せっかくだから目についてもう少し

前回の記事では、目が光を認識する仕組みについて、網膜>視細胞(桿体と錐体の2種類)>視物質ロドプシン(オプシン+レチナール)と、順番に細かいものを見ていました。

そして最後に「このネタがふと思いつきました」と、盲点についておもむろにドラえもんの漫画数コマを貼っていましたが、毎度大変丁寧でありがたいコメント・ご質問をいただけるアンさんから「盲点は、解説が入るかと思ったら、ドラえもん見るだけなんかーい!」的なメッセージをもらっていました(いや、毎度口調は勝手に変えてるので、そんなノリではありませんが(笑))。

そういやドラちゃんの可愛さにかまけるあまり、モーテン星の考察をしただけで、肝心の盲点はノータッチという体たらくになってましたね。

(ところで全く関係ないですけど、ドラえもんの普遍性(不変性)はヤバイですね。調べたらモーテン星は「小学四年生」1985年6月号掲載でしたが、前回の画像、80年代の絵って、それマジ?!
 今見ても全く違和感のない、1ミリも古くささを感じない絵柄(そして話自体も)…どころか、下手したら今ご当地ゆるキャラみたいなので出てきても天下取れるレベルの完成されたフォルムなのは、やはり複数の作品で全世代誰もが知ってる作品を生み出した、漫画界でも限られた作家、神と讃えられるレベルの方のセンスに他ならないと思います。…って、ドラえもんも1巻だと若干の違和感というかぎこちなさは感じるんですけどね。それでもやっぱり、古臭さがないという点では、藤子F大先生は別格でしょう

ということで、補足として盲点について見ておくとともに、せっかくなので目についてもうちょい話を広げて、久しぶりにちょっと自己紹介的なネタも混ぜてみようかと思います。


・盲点とは?

ドラえもんがあの画像の前か後に割と分かりやすく説明してくれてた記憶があるんですけど、まぁドラちゃんに頼らず説明してみるとしましょう。

Wikipediaの画像は白黒で小さい分かりにくいものしかなかったので、何かいいのはないかと探してみたら……

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http://www.bigshotcamera.com/fun/buildables/blindspot#01より

分かりやすいのが、Bigshotというカメラファンのサイトにありました。

…って、あるぇー、この画像、見覚えあるぞ!

前回貼ったBCMファミリー基金の画像と、全く同じじゃねーか!!

よく見たら、こちらには画像のソースが示されており、元々の出典はスペインのUMH(エルチェ・ミゲル・エルナンデス大学)が公開されている目の解剖学の講義資料か何かだったみたいです。

BCM財団、非営利団体とはいえ、その辺の権利関係(参考資料の明示)をおろそかにするとはいけませんねぇ…。

ってまぁ別に査読つき論文でもあるまいし、商用利用でもないんだからそんなの目くじら立てるようなことかよ、ってもんかもしれませんね。

画像のソースはともかく、盲点=blind spotは、画像の黒丸で囲まれた所、つまり、目玉は完全に独立した器官ではなく、脳に信号を届けたり血管で酸素や栄養を運ぶ必要があるわけですけど、当たり前ですが目玉にはそのための血管や神経網といったものがつながっており、ズバリその「接続部位」が盲点にあたるというわけですね。

結局、目玉の奥表面全体は網膜で、視細胞がビッシリ並んでいるわけですが、この接続部だけはどうしても穴となっている=視細胞が存在しないということで、この1点に届いた光は、感知することができない=目で見ることができないという形になります。

(画像の断面図はあくまで平面的な表記ですが、眼球は立体的なものであるものの、当然、盲点はそんなに広いものではなく、球体のごく1点にすぎない感じですが。)

ではなぜ我々は普段盲点を意識せずに暮らすことができるのかというと、これは説明不要でしょう、我々は目を2つもっているからですね。

右目と左目の盲点は、視界の完全に異なる位置に存在するため、両方の目からの情報を補い合うことで、物理的に完全に見えない部分は存在しない状況を作り上げているわけです。
(もっとも、脳は案外バカなので、何回か貼った錯視画像の例の通り、「脳が勝手に(ないものを)補完している」部分もあるっちゃあるわけですが、一応、片目だけだと存在する「本当に見えない点」は存在しないということですね。)


ちなみに、「お楽しみコーナー」として、Bigshotの解説ページの最後には、こんな情報が載っていました。

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http://www.bigshotcamera.com/fun/buildables/blindspot#01より

タコには、盲点がない!

