結婚相手をアメリカに呼び寄せるには…

今回は予告通り、前回見ていた「アメリカ永住権(グリーンカード)を、配偶者にも付与するにはどうすれば?」という話の続きに触れていこうと思います。

 

前回書いていた通り、既にグリーンカード保有している人と結婚する場合、その配偶者に対しては、厳しい審査は基本的にない(まぁ僕は移民局の人間ではないので勝手なことは言えませんけど、一般的には「その人に法律上問題がないか」だけを確認する、いわば「承認タイプ」の審査だと思います)ものの、申請は自分たちで行わなければなりません。

 

具体的には何をどこに申請すればよいのでしょうか?

細かい書類が変わることはあるものの、基本的には「USCIS」こと、アメリカ移民帰化局にフォーム(申請書)を提出することになります。

 

USCISは、United States Citizenship and Immigration Servicesの頭字語で、読み方は頭字語の多くがそうであるように、アルファベットのベタ読みで「ユーエス・シー・アイ・エス」と呼ばれることがほぼ100%だと思います。

 「ユーシッス」とか「ユーエス・シス」などとは、少なくともネイティブからは決して読まれません。

…まぁ日本人の場合、普通に「移民局」と呼べば事足りますし、略称にしては無駄に長い気もするので、そんな読み方なんて無視していいと思いますけどね(笑))

 

早速、USCISの、「配偶者をアメリカに呼びよせるには」というページを参考にしてみましょう。

 

以下、該当ページの最初の項目を開いた所で、表のようなものが目に付きましたが…

 

https://www.uscis.gov/family/bring-spouse-to-live-in-USより

申請パターンは4種類あるようで、申請者本人が「米国市民」か「グリーンカードホルダー」か、そして配偶者が「米国内に居住済み」か「米国外にいる」かで分かれる形ですね。

 

僕はアメリカに帰化はしていないので、米国市民ではなくグリーンカード所持者なわけですけど、余談として、市民と永住者の違いとしては、一番大きなものはやはり、

  • 選挙権の有無

が挙げられますね。

 

他にも、永住者は市民とは違い、アメリカのパスポートは取得できないとか、公的機関で働くことができない(ことが多い)とかもありますが、それらは別に日本のパスポートや元々の仕事があるので何も問題ないわけですけど、選挙権だけは完全なる権利の有無の違いと言えましょう。

 

なので、僕は大統領選挙とかも指をくわえて眺めてるだけでしたけど、これを言ったら民主主義の否定になってしまうかもしれないものの、正直、僕が一票投じても選挙結果は全く変わらないのでまぁ別にいいかな、と思っています(笑)。

 

(逆に、米国市民になったら、日本は単一国籍を原則としていますし、日本国籍を捨てることになります。

 アメリカ選挙権と日本国籍となら、僕はやっぱり日本国籍の方が重要かなぁ、と思える感じです。)

 

と、今回はせっかくなので上記USCISページを丸っと翻訳することで情報を載せていこうと思っており、各項目を開いたら結構ボリュームがあって長くなりそうだったので、前置きはともかくさっさと進めましょう。

 

改めてよくある注意書きとして、情報(翻訳)は正確なものを心がけてはいますが、僕は移民局の人間でも弁護士でもないため、正式な情報は必ずご自身の目あるいは担当弁護士の方に尋ねるようにしてください。

そもそも情報は随時変わる可能性があるので、これは2025年7月時点での情報だという点も重要なポイントですね。

 

では、先ほどスクショ画像を貼った、USCISの「スパウス(配偶者)について」の記事を、日本語にしていこうと思います。

 

配偶者を永住権保有者としてアメリカに呼び寄せるには(Bringing Spouses to Live in the United States as Permanent Residents

配偶者(夫または妻)をグリーンカード・ホルダー(永住権保持者)としてアメリカに呼び寄せるには、ご本人が米国市民かグリーンカード保持者である必要があります。

 

