前回はJapanese/Americanなどなどの用法についての簡単なまとめをしていましたが、そちらの記事に改めてアンさんよりちょろっとご質問を含むコメントをいただいていたため、またそちらに触れることで「まとめのおさらい」的な話から始めていくといたしましょう。
大変NC(ナイス着眼点)なコメ、毎度心よりどうもありがとうございます!
all Japanese
all of the Japanese
については、
all childrenall of the children
で、定冠詞をつければall ofを使えると以前の記事にあったので、何でもそうなのかな?と思ったわけですが、
Japaneseも一応はいけるけど、all Japaneseとall of the Japaneseが同じように使えるというわけではないんですね。
⇒前回「all Japaneseは、それ単独で『全ての日本人』という意味だけで使うことはほとんどなさそう…」と書いていたものの、もちろん絶対にないわけではなく「All Japanese are...」という表現が使われることはなくもないし、その意味も「全ての日本人は…」で通じるとは思うんですけれども、やっぱり「普通このフレーズは、almost all Japaneseみたいな文脈で使われる表現な気がするね」と思う人(ネイティブ)が多いんじゃないかな、って感じですね。
例えば(例によってあくまで日本語で例えてみるだけで、全然関係はないですけど)「無二の」というフレーズを見たら、恐らく、
「これ、何となく普通は『無二の親友』ってつながる気がする、『親友・友達』専用の枕詞に思えるね。別に他の言葉がつながってもいいんだろうけどさ。他の言葉をつなげたいなら、『唯一無二の』みたいに頭に『唯一』をつければ、『唯一無二の存在』『唯一無二の絶品グルメ』とか、他の言葉もつながる気がするかな」
って思えるようにも思うんですけど、それに近いものといえる気がします。
…まさに、「そうかぁ?」と思われる方がいるかもしれない点含め、絶対的な法則ではなく、「何となくそんな気がする」って話ですね。
ではコメントの続きです。
childrenの場合は
all the childrenもOKということでしたし、やっぱりJapaneseはちょっと扱いにくいというか、特別っていう気がしますね。
ほぼ確でthe childrenは全ての子どもという意味にはならないと思われるので、the Japaneseが全ての日本人という意味で使われるなら、
まぁ、いろいろ違ってくるのは当たり前っちゃ当たり前なんでしょうけど。
⇒まさにその通りで、何だかんだJapanese(に限らず、国や国民を表す言葉)は特別だというのが結論でしょうね。
これまたコメントで書かれていた通り、the childrenは、それだけでは普通「世界中全ての子供たち」という意味にはならないと思います。
とはいえ定冠詞theがついているので、何らかの条件付き(「○○をしている子供たち」とか)か、文脈でさっき言及した「先刻ご承知の、例のあの子供たち」という意味になるかのどちらかで、その言及先の全ての子供たちを指していることには間違いない、というのも気をつけるべきポイントといえますね。
この辺の、(theではないですが)allについての話は、途中状態だったコメントでまだ残っていたので、また後ほど触れようかなと思っています。
ひとまず今回のコメントの続きに参りましょう。
そして、
全ての日本人はthe Japaneseなので、
all Japaneseはalmost all Japaneseの形でしか使われない(その方が普通)というのも、言われてみれば納得できるかもしれません。
the Japaneseが全ての日本人なら、almost the Japaneseでもいいじゃん!と思えますが、almost all of the Japanese(どこそこで出会ったほぼ全ての日本人…?)は、まぁいけるっていう感じでしょうか??
自分で言ってて、めっちゃややこしいです笑
⇒almost (the) Japaneseは、まぁ文法的におかしい間違った表現なんですけど、あえて言うなら「ほとんど日本人」で、こないだalmostの話に触れたときにも書いていましたがこれは同時に「ほとんどそうだけど、決してそうではない、絶対に違う」というニュアンスも包含されていますから、何て言うんでしょうね、平仮名交じりの面白Tシャツを着て、カラフルな靴を履いて(これが日本人の特徴かは分かりませんが、そう聞いたこともあります)、ポケモンの帽子を被った黒髪の人を見て「日本人だ!」と思って追い抜いて見てみたらまさかの青い瞳で、「ほとんど日本人だったのに、どう見ても日本人じゃなかった!」というような「ほとんど日本人だけど日本人じゃない人」みたいな情景が思い浮かぶフレーズかもしれませんね(笑)。
(長々と書いておいて何ですが、瞳の色で人種を判断してはいけない時代になっていくのかもしれませんし、それ以前に改めてそもそも間違った言い回しなので、これはあくまでもあえて無理やり意味を考えるなら……ですね。
いうまでもなく、『なるほど100』でスティーブさんが注意してくれていた通り、almost Japaneseは完全におかしな言い方であることには間違いないので、気をつけた方がいいポイントといえましょう。)
almost all of the Japaneseは、まさにアンさんの書かれていた通りで、「all of the Japanese」が何らかの限定条件付き/特定の日本人全員(「どこそこで出会った日本人」などですね)で、それにalmostがつくので、「どこそこで出会った日本人のほとんど全員」という意味になる感じで問題ないと思います。
(とはいえこの場合、almostという不完全さを表す語と、all of theという完全さを表す語(何せどちらも「全て」を意味するallとtheがセットで使われているわけですしね)の相性が何か悪いかな、って気もするので、普通は「almost every Japanese person I met in NYC...(ニューヨークで会った日本人のほとんど全員が…)」のような表現の方がより使われるんじゃないかなぁ、って気もします……が、その辺はやっぱり言い回しなんて個人の差もあると思いますし、多少まどろっこしかったりあんまり聞かない言い方だったとしても、意味はきちんと伝わってくれるんじゃないかな、と思います。)
ちなみになんですが、
the Japaneseは、
The Japanese are kind.
