脱線の脱線、おうち…かえる…

前回はコドン・アンチコドンの話から少し脱線して、ストップコドンのニックネームからアンバー(琥珀)などの話をしていました。

関連小話で、毎度心のこもったコメントをいただけるアンさんから「あぁ!」と思えるネタをいただいていたので、ネタの横流しから始めさせていただきましょう(笑)。

琥珀は知っとるでぇ~。

木の樹脂(樹液)が長い年月をかけて化石化したものやんな!

有名な映画のジュラシックパークは、恐竜の血を吸った蚊入りの琥珀から、遺伝子をなんちゃらしてどないかして恐竜を作るってお話やったさかいな、印象に残っとるやね。

…あぁ、ジュラシックパーク

これ、1993年公開の映画で、僕は小学校中学年だったわけですが、めちゃんこ流行りましたねぇ~。

歴代映画興収記録を、確か10年ぶりぐらいにE.T.から塗り替えただかでかなり大ニュースになっていて、学校でも先生が「ジュラシックパーク見た人~」で結構な数の児童が「は~い」とかやってた記憶がマジマジと残っています。

とはいえ、僕は漫画は鬼のように読むけど(まぁ小学生の頃はそうでもなかったですが)、映画は全くのモグリで、ジュラシックパークも、その後興収トップを塗り替えたタイタニックアバターアベンジャーズも、実は1秒も見たことがないんですけどね。

ただE.T.だけは、金曜ロードショーでやってたのだかを見て、しばらく家族の前とかで例の宇宙人みたいな声で「ET おうち かえる…」「ET おうち 電話…」って物真似してみんなを笑わせてキャッキャしていた記憶がありますし、映画モグリかつ幼い子供の僕でもE.T.は素晴らしいと思えたというか、当時唯一観た洋画だったはずですし、

「へん!ジュラシックパークが何だい!E.T.の方が面白いんだぞ!"ET おうち かえる"(震え声) (♪チャーラーラララララー」

…と、ジュラシックパークの熱狂っぷりは子供ながら苦々しい気持ちで眺めていたのみならず、公開直後は毎晩「どうかE.T.が抜かれませんように…」とお祈りを捧げて、E.T.よろしく人差し指を前方にかざしながら寝てましたもんね(んなわけあるかい(笑))。


…と、ここで、30年以上の時を経て、衝撃の事実が…!

E.T.のセリフって他になんか印象的なのなかったっけ…と思って調べてみたら、世界がひっくり返るかもしれないレベルの、驚天動地の話を発見してしまったのです!!

こちら、E.T.のセリフについて、「三単現のsはいらねーの?」とふと疑問に思って調べられていた、「ヒントになれば」というかなり面白い感じのブログ記事がヒットしましたが…

hint3.web.fc2.com

私の様に疑問に思っている人が他にもいるかなとネットで調べると、同じ所つまり「E.T. goes home.」が正しいとつっこむ人が極少数いる一方で多くの人は「E.T. go home.」だと思っていたけど「E.T. phone home.」だったらしい・・・の様な次元の違う書き込みが散見されました。

何ぃ~!「ET おうち 電話」は印象に残っていましたが、それ以上に「ET おうち かえる」の方がより強く印象に残っていたのに、まさかのまさか、そんなセリフがETの口から発せられたことは、ただの一度もなかったとは…!

ブログ記事ではDVDの方もチェックされており、確かにET go home(日本語で「ET おうち かえる」)はなかったことが確かめられたようです。

いやいやちょっと待ってくれよ、自分ひとりならまだしも、多くの人が同じ勘違いしてるって、そんなことある?!

もちろん、件のブログでも同じような疑念を抱かれて考察されていましたが(プロモーションのCMショットとかで使われていたのでは?など)、その後、さらに今世紀最大レベルの吃驚、最早事件レベルの事実が…!!!

当時の映像で覚えているのがE.T.とエリオットが向かい合って人差し指の先同士を合わせるシーンなんだけど映画の中にはそんなシーンは無いんだよね。

な、なんだってー!!

むしろ観たのはあまりに小さい子供の頃だから、ストーリーとか一切覚えておらず、「ET おうち かえる」「人差し指を合わせる」「月をバックに空飛ぶ自転車」「総合して、楽しい映画だった」しか記憶にないというのに、その内半分が、記憶違いのガセ思い出だったなんて…!


