スイートルームは甘い部屋…?ハムサンドは美味しい…?

今回は、前回触れていたコメントにあった、スーツの「suit」という単語から話を広げてみようかと思います。

また脱線ネタという形ですね。

とはいえ話を広げるといっても、結局また似た単語を挙げて「間違えないように注意しましょう」という例のパターンで、最早馬鹿の一つ覚え感もありますが(笑)、まぁ話を広げやすい鉄板ネタということでご容赦願いたい所です。

 

さてそのsuitですが、これはパッと見スイートと読めてしまう気もするんですけど普通に発音はスーツ(まぁ正確にはスートゥッというかあくまで発音的には「t」で終わりなわけですけど)でして、しかしこれとドチャクソ似ている単語として、suiteなる語も存在するのでご注意を、という話なわけですね。

こちら「suite」は、発音としてはまさにスイートであり、しかし甘味処・スイーツのスイートとはまた違う別の単語であることも要注意といえましょう。

甘い方は「sweet」であり、「suite」と「sweet」は、発音が「似ている」ではなく「完全一致」のパターンですね。

誉れ高きケンブリッジ辞書から、発音記号込みの各語の見出しを抜粋しておきましょう。

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/suiteより

 

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/sweetより

UK(イギリス英語)・US(アメリカ英語)ともに差はなく、全て全く同じ発音となっています。

一方「sweet」の方にはさらに似ている単語がありまして、それが「sweat」になりますが、これはズバリ、『青い花』でも出てきたので以前の記事でも触れたことがありました、「汗」を意味する「スウェット」ですね!
(我々日本人にとってはポカリですけど(笑)。)


ということで、今回の似たような単語四種は、「sweet」「sweat」「suit」「suite」ですが、とりあえず音に関しては、まず「甘い」のスイートは、「スウィ~ト!」って言う印象もありますし、第一段階として「『甘い』は『sw-』の方だな」と区別が付くのはOKとしまして、ではswで始まる方で、sweetとsweatのどちらが「スイート」だったのか……

これはそのままスペルを見てどちらがよりスイートと呼べそうかを判断すれば、どう考えてもsweetの方なので…

(というか、「『甘い』方じゃないやつが『汗=スウェット』」ということももう確実に覚えている点としまして、「『スウェット』と読めるとしたらどちらか?」を考えた方が明らかかもしれませんね。
 -eatはイートとも読めるっちゃ読めるけど頑張れば「エット」とも読めそうですが、-eetが「エット」になるのはどう考えてもあり得ませんから。
 まぁ、-eatも正直「エット」にはあんまりならなさそうですが、aとeがくっついたような発音記号もありますし(順番は逆ですが)、異なる母音がつながったらまぁ融合して単母音として機能して「エット」となる…なんてことはまぁなくはないかな、といえましょう)

…(余談が長くなりましたが続き)…「あぁ、sweatの方がスウェット=汗で、sweetの方が必然的に甘いスウィートだな」と、仮に迷ったとしても判別がつくといえるわけです。


で、残る「suit」と「suite」も、スーツになりそうなのはやっぱりどう考えても前者ですから(後者は、どう頑張っても「スーテ」にしかならなさそう)、「suit」がスーツで、「suite」が甘いじゃないスイートか……と、まぁ改めてこの辺はもう、「ユーという単語はyouだったかな、それともyuuだったかな?」なんて悩むことは全くないのと同様、パッと見で覚えてしまってることも多いレベルな気もするわけですけど、万が一ド忘れで迷ってしまった場合なんかに、確信をもって正しい方を選ぶための保険手段ってやつですね。

 

あぁ、本題のsuiteに入る前に、甘いのスウィートに関連して、同じくちょっと悩みがちな紛らわしい単語に、そういえば「デザート」もありますね!

これはズバリ、スイーツ系の食後のご褒美的なアレを意味する日本語でもそのまんまデザートと、あとは砂漠を意味するデザートの2つで、desertdessertという、sが1つか2つかという舐めくさった違いしかないやつらですけど、これはネイティブスピーカーでも稀にごっちゃになるということで、ネイティブがどうやって覚えているかを、以前、確かECCポッドキャストだかで触れられていたのが上手い覚え方だったため、今でも印象に残っています。

それがズバリ、美味しいデザートの方は、「something sweet(何か甘いもの)」とかあるいは「so sweet(とっても甘い!)」という語呂で、sが2つのdessertがデザート、そうなると必然、残ったsが1つのdesertは砂漠だなと、そう覚えれば仮にド忘れしてもバッチリだということですね。

(desertの方は、「only sand(砂だけ)」でsがオンリーワンという覚え方をする、ってのもどこかで聞いたことがありますが、まぁ「サムシング・スウィート!」の方が美味しそうでいい響きですし、覚えやすいかな、って気がします。)


…というか関連して更に脱線しますと、その「sand」という言葉、我々日本人が聞くと、どこからどう考えても「何かを挟む」という意味の「サンド」で、「ハムサンド」や「ツナサンド」で使われているおなじみの語のイメージになるわけですが、英語のsandにその意味はマジで1ミリも存在しないことにご注意かもしれませんね。

