コメ返信や補足その1-47-4:Anotherおまけ…数がポイント

前回の記事までで、「another+複数形」の使い方について、(結局ハッキリとはせず、「人によって言ってることが違うし、『よぉ分からない』ということが分かった!」という形でしたが(笑))結論っぽい何かに達していました。


…と、anotherは一区切りで、途中状態だったコメントに戻って行こうと思っていたのですが、ちょうどまたいいタイミングでアンさんよりコメントをいただいていました。

これまた、「あ、ここも補足しておいてもいいかな、と思ってた部分だった」と思える大変ありがたいご質問が含まれていたので、今回はanotherの使い方について、もういっちょ脱線補足しておくといたしましょう。

微妙に「説明不足かも…」とつっかかっていたポイントを掘り起こしていただけるとてもナイスなコメント、いつも誠にありがとうございます!

 

結局、やっぱりanotherは単数形に繋げた方が安全っていう感じなんですよね。

anotherって、another cup of coffeeとかで「おかわり」っていう意味で使うっていうのは知っていたので、おかわり的な意味であと2杯(あと5個でも)を一塊みたいに考えてanotherを使う、使ってもいいと言われたら、まぁわからなくはないですね。


⇒もちろんあと2杯欲しい時にもとりあえず「another cup of coffee」とはいえるものの、本当に今すぐ2杯欲しいなら(例えば友人の分も一緒に、とかで)、この言い方で2杯出てくることは絶対にない、というのは注意が必要かもしれません。

もし同時に2杯欲しいなら、「two more cups of coffee」と言う必要がある、って感じですね。

(もちろん、「another cup of coffee」と言って一杯渡されて、即また「another one」と言って2杯目、さらに「another one」と言って3杯目…をもらうことは可能ですが、そんなまどろっこしいことをしていたら、「何杯欲しいのか、初めっからちゃんと言えや!」と店員さんにブチ切れられるかもしれません(笑)。)


一連の話で疑問点だったのは、ここで「『another 5 cups of coffee』と言うのはOKなのか?」という点だったわけですが、これはまさに、色々な意見を総合すると、そう言っても全く問題ない(ただし、普通なら「5 more cups」と言う方が断然自然)、というのが結論のようですけど、やっぱり、anotherに複数形がつながるのは(外国語として英語を学んだ、非ネイティブ・文法至上主義的立場からすると)おかしいと思えるので、anotherを使うのは1杯欲しい時に限定した方が安全な気がする、という話でした。

 

では続きのコメントですが、こちらのご質問が今回の本題ですね。

 

ちなみに、

…………

「i'm done with this book, I want the other book by this author.(この本を読み終えたよ、この作者のもう一冊の本を読みたいね。)」(ここで、other bookとanother bookの違いは、「other book」は本が二冊しかないことを示唆しているけど、「another book」だと複数あることを意味している、という点があるよ)

…………

この部分。

「another book」だと、っていうのは、

『I'm done with this book, I want another book by this author.』

だったら、っていう意味ですよね?


「other book」は本が二冊しかない、

という理由っていうか、考え方みたいなのがわかりません。

複数あったらother booksになるから?

いや、other booksとはならずにothersになるのかな…?

another bookだと複数なのも、なぜでしょうか?


っていうところで、気付きました。

これって、選択肢のことでしょうか?

この次の人が書いている、

…………

選択肢が1つしかないときは「other」を使うよ:

My left foot hurts so I will kick the ball with the other.

(以下略)

…………

と同じことを言っている感じなんですかね?


まぁ、そうだったとしても、結局理由はわからないんですけど笑


そして、この人達の説明は、「anotherは複数形でも使える」ということには全く掠ってないということになりますか?

(そもそも質問者の意図が違うのは分かりますが…)


教科書通りということでしたので、恐らく自分は教科書を読んでなかったんですね笑

 

⇒そう、実はあの回答コメントはフレンドリーで全体的には分かりやすかったものの、この部分の説明はちょっと分かりづらいなぁ、と思っていたのですが、今回はそちらに触れてみる感じですね。


まず、文法書でしばしば絵付きで説明されている、anotherやらotherやらの使い分けをおさらいしてみると……

一番のポイントとしては、「『the』がついたら、『全て』を意味することになる」って点が挙げられように思います。

逆に言えば、「その挙げているもので残りの全てを指していることになっている際は、『the』をつけて表現しなければいけない」ということになるわけですが、まぁこれはルールというか英語という言語はそういう仕組みになってると覚えるしかない話ですけど、それを踏まえて、以下の例を考えてみましょう。


まず、箱の中にボールが2つ入っているとします。

一つは青いボール、そしてもう一つが赤いボールの場合、英語だとどう言うかといいますと、

There are two balls. One is blue and the other is red.