…今日、僕の中のETは死んだ…。

もういい加減、帰るときに「ET おうち かえる」とあいさつしたり、辛いことがあったら右手と左手の人差し指を合わせて「♪チャ~ラ~ララララ~」と一人ETごっこしながら気を紛らわせたりすることは卒業して、僕も厳しい現実と向き合わなければいけないんだ……。
(…って、どんな奴だよそもそもやったことすらねーよ(笑))

 

ま、あの有名な指シーンは、ポスターで使われていたもののようですね。

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https://www.amazon.com/dp/B07SSJ3GH9/より

こちらは、このイメージに引っ張られて多くの人が勘違いしている点といえる感じでしょうか。

 

一方、セリフの方の真相は不明ですが、英語で検索してみても、それっぽい記事はQ&Aサイトにあったのに、開いてみたら…

findanyanswer.com
タイトルは「ET phone home?ET go home?」なのに、中身ではET go homeの件には触れられておらず、

「ETはET phone homeとは一度もいっていない。ET home phoneである」(ET never says, "E.T. phone home". It's always been, "E.T. home phone".)

…という、いやそんな所気になってたわけじゃないんですが……って、そっちはそっちでマジで?さっきの「ヒントになれば」記事では、ETはET phone homeっていってたっぽいけど…??という感じで、ハッキリした答はなく、むしろ謎は深まるばかりでした。

確か僕もE.T.のDVDもってたので、これはいつか自分の目できちんと確認しておきたいですね…!

 

…と、まさかのE.T.だけで脱線ネタがいい分量になってしまいましたが、せめて関連した話に1つぐらい触れておくとしましょう。

ジュラシックパークでは琥珀に閉じ込められた蚊から恐竜のDNAを復元して…という感じのようですが、これは現実的にはちょっと難しい、あくまでSFネタという感じのようです(まぁ誰も現実だとは思ってないと思われますが)。

Wikipedia琥珀記事にソース付きで説明されていた通り、DNAは521年で半分が崩壊する(塩基同士をつなぐ結合が壊れて、情報が失われる)とのことで、数千万年前の恐竜のDNA情報は、仮に琥珀に閉じ込められていたとしても、分子レベルでは完全に失われてしまっている、ってことですね。

www.nature.com

なお、せっかくなのでもうちょい科学的っぽい雑談もしておくと、そもそも何かの物体が「○万年前のもの」ってどうやって測るの?「ペロッ、これは○万年前の味っ!」とか分かるおっさんでもいるの?……というのが疑問に感じるところかもしれませんが、これは、実は、放射線を用いています。

まぁ自然界に炭素原子は死ぬほど沢山存在するわけですけど、炭素には1兆個に1個の割合で、放射能をもつ14C(シー・フォーティーンとかカーボン・フォーティーンと呼ばれる)が含まれており、この14Cの放射能半減期放射能は常に減り続けており、ちょうど半分になる期間;この辺の記事で、簡単にではありますが触れていました→放射性物質について知ってみよう)は5730年であること、および、生きている生物の14Cの存在割合は呼吸や食事などの炭素の摂取で常に一定に保たれるものの、死んだ瞬間から新しい炭素の補給が止まるという性質に基づき、物質内の14Cは生命活動を終えたときから5730年で半分になるペースで減り続けることになりますから、化石とかそういう試料に残っている14Cの割合を測定することで、「いつまで生きていたものか」が推測できる、って仕組みなわけですね。

基本的に最も強力な年代測定ツールはこの14Cを用いたものなので、金属とか炭素を含まない無機物には使えないという欠点があるものの、琥珀や生物化石みたいなサンプルには打ってつけだって話になります。

欠点は、こちらの記事にちょうどいい図がありましたが、測定にはこのように試料の一部を削り取る必要があることが挙げられますね。

f:id:hit-us_con-cats:20211104064827p:plain

https://paleolabo.jp/shinganBC/example.htmlより


こちらBeta Analyticという測定業者のサイトによると…

www.radiocarbon.com
サンプルの種類にもよるけれど、まぁ少なくとも数十ミリグラムは必要になるということで、本当に貴重な試料だと削るのも忍びない、ってのがあるかもしれませんね。

傷つけることなく測定可能な技術の発達に期待したい限りです。

 

ということで、今回は子供の頃の思い出が間違っていたという事実に打ちのめされて、「B.K.(ぼく)…おうち かえる…」と思わずにはおれない、哀しみの雑談という感じでした(いやそこまでの話かよ(笑))。

ちなみに幼い頃僕が敵視していたジュラシックパークですが、E.T.もJ.P.も、どちらも何気にスピルバーグ監督作品のようで、スピルバーグさんは自分で自分の記録を塗り替えたってことだったんですねぇ~。

まぁ何となくは知ってましたが、ちょっと調べてみたら、J.P.の記録を塗り替えたタイタニックジェームズ・キャメロン監督で、それを塗り替えたアバターもキャメロンさんとのことで、偉大な映画監督は、2作超巨大ヒットを作れる法則がありそうです(いやないか)。

ってことで、アベンジャーズルッソ兄弟監督も、この次また、「ルッソ先生の次回作にご期待ください!」と思って待っていればいい感じかもしれませんね(まぁ上述の通り、以上1作も観たことないですけど(笑))。


次回は、前回の脱線ネタに戻りたいと思います(脱線に戻るってのも何だよ、って感じですが、まぁtRNAネタですね)。

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