カラシを食べられるきっかけになった恩人

恩人というか、人ではなく食べ物なので、恩食というか恩タレというかなんですが、その前に前回の続きから参りましょう。 

簡単に振り返りますと、前回の記事の最初の方で、「虚偽に近い記述をした」として、「(カラシを捨てていたので、)『食べ物を捨てたことがない』というのは不正確な(※ここに注)表現でした」とか書いていた…という感じでした。

つまり、「食べ物を捨てたことがない」という記述に対し、僕は頑なに「嘘をついた」とハッキリと認めることを避けていたんですが、その理由というのはですね、当時の僕にとって、カラシは食べ物ではなかったからです。

もちろん、食べ物を捨てるのは生まれた頃から好まず、好奇心旺盛でもある僕は、幼少期、納豆に添付のカラシを入れて食べることにも当然チャレンジしたことがあったんですね。

しかし、今でさえ子供舌なのに、さらに本格的に子供口・子供喉・乳歯だった紺助少年がカラシを混ぜた納豆を食してみた結果はもう当たり前、「あ゛あ゛~、無゛理゛ぃぃぃ…!」というものだったわけです。


つまり、カラシとかいう、あの粘土みたいな黄色い謎の物体は食べ物ではなく、僕にとって、長らく毒でしかなかったのです。

「なんで納豆には毒がついているのかな?これを美味しいと思う人がこの世にはいるんだろうか…?そんなの、理解できなくて、怖すぎて、震える…。こんなのを好きこのんで食べるのが大人だというのなら…僕は大人になんかなりたくない……」とJ-Popの歌詞みたいな独白を毎日、納豆を開けてカラシを目にするたびに呟いていたのですが(どんな子供だよ(笑))、とにかくそんなわけで、僕は「毒を捨てていた」としか思っていなかったので、「食べ物を捨てていた」なんていわれるのは心外なのであります。

ただ、物質的には人間が消化可能な有機物であり、一般的には一応食品と分類されるものですから、まぁ「食べ物を捨てたことがない」というのはいささか不正確な表現であったなと反省して、あのような謝罪をさせていただいた、という形になるわけですね。


しかし、もう何度も記事タイトルにもしている通り、こんなカラシが怖くて震えていたような純真な僕も、大人になったらカラシを食べられるようになっていたのです!

が、別に気付いたら身体がカラシを欲するようになっていたとかそういうわけではなく、食べるようになったのは、明らかなきっかけというものがありました(しかも割と最近に)。


以前も一度書きましたが、アメリカの大学ではよく、セミナー講演(毎週開催)の招待発表者を囲んでのランチですとか、定時後の夕方に、1階大ホールでPhillosophy meetingsとかいう、何が哲学的なんだか誰にも分からない、食事と飲み物が存在するのでそれらをかっ食らいにただ乞食しにいって帰るだけの謎のパーティー形式のミーティング(いやそれアンタだけ(笑)。ちゃんと交流を図る目的なんだから、会話をしなさいよ(笑))とかそういう、何かにつけて無料で食事が振る舞われるイベントが発生していたのです。

(なお、以前書いた通り、コロナ禍に伴い、その類のイベントは絶滅しました。)

…で、うちの研究科がそのランチで、毎度ケータリングに頼んでいたのはサンドイッチ・ハンバーガー・ロール(ラップ?)のセットプレートみたいなやつだったのですが……

(サンドイッチは、日本式三角形のおしとやかな奴ではなく、ちょうどこんな感じです↓

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(ちょうどいい写真があったデリフードのお店から抜粋)

↑こういう、ギャグかよ(笑)と思えるぐらい、アホみたいにターキーやらハムやらが挟まれたサンドイッチやハンバーガー(挟みきれないので、爪楊枝を刺して(写真では、青いフィルムが爪楊枝の根っこに巻かれている)支えられています(笑))…


同じく、バカみたいに具が詰め込まれたロール…

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(画像はこちらのお店より拝借。さっきのサンドイッチはちょっと大げさでしたが、これはまさにこんな感じでした(笑))

そういった肉の暴力みたいな奴ら(もちろんベジタリアン用のもありましたが)が大っ量に乗ったプレートが、ドカドカと振る舞われていました。

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(ちょうどいい画像があったので、Pinterestより引用。各品に爪楊枝が刺さっていて、フルーツの場所にドレッシングが置かれていたら、まさにピタリですね))


…で、話は戻ると、割と長い期間ずーっとドレッシングとしてマヨネーズだけが同梱されていたのですが、ある日から突然、マヨネーズよりくすんだ色の、黄土色の謎のパックも一緒に同梱されるようになったんですよ。

黄土色のソース?