配偶者をアメリカに呼び寄せる方法

申請者本人が: 配偶者が: 申請方法
米国市民 米国内に滞在中(合法的な入国またはパロール)(※パロール=「仮入国」や「一時的な滞在許可」のこと) I-130フォーム(親族移民申請)とI-485フォーム(永住権申請)を同時に提出。詳細はフォームの説明を参照。
米国外に滞在中 I-130を提出。I-130が承認されると、領事手続きに回され、領事館または大使館から面接通知と手続き情報が提供されます。
グリーンカード保持者(永住者) 米国内に滞在中(合法的な入国またはパロール I-130を提出。ビザ番号が利用可能になった後、I-485でステータス変更申請。 注:受益者(配偶者)が2001年4月30日以前に移民ビザ申請書または労働証明書を申請中でない限り、永住権を取得するためには、受益者が常に合法的な滞在状態を維持している必要があります。
米国外に滞在中 I-130を提出。I-130が承認されてビザが利用可能になったら、領事手続きに回され、領事館または大使館から面接通知と手続き情報が提供されます。 

ご本人またはご家族が米軍に所属している場合は、特別な条件が適用される場合があります。情報やその他の情報源については、USCISMilitaryセクションをご確認ください。

 

必要書類

手続きを完了するために、申請者は以下の書類を提出しなければなりません:

  • I-130フォーム(外国人親族移民申請書)(適切な手数料を添えて署名)に、以下を含む全ての必要書類を添付:
    ・申請者ご本人の民事婚姻証明書のコピー
    ・申請者ご本人かつ/または配偶者が過去に行った婚姻が全て終了していることを証明する全ての離婚判決書、死亡証明書、取消判決書のコピー
    ・申請者ご本人と申請者ご本人の配偶者のパスポートタイプの写真(写真要件についてはI-130フォームの説明を参照)
    ・申請者ご本人かつ/または配偶者の全ての法的姓の変更を証明するもの(婚姻証明書、離婚判決書、裁判所の姓の変更判決、養子縁組の決定などを含む)
  • 申請者ご本人が米国市民の場合は、以下の書類で身分を証明する必要があります:
    ・有効な米国パスポートのコピー、または
    ・米国出生証明書のコピー、または
    ・領事部海外出生証明書のコピー、または
    帰化証明書のコピー、または
    ・市民権証明書のコピー
  • 申請者ご本人がグリーンカードホルダー(永住権保持者)の場合、以下の書類で身分を証明する必要があります:
    ・I-551フォーム(グリーンカード)のコピー(表面と裏面)、または
    ・永住権を証明する一時スタンプが押された外国パスポートのコピー

 

条件付永住権と条件解除

配偶者が永住権を取得した時点で申請者ご本人との婚姻期間が2年未満の場合、配偶者は条件付永住権を取得することになります。条件付永住権を解除するためには、I-751フォーム(永住条件解除の申請書)を申請者ご本人と配偶者が一緒に申請する必要があります。(なお、I-90フォーム(永住権更新申請書)はこの目的には使用されるものではありません)。

条件付永住者カードの有効期限が切れる日の前90日以内に条件付永住資格の削除を申請する必要があります。この期間内に申請を行わなかった場合、配偶者の在留資格は失効し、アメリカから追放される可能性があります。90日間の申告期限を確認するには、当サイトの申請用計算機をご利用ください。詳しくは、結婚に基づく永住権の条件解除のページをご覧ください。

 

申請状況の確認

ビザ申請状況を確認するには、My Case Statusページをご覧ください。

 

ビザ申請中に配偶者が渡米して生活することはできますか?

