コメ返信や補足その1-36:感謝しよう!

それでは前回貼り付けるだけ貼って触れずじまいだったコメントの途中から、早速参りましょう。

 

ちなみに、

『「Thank you.」ではなく「I appreciate it.(感謝します)」という人も沢山いる…』

ということでしたが、あなたに感謝したい場合でも「I appreciate you.」とは言わない感じですか?

(どっちで記憶していたか曖昧なくらいです。)

 

⇒こちらも大変Good questionですね。

結論から言うと、「I appreciate you.」も全く問題なく使われる表現(むしろ、後述の通り、「~ it.」より心がこもっているような、温かく響く表現)ですが、個人的には「I appreciate it.」の方がよく聞くかな、という気はします。


…といっても実はこれは、単にそれが口癖のように使いまくる人が同じ研究室にいるからで、その人のせいというか、偶然たまたまそのおかげで強く印象に残っているだけと言える話なのかもしれません。

あんまり関係ないですがせっかくなので脱線してその人について触れておくと、彼はもちろん英語ネイティブなのですが恐らく両親は中国人で、見た目は完全にアジア人、坊主頭で、小柄めで猫背っぽい感じ、常におどおどしているといいますか、意味もなく廊下をフラフラ歩いたり立ち止まったりしている、いわばキョドってる感じともいえそうなんですけど、まぁそんなに落ち着きがなさすぎるわけではないもののいつもソワソワ自信なさ気な感じとはいえる、年齢は自分と近いぐらいの同僚がいるのです。


まさに個人的には「マルコメくんっぽいな」と思っているんですが、とはいえ「マルコメくん」って言っててあんまりイメージなかったので調べてみたら、どうやらキャラ絵はツルツル頭みたいですけど…

www.marukome.co.jp
…坊主といってもツルツル頭ではなく、ちょうど、↑のリンクの歴代マルコメ君で言う所の、13代目くんぐらいの坊主頭ですね。

ちなみに彼の生まれは僕の今いるこの街で、大学院を出た後ほんの一瞬、2年ぐらいアメリカ国内の反対側にある州の研究所で働いていたようですが、その後また生まれ故郷のこの街の大学に戻ってきたという感じで、恐らく親元で暮らしている(一度もその辺の話を詳しくしたことはないので不明ですが)という、アメリカではやや珍しいタイプかと思うんですけど、まぁ名前も典型的なアメリカ人(=ジョンとかジョージとかポールとかマイクとかそのレベルの。ここは仮にジョンとしておきましょう)で、中国語も全く話せないし読めないという、言語的には完全ネイティブのそのジョンの口癖がこれなんですね。

(そういえば以前の記事で確か「今は研究室にネイティブがいないのですが…」って書いた記憶があるんですけど(「ネイティブ」って単語は使いまくっているし、検索しづらいのでどの記事かはパッと引っ張ってこれませんが…)、ジョンがいましたね!

 忘れていたわけじゃないですが、ついうっかり漏れていました。)


まぁそんな長々と見た目などを書くほどの話でもないんですけど、やっぱり体も大きくないし見た目も完全アジアンで、どうしても、何だかんだ差別の根強いアメリカで育っていく上で自分を守るために仕方なかったのか、先ほど「おどおどしている」と書きましたが、「I appreciate it.」の他にも、「Sorry」を通り越して、例えば狭い通路で誰かとすれ違う際にちょっとでも相手の歩行のスピードが遅くなるなど「邪魔をしてしまった」と感じようものならどんな些細なことでも「Pardon me.(失礼しました)」「I apologize.(謝罪します)」といったフレーズを連呼しまくる感じで、マジで1日100回ぐらい「アプリシエーティッ」「パードゥンミー」「アイアポロジャイズ」を言ってる勢いで、ひたすら周りに謝ってお礼を言い続けている感じの、見た目少年っぽい感じの男がジョンなのです。

とはいえ幸いにして別にいじめられていたとかそういう印象はなく、全く捻くれてもいないし、おどおどしているとはいえ話せば明るい感じで、ここはアメリカ育ちの良さなのか、例えば宅配のおっちゃんとか掃除のおっちゃんとか隣近所の学生とかとすれ違う際なんかはめっちゃ大きい声で「Hey! What's up!? How you doin'?」みたくカジュアルに挨拶&会話をしているなど、見た目は正直「学年に一人はいたね、この手のキョドキョドしている子」と思える感じなものの(アジア系と書きましたが、ぶっちゃけ見た目はめちゃくちゃ日本人っぽいです)、(言い方は悪いかもですが)そのタイプの子よりも確実にハキハキした部分もあるのは、アメリカ育ちならではといえるのかもしれません。

 

