コメ返信や補足その1-49-8:続・Allの全て…

前回は全体的にあまりにも長くなりすぎていたこともあり、参考記事を翻訳紹介して、それだけで終わっていました。

正直、細かすぎて面白くないにも程があるんですけど(笑)、せっかく見ていたのでちょっと深入りしてみましょう。


特に前回後半に触れていた、ケンブリッジ辞書の文法解説記事・Allについての説明(↓)は読み応えがありましたが……

 

dictionary.cambridge.org

結局の所、やっぱりこういう文法ルールネタって、順番が逆だと思うんですよね。


…まぁ逆ってわけでもないんですけど、要は、

「こういうルールがあります。これを理解して、正しい言い方を身につけましょう」

という、一般→個別という流れ、すなわち演繹的に我々は文法を学ぶわけですが、本来言語というのは、

「膨大な言い方を見聞きしてきた。これらを総合すると、一般的にはこういう決まりがあるようだ(…というルールは見えなくとも、正しい表現かどうかが自然と判断が付く)」

という、個別→一般という流れ、すなわち帰納的に解釈していくのがより正しい…とは言わないまでも、ある言語のネイティブスピーカーというのはそうやって言葉を身につけていくものなんですよね。


なので、前回の解説記事に大量にあった「こういう時は、allはこのように使われる。ただしこの場合は例外」みたいな説明、ああいうのって、個人的にマジでバカバカしく思えてしまうのです。

そんな原則的なルールではなく、本当は自分の膨大な経験の中から「この言い方は聞いたことないね」と思えるようにならないと、結局いつまで経っても身に付いたことにはならないのではないか?……と、単に文法が好きじゃない僕はそう思って細かい点をしっかり覚えることを放棄しているのでした(笑)。


とはいえ、そんな正論言った所で、多くの我々日本人には日本語以外の膨大な経験はないわけで、「文法ルールではない、生きた表現を身につけろ!」とかいくら言ってもそれこそ無意味極まりないともいえるかもしれません。

そもそも勝手に他所様の記事をまとめて「こーいうの、マジで意味ないと思う」とは太ぇ野郎だ…以外の何者でもないので(笑)、愚痴はその辺にして、「そうは言っても帰納的な解釈なんて外国語学習者にはできっこないんだから、まとめられた文法知識を覚えて演繹的に用いていくしかないでしょ」という、正論の上塗りで本題に入っていくといたしましょう。

 

割と触れるネタは多いのに、クッソしょうもない前置きが長くなってしまいました。

まぁ結論的なものとしては、前回のケンブリッジ記事では様々な用法が掲載されており、そのルールを完全に覚えられればそりゃ素晴らしいけれど実際あんな大量の例外込みの決まりを逐一覚えられるわきゃないので、やっぱりルールよりも「うん、『こうではない』って書かれてる表現、何か違和感があるね。見たことないからかな?」と思えるようになるのを目指すのが一番の近道に思えます、という話ですね。


(例えば記事中で「こうは言わない」とされていた「All them」っていう言い方は、これは割と多くの方が「聞いたことないし、変な感じがするね」と思えるのではないかと思うんですけど(正しくは「All of them」)、まさにその違和感が一番大事で、「ルールを逐一覚える必要はないから、そういう違和感を積み重ねましょう」って話でした。

…それを言いたいがタメに、帰納だの演繹だの分かりにくくごちゃごちゃ要らんこと抜かしてるだけだったかもしれません。)

 

改めてそれを踏まえると、長々と色々列挙されていたものの、「こういう場合はこう言う」というルールをきっちり抑えるのではなく、言葉のつながりの響きを意識するだけでいいとも思えるので、特にあの解説記事で書かれていたことへの深入りは無用でしょうか(何となく「こういう言い方があった・なかった」という糧にすればいいだけ)。

 

とはいえせっかくなので一点、個人的にも「こいつは未だにメチャ分からんよなぁ」と思えるネタ、「AllとAll ofの違い」について、またまた例のごとく集合知に頼って何か得られるものがあることに期待して、検索したらヒットしてきたStackExchangeのQ&Aフォーラム記事を参考にさせていただくといたしましょう。

ell.stackexchange.com

GKK(質問者、上位9%に位置する優良回答者でもあり):AllとAll ofについて(質問スコア2点)

限定詞のない名詞の前では、「of」なしで「all」を用いる。

All children need love. (NOT All of children need love.) 
(全ての子供には愛情が必要である。(All of childrenではない)) リンクはこちら

なぜ「All of children」が正しくないのか理解できない。

論理的または意味論的に、なぜ意味をなさないのか、説明していただけないだろうか?

 

user242899(上位13%に位置する優良回答者):回答スコア5点【ベストアンサー】

**(All of children need love.) ****
(※注:「*」マークは、言語的なディスカッションにおいて、文法的におかしいことを意味するマークですね)

名詞の前や、thisthatの前にallall ofを使うことは許容されている。ただし、名詞が冠詞、所有格、または限定詞なしで使われている場合はall ofは使われない。

でも、もしその文に定冠詞を付ければ、all of を使うことが可能となるよ。

例:All of the children need love. (その子供たちは皆、愛情を必要としている。)

(特定の子供達について話している場合には、theが使われるわけだね。)


これがルールなんだ。なぜこのようになるかは、説明できない。単に、こういうのが言語というもののあり方だ、ということだね(私が知る限り)。

 

BillJ(上位2%に位置する優良回答者):回答スコア3点

[1] All children need love.

