コメ返信や補足その1-47-6:結局、マジで適当でいいんか~い!

前回の記事では、前々回の記事での不十分だった記述の補足から、脱線ネタ(見たことない英文を書かず、パクろう)に終始し、それだけで終わっていました。


前々回の記事では「anotherを使ったこの言い方はあまり自然ではない模様……詳しくは後述」としていたんですけど、その続きへ行く前に、ちょうどこの記事にいただいていたコメントにまたご質問が含まれていた、かつ、元々見る予定だったネタに一つちょうどいい回答が含まれているという感じだったため、まずはそのコメントから見て参りましょう。

例によって、アンさんからのコメントです。

いつも、本当にどうもありがとうございます…!

 

これはめちゃくちゃわかりやすかったです!

完璧です。

(疑問点がたった2つだけでした笑)


まず、多分どうでもいいんだろうなって思いつつなんですけど、、

…………

One ball is blue, another one is red, and the others are green. 

…………

ここでは「another one」と書かれていて、次の説明↓では、「another」だけになっていますよね?違いはありますか?


そして、

…………

We have many balls in the box. One is blue, another is red, other four are green, and the others are black.

(箱の中にたくさんのボールが入っています。一つは青、もう一つは赤、他の4つは緑、そしてその他は残り全部黒です。)

…………

このother fourは、 anotherの後が複数形でもいいというネイティブルールなら、another fourでもいいということになりますか?

(どうしてもそこを繋げて欲しい笑)


そしてこの残りの黒いボールが5個と決まっていれば、the other fiveでもOK?

 

その後の解説、

ややこしいはややこしいですが、理解はできます。特に、other XXsの解説は面白かったですねぇ。なるほど、って思えました。

もちろん、いちいち考えないとわからないですけど、それはまぁ何でもそうなので笑…当然「メンドくせぇ~~!」って感じですが、ルール自体はよく分かりました。

(もちろん、分かるのと使えるのは別です笑)


⇒一気に全文引用させてもらいましたが、順に見ていくと、まず最初の「another」と「another one」については、全く違いがありません

日本語でも「別のは赤」と「別のもう一つは赤」の間には全く何の違いもなく、「もう一つ」はあってもなくてもどっちでも構わないのと同様、「one」はあってもなくても変わらないから、好きな方を言えばよい、って感じですね。

(もちろん、前者は代名詞、後者は形容詞と、品詞すら変わっているので違いとしては結構大きい感じですが、意味は全く変わらないといえましょう。)

 

続いての、「other four」は「another four」でもいいのか、という点については、学校で習った英文法的にはやっぱりどうしてもおかしいように思えてしまうんですけど、実際は許容されているんだと思います。

ただ、「other fourでいいのに、あえて厳密には崩れた使い方とも言えるanother fourなんて言うことはあるのかな…?誤用とは言わないまでも、普通は使われない気が…」と書こうと思っていたのですが、なんと、↓で見るQ&Aフォーラムで、ネイティブのモデレーターが書かれた例文に、まさしく「another two are…」という表現が存在していました!

モデレーターとして、英語を教える立場の人があえて例文で書いているという時点で、これはやっぱり、不自然ではないを通り越して、普っ通~に使われる表現だと考えて良さそうですね。


最後のご質問も、まさに同じQ&A記事でドンピシャの話が取り上げられていました。

後ほどまた見ていきましょう。

 

一方最後のコメントは、まさしく前回「説明が不十分だった」と取り上げていた内容を面白いと思っていただけていたようですが、ドンピシャでその「面白い」ものに追記修正が入ってしまった感じで、これはどうも申し訳ない限りです(笑)。

前回の記事のコメントもいただいていますが、そちらでも改めて、「まさかピンポイントでそこに補足が入る話だったとは!そこ(不可算名詞)に気付けていたら凄かったかもだけど、コロリと騙されてしまって無念なり(笑)」的な話が(もちろん「騙されたうんぬんは冗談ですが…」という補足付きで)触れられていました。

新しいコメントには「『そんな風に言い切れるなんて、とても面白いですねぇ~』と感じていた」という旨も書かれていましたが、断定口調で実に面白いと思える話は、えてして落とし穴があることが多い、という教訓にしていただけたら幸いに存じます(笑)。

 

では、前々回の記事で補足として触れるつもりだった、「anotherを使った言い回し、場合によっては不自然(普通はそうは言わない)かも」的な興味深い話がされていたフォーラム記事をまた紹介させていただきましょう。


