いただいていたコメントに触れる過程でまた脱線…という形が続き、溜まっているネタはかなりある状況なのですが、ここ最近のallやらmostやらのネタを概ね見終えて、次どこまで戻るのかを遡って調べる時間がちょっとなかったので、今回は完全なる脱線系のネタで1つ、「困ったときにこれに触れさせてもらおう」と思って保留していたものがあったため、そちらに触れてみようと思います。
一連の英語・英文法ネタとはほぼ全く関係ない雑談ネタになるので、どの記事に対するコメントかも全くどうでもいいのですが、一応、この記事(↓、Anotherについて…もう1ヶ月以上も前でしたか)に対して、例によってアンさんからいただいていたものになります。
con-cats.hatenablog.com
では、該当の脱線ネタ部を抜粋引用させていただきましょう。
“英語特有の考え方”で思い出したのが、
お釣りの数え方…!
あの人達、おかしいですよね?笑
650円のものを買って1000円出した場合、650円に、50円+100円+100円+100円で1000円にする、みたいなことをやっちゃいますよね?(しかも、頭の中でなく、目の前で数えながら!)恐らく、1000円出したらお釣りが350円っていう計算はしてない(出来ない?)ってことなんでしょうかね??
当然、1050円なんて出せないし、1150円なんて出した日には、、突き返されそうですよね笑
まぁ、今時現金で支払ってお釣りをもらうようなことも少なくなっているのかもしれませんが、その辺りは数え方だけの問題じゃなくて、アメリカ人はやっぱりちょっと計算苦手なんじゃない?って思えますね。(わかりませんけど笑)
…余談でした。
⇒これはよく聞く、有名で興味深いお話ですねぇ~。
そう、どうやら言語構造の問題なのかそれとも教育の問題なのか、アメリカ人やその他アジア圏以外の海外の人の多くが、どうも引き算ができない……とまではいわなくとも、その辺のお金とかの基本的な数の数え方に関して、常に単純な方向である加算で考える癖がある、なんてことは非常によく耳にする気がします。
まさにコメントでアンさんが書かれていた通り、積み上げて目標金額に達成させるやり方、つまり650円の商品に、50円加えて700円、そこに100円をさらに3つ加えて1000円に到達、これで受け取った金額と同じだね……という形で、650円の商品+350円のコインを、もらった1000円と等価交換する、みたいな流れが欧米スタイルの基本だといましょう。
まぁそうなる一つの理由はやっぱり言語的な構造の問題かもしれず、特にフランス語なんかだと、以前↓の記事なんかで触れたこともありましたが……
con-cats.hatenablog.com
例えば97という数は、フランス語式呼び方だと、カトル・バン・ディス・セット(quatre-vingt-dix-sept)で、これは4・20・10・7のことであり、まさかの4 x 20 + 10 + 7のように足し合わせて(掛け算まであり)97を形成させるという、「そらそんな数字の数え方しとったら、80台とそれ以前とに大きな隔たりがあるし、引き算なんてやっとれんわね」というのも納得のクソ数え方システムと思えてなりません。
まぁ英語はそこまでのクソさではないものの、12は「じゅう・に」(テン・ツー)ではなく「トゥエルブ」だったりと若干意味不明な輩も存在しますから、やはり完璧システマティックな数え方になっているアジア圏言語の方がその辺便利なのは間違いなく、アジア人が平均的に数学に強いのも、そういう面の影響も恐らく皆無ではございますまい、なんて思えますね。
このせいで、まさしくアンさんの書かれていた通り、海外のレジでは例えば652円に対して1002円を払うと、2円は目標合計金額到達に遠ざかる行為に他なりませんから、レジ打ちの人に怪訝な顔でつき返されてしまうでしょうし、1052円払おうものなら、「え?チップ…ってこと…?ありがとナス!」って感じでススッと懐に入れられてしまう可能性すらあるかもしれませんね(まぁ流石にそんなわきゃあないと思いますけど(笑))。
…と、「~かも」「~と思うけど」と書いていた通り、僕はこの衝撃のお釣り数え上げ現場に実際に遭遇したことは一度もなく、実は話でしか聞いたことがないんですけれども、なぜなのかを考えてみた所、よぉ考えたら僕はこっちに来てからほぼ一度も現金で買い物をしたことがなかったからでした。
ごく最初は日本のクレジットカードで(僕が日本を発った当時はちょうど超円高でしたしね)、銀行口座を作って給料が振り込まれてからはデビットカード(これは要は銀行のキャッシュカードのことですね。カード社会アメリカでは、多くのレジでキャッシュカードがデビット機能(creditに対してdebitですが、これは「引き落とし」みたいな意味のある単語です)を発揮し、銀行から直接お金が引き落とされる形で買い物ができるという便利な仕組みになっています)を使って買い物を続け、その後クレジットカードをゲットしてからはクレカでしかショッピングをしたことがないので、実はマジで現金を使って買い物をしたことは、少なくともスーパーやレストランではただの一度もありません。
しかし、「ほぼ一度も」「少なくともスーパーでは」と書いた通り、実は現金を使ったことは数えるほどですがちゃんと経験がありまして、今回は脱線ネタでそれに触れてみよう、と思い立った形でした。
それがズバリ、郵便局!
