コメ返信や補足その1-49-18:「The Japanese」は「あの日本人」ではないのか…?

それでは今回は、前回ちょっと触れていた話に深入りする脱線回ということで、またまた大変興味深い内容のフォーラムQ&A記事を参考にさせていただきましょう。

話としては、「the Japanese」という言い方(何かの名詞を修飾するのではなく、これ単独のフレーズ)は、「全ての日本人」という意味になるのです……などと最近の記事で書いていたわけですけど、「中学以来英語を習ってきた日本人の発想的にそれは直感に反するぞ、『あの日本人』という意味にはならないのか…?」という、勝手に話し始めて勝手に疑問を呈しているだけで、別に誰にも聞かれてはいませんが(笑)、個人的に気になるネタになります。


とはいえやはり同じ言葉を操る者同士、似たような疑問が浮かぶのでしょうか、パッと目についたのは久しぶりのWordReference (WR) の方から、日本人の方が立てられた質問スレッドでした。

そしてこのスレッドでは、WRフォーラムで毎度お目にかかってるんじゃないかと思えるぐらいのLoobさんが、相も変わらず質問者の意図を汲んでくれた、大変役に立つありがたい回答をくれている形でした。

ちなみに引用は毎度名前のみで、アイコン画像まではわざわざ借用していないのですが、Loobさんの使用されているアイコンは西洋人形みたいな、可愛いらしいけれど正直若干恐怖を感じる気もするイラストなんですけど(とはいえこれはLoobさんのアイコンが悪いのではなく、リアルな人形というものに若干の怖さを感じる、僕特有の性質(でも、結構多くの人が共感する点?)によるものになります)、例によってアイキャッチ画像ネタが全くなさそうなので、とりあえずこういう感じの西洋人形のいらすとです(↓)…と、毎度面倒なノルマであるアイキャッチをここで早めに片付けておこうと思います(笑)。

なお、このいらすとやの絵は大分可愛らしい感じですし、これなら別に全然怖かぁないですけど(笑)、Loobさんのアイコンはこれよりもうちょいリアルよりの、いかにも欧米チックな感じですね。

(画像検索してもLoobさんのアイコン以外にヒットしなかったため、フリー素材ではない可能性が高いことから、アイコン画像を直接アップロードするのは控えておきました。)


…ってあまりにも本題とは関係ないネタですけど、言うほど恐怖画像でも何でもなく、単純にインパクトがあって覚えやすいので、そのアイコンを見かける度に「あ、またLoobさんだ!お役立ち回答をくれているだろうから、これは嬉しいぞ!」と思えるのでした……ってことを言いたかっただけ(そしてアイキャッチ用の画像を出したかっただけ)ですね(笑)。

 

では本題に参りましょう。

「The Japanese」について触れてくれていた記事は実は他にも色々あったのですが、まずは一番新しい、こちらをメインで見ていこうと思います(↓)。

forum.wordreference.com

magic dragon feeders(質問者、日本語話者):The Japanese I met(私が会った日本人)

 

質問に答えていただけないかな?前もってあらかじめお礼を伝えておくよ、どうもありがとう。

A: The Japanese I met were very friendly.
(私が会った日本人たちはとてもフレンドリーだった。)

B: The British I met were very friendly.
(私が会ったイギリス人たちはとてもフレンドリーだった。)

AとBは正しい?

「the British / Japanese」は、具体的な複数形のBritish / Japanese persons(イギリス/日本の人たち)として使うことはできるのかな?

 

Egmontアメリカ・マサチューセッツ州在住、アメリカ英語話者):#2

どちらも問題ないよ。これからも旅先でフレンドリーな人たちに会えるといいね!