面白いですね。

いわく、「タコの網膜は神経線維の前方に位置しており、神経の束にブロックされないレアな例外生物なのです」とのことですが、あれ、画像見ても、網膜(Retina)が神経束の前方にはなってなくない?と思って「頭足類の目」のWikipediaページの説明を見てみたら…

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https://en.wikipedia.org/wiki/Cephalopod_eyeより

(Vertebrateは脊椎動物を意味する、生命科学系の学生には必須の英単語になります。)

説明自体はあってるけど、Bigshotの画像の示してる所、やっぱりちゃうやんけ!という些細なミスを見つけてしまった次第でした(RetinaとNerve fibreの位置が逆)。

まぁタコに盲点があろうがなかろうがどうでもえぇわいという話ですから、次の話題に移りましょう。


飛蚊症とは?

盲点は目のトラブルではなく目の性質、健康な赤ちゃんでも誰でももつものですが、せっかく目について見ているので、よくある目のトラブルにも触れてみるといたしましょう。

多くの人が抱えている、代表的な目の慢性的トラブルは、飛蚊症ではないでしょうか。

こちらは、目のプロ、参天製薬に非常に分かりやすい説明&図があったので、例のごとく画像を抜粋させていただきます。

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https://www.santen.co.jp/ja/healthcare/eye/library/muscae_volitantes/index2.jspより

目玉の、白い本体的な部分、これは硝子体と呼ばれている部分ですが、ここに何らかのトラブルがあると(ゲル状の硝子体にしわのようなものがよったり、濁ったりなど)、その部分が光を微妙にさえぎって影のような形になり、空中に黒い点や埃(アメーバ)のような塊がちらついて見えてしまう、というあれですね。

硝子体内部ではなく、硝子体そのものが萎縮していくことで影が広く大きくなることも知られているようですが…

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https://www.santen.co.jp/ja/healthcare/eye/library/muscae_volitantes/index2.jspより

基本的に特に後者の症状は加齢とともに進行するもので、40歳代から増え始め、60歳代では半数の人に、70歳代以後では8割以上の人に見られるありふれた現象として知られているものの、急激に増えるとか延々と進行し続けているとかでない限り、特に危険性もなく手術等も不要な症状とされています。

ただし、突然急激に症状が出てきたとか、何か強い物理的な刺激を受けて出てきたとかいった場合は、網膜剥離の可能性があるため、その場合はお医者さんに診てもらう方がよいといわれていますね(ボクサーとかでよく聞きます)。


…と、言葉で症状を説明してもご存じない方にはイメージが湧きづらかったかもしれないので、検索したらヒットしたつつみ眼科クリニックの画像でイメージをご紹介するとしましょう。

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https://www.tutumiganka.com/eye/eye_19.htmlより

まぁ、目を強くこすったときとかに空中に見えるアレ(が、常に発生していて、意識すると視界に見える)とでもいえば、飛蚊症ではない方でも、多くの人には通じる感じでしょうか。


なぜこれを取り上げたかといいますと、何を隠そう、僕は飛蚊症もちだからなのです。

右目だけなんですけど、まぁ、さっきの画像でいう所の、「虫状」に近いけどそこまで大きくない1点、って感じなんですけどね。

ちなみに、加齢に伴う症状とされていますが、地味に僕は幼い頃からの付き合いとなっています。

もちろん子供時分のことなので確実にそれとは断定できませんが、小学校入ったか入らないかぐらいの頃、公園で遊んでいたときに、割と大きな虫が右目に突撃してきて目の中に入ってしまい、「うわぁーー!!」とそのままこすったり何だりで取り除こうと頑張ったけれど取れず、そのまま虫が目に残ってしまった……というように記憶しているのですが、まぁ正直目の仕組み的に虫が硝子体の内部に入り込むことはあり得ないので、その時に強くこすりすぎちゃったのが原因かなぁと、今改めて考えると思いますね。

まぁ慣れるっちゃあ慣れますが、結構長い付き合いのこれ、邪魔といえば邪魔な存在ではあります(絶対、ない方が快適)。

危険性はないとはいえ、自然に消えることもまたないようなので、僕の場合、加齢で、今までクリアだった所にいきなり邪魔が入るとかよりは、長い時間をかけて準備ができてる分ショックも小さいだろうしマシかな…とポジティブに考えるしかないかもですね。


そんなわけで、自分の目について、久しぶりに自己紹介を兼ねてちょっと触れておこうかなと思ったので(そもそもこれはそういうことを書いていくブログだったはずですしね)、いくつか適当に「目情報」をしたためておくといたしましょう。

・視力は?

