コメ返信や補足その1-49-20:Japanese/Americanまとめ

それでは今回は、ここ最近の記事で追っていただいていたご質問に触れていくことで、ここしばらく見ていたJapaneseやAmericanの使い方についてまとめていくといたしましょう。


…と、既に何度か書くだけ書いて触れずじまいになっていたのですが、一点、以前の記事で書いていた説明で補足しておきたい点が見つかっていたので、まずはそちらの補足に触れておく所から始めていこうかと思います。

その補足先ネタとしては、何回か前のこの記事(↓)の話で……

con-cats.hatenablog.com
既に↑の記事にも「後日補足を追記したので、そちら(=この記事)をご覧ください)と追記しておきましたが、以下のご質問の話がそれにあたる感じですね。


該当部分を一部、改めて引用しておきます。

all Japaneseは、

all of the Japanese

でもいいということになりますか?


⇒(色々コマゴマと語った後、結論として)とりあえずこのご質問に関しては、「all Japaneseは、all of the Japaneseとしても全く問題ない(違いもない)」といえるように思います。

 

この「all (of the) Japanese」について、こないだの記事では↑のように書いていたんですけれども、the Japaneseという表現をもう少し深く掘り下げて見ていく中で、いくつか気付いたことがあったためちょっと追記補足しておこうと思った次第です。

まず、この引用部分で初めて触れて、その後クドイぐらい見ていた通り、そもそも「the Japanese」で「全ての日本人」を意味する表現(そして、これが最も良く用いられる素直な表現)になっていることから、「all Japanese」という言い方そのものが、基本的には限定された場面でしか使われないのかなという気がする……ってことがあります。

(まぁ「気がする」というか、色々関連記事を見ている中で、多分そうに違いないと気付いた、って感じですね。)


その「限定された場面」というのは具体的に何なのかといいますと、ちょうど元々このネタに派生することにつながっていた、名著『なるほど100』でスティーブさんが出されていた説明文である「almost all Japanese」がそれにあたります。

つまり、「全ての日本人」という表現に「ほとんど全ての日本人」というような枕詞を入れたい場合、これは「almost the Japanese」という形では全くその意味にならず通用しませんから(これも何でやねんって話ですけど、文法的におかしいので全く意味不明な表現といえます)、必然的にここはallを使う場面(使わざるを得ない場面)だといえる形なんですね。


ハッキリとそう書かれていた記述を見たわけではないものの、色々調べても、「all Japanese」が使われるのはほとんどこれ以外ないといえるレベルで、ほぼ必ず「almost all Japanese」というひとつながりでのワンセット利用が顕著だったため、恐らく、ネイティブに「all Japaneseって、どんな場面で使う?」と聞いたら、「う~ん、almost all Japaneseとか?」って返ってくるのではないかな、と思える話な気がします。

(改めて、逆に言うと、単純に「全ての日本人」と言いたい場合、ネイティブは普通「the Japanese」と言うことが圧倒的に多いという印象ですね。

 日本人的な発想では絶対に「all Japanese」と言いたくなる所ですが、色々見た限り、これは実際あまり使われず、(繰り返しですが)多分この表現は「almost all Japanee」の一部という印象がとても強いせいで、「何か中途半端な表現だね」と思われてしまうようにさえ思います。

(もちろん、僕自身はそんな気は全然しないのですが、ここ最近色々見てみた話を総合すると、「all Japanese」を「全ての日本人」という文脈で使う場面はほぼ見当たらず、「ほとんど全ての日本人=almost all Japanese」という形でしか見かけない気がした、というお話ですね)。)

 

また、「all of the Japanese」に関しては、例えば「私がどこそこで出会った全ての日本人」とか、「日本人は全員○○だったけど、スペイン人は皆XX」みたいに、これも何らかの条件や対比を加えるときにのみ使われる表現なのかな、という気がします。

(逆にいうと、このフレーズを見たら、同じ文中にそういう条件部があることが期待されるし、それがないとあまり使われることはないというか不自然に感じられるのではないか、という印象です。)