まぁ大きな郵便局なら普通にカードも対応していると思いますが、大学付設の小さい郵便受付窓口みたいな所はカードを受け付けておらず、キャッシュオンリーなんですね。
(全然関係ないですが、この「キャッシュ」という単語、子供の頃は「キャッシュカード」というイメージしかなかったので、むしろ「キャッシュで払う」とかは「カードを使って払う」という意味なんだと思っていました(笑)。
逆に、「クレジットカード」は「現金みたいに買い物ができるカード」だと思っていたので、英語を習うまで長らく、「クレジット」というのは「現金」みたいな意味だと思っていたのですが、これは実は「信用」という全く意外な意味で驚いたものです。)
(まぁcredit/debitの対応関係で、debitが(会計・簿記で言う所の)「借り方」、creditが「貸し方」という用語でもあるわけですが、クレカの場合は、日本語でも信用枠(与信枠)とかいいますし、「信用」が基本概念といえる気がします。
あとそれから、水道光熱費とかネット通信費などの請求書で、支払う必要のある分、つまり自分にとってマイナスのバランスはdebit(50ドルの請求だったら、請求書には-50.00 (debit) と表記されることもある感じですね。まぁこれは↓のcreditと違って、当たり前すぎるしあんまりそう書かれることはないですが)であり、逆に、間違って多く振り込んだとか、あえて何か月分かまとめて支払ったような場合(ネット使用料みたいな固定費の場合、まとめて払うこともある気がします)、例えば3か月分150ドルを一気に払っておいたら、翌月の請求書や支払い後のアカウントを見てみると「+100.00 (credit)」と、自分にとって100ドル分のcredit(貸し方)が存在する、という感じで表記されることもあり、初めて見たときは「へぇ~そういうんだ」と面白かったものです。)
…って話が逸れましたが、まぁ郵便局であることは全然関係ないんですけど、こちらへ来てしばらくは確定申告的なTax reportなんかを郵送で行っていたため、郵便局は何度か使う機会があったのです。
(なお、今はTax reportは全部電子申請でやっています。書類の郵送費もかからないし、便利でありがたいですね。)
で、ようやく本題ですが、基本的に常にカード払いで生活していることもあり僕は現金自体をほとんど持っていないんですけど、当時同じ研究室にいた、中国人の仲良くしていた学生が、何かちょうど卒業証書みたいな筒にお釣りでもらった小銭を溜めてるものを研究室のデスクに置いてたみたいなんですけど、卒業後別の大学へ研究者として異動することになり、僕がその学生のデスクを使うことになったので最後徐々に自分の荷物を移動させていた際、「これ、使わないからKonsukeにあげるよ」ということで、その小銭ジャラジャラ入りの筒をそのまま受け渡してくれたのです。
「お金を使わないなんてことある?!」と思えましたし、せっかく溜めてたものを受け取るのも悪いから当初固辞したものの、「いやいいよ、重いし」ということで、まぁ短い時間ではあったもののかなり仲良くしていたからこその餞別みたいなもんかと思って、ありがたく受け取りました(異動していく側が餞別を送るとか意味不明にも程がありますけど(笑)。でもまぁ実際僕からも研究室を代表して結構いい餞別を送ってましたしね)。
まぁその経緯はともかく、そんなわけでごくたまにある郵便局の支払いは、その(結局合計十ドル以上ぐらいの大量の小銭があった気がします)筒から小銭を出してありがたく現金払いを実行していたわけです。
で、この小銭をジャラジャラさせて数ドルとかの支払いをしていたわけですが、実はなんと、僕自身が小銭を「1枚、2枚…」と少しずつ足し合わせて目標金額までまとめていくという、幼稚園児レベルの数え方を窓口で毎回披露していたことを思い出しました…!