いずれにせよ過剰なまでに丁寧(丁寧すぎて「マジで何やねん(笑)」と笑えるレベル)だと思えるそのジョンが、「Pardon me.」「I apologize.」と並んで(マジで大げさじゃなく1日100回……はまぁ大げさですけど(笑)、二桁は確実に)口癖のように言いまくっているのが「I appreciate it.」で…

(他にひたすら彼の口から聞きまくるのは、「Stupid question, ...(バカな質問だけど、…)」「Damn question, ...(しょうもない質問…)」「Sorry I'm slow.(のろま/理解が遅くてごめん)」などなど、英語話者にしては本当に珍しいぐらいに自分を卑下しまくるわけですが、その辺はやっぱりアジアの血なのかもしれませんね)

…僕の中ではやっぱりジョンから毎日聞きまくっていることもあり、「I appreciate it.」の方がどうしても自然に思えてしまう、って話ですね。


そんなわけで、ご質問コメントを見た際、一瞬「appreciate you...聞かんな」と思えたものの、「あぁでもthank youの上位互換な感じで、appreciate you……あるはあるかな」とも思えたので、実際どうなのか検索してみました。

まずヒットしてきたのは、Q&Aフォーラムではなくブログ記事でしたが、こちらのサイトは「翻訳引用可(ちゃんと一字一句正しく訳すならば、という条件付き)」となっていたので、まずはこちら(↓)をご紹介させていただきましょう。

www.next-element.com

I Appreciate You vs. I Appreciate It

投稿日: 2020年10月28日 投稿者: Nate Regier / 5 コメント

 

私の真ん中の娘、エミリーは、ホーム・デポのカスタマーサービスで働いています。COVIDの混乱期のさなか、エミリーにとって素晴らしい職業体験の場となり、新しい友達もできたし、学校に通いながら副収入も得られています。


エミリーは毎日、電話・対面の両方で、たくさんの人の手助けをしています。時には、車への荷物の積み下ろしを手伝うこともあります。全ての人が感謝の意を表明するわけではありませんが、彼女はその努力に対してたくさんの感謝(appreciation)を受けています。


先日、エミリーからPCMに関する質問の電話がありました。エミリーは、プロセス・コミュニケーション・モデル(PCM)のトレーナー、そしてPCMに関する新書の著者である私から、何かヒントが得られるのではと期待していたのです。彼女の質問はこんな感じでした;

「私は毎日多くの賞賛をもらっていて、いくつかの表現は他のものより意味があるものになってるよ。ある人は『Appreciate it』と言って、ある人は『Appreciate you』と言ってくるんだ。私は、間違いなく『Appreciate you』の方が好きだなと気付いたよ。『Appreciate it』よりもずっと多くの意味があると思う。どう説明できる?」

その理由は完全に、人々の持つ、モチベーションアップの程度に関する性格の違いに関係しています。私たちは皆、同じ6つの性格タイプを自分の中に持っていますが、好みの順番が決まっているのです。エミリーの場合は、「反逆者 (Rebel)」と「調和者 (Harmonizer)」の2つが最も強いタイプです。反逆タイプは、安全で、楽しく、受け入れてくれるような遊び心ある接触がモチベーションになります。調和タイプは、人を認めること、自分が何者であるかを気にかけること、および見返りを求めないことがモチベーションになります。「Appreciate you」は、この2つを結びつける言葉なんですね!

Appreciate YOU な人々は:
  • 一般的に、思いやりがあり、親切で、遊び心があります。
  • あなたがその人のことを好きで、ありのままのその人を受け入れてくれることを欲しています。
  • 思いやりと人間的なつながりの表現として、あなたのために何かをします。

Appreciate IT な人々は:
  • 一般的に、組織的で、献身的で、観察力があります。
  • あなたが、その人のしたことを認めてくれることを欲しています。
  • 自分の責任と献身の表現として、あなたのために何かをします。


今度、誰かに感謝の気持ちを伝えたいと思ったら、そういった合図を見逃さず、相手にとって一番大切なものを提供しましょう。相手は間違いなくそのことであなたに感謝するはずです(They’ll definitely appreciate YOU for IT.)。The Compassion Mindset®で、思いやりのあるコミュニケーションを身につける方法を学んでみましょう!

 

 …エミリーさんの引用句を見て、当初「『appreciate you』の方が丁寧でいい表現なのかな」と思い、この記事の最初でもその旨を書いていたのですが、よく読んだら必ずしもそうとも限らず、受け手の性格にもよるって感じだったんですね!