 

総合すると、「all (of the) Japanese」という表現は、全く同じ意味でよりスッキリした形の「the Japanese」という表現があることから、「almost」付きとか、比較対象を並列させるという条件付きとか、そういう「何かと一緒に」じゃないとあまり使われない=これ単独だけではほとんど使われない表現ではないかなと思います、ということを補足しておきたかった形でした。

(もちろん、単独で使っても間違いではないし意味は伝わるとは思いますけど、ネイティブは普通は言わない=ちょっと不自然な言い回しだねと思われる、って感じですね。)

 

…といった所で、補足が結構長くなりましたが、いただいていたご質問の方に順に触れて参りましょう。

既にそのご質問をいただいた後、次の記事とかで触れていた話もありますが、逆におさらいとしてちょうどいい感じなのでそのままご紹介させていただこうと思います。

いずれも、例によってアンさんから賜ったコメントになります。

ここでは主にご質問を含む部分のみの引用で、その他話が広がりそうなお話もちょいちょいあったんですけど、そちらはまた機会があれば別のときに脱線ネタとして触れさせていただくかもしれません。

大変ナイスご視点のメッセージ、いつも誠にありがとうございます!

 

the Japaneseという場合の Japaneseは、文法的扱いとしては名詞の複数形ということですか?

the Russiansと同じと考えると…これはもう、アメリカ人でもイタリア人でも、the Americansや the Italiansになって、 theの後は名詞の複数形でOKということ?

Japaneseがたまたま単複同形だから複数形とわかりにくいっていうだけ?

(フィンランド人の件は置いていくことにしました笑)

⇒「the Japanese」という場合、つまり例によってこれ単独で「全ての日本人」という意味で使われる場合ですが、これはまさしくこないだ見ていた複数のフォーラム記事で侃々諤々(かんかんがくがく)の議論が交わされていた部分になるわけですけど、例のFlaterさん(こちらのSE記事)は「名詞である」とされていましたが、個人的には「名詞的形容詞nominal adjective)」というのが、「よし、意味が分からんから無視しよう!」と思える点含め(笑)、一番納得がいくかなと思えます。


AmericansやRussiansはもちろん名詞の複数形になるわけですけど、JapaneseやChineseやあとBritishなんかは、それとは違う特別な単語だということですね。

これだけ何記事も触れておいてなんですが、深入り無用かと思います(笑)。

(…というしょうもない話が、全体の結論かもしれませんね(笑)。)

 

They are Japanese.

の Japaneseは、名詞の複数形ではなく形容詞であると考えるのは、I'm a Japanese.とは言わないのと同じ考え方ですか?

(They are Americans.のAmericansは名詞の複数形だと思われるので、  Japaneseが同じように使えないことの明確な理由が欲しかった感じでしたが…とりあえず今の段階で、 JapaneseとAmericanが同じではないということはわかりました。)

⇒まさにそういう考えでいいと思います。

また、前回触れていた通り、Americanの場合も、普通に形容詞を使った「They are American.」と言う…って話だったので(むしろ、形容詞の方が使われやすい)、その点からも、「They are Japanese.」も形容詞と考えるのが自然かな、という話だといえましょう。

 

He is Japanese.

も、He is an American.と比べて、Americanが名詞として使われているので、 Japaneseも名詞であったとしたら…a Japaneseはダメだからただの Japaneseでいいのか?と思って書きましたが、そういうことでなく、根本的にやっぱり JapaneseとAmericanは違って、 Japaneseは形容詞っていうことになるわけですね。

当たり前の話かもしれませんが、深く考えたこともなかったので。

⇒この単数形の文も、まさしく形容詞と考えるのが一番自然、って感じですね。

僕もこの話に触れるまでその辺の細かい部分は全く深く考えたことがなく、「『He is a Japanese.』というのは完全に不自然だ」という主張も、ネイティブのほぼ全員がそういう書き込みをしているので流石に納得はしたものの、やっぱり全然ピンと来る話ではないですねぇ。

音の響きだけで「うん、変だね」と思える日が来るとは思えませんが、一応、知ってるのと知らないのとでは大きな差があるので、知っておくに越したことはない話とはいえそうですね。


…と、以上がちょっと前の記事にいただいていたコメントで、続いてその次の別の記事にいただいていたコメントになります。

 

うーん、「the Japanese」もやっぱり難しいですねぇ。

the Japaneseが「全ての日本人」という意味なら、普通にどれかを指定する時に使う「the」の意味であの日本人というにはならないということなのか?ということですよね?

