コメ返信や補足その1-40:ちぇっ、もう二度としねえよ

コメントの続きに行く前に、前回引用させていただいたT. D. ミントンさんによる素晴らしい解説の中で触れられていた小ネタでいくつか「ちょっと話を広げてみようかな」と思える点があったので、そちらへの脱線から始めてみるといたしましょう。

 

まずは、前回のメインテーマ、直接話法を始めるために用いられるハンドサイン、いわゆるエアクオートについてですね。

改めて、関連部分を再度引用しておきます。

引用を始めるときに、両手を肩の高さまで上げ、両手をチョキの形にして人差し指と中指を揃え、引用符を書くように人差し指と中指を同時に曲げ伸ばしする――ただし、これは通常、文章を丸ごと引用するより個々の単語やフレーズを引用するときに使われます。

まさにミントン先生もおっしゃっている通り、これは正直「直接話法を始めま~す」というよりもむしろ、単語やフレーズに特別な意味を込めて使うという特定の場面で使われる方がより多いんじゃないかなという気がするわけですが、その用法でのこのサイン、これはマジでクッソ目にしますね。

実際どういうサインなのか、もちろんミントン先生の説明でズバリなわけですが、絵で見た方が分かりやすいんだけどな…と思い検索してみたら、我らがWikipediaAir quotes記事に、まさしくそのもののGIFアニメ動画が存在しました。


お借りしましょう。

https://en.wikipedia.org/wiki/Air_quotesより

…何か知らんけどシュールで笑えるGIFですが(笑)、特定の言葉を言う際に、両手をこんな感じで「チョンチョン」とするのがエアクオートと呼ばれるやつですね。

(ミントンさんは「肩の位置」と書かれていますが、もうちょい、顔の位置ぐらいにまで上げることも多い気もします。)


これはどのような場面で使われるものかといいますと、まぁ様々な使われ方があるわけですが、一番あるのは「いわゆる」というニュアンスを出す使い方でしょうか。

「チョンチョン」と同時に発した単語・フレーズが、「ま、そう言われてるけど、実際は違うんだけどね(笑)」みたいな感じで、時には間違いを正すあるいは自ら間違いを込めるなどでユーモアさを出すためとか、また時には皮肉を込めてからかう意図なんかで使われるなど用法は多岐に渡るわけですが、要はそのワードを強調しているということですね(強調の意図は様々)。


例えば、オフィスで共用で使っている充電器を、ある人が常に独占して我が物顔で使い続けているような状況で、その人がどこにしまったか忘れてしまい、「Where is my charger?(俺の充電器どこだ?)」と言っていたとしましょう。

そこで別の人が見つけた時に、「Oh, I've found it. Here's "your" charger.(あ、あったよ。はい、『あなたの』充電器)」と、yourと言う際に空いてる手で「チョンチョン」として、「あなたの」を強調することで、実は「何かいっつもずっと使ってるけど、これは別におめぇだけの充電器じゃねーから(笑)」と皮肉を込めて返す……なんてのが、典型的なエアクオートの使われ方ですね。

 

ちなみに僕はこれに関して一つ思い出がありまして、基本的に日本人の、和の心を忘れない僕はこのエアクオートも当然使ったことはなかったんですけど、例の仲良くしていた中国人の元同僚、アサカさんがまだここにいた頃会話をしている際、どういう場面かは忘れましたが、「いわゆる」ということを付け足すためにふと、何となくの気まぐれでこのジェスチャーを使ってみたのです。

(中身は全く覚えていないものの、まぁ「これは "DNA enzyme" って呼ばれるやつだね」みたいな説明をしていた時のことだったと思います。

 enzyme=酵素はタンパク質ですが、DNAにも似たような役割をするものがあり、「厳密には『酵素』じゃないけど、『酵素』みたいなものだしそう呼ばれることもあるね」ということを言いたかった場面のはずですね。)