今回は目についた2記事ほど見てみる感じで、まずは特にanotherの方にしっかり触れられていた、恒例のWordReferenceの記事から見てみようと思います。

 

forum.wordreference.com

jakartaman(質問者、韓国語話者):one, another, the otherについて


韓国の英語解説書のほとんどには、次のような文章があるんだ:

I have three pens: one is red, another is blue, the other is black.
(私は3本のペンを持っている:1本は赤、もう1本は青、残りの1本は黒である。)

この文、文法的には正しいのかもしれないけど、自分には奇妙に聞こえるんだよね。


例えば、車を3台持っている場合、自分なら次のように言うように思う
I have three cars. One is a BMW, one is a Mercedes, and the other is a Porsche.
(私は3台の車を持っています。1つはBMW、1つはベンツ、そしてあと1つはポルシェです。)

または

one is a BMW. one is a Mercedes, and the last is a Porsche.
(1つはBMW、1つはベンツ、そして最後がポルシェです。)


みんなはどう言う?

よろしく、ありがとう。

 

Lexiphile(ドイツ在住、英国英語話者):

ご存知のように、英語圏のネイティブにとっては、東洋人はみんな同じに見えるんだ。したがって、我々は出版社と共謀して、全ての韓国人が、他の人は使わないような別の言葉を使うように仕向けているんだよ。そうすれば、韓国人と話しているといつでも分かるからね😆


しかし、ついに君は我々のことを見つけ出したようだね!私も「I have three cars. One is a BMW, one is a Jaguar and the other is a Porsche.」って言うと思うよ。

 

jakartaman(質問者):


Lexiphile
さん、改めてありがとう。そして、ネイティブスピーカーがいつも我々を混乱させてくるのはお見通しだよ😆

 

lgsペンシルベニア州在住、アメリカ英語話者):


その英語本で見つけた文章は、基本的には間違っていないと思うけど、アメリカ英語でもlexiphileさんの言い方のほうが一般的であることには同意かな。

ただし、アメリカ英語では、コロン(:)を使って元の句読点を維持するほうが正しいだろうね。なぜなら、コロンというのは、一続きの動向、リスト、文を説明する引用やその他のコメントなどといった、直接関連する一つ以上の考えを導入するものだからだよ。

 

Kenny Chang(台湾・高雄市在住、繁体字中国語話者)

みなさん、こんにちは。似たような質問があるんだ。

もし、4つのものがあったら、何と言う?

I have four pens.(ペンを4つ持っています。)

1. One is red, one is blue, another is black, and the other is pink.

2. One is red, another is blue, still another is black, and the other is pink.

3. One is red, one is blue, one is black, and the other is pink.
(1つは赤、1つは青、もう1つは黒、もう1つはピンクです。)

4. 他の言い方はある?


どうもありがとう。

 

sound shift(ダービー(英国中部)在住、英国英語話者)


私なら「another」「still another」は使わないと思う。

自分なら「I have four pens: a red one, a blue one, a black one and a pink one.(赤いの、青いの、黒いの、そしてピンクのもの)」と言う気がするかなぁ。

  

Kenny Chang(1つ上の回答へ返信)


ご教授ありがとう。

そしたら、単にちょっと気になるんだけど、4つの物事・人について言及する場合、「one, another, still another, the other」は使うのかな使わないのかな?

中国のウェブサイトで、この使い方が紹介されているのを見たんだけど。

 

velisariusギリシャ在住、イギリス英語(サセックス)話者)


いや、普通はそうは言わないね。さらに言えば、全部で4つあることを明言していないのであれば、最後の項目を「the other」と呼ぶことはできないと思う。


One member proposes X, another Y, still another Z, and the last one/the fourth claims that everyone else is wrong.
(あるメンバーがXを提案し、別のメンバーがYを提案し、さらに別のメンバーがZを提案し、最後の1人/4人目が、「他のみんなは全員間違っている」と主張している。)

 

Kenny Chang(1つ上の回答へ返信)
ご教授ありがとう。

----------

 

大変興味深い、ネイティブからの言語感覚にまつわるアドバイスでした。

このanotherの使い方については、僕は正直、まぁ言われてみたらあまり聞かない気もするものの、やはり文法書ではそうなっていますし(ちなみに韓国に限らず、日本の文法書も完全にこの説明文が使われてますね)、そんなに不自然ではない気もしていたのですが、普通にone, one, ...という方が自然だというのは、ネイティブも楽な言い方のほうを優先するということなのかもしれませんね。


