前回は色を表す際の単数複数について、何のこっちゃと思えるネイティブによる説明文を出すだけ出した程度の、サワリを垣間見るぐらいな感じで取り上げていました。
早速そちらにまた触れていこうと思いますが、またまた、大変ありがたいことにアンさんからいくつかご質問を含むコメントをいただいていました。
本題である、前回終わりに触れていた「color」という単語の使い分けの例文に入る前に色々なポイントがあったため、今回はそこまで辿り着きそうになく、その点はまた次回に先送りになる形になりそうですが、一つずつ疑問点に触れていくのが何よりですしね、順番に触れていく感じで進めていくといたしましょう。
色を複数形にできるか、要するに、赤と金の違いは、『単純に「実体のある物をイメージできるかどうか」がポイント』っていうことですかね?
あ、でも、“この場合の”赤と金の違いは、っていうことか…
ムズイですねぇ…
わかるようで全くわからないです。
「様々な赤」も、なんとなくわかるようでわからないですが…これはボールや鳥がダメっていうことではないんですよね?
例えば、金色のボールでもgoldsとは言わないし、銀色の鳥でもsilversとは言わないし、逆に赤色でイメージできるものがあれば、それはredsと言えるっていうこと?
なんか、当たり前のことを言ってるはずなのに、考えれば考えるほどわからなくなってきました笑
⇒日本語には単語レベルでの複数形という概念がないため…
(「~たち」みたいな強引に複数であることを示す手法はあるものの、1個でも2個でも、リンゴは「リンゴ」と表せる、ってことですね(an appleとtwo applesのように、明白に使い分けがなされる英語とは違って))
…本当にどうしてもこの辺は中々イメージが湧きづらいわけですが、原則としてはやっぱり、「形のあるものを1個2個と数えられるなら、複数形のsをつける」ってのは確定というか、一番分かりやすいポイントといえる気がします。
ただこれも、furnitureやluggageのように、「いや、家具も荷物も1個2個って数えられるじゃん!」と思えるのに「こいつらは集合的な概念を述べてる単語だから、不可算名詞で~す」とかいうクズみたいなやつらがいるせいでややこしいわけですけど(笑)、少なくとも「XXs」と複数形のsがついている名詞は、「1つ2つ…複数あるね」と数えられるものと考えて間違いないはずですね。
メダルを「a gold」という名詞で表す場合なら完璧に明らかですが(とはいえこれはちょっと違和感があるネイティブもいた話なため、やや微妙な例かもしれないものの)、前回見ていたケンブリッジ辞書で書かれていた例文、「絵画作品に、様々な赤やピンクが使われている」という文でも、「ここは鮮やかな赤、こっちは深紅、こっちは明るいピンクで塗られてるね」と、1つ1つ異なる色調の赤さをピックして数え上げることができる、って感じなわけです。
とはいえ、ここでアンさんがモヤッとされているのは多分、数うんぬんより「色を実体ある名詞として捉える場合と捉えない場合と、何がちゃうねん」みたいな話だと思うんですけど、これはやっぱりもう、その色がその物質そのものを表すかどうかは、「その人次第」としかいえない話じゃないかな、と思います。
まさにメダルの例がこの場合適切だと思いますが、「金メダルなんて誰でも頭に『あの丸いアレ』が思い浮かぶし、単に『a gold』っていうだけで一枚のメダルを指しても全く問題ないよね?少なくとも俺は問題ないと思うから、俺は今、『a gold medal』ではなく、簡単に『a gold』と呼ぶことにするよ」という思考をもってして、「six golds」みたいな表現をしているにすぎず、本来形を持たない「金 (きん)」「金色」という言葉をメダルの代名詞的に使うのは、その発言者のイメージ次第という話に尽きるように思えます。
したがって、金色のボールであっても、例えば子供の大規模遊戯場みたいな所で、大量のボールが転がってる中から特別なボールを拾ってこよう!…みたいなアトラクションがあったとして、「この文脈では、『gold』といったら大当たりのあの金ピカボールのことを指すに決まってるんだ」という了解が明らかに取れているような状況ならば、