何じゃそりゃ…??

…そう、それは…

ズバリ…


ハニーマスタード


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(あまりドンピシャの画像がありませんでしたが、こんな感じ↑ですね。この画像はマスタードの粒があるように見えますが、ランチに添付されていたやつは、粒なしの完全ソース状でした。画像はこちらのレシピサイトより)


ちなみに、普通に安っぽい透明ケース(ラベルも何もなし)に入ったものが同梱されていただけなので、実はあれが本当にハニーマスタードだったのかどうか僕には断言できないのですが、まぁ材料から類推される味的に考えて、多分間違いないでしょう。

そう、このタレというかソースは、マスタードのツンと来る感じがありながら、ハチミツによるほのかな甘み酢による酸味も持ち合わせた、意外とナイスないけてる奴なのです。

この類の刺激物は一切避けてきた子供舌な僕ではありますが、やはりそこは好奇心の塊、初めて登場した時、「ものは試しで、どんな感じかつけてみよう」と肉の暴力みたいなサンドイッチにつけてみたら!

食べられる!

…正直、「無料ならまぁつけてやってもいいかな」程度であって、「感動した!世の中にこんなにイケてるソースがあっただなんて!」と感涙し、喜んで自分のために買うとかいう程では全然なかったんですけど、しかし、

マスタードやカラシみたいに無意味な刺激を与えるだけのものなんて、刺激のない人生を送ってるつまらん大人のためのものなんだ。
 常に刺激に満ち溢れた生活を送っている僕には、きっと一生縁のない代物なんだ…。
 カラシからしか刺激を得られないような退屈な方々、どうぞお好きに納豆にでもなんにでもぶっかけて、勝手によろしくやっててくださいよ」

…と半ばヤケになって拗ねていた僕にとって、ついに自分が大人な刺激物を受け入れることができたというのは、ある意味大人の階段を昇り、人間としての価値が一気に数レベル上がったかのような、大変感動的な出来事だったのです!
(随分安い人間としての価値だな(笑)。そもそもそういう刺激物は退屈な大人のためのものじゃなかったのかよ(笑))


ちなみに、ハニーマスタードが自分みたいな子供舌でも食べられることに感動した僕は、当時ハニーマスタードについて色々検索してみたんですが、マツコ・デラックスさんが何かの番組で紹介しただかで、うろ覚えですけど、「あたしこれ大好きだわ!今年に入って一番当たりの発見かもしれない!」みたいに大絶賛されていたという記事を見た記憶があります。

ま、マツコさんには申し訳ないですが、正直そこまでのもんじゃないですよ(笑)。こんなのが「一番の当たり」とか、どんだけ退屈な人生送ってんすか(笑)。
(いやハニマスで「人間レベルが上がった!」とか感動してた奴より全然マシだろうがよ(笑))


…と、そんな理由というか出来事がありまして、「もしかして、納豆のカラシも食べられるんちゃう?僕ももう、ハニマスを嗜めるぐらいの大人になったわけだし?」と考え、ついに満を持して納豆にカラシをぶっかけてみた結果!

…食べられる!

決して味としては1ミリも美味しくならないし、なければないで全然いいというか、もしカラシをなくすことで安くなるならばぜひ、こんなやつとっとと消え失せてもらって結構、と思いはするものの(笑)、「せっかくついてくるなら、まま、捨てずに使ってやりましょうか」とは思えるぐらいに、全然いけることが発覚したのです。

ということで、決して進んでかけたいとまでは思いませんが、僕の中で毒から食品に格上げされましたので、食べ物を決して無駄に捨てない僕は、カラシが付属している限り、しっかりと納豆に塗りたくるつまらん大人(まだ言うか(笑))になってしまった、というお話でした。

 

という所で、ついに、納豆ネタに関してはとうとう終わりかと思いきや、あぁーっと!

気がついたら、謎の文字列に関して質問したメールに、返事が来ていたぁーっ!!

あと実は、「タレに関して、最後、もう一つ触れておきたいことがありました」と以前書いていた通り、それも触れようと思うのですが、結局何だかんだ今回も長くなったので、次回ついに納豆ネタ最終回に、謎の文字列の話題とともに触れさせていただくとしましょう。

本当に納豆ネタを終えることはできるのか?そもそも他にネタもなくなってきてるから引き伸ばしていたというのに、終わってしまって一体大丈夫なのか?

それは誰にも分かりませんが、たとえ出がらしであっても、納豆のように粘っこくネタを見繕っていきたい限りです…。 

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