そしてより面白いことに、上記記事のコメント欄で、いくつか興味深いコメがついていました。

特に印象的だった最初のコメントとそこについていた返信だけ、せっかくなのでこちらも翻訳紹介させていただきましょう。

 

Alan

職場で、誰かに何かをしてあげた後に「I appreciate you」と言われるのが耐えられない。あなたは私に感謝なんかしていない。私のことを知りもしないくせに。あなたは、私がしたことに感謝しているのであって、私の人間性をよりよく観察していることを提示するために、その常套句を改造したんだ―実際には、私が存在しなくなっても、ほとんど気付きもしないだろうに。

私は、必要なことをしただけだ。「*it* (それ)」を評価(感謝)しろ。

 

Nate Regier(記事投稿者、上記コメントへの返信):

Alanさん、どちらが好みか教えてくれてありがとうございます。使い方を間違えると、意図しない悪影響を及ぼすという好例ですね。私の娘の話でも分かるように、これはどちらにもなり得るんだと思います。信じられないかもしれませんが、私の娘のように、誰かに何かをしてあげた後でも、「I appreciate you」と言われることを好む人もいるんですね。その人のモチベーションを認識してあげることが決め手といえるのです。

 

Hajji(このコメントへの返信):

私は56歳の男ですが、I appreciate itというフレーズの代わりにI appreciate youというフレーズを初めて聞いたのは、多分そんなに前のことではありません。今でも、これを聞くのはアフリカ系アメリカ人からが圧倒的に多いです。初めて聞いたときは不思議に思いましたが、よく考えてみたら、I appreciate itよりもI appreciate youの方がどれだけ良くなっているかに気付くまで、そう時間はかかりませんでした。ますます敵対的に見えてくるこの世界で、I appreciate youが私に襲いかかってきたのです、人情味の溢れる言葉として…。

 

Nate Regier(記事投稿者、上記コメントへの返信):

Hajjiさん、ありがとうございます。人情味の溢れる言葉ですね!いただいたコメントを読んでいて思ったのですが、「I appreciate you」という言葉は、与える側と受け取る側のどちらにとって有益なんでしょうね?私の標準的なThank Youの言葉は「I appreciate it」ですが、それは自分のニーズを相手に投影しているからなのです。意識的に「I appreciate You」と言うことを選択すると、異なる内面、より個人的なものが感じられますし、より誠意が必要にも思えます。

 

他にもまだ興味深いコメントはありましたが、それぞれ色々な見方があるというのが結論という感じで、以下のコメントは省略させていただきますけれども、上で紹介した1コメ目の、いきなりブチ切れてる感じのメッセージも、大変面白いですねぇ~。

もちろんこれはその人特有の個人的な意見ではありますけど、少なくとも「I appreciate you」という言い方に「何かイラッと来る」と感じるネイティブがいらっしゃるという事実は、とても興味深いです。


ちょうど2つ目のコメントでも触れられており、他に検索して出てきたQuoraの質問(↓)にも……

 

www.quora.com
まさに「なぜ南部の人たちは『I appreciate it』ではなく『I appreciate you』と言うのですか?」という話があったんですけど(当初、上で引用したブログ記事は短いイメージだったのでこちらも取り上げようと思っていたんですが、割と結構いい分量になりましたし、特に目ぼしい回答もなかったので、こちらの引用は省略させていただきましょう)、どうもこの「you」を用いた「アプリシエイチュー」というのは、南部・黒人の方がよく使う表現になっているようですね。

まぁ人種・地域差で言葉のもつイメージが変わるというわけでもないですけど、黒人の方のコミュニケーションはより親密でフレンドリーなものであるというのは一般的にそうだといわれていますし(Quoraのトップ回答にもその旨が記述されていました)、より人情味を感じる表現になっているのは間違いなさそうです(そして、そういうのが馴れ馴れしすぎると感じて、1コメ目のAlanさんのように嫌がる人がいるというのも理解できる気がします)。

 

いずれにせよ、そのAlanさんも、多分「心がこもっていない」というのが苛立ちのポイントだったのかなと思いますし、機械的に言うのではない、心のこもった感謝の言葉であれば、どちらであろうと必ず相手に通じてくれるんじゃないかな、と思います。

言い慣れない言葉は、どうしてもたどたどしくなって気持ちが乗ってくれないこともあるので、「アイアプリシエイティッ!」か「アイアプリシエイチュー」か、自分にとって言いやすい方を口に馴染ませておくのもいいかもしれませんね。

(もちろん「センキュ~」がどう考えても一番口に馴染んでいるわけですが(笑)、まぁより丁寧に感謝の気持ちを表現するにはやはり、appreciateが一番適切でピッタリな表現ですしね、口に馴染ませておいて損はないかもしれません。

…まぁ偉そうに言っておいて、発音が面倒なので、僕は口頭で使ったことは多分一度もないですけどね(笑)(もちろん先述の通り、文書の方ではメチャンコ使っていますが…!)。)

 

感謝の言葉ほど大事なものも世の中にありませんから、ぜひ自分の言いやすい表現を見つけて、積極的に使っていくとみんなが幸せになれて最高ですね、というお話でした。

アイキャッチ画像は、マルコメ君にしようかとも一瞬思いましたが(笑)、ここはやはり感謝のいらすとをお借りしておくといたしましょう。

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