 

heypresto(サウス・イースト・イングランド在住、英国英語話者):#3

(質問文の「Japanese persons? 」を引用して)

ノー。

Japanese people. だね ✅(※「正しい」を意味する絵文字)

 

RM1(SS)コネチカット州在住、アメリカ英語(中西部)話者):#4

(#2のEgmontさんの『どちらも問題ないよ。』を引用)

👍👍(※サムズアップ=同意)

 

Loob(英国英語話者):#5

「The British I met」については、全く分からないなぁ。

「The British」は、間違いなく「the British people in general(イギリス人全般)」という意味で使えるよ。でも、「the particular British people I met on holiday(休暇中に会った特定のイギリス人たち)」という意味で使うことはないと思うなぁ。あるいはひょっとしたら、「The British I met..., the French I met.....(出会ったイギリス人たちは…、出会ったフランス人たちは…)」という対比を描いているとすれば、話は別かもしれないけどね。

もしかしたら、私だけかも。

 

magic dragon feeders(質問者):#6

Loobさん、ありがとう。

『私だけかもしれない』とおっしゃったね。


---あなただけではないよ。私もなんだ。

ほとんどの辞書では、「the British」を「the people of Great Britain(イギリスの人々)」と定義しているよね。

私には、こういった辞書では、このフレーズは集合体の総称として捉えられているように思う。もちろん「The British I met(私が出会ったイギリス人)」は集合的な使い方ではないね。

しかし、ネイティブの知人の多くは「The British I met」はOKと言っているんだ。中には同意しない人もいるけど。


ケンブリッジ辞書では、「British」(名詞)を「people from Great Britain(イギリス出身の人々)」と定義している。

これは、「British」(「the British」ではなく)を集合体として捉えていないよね。個人的には、集合的でない使い方が許されるのであれば、「The British I met」はOKだと思うんだけど。このスレッドの複数の回答者はOKと言っているしね。

皆さんのご意見を伺いたいな。

 

JulianStuartカリフォルニア州・ソノマ郡在住、英語(英国その後米国)話者):#7

質問文の表現が「間違っている」とは言い切れないけれど、私であれば、どちらの場合も必ず「people」を入れるだろうね。

 

magic dragon feeders(質問者):#8

Egmontさん、RM1(SS)さん、ありがとう。

次の文もOKかな?

C:The British came and said hello to me.  
(イギリスの人々が来て、私に挨拶してくれた。)

 

magic dragon feeders(質問者、連投):#9

heyprestoさん、Julian Stuartさん、コメントありがとう。

 

Loob(英国英語話者):#10

(#8の、例文Cを引用して)

私の反応は、改めて、「ノー」になるね。
またもや、対比を描いているのであれば、話は別と思うんだけど:

The British came and said hello to me; the French didn't.
(イギリスの人たちは私に挨拶してくれたけど;フランスの人たちはしてくれなかった。)

この「対比」の文脈でも、あなたは一種の一般化をしていることになるよ。要は、「In the situation I was in, British people generally came and said hello, French people generally didn't(私がいた状況では、イギリス人は概して挨拶してくれて、フランス人は概してしてくれなかった)」ということだね。その文は、特定のグループを指しているわけではないよ。

 

magic dragon feeders(質問者):#11

Loobさん、ありがとう。

『この「対比」の文脈でも、一種の一般化をしている』とおっしゃったね。


もちろん、そのように一般化された「the British」は、イギリス人一般を意味するものではない…と思は思えるんだけどさ。

それでは、お示しいただいた例のシチュエーションについて、解釈を述べさせていただこうと思うよ:The British came and said hello to me; the French didn'tという文だね。


例えば、あなたが1946年に、ウィーンで喫茶店を経営していたとする。その店には毎日、イギリスの軍人や政府関係者、そしてフランス人も訪れていた。今、あなたは当時を振り返って、その友人に「British people, entering my shop, used to say hello, but French people didn't.(イギリス人は私の店に入ってもよく挨拶してくれたが、フランス人はしてくれなかった)」と言う…なんてどうかな。

私の解釈は的を射ているかな?