と、2つ目のボールは「the other」、つまり「the」付きの表現で示されるということになるわけです。


ここで、「...and another one is red.」とは言えないんですね。

なぜなら、箱の中のボールはそれで全部であり、「another one is...」と言ってしまうと、「まだ別のボールが存在するんだけどね」というニュアンスが暗示されてしまうからなわけです。


つまり、「another」を使う場合は、「他にもまだ同種のモノが存在する」ときに限られているといえるわけですね。

例えばこの場合なら、One ball is blue, another one is red, and the others are green. という感じで言い表せる状態になっているといえましょう。

(ただし、これはあくまでanotherの概念を説明するための持って回った記述みたいなもの(「例文のための例文」みたいな)で、どうやら現実では若干不自然な言い回しになっているようです。

 そこはまた後ほど見ていこうと思いますが、とはいえ「呼び方・数え方」の概念というか考え方としては、one, another, the other(s). という形になっている、ってことですね。)


ちなみに、先ほどアンさんの引用されていた、前回の記事で引用していたwishingさんの回答コメントでは、「otherなら二冊しかない」となっていたんですけど、これは正確には「otherなら」ではなく「the otherなら」であり、それはなぜかというと、改めて、定冠詞の「the」がついているからに他ならないといえる感じです。


ややこしいですが、「残り全て」を意味するのはあくまで「the」の役割であり、「other」自体には「他の」という意味しかないということですね。

具体的には以下の例を見れば分かりやすいかと思います。


この場合、

We have many balls in the box. One is blue, another is red, other four are green, and the others are black.

(箱の中にたくさんのボールが入っています。一つは青、もう一つは赤、他の4つは緑、そしてその他は残り全部黒です。)

…のように記述可能だということですね。


若干ややこしいかもしれませんが、まとめてみると案外大したことはないように思えるのでまとめてみましょう。

  • another XX:「もう一つのXX」という意味と同時に、「他にもまだまだある中からの」という意味が言外に(というか言内に)含まれている。
    (なお、前回の記事の最後でもチラッと書いていた通り、anotherがtheと共に使われることは絶対にないため、anotherを使って最後の1つ(=他にはもうない)を表すことはあり得ないし、できません。)

  • the other XX:「他のXX」という意味と同時に、これが最後のものであることが「the」で確定されているため、いわば「そして最後のXX」という意味になっている。
    (もし2つしかないものであれば、「もう片方の」みたいな意味になりますが)

  • other XXs:「他のXX」という意味であり、かつ、「the」がないので、まだ他にもモノがある中の、一部のモノを指している
    (なお、もしもXXが1つしかないものであれば、その場合は「another」が使われる、または合計2つしかないものについて述べているなら「the other」と「the」がつくので、裸のotherが使われる場合、「XX」には絶対に複数形が来ることが確定している(=XXs。改めて、一つのXXなら「another」になる、あるいは他にはもうない最後の一つのXXであれば、「the」がついて裸のotherではなくなるため)。
    ※追記:…と当初書いてしまっていましたが、不可算名詞の例を完全に失念していました…!
     可算名詞の場合は複数形が確定しますけど、不可算名詞の場合は、そもそも数えられない名詞なので複数形が存在しませんから、見かけ上「裸のother+sのない名詞」になるパターンは普通にあり得ましたね…!
     例としては、「Do you have other luggage to check?(他に預け入れる荷物はありますか?)」なんかで、luggageは数えられない名詞ですけど、既にいくつか荷物を預けた後、他にもまだ荷物がある中で、その中の一部、預け入れるものはありますか?と尋ねている感じですね。
     数えられない名詞なので、当然「一つの」を意味するanother(「an+other」ですしね)はここでは使えませんし、別に全ての荷物について尋ねているわけではないのでtheもつかない、「裸のother+複数形ではない名詞(少なくとも三単現でいう所の、動詞にsがつくタイプの名詞)」は普通に存在する、って話でした。
     お詫びして補足追記しておこうと思います。)

  • the other XXs:「他のXX全て」という意味であり、これ以外にもう同種のものは存在しないことが同時に示されている。


以上を踏まえてご質問に戻ると、wishingさんの書かれていた例文、

『i'm done with this book, I want the other book by this author.』

…は、「the other book」となっているので、「this book」アンド「the other book」という関係になっていることから、この著者の作品は2冊しか存在せず、「読み終わったのと別の、この作者が書いた残るもう一冊を読みたい」と言っていることになるわけですね。