それって、またネイティブお得意の文脈次第なのかと思ってましたけど…

 

ちなみに、

The Japanese I met were very friendly.

具体的な複数形のJapanese persons(日本の人たち)として使うことはできるか?

といった内容でしたが(ややこしいのでBritishは省略)、

この場合でもやっぱり Japaneseは複数形であることは確定なんですか?

大阪で会った日本人1人のことを指して“あの日本人”とは言えないんですかね?

⇒そう、そもそもWRフォーラムでこの質問をされていた日本人の方は、ご自身で書かれていた例文でちゃんと複数形としてこの例文を書かれていたわけですけど(動詞がwereなので)、何気にそれ以前に、「一人の人を指して『The Japanese I met...』と言うことはないんやろか?」ってのも疑問に思えますよね(笑)。

(少なくとも僕は何となくそう思えました。)


とはいえ結論としては、この言い方だと絶対にできないようです。


しかしそうすると、当然、続くこちらのご質問(↓)につながる形ですね。

 

ネイティブの意見は毎度ややこし過ぎて、今回もあまりちゃんと読めなかったので、紺助さんのまとめから判断すると、JapaneseとAmericanは完全に別物っていうのは間違いない感じなんですね。

Japaneseグループと、Americanグループがあって、Britishは Japaneseグループっていうこともわかりました。理由は全く1ミリも分かりませんけど笑


では、「あの日本人」という風に、特定のグループ、もしくは特定の人を指して言いたい時は、なんて言いますか?

the Japanese people?

that Japanese person?

those Japanese people?

やっぱり日本人としてのJapaneseは形容詞的にしか使えないということですかね?


(どこかに書いてあるのを見逃しているかもですが…。普通に忘れている可能性も…笑)

⇒この話はほとんど触れていなかったので、最後のおさらいにピッタリですね。

ナイスポイント、重ねてありがとうございます。


散々「『the Japanese』で『あの日本人』とはならない」と書いていたものの、それはJapaneseを名詞「日本人」として使うのが原因であって、何てこたぁない、別の名詞を後ろにつなげて、Japaneseを「日本の」という形容詞にしてやれば問題は何もなくなるんですよね。


ということで、お示しいただいた、the Japanese people(例の、あの日本人たち)やthat Japanese person(あの(一人の)日本人)やthose Japanese people(あの日本人たち)という言い方なら、問題なく使える形だと思います。

(ただし、特にthe Japanese peopleというのは文脈が重要で、全く何の話のつながりも背景もないのにいきなり裸単騎の形でそう言うと、「全ての日本の人たち=日本国民全員」という意味になってしまいます。

 「例の、あの日本人たち」と置き換えて、対話相手(=この文を目・耳にする人)が誰のことを言ってるのかハッキリ分からない状況だと、そう思われてしまいがち(=全日本人のことを言っていると思われてしまう)なので注意が必要といえましょう。)


そういう限定的なものではなく、漠然と「日本の人々」と全般的な日本人を言いたい場合は、冠詞ナシの「Japanese people」がドンピシャだという感じになりますね。

 

それでは続いて、前回の記事にいただいていた新しいコメントも見ていきましょう。

 

あぁ、、アメフトがfootballは、なんとなくそうじゃないかとは思っていましたが、LINE英語通訳が普通に「American football」と言ってきたのと、あと、せっかくAmericanの例文なので、Americanの方が面白いかと思ったので笑

まぁ、その次のダメ出しを読んでも、これは最初からAmericanではなく Canadianにしておけば良かったかもですね笑


Canadianも同じように、

They are Canadians

He is a American.