「Look! John has picked up two golds!!(見て!ジョン(←自分の子供のこと)が金ピカを2つも拾ってるよ!!」
ということもあるでしょう、って話ですね。
当然金に限らず、大当たりのレアボールが赤なら、「John! You can see a lot of reds over there!!(ジョン、あっちに赤いのが沢山あったよ!!)」みたいに言うのも全然ありだと思える感じですね。
(もっとも、普通はやっぱり「lots of red balls(沢山の赤いボール)」って言う方が多いんじゃないかな、とは思えますが…。)
※後日追記:その後、この話についてもう少し詳しく見ていった結果、もうちょいそれっぽい考察をした記事も書いてみました。
気になる方は参考にご覧いただければ幸いです(↓)。
ということで、他にも何か「あまりにもこいつは赤だから、redといえばもうこいつそのものを指しても問題なかろう」と思えるものがあったら、それはa red, two reds, ...と数えていって問題ない話じゃないかな、と思います。
(それに違和感を持たれるかどうかは、英文法の話ではなく、「そいつを赤と呼んでいいかどうか」という、単なるセンスの問題になってくる、ということですね。)
それとはまた別のモヤッとする点としては、「『絵画の様々な赤を1つ2つと捉える』って、塗られた絵の具ってあんまり『実体』感なくない…??」って点もやっぱり、数の概念をもたない日本人的には「それは数えるんか~い!別の場面で、何かもっと数えられそうなものでも『これは不可算』みたいな例なかったっけ?なのにこんな決まった形を持ってるわけじゃないやつは数えるとか、どうしてもこじつけに思えるっちゅーか、絶対的なルールがどうしても見えてこないぜ…!」と思えてしまうように思えるんですけど、これはもう、ややこじつけに思える気もしますけど、英語話者にとってはこれは数えるものらしい、と理解……はできなくとも、割り切って納得する他ない話だといえましょう。
むしろこの「様々な色調の赤がある」ような場合に、「この赤とこの赤は違うな……複数の赤があるね!」と述べるのがredを複数形で使う場合の最もメジャーな使い方といえるので(例の、具体的な赤い物質を単純に「a red」という呼び方で呼ぶ使い方よりも)、この「色と数」の話においては、これが抑えておくべき最重要項目とすらいえそうです。
例えば紅葉のシーズンで「ご覧ください、本日○○山は、色とりどり・様々な赤さに色付いて、大変見ごたえのある美しい景色になっています!」という場合が、「可算名詞・複数形のreds」を使う代表的な例という感じですね。
ではコメントの続きですが、今回は長さ的に一番最初の部分に触れて終わりになりそうなんですけど、「以下、前回の例文の質問も含まれているので、次回またちゃんと触れる予定です」ということを宣言すべく、コメントの最後まで一気に貼っておこうかと思います。
例えば、
浦和レッズっていうサッカーチームですが、「Red Diamonds」のことをredsって言うんですよね。
他にも、野球チームなんかでもありそうですが、このredsは、まぁただの名称なので例えにはならないかもしれませんが、Red Diamondsのことを言ってるんですよね?
結局これが実体のあるものをイメージできるっていうことなんですかね?(個人的には、全くイメージできてませんけど笑)
例えば、色以外でも大きさを言う場合…
Two are medium and three are large.
これは複数形にはしませんよね?
Two are cold and three are hot.これも?
でも、形を言う場合…Two are circles and three are squares.
複数形にするような気がしますねぇ…
(っていうか、LINE英語通訳がそう言ってました笑)
あぁ、でもこれって、circleは名詞だから普通に複数形でいいっていうことですか。いやでも、squareは形容詞でもありますよね?
形は実体のあるものをイメージできるから?
いや、そもそも色を複数形にできることが不思議だったわけで、よく考えてみれば、redsとは言わないっていう事実に違和感はないわけですが、、赤か金かに関わらず、色を複数形にできるケースっていうのは特殊だと思っていいっていうことでしょうか?
