それではまた一つ以前の記事にいただいていたコメントへと遡って見ていこうと思います。
今回はこちら、everyの記事(↓)ですね。
con-cats.hatenablog.com
(どうでもいい点ですが、毎回アイキャッチ画像を申し訳程度に設定しているものの、↑の記事のとか、画像が大きすぎるせいか部分表示になってしまい見慣れた僕ですら一瞬ミスチルのジャケ写に思えないですし、全く意味のないものに成り下がっていますね(笑)。
とはいえサイズ調整も面倒くさいので、まぁ気にせずそのままで行こうと思いますが…。)
コメントはおなじみアンさんよりいただいたものです。
筆舌に尽くしがたいほどの、感謝の念に堪えません。
everyone(everybody)が単数扱いのお話、、これはまぁ、「everybody goes」で覚えるとして笑、
ほんと、everydayやeverytimeは、二語に分けて書く場合は意味が違うって、考えたことなかったですねぇ。
everydayは一語で形容詞は普通で、everytimeはあまり使われない…?
うーん…こういうのはやっぱり難しいですよね。
⇒Everydayについて、他にパッと浮かぶ歌を思い浮かべてみたら、洋楽の、シェリル・クロウさんによる『エヴリデイ・イズ・ア・ワインディング・ロード』が思い浮かびました。
そこまで有名ではない気もするものの、まぁどっかで耳にしたことはあるんじゃないかな…?と思えるかもしれない90年代の名曲ですが、こちらなんと…!
www.youtube.com
…ギャヒョーン!
(↑公式動画のタイトルに示されている通り)『Everyday Is...』になっとるぅー!!
こないだ「竹内まりやさんの『毎日がスペシャル』の歌詞が『Everyday is a special day』になっており、文法的に厳密にはおかしいですね」とか書いていたのに、まさかのネイティブまで一語のエビデイを使ってるってことは、実はこちらの方が正しかった可能性が微粒子レベルで存在…??
…と思ったら、「Everyday Is A Winding Road grammatically incorrect」で検索してみたところ、検索トップに出てきていたDailymotionの(恐らく違法アップ)動画コメントに、
「Everyday Is a Winding Road」は、アメリカのロックスター・Sheryl Crowの1996年のセルフタイトルアルバムからのセカンドシングルである。タイトルには「every day」という副詞句が入るはずだが、代わりに「everyday」という形容詞が入っており、文法的には間違っているのが面白い。
…という記述があり、やはりこれは文法的には間違いといえる感じで間違いなさそうですね。
(まぁ、二語の「every day」は副詞句ともいえますけど、この場合、主語に入っているわけですし「名詞句」と考えた方が適切ではないか…と、間違いを指摘するコメントにもツッコミ所がある感じでしたが、そんなのどうでもいいにも程がある点ですね(笑))
…と、もうちょい何かタイトルでエブリデイが使われている作品がなかったか考えてみたら、あっと!
我らが志村さんの割と最近の作品、みんな大好き『ビューティフル・エブリデイ』がありましたね…!
こちら、いちいち自分から話に出しておいて何ですけど、志村さんが間違ってるだなんて絶対に書きたくねぇ、どうかカタカナ表記のみのタイトルか、もし英語が添えられていても、二語であってくれぇーーっっ…!!と思って見てみたら……
…ぐわぁーっと、添えられていた英語表記、なんと一語のEveryday……!
いやでもこれは、志村さんが考えられたのはカタカナタイトルのはずで、英語表記を添えたのは恐らく編集さんか誰かだろうし、志村さんは悪くない、編集さんが悪いよ編集さんがーと思い、「この英語をつけたのは誰だあっ!!」と、海原さんばりにのれんをバッと行きたかったのですが、この作品、巻末の奥付に編集者の方の名前が記載されていませんでした。
担当編集ではなくとも編集長なりの名前って奥付ページに載ってるものだと思ってましたが、今時はそういうのも省かれてるんですかね…?
とはいえよく見たら3巻のあとがきに「担当K○さん」と志村さんの手書きであったため(←○は実際は漢字でしたが、伏せておきましょう。ちなみに2巻にはK○女史とあったので、志村さんの担当編集は女性であることが多い印象ですね(と言ってもあとがきで取り上げられていたことのある範囲でしか存じ上げませんが)。くぅ~、志村さんの担当になって、一緒に鎌倉文学館を訪れて資料収集をしたいだけの人生だったぜ……!)、一応担当さんが誰だったかは判明したものの、よく考えたらそのKさんが英字タイトルを考えたわけもなく、そんな犯人探しみたいなゴミカス行為はやめにしましょう。
…っていうか、そもそもeverydayが形容詞しかない(=「Beautiful everyday」の例だと、「Beautiful everyday ○○」(美しい日常の○○)と使わなくてはいけない)って話、こんだけ至る所で別の使われ方されてるのに、ホンマか…?と思って調べてみたら、ぐわぁーっと!!