と言いますよね?

これ、どの国がアメリカやカナダのようにOKで、どの国が日本や中国のようにダメなのか、一応はちゃんと決まっているんですよね?(それについて、ネイティブの方がいろいろ言っていたような気もしますが…)

同じ国名の括りなのに、やっぱりややこし過ぎますよね。

⇒まさに国ごとに決まっていて、CanadianはAmericanと同じ扱いだし、少なくとも「-ese」で終わる国(JapaneseやChinese)は全て我々ジャパングループの単語になるようですけど、それ以外はルールがあるようでないような感じだったので、これはもう気にしないのが一番かと思います(笑)。

 

そして、

Americanが形容詞的意味と、名詞的意味でも普通に使われることで、Japaneseではあり得なかった問題っていうのも出てくる感じですね。(問題っていうか、使い分けっていうか…?)

今回のネイティブの意見は、どれもわりと分かりやすくて、なんとなく理解できました。

今まで散々いろいろ説明していただいたからっていうだけかもしれませんけど笑


They are American.(形容詞)

They are Americans.(名詞)

どちらもOKっていうことで、これはわかります。

さて、違いは?


……………

これらを否定にすれば、その違いはより明確になるよ。アメリカ人らしくない行動をする人を「not American(アメリカ人ではない)」と言うことはできる。しかし、アメリカ人でないという意味以外で「not an American」とは言わないと思える…

……………

↑この説明、めっちゃなるほどと思えましたねぇ。

 

ということは、その前に書かれていた、

……………

一つは「an American」で、これはアメリカ出身であれば使うものだね。一つは「American」で、これはアメリカ出身の人の特徴を備えていれば使うもの  

……………

↑これですよね?

もう、これでいいと思います!

ただ、使い分ける必要は無いって言っていただいた方がやっぱりいいですけどね笑

⇒まぁ前回は「使い分ける必要、ナシ!」と、もう面倒になったのでそんな主張もしちゃいましたけど(笑)、実際名詞はまさに「人そのもの」で、形容詞は「形容している表現」(何の説明にもなってませんが(笑))という感じ……要は、いわゆるアメリカ人らしくないアメリカ人を評して、「He is an American, but he's not like American!(彼はアメリカ人だけど、アメリカ人っぽくないよね!)」みたいな使い分けは、まぁ何となく分かるし使えそうかな、って気はするかもしれませんね。


…ですがまぁこれも、その文脈ならそうとも捉えられる、って話であって、「She is American.」は、普通に「彼女はアメリカ人っぽい性質だ」ではなく「彼女はアメリカ人だ」という意味になりますから、やっぱり基本的に名詞でも形容詞でもハッキリした違いなんてのはほぼなく、気にせずどっちで言っても問題ないことがほとんどではないかと思えます。

明らかに違うニュアンスだな、と思えるような、例えば上で書いた例文なんかを目にすることがあったら、そん時はそん時うまいこと判断すればいいだけ……ってのが気楽でベストといえる感じではないでしょうか。

 

では、この辺でひとまずJapanese/Americanの使い方シリーズはあらかた語り終わった感じですね。

次はどこまで戻るのかチェックしてみたら、普通に元ネタの「almost all Japanese」のご質問コメントでした。

追ってまた順に遡っていこうと思います。

 

アイキャッチ画像は、Japanese/Americanまとめということで、いらすとやを「アメリカ人」で検索して日本人と一緒に描かれているイラストでもないかな……と思ったのですが、そんないい絵はなかったどころか検索結果はたった4件だったんですけど、その中にちょうど、日米の橋渡しを行った幕末の偉人・ジョン万次郎さんのいらすとがあったので、(全然内容と関係ないにも程がありますけど(笑))こちらをお借りしました。

ジョンさん、名前をどっかで聞いたことがある以外何も知らなかったのですが、Wikipediaを見てみたら中々に読み応えがあって面白かったので、最後そちらもオススメしておこうかと思います。

ja.wikipedia.org

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