もう長いこと測っていないのですが、一応、普段は裸眼で余裕で生活できるレベルの視力です。

モニターの文字も本とかも裸眼で読めるものの、会議とかプレゼンとかみたいなので遠くからスクリーンを読むのは流石に結構難儀なため、そういう場合はメガネを使っています(そして、免許も、「条件:眼鏡等」はついています)。

そもそも子供の頃は視力検査で2.0を叩き出したことが自慢でしたが、中学・高校になり、「ゲームをほとんどやらなくなったら、(なぜか)視力がいきなり落ちた」という笑い話を鉄板ネタとしてもってるんですけど、まぁゲームうんぬんはたまたまで、成長に伴いちょっと(というか免許に条件がつくぐらいなので、だいぶ)視力が落ちちゃった、って感じですかね。


それでも高2ぐらいまでは完全に裸眼で過ごしていましたが、流石に後ろの方の席だと黒板の文字が読みづらいことが増えたので、高2のときにコンタクトを作りました。

メニコンのお医者さんの奨めに従い、酸素透過率の高いハードレンズにしたのですが、どうも自分には合わなかったようで、これがあまりにも、しばしば「ぐぉ~痛ぇ~、こんなもん目ぇ抉り取った方がマシだ痛ぇ~!」となり、大学に入ってからはもうつけるのが嫌すぎたので、コンタクトはやめ、初めてメガネを作った、って感じですね。
(ハードコンタクトは、異物感が半端じゃなかったです。ソフトならそんなこともないそうですし、今時のなら酸素透過率も問題ないようですが、少なくとも僕が作った2000年以前の世紀末では、メニコンスタッフいわく、「酸素透過率がぜんぜん違うから、目の健康を考えるならハード一択」とのことでしたね。
 まぁ、あの地獄の異物感を味わうなら、多少酸素が通らなくてもソフトの方が健康的なんじゃ…と思えましたが、いずれにせよコンタクトは卒業した感じです。)


眼鏡屋のお姉さんに、「お客様はフレームなしのメガネが似合ってらっしゃると思います!」といわれたのを真に受けて、フレームなしのメガネを作り、ちょうど日本を発つ少し前ぐらいに壊れてしまったので再度作りましたが(10年弱使った感じですね。上述の通り、普段使いはせず、必要なときだけかける感じですし、寿命で壊れたのではなく、落として割れてしまった感じでしたけどね)、それもフレームなしのシンプルなメガネにしました。

まだその二代目のメガネを使ってますが、これももう10年は使ってることになるので、壊れないか少々不安ですけど、アメリカでメガネってどうやって作りゃえぇんだ?…と疑問というか謎なので、壊さずに使い続けたい限りです。
(まぁ、必要になれば調べりゃ分かる話かとは思いますが。)


・利き目は?

そんな情報いらねぇ~、って話ですが(笑)、まぁネタとして触れておきましょう(っていうかそもそも利き目って何だよ、って話かもしれませんけど(笑))。

利き目の調べ方ですが、これは簡単で、まず両目を開けて普通に遠くのものを見て、人差し指でそのものを指します(部屋の隅の時計とかがちょうどいいかもしれないですね)。

まぁ遠くのものを見ているので、人差し指にはピントが合いませんから、ちょっとぶれるというかピッタリの所を指すのも難しいですが、特に細かいことは気にせず、それっぽい位置を指します。

そして、その状態で片目を閉じると、利き目じゃない方の目で見たときは、思いっきり指の位置がずれることになります。

ほぼ指と対象物の位置がずれなかった方が、自分の利き目ということですね。

ちなみに僕の場合、利き目は完全に右目です。

あまりにも右目に強く依存していることの現われか、子供の頃のこんなエピソードを強く覚えています。

父親と野球観戦に行ったときに双眼鏡を使ってフィールドを覗き込んだんですけど、使い終わって父親に渡したら「あれ?左目のピント、全く合ってないじゃん!」となり、そういえば、双眼鏡を覗くとき、右目でしか見えてないかも…という話になったというか、手で丸を作って両目に双眼鏡っぽく当てるだけでも、ほぼ左目はないものとして扱ってるっつうか左目は一切見てないかも、となり、「変なの~」と父親と笑いあった、みたいな微笑ましい(?)エピです。

もしかしたら、右目が飛蚊症なのは、右目を使いすぎなのが原因かもしれませんね。

そのせいで、仕事をする上での難点として、顕微鏡が使いづらいという弊害があるのですが、顕微鏡を使う際は、右目を閉じて左目のフィールドを調整する感じでやってますねぇ。
(まぁ、多少クセが減ってきたのか、顕微鏡を覗き込んで左目からの情報が0、ってことはなくなった気もしますけど。)