では続いて、全く同じタイトルの記事でしたが、こちらは今回初めて紹介させていただく形の、Grammar Exchangeという交流サイトで公開されていたQ&Aの方も見ていきましょう。

こちらが、先ほど上で書いていた、モデレーターの方の回答(例文)に、アンさんのご質問にピタリのものがあった、って方ですね。

 

thegrammarexchange.infopop.cc

mt(質問者):one, another, the otherについて

5匹の犬を飼っていると仮定してください。友人にその犬たちのことを説明しようと思います。まず、色から説明します。(1) One is black. Another is white. Another is brown. And the others are gray.(一匹は黒です。もう一匹は白です。もう一匹は茶色です。そして、あと残りの子は灰色です。)

次のようにも言えるんでしょうか?
(2)「one is black, one is white, one is brown and the other two are gray」

EFL(外国語としての英語)の授業では、異なる色や大きさやその他特徴を持つ、数えられるものの数を表すには(1)が唯一正しい方法だと教わります。

(2)は一般的で許容範囲なのかなと思えるのですが…。


アップル

 

Rachel(モデレーター):

はい、2番目の文章は全く問題ありませんよ。


なぜ、「the other two」はダメだと教えられているんでしょうね。恐らく、この例では「another」が代名詞として使われているので、最後の要素も「the others」のように代名詞であるべきだということなのかもしれません。


しかし、文(1)も文(2)も、許容される文章です。その他、いくつかのバリエーションを紹介しましょう:


One is black, one is white, one is brown, and the other two are gray.

One is black, another one is white, another one is brown, and the other two are gray.

One is black, another is white, another is brown, and the two others are gray.


レイチェル

 

mt(質問者):
それでは、このルールはかなり柔軟性があるということなんですね。こういうルールの多様性は、文法書にも記載されて欲しいですね。追加の質問です。10羽の鳥がいるとしてください。

以下の文章はすべて許容範囲でしょうか?個人的には、(3)は不自然な気がするのですが。

1. Two are yellow, two are white, three are gray, and the rest are brown.
(2羽が黄色、2羽が白、3羽が灰色、そして残りは茶色です。)

2. Some are yellow, some are white, some are gray and the others are brown.
(何匹かは黄色、何匹かは白色、何匹かは灰色、そして他は全部茶色です。)


3. Some are yellow, others are white, others are gray, and the others are brown.
(何匹かは黄色、他は白色、他は灰色、そして他は全部茶色です。)


アップル。

 

Rachel(モデレーター):
私もそう思います。(1)と(2)は問題ありませんが、(3)は実に不自然に聞こえますね。


文法書でこの議論している内容の詳細は見たことがないですが、この点は考えてみると面白そうです。


他の考えられる例文を紹介しましょう:

「Two are yellow, another two are white, three are gray, and (all) the others are brown.」
2匹は黄色、別の2匹は白、3匹は灰色、そしてその他(全て)は茶色です。

「Two are yellow, another two are white, three are gray, and (all) the rest are brown.」
2匹は黄色、別の2匹は白、3匹は灰色、そして残り(全て)は茶色です。


「Some are yellow, some are white, some are gray, some are brown.」
何匹かは黄色、何匹かは白色、何匹かは灰色、何匹かは茶色です。


「Some are yellow, while others are white, gray or brown.」
何匹かは黄色で、一方他は白、灰色、または茶色です。


「Some are yellow, white or gray. Others are brown.」
何匹かは黄色、白または灰色です。他の何匹かは茶色です。


レイチェル

---------

 

いやぁ~、これも、僕自身個人的にはそこまでの違いが身についていない(=違いを感じ取れない)、「へぇ~そうなんだ」と思える面白い話になっていましたねぇ~。

上述の通り、「another two are...」という表現も当たり前のように使われていましたし、最初の質問&回答では「the other two are…」で全く問題ないと断言されていました。

 

大変興味深いお話でしたが、しかし個人的には一点、めちゃくちゃ気になるポイントが存在しましたね。

それが、一番最後の最後に挙げられていた例文(最後の1つ前も一応そうですね)……全10羽いる鳥の全てについて述べているのに、「Others are...」と、「the」がついていないじゃあないですか!