検索トップのWeblio辞書にはなかったものの、2つ目のgoo辞書には、可算名詞として「平日、ふだんの日」という項目が存在するじゃあありませんか!!
これはもう、goo辞書が悪いよgoo辞書がー、竹内さん・志村さん・Kさんは悪くない、むしろgoo辞書の被害者だったんだ!
誤用の犯人はgoo辞書でした、御用だ御用だ…!
…と、非個人に責任を発生させることができたところで、一件落着とさせていただきましょう(笑)。
(シェリルさんも、なぜかgoo英和辞書を使っていたということでヨロシク(笑))
…って、「everydayに形容詞しかないのは本当なのか?」というそもそもの疑問に対しては、頼れる辞書四天王・メリウェブ、ケンブリッジ、オックスフォード、コリンズの全てで形容詞としての用法しか認められていませんでしたから(名詞が登場していたのは、メリウェブの関連語・everydaynessという名詞化したもののみ)、流石にこれは「その通りである」と考える方が正しいといえそうですね。
……と思ったら、もう一つだけトップにいたよく見る辞書・Dictionary.comも念のため目を通してみたら、ぬわんと!
こちらでは、一語のeverydayにも名詞の用法が認められていました!
…と思いきや、定義をよく見てみたら「日常的または平凡な日や機会」という意味になっているので、やっぱり「毎日」という意味には、少なくとも正式な英語としてはどう頑張ってもならないと考えた方が良さそうです。
(…っていうか、goo辞書もよく見たら「毎日」ではなくそんな意味合いの定義になってましたね(笑)。
…とはいえ改めて、音楽や漫画といった作品なんかに厳密な文法定義なんて合わないものですし、実際二語だと見た目が重い気もしますから、あえて一語の方が座りがいいような気も全然しますもんね。)
なお、『ビューティフル・エブリデイ』の各話副題は「ビューティフル・マンデー」など各曜日が順番に出てくる形であり、こちらも各話扉絵に英語表記がされていましたけど……
…Mondayは普通に名詞としても使われるので、こちらは全く問題ない表記といえる感じですね!
無駄に話が脱線してしまいましたが、エヴリデイ警察に突っ込まれることがないよう(今回は自分が警察になってしまいましたが…)、芸術作品以外のお堅い文書では、一応気をつけた方がいいかもしれませんね、というお話でした。
ではコメントの続きです。
everythingはどうですか?
every thingとはならない気がしますが…
一語でも二語でも、どちらにしても、everyが使われる場合は単数扱いっていうことでいいんですよね?
⇒これもナイスポイントですねぇ~。
まず、一語でも二語でも、everyが使われた時点でそのフレーズ全体が単数形扱いになるのは間違いないと思います。
一方前半のご質問については、everythingもめちゃくちゃ一語の印象が強い単語に思えますね。
果たしてどう違う(二語で使われることがある)のか?
こちら、やはりネイティブの意見を聞くのが一番よいということで、検索してみたら、非常によくまとまっている英文ライティングサポートサービス・WritingExplained.orgの記事が目につきました。
有償サービスを展開されている組織のブログ記事を全文翻訳引用するのは悩ましいですが、大変良い記事に思えたため、また例によって事後承諾になるものの翻訳紹介して良いかを後ほど運営に質問をしておくので、もしダメと言われたら後で通常の引用に収まる程度の一部引用に変更しておこうと思います。
では、こちらの記事を翻訳紹介させていただきましょう。
EverythingかEvery thingか:何が違うの?
今日は、同じ単語の2つの異なるスペルについてお話したいと思います:everything 対 every thingですね。この2つ、スペース以外に何か違いがあるのでしょうか?
everyone / every oneと同じように、意味に明確な違いがあるのでしょうか?
一緒に解決していきましょう。
EverythingとEvery thingの違いとは?
この2つのスペルには、大きな意味の違いはないようです;現在では、一語のeverythingがデフォルトで、より一般的なスペルとはなっていますが。every thingは物事を個々のアイテムや単位として示しているのに対し、everythingは全てのアイテムを集合的な単位として示唆すると言われています。このことを次のような例で説明してみましょう。
- Every thing on this menu is bad for you.