 

Barqueタミル語話者):#12

(#5のLoobさんの投稿を引用して)

👍(※サムズアップ=同意)


質問文の文章は、あたかも、あなたが出会ったイギリス人と他の国籍の人を比べているとか、違う時期に出会った他のイギリス人と比べているとかいうように聞こえるね。


(1つ上、#11の質問者の投稿を引用して)

自分ならこんな風に言うかな:The British customers always used to say hello but not the Fench.
(イギリス人のお客さんはいつもハローと言っていたのに、フランス人は言わないんだ。)

質問文の文脈が分からないんだけど、もし休暇中に会った特定のイギリスの人々について言及しているだけなら、次のように言うだろうね:I met a lot of friendly British people.(私はたくさんのフレンドリーなイギリス人に会った)。

 

magic dragon feeders(質問者):#13

Barqueさん、ありがとう。

『もし休暇中に会った特定のイギリスの人々について言及しているだけなら…(以下略)…』とおっしゃったね。


それは分かるんだけど、私の質問では、「the British」が何らかの形容詞や形容詞節で修飾されるのかどうかを確認したいんだ。

例文Dはどうだろう?:

D: The British people I met were very friendly.
(私が会ったイギリス人はとてもフレンドリーだった。)

これはOK?

 

JulianStuartカリフォルニア州・ソノマ郡在住、英語(英国その後米国)話者):#14

(1つ上の投稿#13の例文Dを引用して)

👍(※サムズアップ=同意)

どの国籍が単独で人を表すのに使えて、どの国籍がpersonという単語を加える必要があるかを議論している、長いスレッドがあるよ: I'm Chinese / I'm a Chinese [Nationality: adjective vs noun] 

こんな感じだね

A German  ✅(※「正しい」を意味する絵文字)
A Canadian  ✅
A French ❌  A French person ✅
A British ❌ A British person ✅
 

magic dragon feeders(質問者):#15

Julian Stuartさん、ありがとう。

 

Barqueタミル語話者):#16

繰り返しだけど、さらなる文脈がないと、まるで他人と対比しているように聞こえるよ。

The British people I met were very friendly. The XXX were even friendlier. The YYY didn't talk to me at all.(私が会ったイギリスの人々はとてもフレンドリーだった。XXXたちはもっとフレンドリーだった。YYYたちは全く話しかけてこなかった。)

 

magic dragon feeders(質問者):#17

同意だよ、Barqueさん。

定冠詞は、単一の物事や複数の物事を定義するものだね。

だから、the British (people)はイギリス人の限定されたグループを意味し、一方、「British people」は英国にいる人/出身者全般を意味する…と思うんだ。

何から制限されているんだろう?もちろん、他の国籍の人たちからだね。


ちょうど「The sun rises in the east.(太陽は東から昇る)」や「Cloth is sold by the meter.(布はメートル単位で売られる)」のように、一般的に名詞が具体的な言及元をもたない場合、その特異性というのは、その名詞が他の名詞と異なる/対立することに起因するんだと思う。(the eastはthe west、the north、the southから区別さているね。)。the British (people)の場合もそうだと思うんだ。


しかし、「the British (people)」が英国に住む/出身の全ての人々を意味する場合、何かの総称であるということは特定されているということを意味するので、区別や対立は言及する必要がなくなる……

私の説明は合っているかな?

 

magic dragon feeders(質問者、連投):#18

Barqueさん。「the British I met」について言おうと思ってたことを忘れていたよ。

『さらなる文脈がないと、まるで他人と対比しているように聞こえる』とおっしゃったね。

私が想定していた文脈は次のようなものだったんだ。

「Dad, you often say British people are quiet and unfriendly, but the British I met yesterday were talkative and very friendly.」
(父さん、よくイギリス人は無口で愛想がないって言ってるけど、昨日会ったイギリス人たちはおしゃべりでとても愛想がよかったよ。)

私はこのイギリス人たちと他人を対比してはいないかったんだ。ということで、この文脈なら、もう一つの「the X X」は不要だと思うんだけど。皆さんのご意見をを伺いたいね。

 

Loob(英国英語話者):#19

(上の「Dad, …」の例文を引用して)

それは私には絶対におかしく聞こえるよ、magic dragon feedersさん。

 

magic dragon feeders(質問者):#20

Loobさん、ありがとう。

『それは私には絶対におかしく聞こえるよ』とおっしゃったね。

了解。君の考えを受け入れるよ。

では、「the Americans I met(私が会ったアメリカ人)」「the Canadians I met(私が会ったカナダ人)」ならどうだろう?

