青い花のエピソードタイトルの由来をまとめてみよう(その11)

前回で既に最終巻8巻に入っていました。

続きの第47話からまた順番に見ていきましょう。

 

----------

青い花』エピソードタイトルの由来まとめ(勝手に予想;括弧内は英語版青い花の英訳タイトル)

#47 罪と罰(Crime and Punishment)

こちらももう、赤ちゃんでも知ってるレベルの元ネタですね(いや赤ちゃんは知らないだろ)。

ズバリこれは説明不要、ロシアの誇る大文豪、フョードル・ドストエフスキーの長編小説のタイトルをお借りしているものでしょう。

ja.wikipedia.org


英語タイトルは、まさにそのまんまですが、Crime and Punishmentですか。

en.wikipedia.org

これはハッキリ申し上げて、簡潔さと対称性から来る美しさとで、日本語タイトルの圧勝ですね。

罪と罰」って、分かりやすくて覚えやすい、しかしそれでいて大変エスプリに富んでいながらアルカイックな雰囲気も醸し出している、これ以上ないぐらいの、あまりにも完璧すぎる題名に思えます。

むしろ、ドストエフスキーさんは、日本語にした時の美しさからこのタイトルを付けたという可能性が、微粒子レベルで存在…?!


…なわけはまぁないんですけど(笑)、原典であるロシア語タイトルは「Преступление и наказание」だそうで、僕はロシア語は1ミリも読めませんが、最後の三文字が共通なので、クソみたいな面白みの欠片もない英題よりはまぁ韻を踏んだタイトルなのかもしれませんね。


言うまでもなく、僕はこの罪と罰を読んだことがないばかりか、大まかなあらすじすら全く存じ上げません。

そんな訳でWikipediaのあらすじをざっと読んでみましたが、これまた改めて歴史に残る大傑作とされる小説だから当たり前なんですけど、クッソ面白そうですねぇ~!

Wikipediaの記述はちょっと長かったので、より簡潔な、Amazonに登録されている内容紹介をコピらせていただきましょう。

鋭敏な頭脳をもつ貧しい大学生ラスコーリニコフは、一つの微細な罪悪は百の善行に償われるという理論のもとに、強欲非道な高利貸の老婆を殺害し、その財産を有効に転用しようと企てるが、偶然その場に来合せたその妹まで殺してしまう。

この予期しなかった第二の殺人が、ラスコーリニコフの心に重くのしかかり、彼は罪の意識におびえるみじめな自分を発見しなければならなかった。

そして、結局Wikipediaのまとめ評的な記述も引用させていただくと…

一般には、正当化された殺人、貧困に喘ぐ民衆、有神論と無神論の対決などの普遍的かつ哲学的なテーマを扱い、現実と理想との乖離や論理の矛盾・崩壊などを描いた(すなわち、当時広まった社会主義思想への批判でもある)思想小説の類に属するとされる。

一方で、老婆殺しの事件を追及する予審判事ポルフィーリィに追いつめられたラスコーリニコフが鬼気迫る勢いで反論する、彼との三度に渡る論戦はさながら推理小説であり、翻訳を手がけたロシア文学者の江川卓は『刑事コロンボ』のような倒叙ミステリーの様相を呈していると語っている。

…これは、ちゃんと読んで理解できたら、めちゃくちゃのめり込めるタイプの作品なんだろうなぁ、と思えてなりません!


とはいえしかし、ロシア文学で一番言われていることに、「キャラの名前を把握するだけで絶望的な困難を伴う」ってのがあるんですよねぇ。

前どこかで見た「いかにロシア文学のネーミングがやばいか」というネタが面白かった記憶があるので探そうと思いましたが、まさにこの罪と罰Wikipediaに、その旨がハッキリと記載されていました。

また引用させていただきましょう。

会話以外で人物名を述べる時は主にだけで書かれ、親しい人からの呼び掛け時は愛称形で、あまり親しくない人からの呼び掛けは名と父称で、その他、フルネームだけで記述されることもあり、慣れないうちは人物名の把握が難しい。

主人公「ラスコーリニコフ」で例示するなら、愛称形なら「ロージャ」と、名と父称なら「ロジオン・ロマヌーイチ」と、名だけなら「ロジオン」と記述されているが、すべて「ロジオン・ロマヌーイチ・ラスコーリニコフ」その人である。愛称形の呼び名が2つ以上ある人物もいる。

そもそも父称という3つ目の要素がある上、発音も日本人的には似たようなのばっかでややこしいのみならず、愛称すら複数あって、同じ人なのに作中何の注意書きもなく当たり前のように全く別の呼び方をされまくるとか、クソすぎワロタ(笑)と思えちゃいましたけど、よく考えたら日本語でもそういう、別の言語圏から見たら「どうやって使い分けてるんだよ(笑)」と思えるものもあるともいえるのかもしれません。


ちょうど、以前まとめサイトで見た、「兄の呼び方」英語版を思い出しました。

妹が大量に出てくるアニメ、シスプリでの使い分けについてですが、検索してヒットしたニコニコニュースから、またまた引用させていただきましょう。

originalnews.nico

スタッフ:
 『シスター・プリンセス』の「兄」の翻訳がありました。

おたささ:
 「お兄ちゃん」が「big brother」、「お兄ちゃま」が「brother」、「あにぃ」が「big bro」、「お兄様」が「dear brother」、「おにいたま」が「bro-bro」(笑)!?