後半のネイティブの意見は、、
めちゃくちゃ難しかったですねぇ。
まず、最初のMorganFRさんの回答が、全部同じに見えました笑
「what's the color of two dogs?(2匹の犬の色は何?)」
と聞きたい時って、
「犬を2匹飼ってるよ!」
「へぇ〜、何犬なの?」
「どちらもプードルだよ!」
「2匹の犬の色は何?」
とかいうシチュエーションを勝手に想定してましたけど、、
「どちらも同じ色」なのか、「両方とも違う色のこともあるが、大抵は1色ずつである」のか、「両方の犬が同じ色であったり、違う色であったりするが、それぞれ複数の色を持つか、少なくともどちらかは複数の色である」のか、、、、まぁそんなようなだいたいの色のイメージによって、聞き方が変わるっていうことなら、、
上記のシチュエーションでは聞けないですね笑
っていうか、何も知らずに聞く方が多くないですか?
何か間違った解釈をしてますか?
わからな過ぎて、ここで諦めました笑
今回まだ途中ということなので…次回で、、わかるかどうか…いやちょっとこれは自信ないですねぇ。
(自信あったことの方が少ないですけど笑)
⇒レッズ、僕もこないだこの話を書いていて浦和レッズが思い浮かんでいましたが、レッズの場合、これはやっぱり単なる愛称であって、上で見ていた例とはまたちょっと違うようにも思えますけど(two Reds, three Reds…と数えられる可算名詞・複数形というわけではなく、固有名詞にすぎないので)、とはいえしかし、そもそもチーム名で複数形が使われることが多いのはどういうことなんだろう?という疑問点は浮かんできました。
直接これまでの疑問と関係する話ではないかもしれないものの、またWordReferenceの方で関連記事が目についたので、今回は脱線ネタとしてこちらを紹介して、続きの本題はまた次回とさせていただきましょう。
やはりこの辺の「数にまつわる話」を疑問に思う点は国民的なものなのか、こないだのトピに続いて今回も、日本人の方が立てられたQ&Aトピックですね。
早速翻訳紹介させていただきましょう。
Akatsukis170(質問者、日本語話者):チームの愛称が複数形を取ることについて
チーム名の愛称が複数形になっている理由をご説明いただけないだろうか?The Blues.(ザ・ブルーズ)
The Reds(ザ・レッズ)
The Whites.(ザ・ホワイツ)
The Saints(ザ・セインツ)など。なぜ、「the Blue」、「the Red」、「the White」、「the Saint」と言わないんだろう?
Florentia52(ウィスコンシン州在住、アメリカ英語話者):
ほとんどの場合、チーム名が複数形なのは、そのチームが複数の人で構成されているからだね。ウィスコンシン大学のチームはthe Badgers(ザ・バジャーズ)だけど;チームの一人はa Badgerだよ。
場合によっては、複数形でない名前を選ぶチームもあるよ。例えば、The Stanford Cardinal(スタンフォード大・カーディナル)は単数形を使ってるね。
Akatsukis170(質問者、日本語話者):
「the Orlando Magic(ザ・オーランド・マジック)」みたいなものだよね?もしよければ知りたいんだけど、単数形が使われているのには何か理由があるのかな?