英語のsandには絶対に何がどう転んでも「砂」という意味しか存在しないので、ついつい我々は癖で「フルーツサンド」とか言っちゃいがちなんですけど、Fruits sandと聞くと、ネイティブの耳には全く意味不明な物体、まぁあえて言えば「砂の果実」(ではなくやっぱり「果実砂」的な感じなので謎なフレーズですが)としか想像できず、そう言っても絶対に我々が頭に浮かべるフルーツサンドに結びついてくれないのは、覚えておいて損はない話といえましょう。


とはいえSandwichという単語自体は当然、アメリカでも死ぬほどよく使われるし登場しまくる言葉なので、「Fruit Sandwich」ときちんとフルで言えば、パンの間にフルーツが挟まったアイツとして通用するんですけどね(まぁ、サンドイッチにフルーツを使う文化は日本独自のもののようなので、そういう意味では通じてもなお驚かれるかもしれませんが(笑))。

ぶっちゃけ、「Sandwichがサンドイッチなら、Sandがその省略表現になってるってぐらい推測してくれや、この気が利かねぇオタンコナスどもがよぉ!」…とも思えるものの(笑)、非日本人の方には、少なくとも日本文化に精通している方でもなければ、サンドイッチのsand呼びは100%絶対に全く通用しないことにご注意ください(sandは砂でしかない!「ハムサンド」とか、クソ不味そう!)、という脱線の脱線でした。

(ちょうど僕も、学生への実験の説明で、板状にしたシートと実験材料(ゲル)とを挟んで電気泳動にかけるものがあるんですけど(あぁ、ずーっと前の分子生物学入門の記事で触れていた、ウェスタン・ブロッティングとかですね)、そのセッティング方法を紹介する際、日本語で「ゲルと膜とスポンジをこうやってサンドして…」という説明を念頭に置いて「...make a sand like this...」と言ってしまい、「は?」と思われた……前に自分で気づいて「あぁ、sandじゃなくてsandwichね!日本語ではsandと省略していうもんで、ついつい(笑)」と訂正しましたが、「SandでSandwich?んなバカな(笑)、面白いギャグだね」みたいに笑われた、というそんなことも実際にあった感じですね。)

 

…と、そんな所で、本題のsuiteについてですが、これは別に引っ張るほどの話ではなく、「甘い」以外で聞く「スイート」は何かといいますと、ズバリ、ホテルの「スイートルーム」なんかが浮かぶわけですが、まさにそのスイートがこのsuiteだったんですね。

なので、「スイートルーム」ってぶっちゃけ「上質であることを指して『甘い部屋』ってことなのかな?」と思えなくもない罠があるんですけど、実際は甘いとは全く関係なく、suite=「1セットの・全体がつながった」みたいなことを意味していたわけです。


しかしスーツのsuitもある意味「ひとつながりの一張羅」なわけですし、この辺のsuiteとsuitの違いは地味に似ていてややこしくネイティブにも分かりづらいようでして、取り上げてまとめてくれていた解説記事が沢山見つかったため(例:↓の記事など)、簡潔にまとまっているページをまた翻訳紹介でもしてみようかなと思いましたが……

pediaa.com


…サンドイッチ伯爵とかのおかげでもうこの記事もいい分量になっていますし、ぶっちゃけそない面白いものでもなかったので、説明は省いて(このページにはありませんでしたが、「元はフランス語由来の同源語であり…」みたいな歴史も、まぁどうでもいいですしね)、上記記事から、最後分かりやすくまとめられている表だけパクらせていただきましょう(笑)。

(でも、画像形式の表より箇条書きテキストの方が分かりやすい気もしたので、箇条書きまとめの部分の翻訳ですね。)

 

SuitとSuiteの意味の違い

Suitは、服や衣装を指す。

Suiteは、部屋の集合体を指す。

 

動詞としての使用

Suitは、一緒に行く、または、都合がいいという意味になる。

Suiteには動詞は存在しない。

 

発音

Suitは「sewt」と発音する。

Suiteは「sweet」と発音する。

 

全然まとめるほどのもんではありませんでした(笑)。

(箇条書き二項目めなんて、最初のやつと同じ話すぎて省略したぐらいです(笑))

…という所で、今回は「スイートルームは甘い部屋ではない、以上!」で終わりそうだったので、当初、せっかくだから他の紛らわしい単語もいくつか思いついたのを挙げて触れてみる回にしようかな…と思っていたものの、その必要はなかった感じですね。

しかしどれだけ面白いコメントをいただいても、放浪息子の英語版に触れてみるというお楽しみシリーズが待っていたとしても、ネタ切れはもう目と鼻の先ですから、記事水増しとして、次回はまぁその「似た単語をしっかり区別しておこう」シリーズでもまとめてみようかな、と思っています(あんまり大したことがなさそうすぎたら、やめるかもしれませんが)。

 

今回は、スイーツであり、「サンド」でもある(笑)、ちょうどいいいらすとアイキャッチ画像に使わせていただきましょう。

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