 「兄上様」が「brother mine」、「にいさま」が「elder brother」、「アニキ」が「bro」、「兄くん」が「brother darling」。「兄君さま」が「beloved brother」、「兄チャマ」が「brother dearest」、「兄や」が「mon frère」。ちょっとフランス語っぽく。「あんちゃん」が「bud」。


天海:
 難しい!

僕はシスプリは見たことがなくこのネタしか知らないんですけど、クッソ笑える面白ネタですねぇ~。

正直、「dear」とか付けて二語にしてるのはちょっと反則だろとか思えますけど(笑)、そうでもしないと表せないぐらい、複雑な呼び名が日本語では可能ということですね。

 

これを非日本人の方が正しく受け取るのは不可能だと思えますけど、それに比べれば、名前の呼び方の違いなんてのは、対照表を片手に読み進めれば容易に理解する&慣れることも十分可能ですし、まだマシといえるのかもしれません。


…とそんな『罪と罰』ですが、まぁ古典的名作だけあって、こちらも普通に青空文庫で翻訳版が公開されていましたねぇ~。

www.aozora.gr.jp
いやぁ~、無料で公開されているとなると、「いつでも誰でも読めるのに読もうとすらしないのは、挑戦しようとしない臆病者だ」といわれているようでプレッシャーを感じちゃいますが(んなプレッシャー感じるかよ(笑))、やっぱり、もうちょい時間があるときにチャレンジしたい限りですね。

…多分、「もうちょい時間があるとき」はこのまま一生訪れない気もしますが……。

(いやでもやっぱり、老後とか「やらなきゃいけないことが存在しない」状況なら、そういう名作探訪の旅に出てみたいし、その時間はいつかきっと産まれるはず(と思いたい)です。)

 

一方、『罪と罰』といえば、たまたまこないだも書いていましたが僕なんぞは椎名林檎さんも大変に好きでして、彼女の楽曲も思い浮かびますね。

とはいえこれは異論の余地なく、林檎さんもドストエフスキーの小説を元ネタにつけたタイトルでしょうから、「青い花のこのエピソードタイトルも、椎名林檎さんの楽曲が由来の可能性も…?」とは全く思いませんけど(どう考えてもどちらも小説由来)、それだけやはりこちらは、色々な作家さんが使いたくなるぐらいに魅力的なタイトルということなのかもしれません。

(もちろんこの楽曲以外にも、色々な所で使われているフレーズでしょうしね。)


…とはいったものの、この『罪と罰』は『ギブス』と二枚同時発売でして(5thと6thシングル)、チャートの順位や売り上げは常にギブスの方が1つ上にいたことをよく覚えているんですけれども、僕個人としても、よりキャッチーな曲であるギブスの方が断トツ圧倒的に好きだという、「分かりやすく大衆受けするメロディが好み」といういかにも浅い音楽的素養の持ち主であることが垣間見えてしまうかもしれませんが、公式chにどちらもライブ動画があったので、例によってまた今回も音楽動画を貼らせていただきましょう。

 

www.youtube.com

 

www.youtube.com


時間の都合でまだ視聴できていませんが、スタジオ音源派の僕も納得のクオリティであろうということは、聴かなくとも予想がつくぐらいですね!


しかし、果たしてこの曲がなぜ『罪と罰』なのかはあまり判然としませんけど、まぁ基本的に音楽のタイトルなんて雰囲気重視・それっぽければオールOKですし、曲調に合っているので全く問題ないといえましょう。

(あと全然関係ないどうでもいい話ですけど、収録アルバム(『勝訴ストリップ』)ではほぼ全ての曲が前後の曲とつながって演奏され続けるような、「曲間の境目がない感じ」になっており、当時まだ自分で音楽ファイルの編集なんてこともできませんでしたから、ギブスだけをリピートして聴きまくりたいときなんかのためには、シングルCDを使う必要があった(アルバムだと、ブツ切れで終わってしまって味気ないので)のも懐かしい思い出です。
 そういう、アルバムの流れがあるとでもいいますかコンセプトアルバム的な感じも僕は好きですけど、配信中心になって、今はもうそういうのもあんまりなくなってきている(曲単位で聴かれることがほとんど)のかもしれませんね。)

 

相変わらず、無理くり捻くり出したような雑談になってしまいましたが、青い花に戻りますと、この第47話はなぜ「罪と罰」なのかな、と思ったら、あぁ、こちらは新聞部部長の話でしたか…。

まさに、あの部長さんにはめっちゃピッタリなタイトルといえますね…!

例の、「青い花キャラクターのテーマ曲を勝手に考えてみよう」のコーナーもまたいつかネタが切れ次第触れてみたいですけど、部長にはもう別の曲を考えていましたが、そう考えると公式には『罪と罰』がまさにうってつけなのかもしれません。

とはいえまぁそれはそれとして、もう罪と罰の動画も今回使っちゃいましたし、パッと浮かんだ方を挙げてみようと思っています。

どうでもいいにも程がある話ですけどね(笑)。

 

----------


…と、またグダグダ逸れていたら、割といい分量になっていました(今回はほとんど引用文だったかもしれませんが(笑))。

次からはもう本当に逸れる雑談もなさそうなので、一気に終えられちゃえそうですね。

順番に進めていこうと思います。


表紙画像は淡島百景に戻りまして、教官の若かりし頃の振り向き構図…これまた大変に素晴らしいの一言です…!

淡島百景』2巻、https://www.amazon.co.jp/dp/B07425XR8Gより

にほんブログ村 恋愛ブログ 婚活・結婚活動(本人)へ
にほんブログ村