「Magic」は不可算名詞なので、このチームがOrlando Magicsになることは文法上あり得なかったからだね。
私の知る限り、単数形の名詞でチーム名を付けるようになったのは、比較的最近出てきたことだと思う。
Grefsen(カリフォルニア州南部在住、アメリカ英語話者、2番目のFlorentia52さんの回答への返信):
これは、Florentia52さんが選んだ、素晴らしい例だね👍 Stanford Cardinalが複数形でなく単数形なのは、チーム名が「cardinal(紅冠鳥)」という鳥の名前ではなく、「cardinal(緋色)」という色に由来しているからだよ。アメリカには「cardinal」という鳥の名前を冠したプロスポーツチームが2つあるね。 St. Louis Cardinals(セントルイス・カージナルス)とArizona Cardinals(アリゾナ・カージナルス)さ。
Grefsen(カリフォルニア州南部在住、アメリカ英語話者、1つ上のvariegatedfoliageさんの回答への返信):
フロリダ州にあるNBA(National Basketball Association)のプロバスケットボールチームは、いずれもチーム名が単数形名詞になってるね。The Miami Heat(ザ・マイアミ・ヒート)は1988年、Orlando Magicは1989年に設立されている。NBAでチーム名に単数形名詞を使用しているのは、他にthe Utah Jazz(ザ・ユタ・ジャズ)だけかな。このチームはもともと1974年にニューオーリンズ市で創設され、1979年にユタ州に移転されているね。
数十年というのは、スポーツチームの全歴史の中では比較的最近のことだね。
Grefsen(カリフォルニア州南部在住、アメリカ英語話者、1つ上のvariegatedfoliageさんの回答への返信):
私も完全に同意見だよ、variegatedfoliageさん👍 フロリダのNBA2チームの例は、あなたが最初に書いたことを裏付けるために挙げたものだよ😀
National Hockey League(ナショナル・ホッケー・リーグ、NHL)の2チームも、チーム名に単数形の名詞を使用している、ってことにも触れておこうと思ったんだった。The Colorado Avalanche(ザ・コロラド・アバランチ)(旧Quebec Nordiques(ケベック・ノルディクス))はカナダから移転して1995年にチーム名を変更したし、the Minnesota Wild(ザ・ミネソタ・ワイルド)は2000-01年にNHLで最初のシーズンを戦ったね。
Akatsukis170(質問者、日本語話者):
みなさん、ご説明どうもありがとう。それでは。
Andygc(デヴォン在住、イギリス英語話者、variegatedfoliageさんの最初の回答(「比較的最近…」)への返信):
Hamilton Academical 1874 (The Accies)(ハミルトン・アカデミカル 1874年(ザ・アクシーズ))、Aston Villa 1874 (The Villa)(アストン・ヴィラ 1874年(ザ・ヴィラ)、Tottenham Hotspur 1882 (Spurs)(トッテナム・ホットスパー 1882年(スパーズ) ...
Grefsen(ニューヨーク州在住、アメリカ英語話者、1つ上のAndygcさんの回答への返信):
イギリスのサッカークラブの歴史は目を見張るものがあるね! (y)(←文字で表した、親指を立てている絵文字)
ノルウェーで初めてできたサッカーの友達が、たまたまアストン・ヴィラの大ファンだったからね、「ヴィラ」には私が知っているだけで他に少なくとも3つのチームのニックネームになっていることも付け加えておこう:
Lions(ライオンズ),The Claret and Blue(ザ・クラレット&ブルー)そしてVillans(ヴィランズ)だ。
kalamazoo(アメリカ英語話者):
スタンフォードのチームがCardinalsではないなんて知らなかった!コーネル大でホッケーの試合がある時は「Big Red」というニックネームがあるから、ファンは「GO BIG RED」と叫ぶし、アンチは「BIG RED WHAT!(ビッグ・レッドが何だ!)」と叫んでいるよ。
Grefsen(カリフォルニア州南部在住、アメリカ英語話者、1つ上のkalamazooさんの回答への返信):
どうやらこれは他の多くの大学スポーツファンも知らないようで、"Stanford Cardinals"でGoogle検索したところ、177,000件の結果がヒットしてきたよ!😱
コーネル大学を卒業した従兄弟が2人いるんだけど、大学のニックネームが「Big Red」だったとは知らなかったよ。kalamazooさん、このことに言及してくれてありがとう! 👍
…と、ほとんどおっちゃんたちが好きなスポーツチームの話で盛り上がってるだけでした(笑)。
とはいえ最初の、「チーム構成員は複数だから」というのが、「チーム名が複数形であることが多い理由」といえる感じかもしれませんね。
Redsならちょうどこんな感じ(↓)で、複数の赤いみんながいて一体感、という意味合いがあるといえる感じでしょうか。
…が、そうすると「単数形チームは、仲間がいない、一人よがりのチームってことなのか!」となっちゃう気もしますが(笑)、その場合は「みんなの心は一つ」って思いが込められてるのかもしれませんね…と適当にそれっぽいことを言っておしまいとさせていただきましょう(笑)(まぁ、基本的に不可算名詞の場合が多そうではありますけどね…!)。
次回もまた、関連ネタの続きから触れていこうと思います。