「あいつらお金もまともに数えられないノータリンだからね、きっと数学にも弱いんだ」とか豪語していたくせに、なんてこたぁない、まさに自分も赤ちゃんレベルの「これで○セント、これでもう○セントでちゅから、合計……うーん、わかりまてーん!」という情けない姿を毎度露わにしてしまっていたのです…!
…と、これにはやっぱり多少言い訳がありまして、まずアメリカの小銭システムは、↓のWikipediaにもある通り……
まぁ50セントや1ドルコインなんてのもあるっちゃあるものの、基本的には1ドルは紙幣であることがほとんどだし、50セント硬貨なんて全く見たことすらないレベルなので、基本的には4種類のみしかないのです。
日本語版は大きさが分かりづらかったので、英語版のWikipediaから画像を拝借すると致しましょう。
必要部分だけを横に並べた、抜粋画像ですね。
そう、ここにある通り、アメリカの小銭は1セント・5セント・10セント、そして最後はまさかの25セントコインの、4種類しかないのです!
まぁ大体1セント=1円なので、円表示すると、1円・5円・10円・25円の硬貨があるってことですね。
まずすぐに分かるポイントとしては、一番大きい額でも25円!
これじゃあ小銭だけで何百円も払うのが大変だよ……というのがお分かりいただけるように思いますが(まぁ郵便物はそんな何ドルもすることはあんまりないですけどね(笑))、それ以上に!
この小銭システム最大の謎にしてクソすぎるポイントは、その25セントコインという、中途半端な数字の存在!
1/4なのでクォーターと呼ばれてるみたいですけど、「何でや!」としか思えない謎の区切り方!!
しかもこいつが汎用硬貨の中では一番高額ですから、金額が高いほど、この25という中途半端な野郎に頼らざるを得ないわけです。
そして更にいやらしいのが、1セントこと1円硬貨が、日本でいう10円みたいな銅=茶色い輩で、5セントがそれより少し大きい銀、そして当然10セントの方がより大きくなるかと思いきやなぜか10セントは5セントどころか1セントよりも小さくなって(上記画像に、直径=Diameterも掲載されています)、しかし25セントはこの中では最大のデカさになるという、メチャクチャすぎて「ホワイ、アメリカンピーポーー!!」と叫びたくなってしまうシステムなんですね…!