一方、

『I'm done with this book, I want another book by this author.』

の方は、「the other book」ではなく「another」と言っている時点で、この著者には著作が3冊以上の複数あることが確定し(改めて、もし2作しかないなら、「the other book」と言わなくてはいけないので)、「(たくさんある中の)もう1冊を読みたい」と言ってることになるってことですね。

(もちろん、回答コメント最後のRoverさんの例文の場合も、足は右左の2つしかないので、「the other foot」となり、指輪の例であれば、指は5本あるので、「another finger」と書いていた、という話になります。)

 

したがって、コーヒーの例であれば、お店におかわりを頼む際、お店にはコーヒーは無限…とは言わないまでもまだまだ大量にあるので、「その複数にあるものの中から1つ」という意味で、「another」が使われている……といえましょう。


これは割と理論通りカッチリと運用されている話で、一見ややこしいもののルールをおさえれば大変分かりやすい使い分けになっているのではないかと思います。

 

…とはいえ、「はぁ?!同じものが残りまだ存在するかしないかで、『もう○個』って表現は適切に変えないといけないわけ??そんなの、スムーズにできるわけねぇだろ!英語話してる人たちは、毎回そんなこと考えながら発言してるの?メンドくせぇ~~!」と思われるかもしれないんですけど(まぁ全く思われないかもしれないですけど(笑))、これはやっぱり、英語話者にはもうあまりに当たり前に身についているもので、わざわざ頭で考えるまでもなく自動的にそうなる…ってのが実際じゃないかな、って気がしますね。

つまり、物事の順番として逆といいますか、「まだ他にもあるから…ここではanotherを使わなきゃいけない場面だな」とか「残りは他にないから、the other(s)と言えばOKだね」とかみたいに、思考を文法に合わせているというわけではなく、使われる言葉はいつだって自然と口からついて出るものであって、英語という言語の仕組み的にもう思考回路がそういう風に使い分けがされるよう出来あがっており、逆に、人々が自然に使っているその使い分けを冷静に分析したらそういう風になっていた(から、偉い人が「文法ルール」としてそうまとめた)、って流れなんだと思う、ってお話ですね。


例えば日本語でも、日本語学習者の方が「えぇっ?!漢字は、同じ文字でも訓読みと音読みで2つ以上の読み方があるの?!毎回言葉を思い浮かべるたびに、『この言葉は音読みが適用されるはずだから、こう読もう』なんて考えてるわけ??そんなの、できるわけねぇだろ!日本人は狂っているのか!」と思われる気もするんですけど…

(ちょうど、こないだ話題になっていたツイートで、

「『母』は『はは』と読むのか。じゃあ『お母さん』は『おははさん』ね……って、これは『おかあさん』なのかよ!ならば『乳母』は『うかあ』かな……と思わせて『うはは』だったり?(答は『うば』→)ノー!ホワイジャパニーズピーポー!!」

みたいな面白い呟きを見かけましたが、まさに似たような例ですね)

…ぶっちゃけ膨大な日本語の経験がある我々にとって、そんなのはもう考えなくても自動的に読み分けができるようになっている…というのと、another他の英語特有の考え方というのは、かなり近い話になってるんじゃないかなと思う、って感じですね。

 

まぁ似たような話はもうどっかで書いてた気もしますし、「だから何だよ」って話でしかないですけど(笑)、結局は慣れに過ぎない話で、英語という言語で育ってきたら、文に必ず主語をつける癖がついているのと同様、常に対象の数を意識しする思考がもう完全にしみついており、「anotherなのかthe other(s)なのか」とかは、マジで考えるまでもなく自動的に使いこなせている形なんだと思う……って話ですけど、そうは言ってもその概念は日本語にはないわけで、我々は音読み訓読みを立ち止まって思い出さないと中々使いこなせない外国人同様、another/otherはいちいち考えないと正しい表現が中々出てこないのは、仕方ない点かもしれませんね、というのが話の要点でした。

(なお、何度も書いている通り、僕は当然いちいち考えないと正しい表現は使えませんし、往々にして間違えた言い方になってしまうので、この辺も未だに注意しなくちゃいけない表現になっています。考え方の概念が日英で異なるものは、やはりとても難しいですね…!)

 

…と、途中で書いていた「概念としてはそれでいいけど、言い回しとしては若干不自然」という点、後半で触れてみる予定でしたが、ちょっともう長くなりすぎたので、相変わらず体のいい記事水増しな感じですけど(笑)、そちらはまた次回触れる感じにさせていただこうと思います。

次回でanother記事のラストといえそうです。another article(次の記事)ではなく、the other articleって感じですね!

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