(このメニューにあるものはどれも、体に悪い。)- Everything on this menu is bad for you.
(このメニューにあるものは全て、体に悪い。)
これらがどう違うのかまだはっきりしない場合は、次の文章を見てみてください。
- Every item on this menu is bad for you.
(このメニューにある品はどれも体に悪い。)- All of the items on this menu are bad for you.
(このメニューにある全ての品は体に悪い。)違いは強調の仕方で、一方は個々の品目に注目し、もう一方は一つの単位とし、全ての品目に注目します。
とはいえ、everythingが2つの単語で綴られることはほとんどないため、1単語のeverythingは普遍的になっているといえます。
上のグラフは、過去200年間の書籍におけるeverythingとeverythingの対比をグラフ化したものです。19世紀の中頃から、every thingは1つの単語として書かれるようになったようですね。これはアメリカ英語でもイギリス英語でも同じになります。
Everythingを使うべき時
Everythingの意味は何でしょうか? Everything(一語)はデフォルトのスペルです。これは、all things(全てのもの);all things of a group or class(あるグループやクラスにおける全てのもの);all things of importance(重要な全てのもの);そして、the most important fact or consideration(最も重要な事実または考慮事項)と定義されています。
- Everything in this house will need to be replaced.
(この家にあるものはすべて取り替える必要がある。)- It is the black hole of the Rangers lineup, and coach Alain Vigneault is doing everything he can to keep it from sucking away any semblance of a balanced forward group. –New York Post
(それはレンジャーズのラインナップのブラックホールであり、コーチであるアラン・ヴィニョーはバランスの取れたフォワード集団のイメージを損なってしまわないよう、あらゆることをやっている。―ニューヨーク・ポスト紙)- In business, location is everything.
(ビジネスでは、ロケーションが全てだ。)
Every thingを使うべき時
Everythingが2つの単語で書かれているのを見るのは、今や珍しいことです。しかし、2つの単語の間に更に形容詞を入れる場合など、every thingを必要とする状況もあるのです。
- He corrects every little thing that you say.
(彼はあなたの言うことをどんな些細なことでも訂正する。)- Every single thing she touches is a success.
(彼女が触ったものは、どんなものでも一つ残らず成功する。)これは会話ではよくあることですが、文章―特にどんな類のものであれ正式な文章では、ほとんど見られません。
Everythingは単数形の動詞を使う
everythingはグループやクラスに含まれる全てのものを指しますが、単数形の動詞を使うということに気をつけるのは重要でしょう。
- The houses were damaged after the tornado, but everyone was all right. (Correct)
(トルネードの後、家々は被害を受けたが、みんな無事だった。)(正しい)- The houses were damaged after the tornado, but everyone were all right. (Wrong)
(wereは誤り)この例では、everythingは多くの異なる人々を指していますが、やはり単数形の動詞wasを取っています。was 対 see(※注:このseeはwereの誤りですね)の比較については、こちらをご覧ください。
Everythingを使った人気のフレーズ
Have Everythingというのがありますね。これもインフォーマルなフレーズで、あらゆる魅力や優位性を持っていることを意味しています。
- She has a successful career, a loving husband, and two wonderful kids; she has everything.
(彼女は輝かしいキャリア、愛する夫、そして2人の素晴らしい子供たちを持っている;彼女は何もかもを手中に収めているのだ。)まとめ
Every thingなのかEverythingなのか?この2つの間に、意味の違いはほとんどありません。
Everythingは現在デフォルトのスペルですが、形容詞が真ん中に来ると2つの単語に分離されます(every single thing)。
ということで、基本的に一語のeverythingが使われるものの、間に形容詞を挟む場合、二語に分けられることもあるということで、実は我々は、ELTことEvery Little Thingでその存在をむしろeverythingより身近に知っていたのでした。
とはいえやっぱり、分けないなら一語で書く感じで何も問題ないといえるようです(この場合はeveryoneと違って分けてもいいけど、何となく古風に響く感じでしょうか)。
…という所で、今回は意外といい分量になったので、続いてallについてのご質問が続いていたのですが、そちらはまた次回持ち越しとさせていただきましょう。
今回のアイキャッチ画像は、先ほど貼り付けていた、志村さんのビュティエブ1巻・第1話の扉絵を設定させていただきました(表紙は以前青い花の記事で使っていたので、無料お試し読みの範囲からお借りした形ですね)。
英語ネタが終わり次第、また放浪息子の英語版にも戻っていきたい限りです。