文法的にやっぱり複数形になるんですかね?
そして、
同じようなthe Canadianは、
The Canadian is kind.
単数形になり、意味も違うということですよね?
(カナダ人にしてみました笑)
ちょっと賢くなりましたね笑
⇒「日本人全員」を表す「the Japanese」は、品詞としては名詞的形容詞とかいう微妙な奴で、見た目は単数形ではありますけど、意味的にも、そしてそもそもJapaneseは単複同形の語であるともいえますし、これは当然複数扱いで、動詞は「are」ですね。
一方のカナディアンは、当然その例文だと、「あのカナダ人は親切だ」と、特定の一人のカナダ人について語っている話になります。
もちろん、前後の文脈無しにいきなりこの文だと、「いや誰だよその『the Canadian』とやらはよ(笑)」と思われる、意味不明な発言になってしまうのにも注意が必要といえましょう。
…という所で、いただいたご質問から前回のまとめのおさらい的な話をしていきましたが、続いて遡っていく以前のコメントは、(前回チラッと書いていた通り)途中状態になっている、スティーブさんの説明に対するご質問コメ……だと思っていたのですが、実はその後いただいていたコメントの中に、本題のJapaneseとは少し違うネタだったので最近の記事では触れずに保留していたものがあったのを忘れていました。
これはサクッと終わりそうですし、分量的にもちょうど良さそうなので、今回はそれに触れて続きはまた次回とさせていただこうかと思います。
それがこちら、allのケンブリッジ辞書による用法解説を見ていた長い記事で前座として触れていた、コーヒーに砂糖を入れる例文(元々アンさんからいただいた例文ですね)の話になります。
コメントでその例文にも触れられていたので、コメントの引用だけで良さそうですね。
なるほど。マルコメジョンによると、
Please put two sugars in each coffee.
は、砂糖もコーヒーも大丈夫ってことですね!
「all coffees.」「evey coffee.」は置き換えOKで、「all coffee.」はやっぱりアカンと。
細かい部分はネイティブお得意の“文脈次第”ということなので、
Please put two ices in each water.
となると、当然、話は変わってくるんでしょうね笑
⇒同じ研究室のジョンには、彼に全くメリットがないですし時間を割くのも悪いので(まぁ結構無意味に廊下をフラフラしてる人なので、そういうときに聞けなくもないですけど(笑)、やっぱりあんまり英文法の質問しまくるのも、「こないだから何なの?何か英文法の質問に答えるブログでもやってるの?」とか思われても面倒ですし、案外聞き辛いってのが大きいかもしれません(笑))、他のネタはちょっともう逐一は質問しづらいものの、このコーヒーネタはずっとジョンに聞いていたものですし、関連質問としてまた気軽に質問してみました。
紙に、いただいた水と氷の例文を書いて、「最後のquick question!」と(ちなみに、「簡単な質問」は、英語だと「quick question」ということが多いです。何を隠そう、質問相手のそのジョン自身が、実験に関する話で僕に「quick questions」と聞きまくってくるので覚えた表現でした(笑))、廊下をフラフラしてたタイミングで突撃してみた次第です。
結果は…
例文を一瞥して即、一瞬も考えることなくマジの即答で、「ice cubes」とだけ言い残して、そのまままたいずこかへとフラフラ立ち去ろうとしていく感じでした(笑)。
いやありがたいけどちょい待て待て~い、waterはえぇんか?と思い、改めて呼び止めて、「え?waterはいいんだ。前、waterは数えられない名詞って言ってたけど…」と聞いてみたら、
J『each water...めーん(ただのアメリカ人特有のうなり声)、別に問題ないと思えるね』
紺「あれ、でも、文法的に、eachには数えられる名詞しかつながらない、って習ったんだけど、この場合はいいんかい?」
J『(例文をまた音読して)いいと思うよ。two icesはおかしいけどね。cubesか、まぁ後はtwo pieces of iceとかでもいいかもね』
紺「ほ~ん、この場合waterはいいけど、まさかのiceが複数形はおかしいのか」
J『each water……ま、cup of waterってのがimply(ほのめかし)されてるって感じだろうね。』
…という感じで、気になるwaterはまさかのeachと組み合わせて使えるということでしたが、キーワードは「imply(暗に示す・ほのめかす)」って話だったのかもしれませんね。
結局何かおかしいものがあっても、「ほのめかされてるからセーフ」とか、それ無敵理論じゃん(笑)と思えますけど、実際そういうのが多いのが英語(に限らず言語全般)にも思えます。
そしてそれ以上に驚きが、シュガーは(やはりこちらは、スティックとかで個包装されてるイメージが強いからでしょうか)two sugarsで何のお咎めもなしだったのに、アイスはまさかの「two icesは完全におかしい」ということで、「アイスだけ何で違うねん!」と思える話になっていました(笑)。
…あぁ、よく考えてみたら、角砂糖の場合も、商業的に完全に同じサイズのもので「1つ2つ…」と数えやすいけれど、氷の場合は決まった形がないから、これをicesと数えるのは我慢ならねぇ、というネイティブの感覚によるものなのかもしれないですね!
とにかく、即答だったので、これは全く迷うことなくあまりにもおかしい表現だといえそうなので、アイス(氷)を数える際は今後注意したい限りだといえましょう。
分量的に別に本題はアイスではなかったものの、タイトル&アイキャッチ画像にしやすかったので今回は氷記事という感じでした(笑)。
氷(アイスキューブ)のいらすとで〆ですね。