[2]* All [of children] need love.

[1]では、「all」が「children」の限定詞として素直に機能しているため、問題ない。

[2]では、「of」の存在によって、全体の一部を示す構文であることがわかる。括弧内のような部分名詞句は、「the」のような限定詞によって確定される必要があるわけだが、ここではそれがないため、文法的におかしいといえるわけだね。もし「the」または他の確定限定詞が挿入されれば、全てが上手くいくよ:

All of the/these/those children need love.
(その/これらの/それらの子供たちは皆、愛情を必要としている。)

 

joiedevivre(上位5%に位置する優良回答者):回答スコア2点

この件に関する論理的な説明については、私自身のものも質問者の推測と同様ではないかと思う。さらに問題を複雑にしてみると、「all of」は冠詞と代名詞とともにしか使えないが、冠詞を用いた場合は「of」を省略することができる、なんてことがあるね。

つまり、次の二つはどちらも正しく、もしこの二つに違いがあるとすれば、私にはそれが何なのかは分からない。

All of the children
All the children

これらもどちらも正しい:

All of those children
All those children

代名詞の場合、やはり「of」は必要となる。「all them」とは言えない。「all of them」と言わなければいけないわけだね。

このことを上手く説明する方法が本当に思いつかない。不思議だね!でも、目的代名詞の前でない限り、通常は「all of」の代わりに「all」と言っても問題はないよ。


(※以下、最後の回答についていたコメント(計3件)です)

 
Barmar(今年上位3%に位置している優良回答者):コメントスコア1点

でも、ニュアンスの違いはあるよね。「all the children」は通常、特定の子供たちを意味するけど、「all children」はあらゆる場所の子供たちという意味になる。

 

joiedevivre(回答コメント主):

私が言いたかったポイントは、「of」はどちらにも必要ない、ということで、まさにそのコメントがそれを証明してくれている形だね!

 

Barmar(最初のコメント主):コメントスコア1点

その通りだね。「all the」と「all of the」はどちらも通常、単なる「all」よりも小さなグループを意味する。定冠詞があることで、より具体的な意味になるんだね。

 

まさにちょうど「all of them」なんかも例として出てきていましたが、結局の所、最も質問者の方が聞きたかったであろう、ofのあるなしについて「なぜ?」という点については、「そうなってるからそう」としか言えないという、ベストアンサーの方の記述が全てにも思えますね。

理屈は特になく「そうなってるからそう」なので、「『all of children』と言われたらネイティブには違和感バリバリに聞こえるよ」という「肌感覚」みたいなのが重要とでもいいますか、「ルールは知らんけどそう聞こえるんだ」の最たる例といえましょう。

 

僕自身は、「all them」ほどの違和感はないものの、「all of children」と書くと確かに何か足りないような感覚もなくはないため、そこに違和感を覚えられるようになっていくと、少しずつ自然な英語に近づけるのではないかなと思う……と、全然自然な英語を使えていない立場からちょっと偉そうに語ってみました(笑)。


結局ここでも冠詞の違いが割と重要になってくる話で、まさしく我々にとって最も難解といえる悩ましい話なのですが、改めてやっぱり、そういう「何か聞いたことある響き」「これは聞いたことないから違和感が…」というちょっとしたものを積み重ねていくしかない話といえそうですね。

(当然、その「自分なりの感覚」は、聞いたことある方もない方も全然見当違いの適当すぎる感覚だったことがしばしばあるわけですけど(笑)、そういう感覚のズレの修正作業こそが、語学を習得していくことそのものに思えてなりません。)

 

…という所で、続いていただいていたコメントのご質問点、「all night」についての点なんかから触れていこうと思いましたが、割といい分量になってしまったので、また次回とさせていただきましょう。

 

記事タイトルでは「Allの全て…」とか大風呂敷広げて嘯いてますけど(笑)、無駄に長々と書いている割に「Allの、ほんの一端」しか見れないというのは言うまでもない話になりそうです。

でも、その「一端」のちょっとずつこそが、やっぱりとても大事なものなのかもしれない……と、中身の薄い記事への言い訳くさいですが(笑)、そう自己弁護とさせていただきましょう(笑)。

 

ちなみに前回から出てきて結局ほとんど全く触れていない「限定詞」ですけど、これは日本語の記事でも極めて網羅的に丁寧に解説されている記事がいくらでもあるので、僕が素人作業でまとめるよりそちらをご参照いただく方が早くて確実に思えます。

この記事(↓)なんかが、特に(allに限らず限定詞全体を)体系的にきっちりとまとめてくれており、大変素晴らしいですね…!

unagisensei.com

とはいえ、(この記事の素晴らしさを毀損するわけでは全くないんですけど)前回の辞書解説記事同様、ここでまとめられている「ルール」を覚えるのではなく、何というか「言葉のつながり・響きを身につける」方が重要かなと思える……というのは前半クドクドと書いていた通りですね。


アイキャッチ画像も例によって何も浮かばなかったので、今回最初に出していた、高校数学で出会って以来理系の人々が好んで使いがちな「帰納・演繹」で検索してみた所、流石にそのものズバリはなかったものの、どういうアルゴリズムなのか、いらすとやに用意されている「あいまい検索」で検索したらこちらの数学者のいらすとがヒットしたため、「お前『演繹』って言いたいだけやろ」と思える登場の仕方をしていた感じでしたが(笑)、帰納・演繹っぽいこちらをお借りすることにしました。

Allの世界はこれぐらい難しい、ってことですね…!

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