とりあえず、物を見るときは完全に右目で見ている、という話でした。


立体視ができない

それと関連して思い出したのが、確か僕が小学校中学年のときに世の中で結構なブームを起こした立体視画像、CGステレオグラムとか呼ばれていましたが…
(って、「CGステレオグラム」でイメージ検索したら、当時もっていた本がネットオークション系サイトでどんぴしゃヒットして、懐かしい限りです)

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https://www.google.com/search?q=CGステレオグラム&tbm=ischより

家にあったこの本も含め、その他あらゆる立体視が、今までただの一度もできたことがありません。

(こういうCGに限らず、微妙にずらして表示された画像を左右に並べて見るタイプのやつとかも、全くできません。平行法?交差法?ムリムリのカタツムリ、って感じでした。)

高校の生物の授業で、ちょうどこの辺の視覚の話で触れたんだと思いますが、先生が「絶対誰でもできるから。お医者さんになったら、レントゲン図とかで必要になるしね」といわれてみんなでやる時間があったんですけど、最後までできずじまいでしたねぇ。

そういえば、「誰でもできる」ことがマジで最後までできなかったのは、生まれて初めて・これが唯一のことかもしれません。

前の席に座ってた、親友とまではいかないけど仲良くしていた凄く優しいスポーツマンタイプの友達が、「紺助くんできた?」と聞いてきて、「できないねぇ」といったら、マジで懇切丁寧に教えてくれて、それでもできないままで「うーん、何とか教えてあげたいなぁ…!どう説明したらいいんだろうね…?」と心から悔しがってくれたのも非常によく覚えています。

ちなみに、赤青メガネで立体的に見るやつ、あれは普通にできる(というか立体的に見える)ので、まぁ「自分は右目に強く依存している、ステレオ界の落ちこぼれなのさ…」と思い込んでるだけで本気でやればできるのかもしれませんが、何だかんだ立体視の感動は今までの人生で味わったことのないものの1つとなっています。

「視力回復にいい」とかいう話も見たことがある気がしますし、いつかまたチャレンジしたいですね。

・使ってる目薬は?

化粧品Youtuberかよ、って感じですが、使ってる目薬、これはもう長いことずーっと同じのを使っています。

先ほど参天製薬の記事にお世話になっていながらあっさりと裏切る形になりますが、僕の愛用目薬はロート製薬の紫のこれ、アルガードクールEX!

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https://jp.rohto.com/rohto-alguard/eyedrop-cool/より

まぁ、別にそこまで何がいいってわけじゃないですけど、強めの清涼感と、あとはただ刺激が強いだけじゃなく何となく目に優しい感じもするという具合で、帰国したときに買い溜めするなりして、ほぼ欠かさず高校生か中学生の頃からずーっとこれを使ってますね。

これが一番大好きで、これがなきゃ正直もう生きていけないのでは?と思ってましたが、一時的に切らしてしまった時に、やむなくこっちで適当に安いながらもそれなりに悪くなさそうなのを買ったんですけど…

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https://www.cleareyes.com/eye-drops/multi-symptom-relief/clear-eyes-triple-action-relief-eye-dropsより

↑これとか、アルガードより量が多いのに確か3ドルぐらいで投げ売りされてたので使ってみたところ、案外悪くないというか(まぁ、こいつはマジでただの水ですけどね)、別に水分を目に与えられれば、目薬なんてどうでも良かったのかもしれん……ってことに気付きました。

そんなわけで、アルガードアメリカで気軽に買えないので(アジアンショップとかにはあるのかもしれませんが、まぁメジャーな目薬でもないし、ないですかね)、起きた後と寝る前に家でさすように常備してあり、より長い時間いる研究室ではこのClear eyesみたいな適当なのを置いてたま~に使う感じで過ごしています。

でもそもそも、Clear eyesを使い始めてから、別にそんなこまめに目薬ささなくてもいいな、ってことに気付いたともいえるかもしれません。

でもまぁやっぱり、一番好きなのは紫のあいつですね。

特に幅広く目薬を比べてみたわけでもないので、何か「これはいいよ」って目薬をお知りの方がいらっしゃいましたら、情報いただけるとうれしいです(日本の商品はすぐには試せませんが、またの機会に、ちょっと紫から脱却してチャレンジしてみたいですね)。


大したネタもないかと思いきや、案外長くなりました。

次回はビタミンに戻ろうかと思います(って、正直、その他のビタミンはもう全く面白いネタがなさそうなんですけどね)。

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