が何を知っているというのであろうか。私は言語学者でも何でもないのである、fwiw(for what it's worthの略語=「有益かどうか分からないけど」「一応念のため言っておくと」「そんな感じで受け止めてくれ」的な意味)。

 

…と、要約能力が皆無なせいで、結局ほぼ丸っと引用させていただいちゃいましたが、少なくとも解説書の類は「humble」が圧倒的優勢、しかし何気にネット投票では「honest」派がリードしているという、「やっぱそう思うよね?」と思える感じの記述もありましたが(投票の最終結果を見てみたら、26,000票の差で、honestが57%、humbleが43%とのことで、悠久の時を経て、何気に僕の直感は正しかった(ではなく、正確には「多数派だった」ですが)ことが明らかになり、何だか嬉しかったです(笑))、結局の所これはもう、語源はともかく「imho」という単語として独立しているとすら言える……そして意味としてはもう、まさに「考えるんじゃない、感じろ」のパターンで、その場に応じて、好きなようにそれっぽく解釈するので構わないものなのだと、少なくともこの記事の執筆者Robinson Meyerさんはそう主張されている感じですね。


…まぁ、例によって、英語を母語としない我々にとっては、「それっぽく解釈しときゃえぇねん」とか言われても、それっぽく解釈できないので困るわけですが(笑)、結局の所、まぁたまには「差し出がましく言わせていただくと…」にもなるし、たまには「ぶっちゃけ」という意味にもなるだろうし、文脈によっては関西弁でよく見られる「知らんけど」みたいにもなりそうな、もうそんな感じで、ホント適当に好きに解釈すればいい(&適当に使っていい)飾り言葉にすぎない…とみなすのが一番だといえましょう。

 

そんなわけで、おまけで触れるつもりだったIMHOが無駄に長くなりましたが、何気に記事中で触れられていた「SNAFU」「RADAR」「LASER」「ZIP」ってのも興味深い単語でした。

ロビンソンさんがおっしゃってた通り、(最初のSNAFUはあまり耳慣れないものの)レーダーとかレーザーは、明らかに独立した一単語に思えるんですけど、実はこいつらも元々は略語が由来とされているものなんですね…!


各語をおさらいしておきましょう。

  • SNAFU(Situation Normal, All Fucked Up):「状況は平常だ、しかし全てはメチャクチャだ」という意味の、軍隊用語(もちろん由来が軍隊なだけで、一般でも使われる単語ですね)

  • RADAR(RAdio Detection And Ranging):レーダー(無線ラジオ波検出と測距)

  • LASER(Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation):レーザー誘導放出による光増幅放射)

  • ZIP code(Zone Improvement Plan):郵便番号(郵便集配区域改善計画)


…ということで、最早完全に一つの単語とみなして誰しもが使っているこういった単語に、IMHOも片足を突っ込んでいるのではないか、という面白いお話でした。

 

あ、あと一つ大した話じゃないですが、IMOはネット上でマジでよく使われている&(本当によく見るので)意味も割と早い頃に知ったこともあり、これはよく見たらまさに日本語だと「イモ」なんですけど(笑)、常に日本語で物事を考えるマンの僕ですら、これは「イモ」とは読まずに「In my...」ってちゃんと(脳内で)読んでる気がしますね(「opinion」は長いのでいちいち読みませんけど、ちゃんと「私見」という意味で取っている感じです)。

 

…と、流石に一語も新しいものに触れないのもアレだったので、 「意見・反応を表す表現」の二番目に挙がっていたものだけ、最後、簡単に触れておくといたしましょう。

 

OMDB – Over my dead body(直訳:俺の屍を越えてゆけ→「私が生きている限り、絶対にそんなことはさせない!阻止してみせる!!」的な宣言)


このフレーズも、幸いそんな強く反対されるようなことを主張したことがなくのほほんと平和に生きてきたためか全く聞いたことがありませんでしたけど(笑)、パッと見で「俺の屍を越えてゆけ」という、有名ゲームのタイトルが思い浮かんだものの意味としてはそこからもうちょい発展させた形で、転じて「俺の目の黒い内は絶対に許さん」という、断固阻止・反対を意味する強い主張だったんですね。


我らがケンブリッジ辞書には項目と例文も掲載されていましたが…

dictionary.cambridge.org

"Joe says he's going to buy a motorcycle." "OMDB!"

「ジョーがバイクを買うって言ってるよ」「絶対許さん!」

 

(※リンクをクリックしても具体的な記事は分かりませんでしたが、「最近のその他の例文集」より、1つ抜粋↓)

They could only challenge the monarchy over my dead body.

(俺の目が黒い内は、奴らは王政に挑戦などできやしないのだ。)

 

後者の例のように、文の途中に使われることも可能な表現という形ですね。

まぁ僕がこんな表現を使うことは、まさに自分の目の黒い内は絶対になさそうですが、知っておいてもいいかもしれない、興味深いフレーズだといえましょう。

 

今回は、SNAFUやらレーダーやらレーザーやらOMDBやら、何となく軍隊で使われそうな言葉が多かったので、(あんまり関係ないですが)迷彩服を着て軍備しているいらすとをお借りさせていただきました。

意見系略語の続きは、また次回見ていこうと思います。

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