一瞬、「いや、もしかしたらレイチェルさんは、全体が10羽であるという前提を見逃していて、鳥は他にもいるという体(てい)で書いているのかも…?」と思ったんですけど、普通に同じ例文の上の方では、ご丁寧に(all)という表現まで使われているのでその線はないですね……。

 

あまりにも気になったので、(時間を割くのも悪いし、あんまりそんな英文法の質問なんて周りにするのは気が引けるんですが)野良のネイティブ、ちょうど例のマルコメくんみたいなジョンがまたその辺をうろちょろしていたので、ついでなので他にも気になった点含め、mtさんの2つ目のコメントから下をプリントアウトして、彼に聞いてみました。

 

質問はまず、Rachelさんの「(3)は実に不自然に聞こえますね」という点は同意できるかどうか、そして一番最後の例文では、この文脈の場合、the othersと「the」付きで書く必要があるのではないのか、という話です。

 

結果、驚くべき回答が…!

 

ジョンに印刷した紙を渡した後、まず上から読んで、1-3の文に目を通していたわけですが、初見の印象で即、『3は変だね』と言っていました。

(以下、『』はジョンの台詞)

「えぇ~、やっぱり?何で?」と聞いてみた所、

『うーん、othersと見ると、残り全部のことを言っているように感じるけど、それが何個も続いてるのが変なのかなぁ』

と言っていたので、まさにそれが次の質問の核心じゃんと思い、「え?我々英語学習者は、【残り全てのことを述べる際は、theをつける】って習って、【theがなかったら全体の一部を指す】と思ってたんだけど、違うんけ?」と追い質問をしてみたら、

『うーん……それはそうなんかもしれないけど、この文を見たら、何か残り全部を言ってる句が何個も並んでる感じがして、違和感が……』

という返事で、そのままブツブツ例文を何度か口ずさんだ後、

『まぁ口頭の台詞だったら、言い方によっては、なくはないかもね』

という補足をもらいました。


「あぁ、またその “言い方次第” ってやつか…。でも、それは話し言葉だけってこと?」

『書き言葉なら、絶対に2番が自然だよ。まぁ数が決まってるなら、1番も普通だけど。3番は、話し言葉以外ではまず使われないと思う。話し言葉であっても、普通は2番で言うと思うけど』

という感じでした。


その後印刷した紙の下へ移動し、最後の例文について、「まさにさっきの話とも被るけど、残り全部を言う場合はtheが必要だと思ってたんだけれども、そうではないんかい?」と聞いたら、

『別になくてもいいよ。theなしでも、残り全部のことを言ってるように思う』

と返してきたので、おもむろに紙の余白に箱の中に入ったボールを大量に描いて、「いやでもさぁ、文法書ではさぁ、これ(←ボール一個を囲いながら)がoneで、これがanotherで、まだ残りがある場合のこれはothersで…」と必死の抵抗を見せるも、

『いや言いたいことは分かるよ。でもそれはNitpickってやつだね。厳密な文章じゃない日常会話とかメールとかなら、そんなの誰もこだわってないって。Nitpickがすぎる話だよ』

と、まさかのNitpick

(…って、そんな単語知らなかったので調べましたが(笑)、文字通りの字義としては「シラミの卵ピック」という感じの語で、実際の意味としては「あら探し・揚げ足取り・難癖・重箱の隅チクチク…」という感じの、まさに「どーでもえぇわい」というものでした)

 

ということで、まさかまさかの、another複数形のみならず、theなしでも全体を指せるとは、我々は一体何を信じてこの先生きていけばいいというのだ…!

…と、跪いて床を殴り、夕陽をバックに涙を流して嗚咽とともに叫び……まではしなかったですけど(笑)、まさに同じ範囲の話で、信じていたことが2つも「Nitpickだ」と一掃・門前払いされるような話になっていたのは、とても面白い発見でした。


結局本当に、あの覚えさせられたルールは何だったのか…と思える、「いや適当でいいんかーい!」という話でしたが(笑)、逆に改めて、やっぱり英語ネイティブは文法の細かすぎる所はマジで深く考えず、ノリと流れの勢いでコミュニケーションを取っているんだなぁ…と思える話だったかもしれませんね。


あまりにも長くなっているので今回はもうアイキャッチ画像で終わらせようと思いますが、Nitpickにちなんで、ちょうど、少年の表情もそれを言われた際の心情にピタリな、頭にシラミがいる男の子のいらすとをお借りしましょう。

まぁ、適当でいいんだから、むしろ苦い顔はせず、喜ぶべき話な気もしますけどね…!

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