で、「チョンチョン」としながら「You will use "DNA enzymes" in the next step...」みたいなことを言ったら、聞いていたアサカさんから、「ワオ。あなたがエアクオートを使うなんてビックリ。大分英会話にも慣れてきたんじゃない?(笑)」というツッコミが入りまして、これにはヤマトタケルを標榜してやまない、侍スピリッツをもつ日本男児の僕も思わず赤面、「いやまぁ文脈的にちょうどいい場面だったから、ジェスチャーを加えた方が分かりやすいかと思って…これは決して欧米スタイルに魂を売ったわけではなくってぇ……」としどろもどろになりながら弁解を加えるという、日本男児の風上にも置けない "ヤマトマケル" (←あえて「一文字変えた造語ですよ」ってことを示すのに、これまた「チョンチョン」が打ってつけの場面ですね(笑))みたいな情けない姿になってしまったのでした(笑)。


記事タイトルにした「ちぇっ、二度とやんねえよ」というのは、まぁ直接そう言いはしませんでしたけど、そう思えたエピソードだった、って感じですね(笑)。

とはいえ別に突っ込まれたからどうこうというわけではなく、やっぱり(ややネタ的に誇張しているとはいえ)僕は欧米スタイルより日本人っぽい仕草・考え方が好きだから、ってのが大きな理由ですけどね…!

あれはあくまで一時の気まぐれで、それ以来一度も「エアチョンチョン」は使ったことがありませんし、あれが僕にとって最初で最後のチョンチョンになりそうです(笑)。


(ちなみにあえて記事タイトルにしたこのフレーズは、以前好きな漫画シリーズで挙げていた個人的にあまりにも好きすぎる作品・吉田基已さんの『夏の前日』で青木くんが使っていた台詞でして、晶さんのペディキュアを塗ってあげた後に「んーまあまあかな」と言われた青木くんが放った捨て台詞なんですけど(もちろん晶さんは「嘘よ ありがと」と返しますが)、こういう冗談っぽく毒づける感じのやり取りおよび関係性が僕はめっちゃんこ好きでして、でも自分はこういう何というか男らしい台詞を言うのが苦手なので、まさに憧れがあるのです。

…ってまぁ憧れって程でもないかもですが(笑)、まぁ僕は自分とは違うタイプの青木くんが本当に好きで、こういう何となしの場面で使われる台詞も本当に印象深いものが多く、これもちょうどその1つ、自分の中で「いつか言ってみたい台詞(でも実際自分は言えない)」に位置するぐらいの名言といえる感じですねぇ~。

 ということで、リアルではどうも使えないからちょっとブログで使ってみたかった&好きな作品のキャラ・台詞をアピールしたかったという、ただそれだけの話でした(笑)。)


小ネタのつもりが結構長くなりましたが、そんなエピソードも思い出した次第です。

改めて、実際めちゃくちゃよく見る表現(ジェスチャー)なのは間違いないわけですけど、僕がエアクオート・ちょんちょんをリアルですることは、もう二度とないことでしょう…。

 


それではもう一つ、前回の話で広げてみたかった面白ネタに触れようと思います。

続いてはこちら(↓)、likeですね。

 

会話の中で直接話法への切り替えを示すためにsayの代わりに使うぶんにはまだ許せるのですが、中にははっきりとした目的もなく、センテンスのでたらめな位置にlikeを入れる人がいます。Mike like tried to like ask me out and I was like, "Are you like crazy?"のような使い方をする人が、誇張でもなく、本当にいるのです。


これまた、ぶっちゃけ別に直接話法へ移行するサインとしてというより、日常会話で「みたいな」という感じで挟まれることの方が多い印象で、こいつも、まさに死ぬほどめっちゃよく耳にしますね(笑)。

というか、日本語でも「みたいな」を多用する人はいますが、実際これは会話を断定ではなくマイルドな雰囲気にするために便利なものなので、ネイティブに限らず、(↑の例ほど極端ではないものの)むしろ非ネイティブも多用しているといえるかもしれません。(とはいえこれは、言いたいことが浮かばない場面で使う(「Like...uh...(考え中)...This is like...」みたいな)ことが多いともいえますが)。