ここまで書けば、僕が窓口で赤ちゃん化した理由もご納得いただけることでしょう。
例えば1.67ドルの支払いだった場合、筒から小銭をザラーっと広げるわけですが、不慣れなもので、まず「このコインがいくらなのか」ということすらいちいち額面をチェックしないと正直覚束ない状況なんですね。
先ほどはボロクソ言いましたがやっぱりこの中では25セント硬貨が最高額でお宝のような存在なので、「えーっとこれはデカイから25セントで……と思ったら、ゴミカス5セントかよ!ハズレコインじゃねーか!!」といちいち5セントの罠にかかって腹を立てることも多いのです。
そして1.67ドルを作るために、「えーっと、まずは1ドル分を25セント4枚で作るとして……いや待てよ、5セントはゴミだしとっとと消えて欲しいからまずこれを使うとすると、5セント3枚と10セント1枚で1単位……あれ、でも今ぶちまけた中には5セントが5枚しかなかったね……5セントコイン残り2枚なら、10セントをもう1枚と…あぁ、あとは1セント5枚で25セントを作らなきゃダメなのか……よし、とりあえずこれで1ドルだね、じゃあ残りあと67セントは、えーっと、(もう一度筒の中から何枚もぶちまけて)ゴミクズの5セントをまずひいふうみいよと追加で4枚出して、そうすると残りは47セント…47?!25セントコインだけだと47にならないし(←慌てすぎて、世の中の会計はピッタリ出さなくてもいいことを忘れている)、そもそも25セントコインも減ってきたから他のだけで頑張ると……あわわ、5セントコイン以外で7を作るには、1セントが7枚もいるの?!ちょっと待ってくれ、そんなに一気に1セントを使いたくもないから、じゃあ5セントを1枚減らせば残り金額は52セントになって……ってあれ?これなら25セント2枚でいけるのか?いや待て待て、47に5を足しちゃダメだ、5セント3枚なら15セントであるからして、47から引くことの残り32セントだけど、大切な25セントコインより10セントをまず優先して使うとすると残り22セントだから、やっぱり5セントももう1枚使うことにすれば残り17セントで、とはいえもう5セントは目の前にないから、ここから7を作るには1セントが7枚も必要だけど…ってこれじゃあさっきの繰り返しじゃん!そもそもこの1番小さいコインはついつい最小=1セントに思いがちだけど10セントだし、逆に茶色が10円玉じゃなく最小の1セントだし、5セントと25セントは紛らわしすぎるし、よく見たら(上のWikipedia画像でも分かる通り)同じコインでも微妙にデザインが違うことがあるんだよな……とりあえずこの25セントで…ってこいつはまた5セントかよ!ギャオーン、もう何が何だか分かんないよぉ~!」と、一度なんかはしばらく格闘した挙句ワケ分かんなくなりすぎた結果結局全リセして、大量の小銭をぶちまけて窓口の兄ちゃんに「てへっ、分かんなくなっちった、あとよろしく~」と丸投げしたこともあった記憶がありますね(笑)。
(兄ちゃんは慣れたもので、サッサッと必要なコインを回収していきましたが、「やっぱり数字を見ないでいくらのコインか一瞬で判別つくのはでかいな、僕、こう見えてアメリカには不慣れでしてね、それぞれいくらの金額なのかが考えないと一瞬では見分けがつかんないんすよ(笑)」と言い分けしたくなる感じでしたね。
…というか、不慣れアピールするために、途中毎回コインに顔を近づけて「25 cents? Oh, this is 5 cents...」みたいな小芝居を挟むのに必死だった気もしますけど(笑)、冷静に考えたら、むしろコインがいくらか咄嗟に判別できない方が、計算できないより遥かにヤベー奴だったかもしれません(笑)。)
数字に強いことを自負していたくせしてこのクソザコナメクジのような体たらくとは何とも情けないにも程がありますが、実際、パッと見でいくらか見分けがつかない小銭を、最高で25というしょうもない数字を基準に上手に組み立てるのは、やってみると分かると思うんですけど案外至難の業でして、恐らくこのシステムのややこしさを身を以って自覚してみたら、1枚1枚小銭を積み立てるレジ係の人をバカには決して出来なくなるのではないかと思えてなりません。
(…って最初結構バカにしてたうえ、普通はそんぐらい普通にできるだろ、って話かもしれませんが(笑)。)
(ちなみに紙幣は1, 5, 10, 20ドルなので、クソみたいなクォーターコインとかいう半端野郎がいる小銭よりは幾分まともですね。
なお、100ドル紙幣は高額すぎて、ニセ札が出回りがちなアメリカでは受け取り拒否の店も多いぐらいの、かなりマイナー扱いの札の印象です。
つまりアメリカの主役は20ドル=2000円札ってことで、2000円札がクソマイナーな日本からしたら意外かもしれません(笑))
いずれにせよ、お釣りの謎なカウントアップシステムは、もしかしたらこの25セントという微妙すぎる区切りの存在がいるからこそ発展した形なのかもしれませんね……ということを全体の結論として、終わりにいたしましょう。
(…と、そのせいで小銭計算がスムーズにできなかった自分を棚に上げての発言かもしれませんが(笑)。)
そんなわけで脱線・小銭記事でした。
では、次回はまた一つ別の脱線記事にいこうかと思っています。