コメ返信や補足その1-49-24:mostと申すときの注意点

今回は予告通り、前々回の記事(↓)にいただいていたコメントに触れていく回といたしましょう。

con-cats.hatenablog.com

コメントは毎度おなじみアンさんよりいただいたものになります。

(今回のもまさにそうですが)ついつい見逃してしまっていたポイントのご指摘など、大変有意義で面白いコメ、いつも誠に感謝の限りです…!

 

all peopleとall the peopleの違い、使い分けについて、all the peopleは定冠詞付きの複数形なので、特定のグループの人達全員を指すということで…今回のネイティブの意見はとてもわかりやすかったです。


ひとつだけ、

……………

「それは恐らく、『今現在この世界で生きている人々』を指す意図があったりするんじゃないかな?もちろん、『all the people in the world, in all of history, ever, anywhere(世界中の、全ての時代、あらゆる場所における人々)』といえば、これは『all people』とイコールになるだろうね。単に強調さ」

……………

↑この部分。

all ofの後はtheがくる(代名詞が続く時以外)と書いてありましたよね?

やっぱり例外もあるんかーい!って感じですが、「all of the history」にならない理由がありますか?


⇒全然意識してませんでしたが、WordReferenceの記事でネイティブの方が書かれていた上記の引用文章、「all of history…」となっていますね。

allは基本的に「all XX」「all the XX」「all of the XX」など割とややこしい形が色々あるものの地味に適当に言っても結構許容される言い方になってることが多いのですが、「all of XX(theなしの名詞)」の形は、「all of you」「all of them」といった代名詞以外(他には、関係代名詞の「all of which」とかもありますね)は誤りとなるのが原則なので、これはちょっとおかしな響きがある気もしちゃいますね。

(逆に代名詞が続く場合は、ofなしで「all you」などと使うことは絶対できない点にも注意でしょうか。

 とはいえこれは「あなた方全員」という意味で「all you」という使い方ができないのであって、高校で習う、関係代名詞が省略された文なんかでは、この形を目にすることは普通にあるけれど……ってのも注意点の中の注意点かもしれませんね。

(例:ビートルズの名曲でおなじみ、「All you need is love(あなたが必要とする全てのものは、愛だ=愛こそはすべて)」なんかが代表的なものといえましょう。

 これは、All (that) you need is loveと、関係代名詞thatが省略された形ですね。))


…と話が逸れましたが、多分単なる投稿者のミスの可能性もありますけど、とはいえこれはよく見たら並列表現になっているため(「in all of history, ever, anywhere」で「歴史上全ての時、いかなる場所でも」という感じでしょうか)、historyではなく、むしろ続く二語とのつながりを意識した場合、まぁ正直everやanywhereがall ofにつながることもおかしいっちゃおかしいんですけど、あえて言うならば、「all of the ever」より「all of ever」の方がまだ響き的にも自然な気がしますし(検索したら、『For all of ever』というタイトルの小説もあるようです)、whereは先ほどtheなしでいける例外に挙げていた関係代名詞……ではなく関係副詞ですし、anywhereにも当然代名詞要素は全くないものの、ever同様「the any…」という語のつながりは非常に気持ち悪い(普通は「any of the…」ですね)といえますから、総合すると、言葉の響き的に、もしかしたらこの投稿者の方は意図的にtheを抜いたのかもしれませんね。


英語質問フォーラムですからネイティブの方にはなるべく正確な表現を心がけてもらいたい限りですけど、まぁあえて考えれば、そういう風に考えることもできなくもしれない……という参考程度の話でした。

やっぱりtheがあった方が直後に来るhistoryとのつながりで座りがいい気もしますし、単なるミスの可能性も高い気もしますけど(笑)、大変面白いポイントのご指摘、どうもありがとうございました。


※追記修正:↑では(取り消し線を引いた部分に限らず)それっぽいことをペラペラと述べていたわけですが、後日、この辺の考察は完全に誤りであったことが発覚しました…!

 結論だけ述べておくと、この文脈では普通に「all of history」という使い方で完全に正しいという形になります。

 詳しくはまた後日の記事(↓)でつらつら述べているため、補足記事としてご覧いただけたら幸いに存じます。

con-cats.hatenablog.com

…追記ここまで。)

 

しかし、気になる点の興味深いご指摘は、まだ続きがあったのです。

その部分を含む、コメントの終わりまで一気に紹介させていただきましょう。

 

あと、

これは今回のブログの内容からは逸れますが、、

allとall ofはちゃんと使い分けられていて、all peopleと all (of) the peopleは違う意味になるわけで、でも ofはあってもなくてもどちらでもよくって、

そこで、

mostmost ofも同じようなルールというか使い分けがされているように思うんですけど、most peopleと most of the peopleで、この ofは恐らくどちらでもいいという雰囲気ではない気がしますが…


なぜいきなり mostかというと、

ティーブがalmostとmostの程度についてalmostは○%、mostは△%と言ってたので、almostとmostって同じように使えたっけ?と思って本を見てみたら、almostではなくalmost allとmostを比べてた感じで…

mostはalmostと仲間なのではなくallと仲間なんだ…?って思った感じです。


いろいろややこしいですね、このルール。

 

そして、これは余談ですが、

その本の該当ページは、

Everyone dose it.

(みんなやっている)

なんですけど、

『He plays video games everyday.