いわゆる「Fillerフィラー、つなぎ言葉)」ってやつですね。

like以外のフィラーだと、まさに前回の例文で、「直接話法、こんな会話だったら全文完コピはできませんよね?」の例で出されていた「You know...(あのー、ほら)」とか、他にも「I mean...(つまり)」なんかをよく耳にします。


とはいえ僕は大和魂あふれる日本の心忘れないマンですから、Like...もYou know...もI mean...もまず使わず、つなぎ言葉を使いたい際には日本語でもほぼ同じ「あー…」とか、「えーっと」は流石におかしいので、「うえーっと」のつもりで「well」(ウェーール…みたいな(笑))とかを使っちゃいますね。


ただ、「みたいなね」というニュアンスでの、あんまり意味ない「like」、ミントンさん他大人たちがイラッとするであろう使い方のlikeは、メールとかでは結構使っています(笑)。

(でも一応、「Like I said, ...(以前申し上げたように)」とか「something like that(みたいな何か)」とか、一応正しい副詞・接続詞で使うようには心がけてはいますが、文法的にも意味的にも存在意義の乏しいlikeの挿入も、確実に使っっちゃってはいますね(笑))

 

これに関して、ちょうどずーっと昔に見た傑作動画(↓)を思い出しました。

Valley Girls」と呼ばれる、カリフォルニア女子(とはいえ別にカリフォルニアに限らず、この年代のギャルっぽい子全般の特徴ですね)らの会話を(もちろんやや大げさに)再現したこちら、幸いまだYoutubeで見つかったので貼っておきましょう。

 

www.youtube.com

タイトルにもある通り、ほぼ「Like(「みたいな」とか「ってか」とかにも近い感じでしょうか)」「Totally(「マジで」に近いニュアンスですね)」とあと「Oh my God!(ヤバ)」だけで会話が繰り広げられるという中身が1ミリも存在しないクソ浅トーク(笑)(そしてシャツにはこないだも触れていたwhatever(笑))、これはマジで傑作ですねぇ~。

何気に日本語でも、「マジで?」「マジで!」「ヤッバ」「ってかマジさぁ」「ヤバイみたいな」「それな」だけの会話もあるわけで(あるか?(笑))、まさにその英語版で、大体どこもティーンのギャルたちはこんな感じでゆるく楽しく生きてるのです、というのが窺えますね(笑)。

(むしろ、これだけで割とちゃんとコミュニケーションになってるあたり、浅いどころかむしろ深いともいえる…?!)

 

ちなみにこのタイプの女子たち、まぁここまでは流石にいかないし、僕が接するのは大学生以降なのでティーンではないですけど、実際アメリカの若い子らはマジで「お前は誰と戦っとんねん」ってぐらいクッソ早口で、聞いてて笑えてしまうことがめっちゃ多いです(もちろん理解できないこと多し(笑))。

男子たちより、やっぱり女子の方が、ジェスチャーも豊富でまさに↑の動画にあったような裏声とか表情込みで、まくし立てるようにマシンガントークを繰り広げる感じが強い印象ですね。


これぐらいエモーショナルに会話ができればもう英語も完全マスターといえそうですけど、やはり日本紳士たる僕は、

「こんな風に話さなきゃいけないなら、英語なんて話せるようになりたくないね。僕の中の ✌日本ジー✌(←日本人と遺伝子geneとをかけた、クソウマギャグ)が死んでしまうから…」

と斜に構えてしまい、結果、英語が伸びることが全くないままのでした(笑)。

(とか言いつつチョキのチョンチョンマークを絵文字でつけて譲歩してみましたが、これもエアクオートを使う好例にはなっているものの、肝心の中身がクソサムギャグすぎて全てが終わっている……というオチが見事についた所で(笑)、今回は長くなったためコメントの続きはまた次回とさせていただきましょう。)

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