「the British/the Japanese I met」と同じことが言えるのかな?

 

Loob(英国英語話者):#21

「Dad, you often say British people are quiet and unfriendly, but the British I met yesterday were talkative and very friendly.」❌

「Dad, you often say Japanese people are quiet and unfriendly, but the Japanese I met yesterday were talkative and very friendly.」👎👎(※「ブーブー、引っ込めー」という、「良くないね」を意味するサムズダウン)(もしかしたら、❌ とさえ言えるかも)

「Dad, you often say American people are quiet and unfriendly, but the Americans I met yesterday were talkative and very friendly.」✅(※「正しい」を意味する絵文字)

「Dad, you often say Canadian people are quiet and unfriendly, but the Canadians I met yesterday were talkative and very friendly.」✅

 

magic dragon feeders(質問者):#22

Loobさん、どうもありがとう。

 

JulianStuartカリフォルニア州・ソノマ郡在住、英語(英国その後米国)話者):#23

(#20の、質問者の投稿を引用して)

上の、#14の投稿に貼ったリンクを見てくれたまえ。―議論されているよ

 

magic dragon feeders(質問者):#24

JulianStuartさん、有益なスレッドにリンクしていただき、ありがとう。

このスレッドの回答者の多くは、「British」「Chinese」「Japanese」--- を形容詞として、「American」「Canadians」--- を名詞と形容詞の両方として捉えているようだね。

だから、「the British I met yesterday were talkative and very friendly」はダメだけど、「the British people I met yesterday were talkative and very friendly」はOKなんだね。
そして、「the Americans (the American people) I met yesterday were talkative and very friendly」も大丈夫ということなのか。


ところで、「The Americans are a hardworking nation(全てのアメリカ人は勤勉な国民である)」と「American people are a hardworking nation(アメリカの人々は勤勉な国民である)」の違いは何だろう?

前者はアメリカ人全員について述べているのに対し、後者はある種のアメリカ人について述べているように思うんだけど。

それともどちらも全く同じなのかな?

 

…というわけで、最後のレスの質問には残念ながら回答がついていなかったものの、これはmagicさんのご推察通りで正しいと思います。

本当は別の記事(特に、リンクが貼られていた熱い議論記事)も見て行きたかったのですが、やっぱり全部まとめると案外長かったので、今回も基本的にフォーラム記事を貼るだけで終わらせていただきましょう。

(なお、リンク先の記事は、まさかの全部で182件のコメント(!)がついている、「盛り上がりすぎワロタ」というレベルだったので、流石にこれをまとめるのは不可能そうですね(笑))


一応簡単に今回紹介した記事をまとめておくと、当初、あまり深く読まないネイティブの方は「いけるいける」と簡単に答えていましたが、やはりLoobさんのようにじっくり読まれる方からすると、「おかしいと思う。The JapaneseやThe Britishが、特定の人(たち)を指すことはない気がするね」とおっしゃられていました。

そして一方で、The Americansであれば、全く同じ文脈で「特定のアメリカ人たち」という意味で全く問題なく使えるということで、やっぱりJapaneseとAmericanは完全に別物といえる話になっている感じですね。

(ただ、「気軽に読んで回答するネイティブには、全く問題ないように思えるようだ」というのも、それはそれで価値のある回答に思います。そんなにめちゃくちゃハッキリした話でもない、ってことが窺える形になっているといえましょう。)


あまりに長いのでひとまずこの辺にしておきますが、続いてアメリカンの話に戻っていくとともに、関連して以前に書いた話でまた追記補足しておきたい話が一つ見つかっていました。

追って順番にそちらにも触れていこうかなと思っています。

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