ほとんど毎日は、almost everyday』と書いてありました。混乱。笑


⇒まず後半最後の話からいくと、僕も、最近の記事で何度か話題に出させていただいているスティーブ・ソレイシィさんの名著『なるほどフレーズ100』の該当ページをチェックしてみましたが、確かにeverydayとなってましたね。

…これは……先ほどの例同様、何か「まぁこういう意図があるのでは…」とフォローしたかったものの、これはどう考えても、スティーブさんのちょいミスといえる気がしてしまいます(笑)。

この文脈であれば、副詞で「ゲームを『毎日』やっている」となるため、二語のevery dayとすべき所だといえましょう。


お世話になったし今でも最高の英語フレーズ表現集と思えてやまないのであんまり鬼の首を取ったようにはミスに触れたくないものの、しかしこれは逆に、英語の本を書く人ですらミスしてしまいがちな(しかもプロの校正を経ても残るぐらいの)ポイントだ、ってことがよく分かる、大変参考になる事例といえそうですね。


英語を誰よりも分かりやすく教えてくれるスティーブさんですらミスるわけですから、我々が間違えても一切気にする必要はないと思いますし、むしろひょっとしたらもうミスとすらいえないぐらいの、下手したら誤用が多数を占めるぐらいの表現なのかもしれませんね。

(ちょっと違うかもしれませんが、例えば日本語でいえば、「敷居が高い」とかに近い感じでしょうか。

www.nhk.or.jp
 ↑のNHK研の記事にある通り、本来は「不義理や面目のないことがあって、その人の家に行きにくい」という意味ですが、多くの人は「あの店は高級そうで、行きづらい」という場面で使っているものの、厳密には国文法警察逮捕案件になる形になっている感じですね、

 でも普通に多くの人がそっちの意味で使ってるし、もういい加減その意味を認めても良くない?……ってぐらいのことが、もしかしたらこのeverydayにもいえるのかもしれませんね(今適当に思いついて書いただけで、実際そういう流れにあるのかは全く定かではありませんが…)。)

 

ではコメントの方を遡っていきますと、mostも、all同様ややこしさのある単語ですね~。

ただこちら、「most of the XX」と「most XX」の使い分けについては、実はallと全く同じ使い分けがされているのでした。


せっかくなので、またQ&Aフォーラムに書かれたネイティブ様の回答を見ておきましょう。

正直、これはこないだ(このコメントをいただいた元記事ですね)のall of theの話とほぼ同じ解説なので、あまり見る意味もないんですけどね……どころか、よく見たらアンさんのコメントも、別にその使い分けについて質問されているわけではなかったので、まさにあんまり意味ない参考記事ですが(笑)、まぁ記事水増しを兼ねて、かなり高評価がついていたベストアンサーだけ簡単にチェックしておこうかと思います。

今回はこちらのQuora記事ですね(↓)。

 

www.quora.com

質問:「most people」と「most of the people」の違いは何?


Monica Rai(語学コーチ、2018年トップライター)(回答スコア173点)

文法的には、異なる状況が見えてくるね。しかし、これには理由があるよ。

most of the people」では、mostは特定のグループを規定しているんだ。もし、より小さなグループについて話しているのであれば、「most of」を使うべきだといえるね。例えば…

  • Most of my friends are highly qualified.
    (私の友人のほとんどは、高い能力を備えている。)
  • Most of the doctors at this hospital are busy.
    (この病院の医者のほとんどは忙しい。)

most people」だと、mostは非特定のグループを明記していることになるね。大きなグループについて話すときは、「most」を使うべきだといえるよ。例えば…

  • Most people know English.
    (大多数の人が英語を知っている。)
  • Most doctors lead a busy life.
    (ほとんどの医師は忙しい生活を送っている。)

これは一般的な表現なわけだね。世界中の全ての医者に言及可能だということだよ。

別の言い方をしてみよう。

もしあなたに「Most companies are giving high salaries(大多数の会社は高い給料を払っている)」と言われたら、私は「はい」と言うかもしれないね。一般論を聞かされているんだもの。

でももし、「Most of the companies are giving high salaries(その会社群のほとんどが高い給料を払っている」と言われたら、私は「どの会社のことを言っているの?」と言うことになると思うよ、なぜならば、何らかのグループへの言及のように聞こえるからだね。

お役に立てれば幸いだよ。:)


高評価なだけあって、非常に分かりやすい説明でした。


とはいえアンさんがお尋ねになっれていたのはofについてで、ここはmostとallの極めて大きな違いですね。

mostは、theを伴って用いる際、ofを省略して言えるall(「all the~」のように)と違って、いかなる場面でもofを省略して「(×) most the~」のようには言えない(必ず「most of the~」)……というのが最大の注意点といえましょう。


例によって、なぜと聞かれても「不自然に聞こえるから」としかいえない話だと思いますけど、これはちょうど、日本語でも「全商品」「全日程」とは言えるけど、「(×) ほとんど商品」「(×) 大部分日程」などと言うことはできず、絶対に「の」をつけて「ほとんどの商品」とか「大部分の日程」としか言えないのと近い話かもしれませんね。

(まぁ、「全の商品」とはいえず、「全部の商品」となるので、完全にofのあるなしだけが違う英語と対応しているわけではないですが、理由を聞かれても「知らんよ。でも絶対誰もそんな風(=「ほとんど商品」とか)には言わないよ、めちゃくちゃ違和感」といえるのは「all/most of」の例と同じ感じだといえましょう。)

 

…といった所で、今回は新しくいただいたコメントに触れてみる感じでした。

次回はまた、ちょっと前のコメントに遡っていこうと思います。


アイキャッチ画像はあまりにも何もなかったので、「多数」で検索したら出てきた、「mostが申すわけじゃなく、leastが申すと」になっている、サイマジョのいらすとを苦肉の策でお借りすることにしました(笑)。

例によって、特に内容とは全く関係なくて恐縮です(笑)。

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