申請者ご本人が米国市民であれば、I-130フォームを提出した時点で、配偶者は非移民K-3ビザを申請する資格が生まれます。これにより、ビザ申請中、配偶者はアメリカに居住し就労することが可能となります。このビザを申請するには、I-129Fフォーム(国外婚約者用申請書)を提出します。申請者ご本人は、I-129Fを提出する必要はありません。配偶者は移民ビザの手続きを海外で待つことが可能です。ただし、K-3ビザを申請することは、配偶者が渡米するための追加的な方法となり得ます。詳細は非移民K-3/K-4ビザのページをご覧ください。

申請者ご本人が永住権保持者で、2000年12月21日以前に申請者ご本人の配偶者かつ/または未成年の子供のためにI-130フォームを提出していた場合、I-130の提出から3年以上経過していれば、申請者ご本人の配偶者かつ/または子供はVビザを申請する資格があります。Vビザに関する詳細は、非移民Vビザのページをご覧ください。

さらに詳しい情報は、在留資格認定変更領事手続きのページをご覧ください。

 

申請が却下されました: 不服申し立てはできますか?

申請したビザ申請が却下された場合、却下通知には不服申し立ての方法と提出時期が記載されています。不服申立書と必要な手数料が処理された後、不服申し立ては移民審判委員会に付託されます。

 

フォロー・トゥ・ジョイン制度

このセクションは、優先順位分類によって永住権を取得した受益者のためのものです。

申請者ご本人が過去に結婚していた場合、かつ/または申請者ご本人と同時に永住権を取得しなかった子供がいた場合、その子供たちはフォロー・トゥー・ジョイン制度を受ける資格があります。つまり、配偶者かつ/または子供のためにI-130フォームを別々に提出する必要はないということです。また、配偶者または子供のビザが発給されるのを待つ必要もありません。この場合、配偶者かつ/または子供が移民ビザを申請できるように、申請者ご本人が永住者であることを米国領事館に通知するだけでよいのです。

申請者ご本人の配偶者かつ/または子供は、以下の場合にフォロー・トゥー・ジョイン制度を受益する資格があります:

  • 申請者ご本人が永住権を取得した時点でその関係が存在し、現在もその関係が続いている場合、および
  • 優先カテゴリーで移民ビザを取得、または資格変更を受けた場合。

申請者ご本人の家族がこのカテゴリーに該当し、かつ申請者ご本人が米国永住権の調整を行った場合、以下を提出することが可能です:

  • I-824フォーム(承認された申請または請願に対する措置の申請書)
  • 移民ステータスの申請に使用したオリジナルの申請書または請願書のコピー
  • オリジナルの申請書または請願書のための通知である、I-797フォームのコピー
  • 申請者ご本人のI-551(グリーンカード)のコピー

申請者ご本人がアメリカに滞在中で、まだ永住権へのステータス変更を申請していない場合は、I-824フォームをI-485フォームと一緒に提出することが可能です。この場合、I-485フォームと一緒に提出した書類以外の添付書類は必要ありません。

申請者ご本人が海外で移民ビザを取得した場合は、フォロー・トゥー・ジョイン制度の情報について、ナショナルビザセンター(NVC)にお問い合わせください。お問い合わせはEメールで NVCInquiry@state.gov まで、または書面にてNational Visa Center, ATTN: WC, 32 Rochester Ave., Portsmouth, NH 03801-2909までお送りください。

 

強制された結婚

強制された結婚状態にある、強制された結婚の危険にさらされている、または配偶者のために申請を余儀なくさせられているとお考えの方は、対処法について、強制された結婚のページをご覧ください。

 

関連リンク

フォーム

I-130、外国人親族請願書
I-864、法第213A条に基づく扶養宣誓供述書
I-485、永住登録申請書または資格変更申請書
I-751、在留条件解除請願書
I-824、許可された申請書または請願書に対する措置申請書
I-129F、外国人婚約者請願書
家族用のフォーム

その他の移民局リンク

領事手続き
在留資格の変更

 

やはり法律関係だけあって中々ややこしいですが、でもまぁごちゃごちゃ色々なパターンについて言ってるだけで、やること自体は意外と単純なようです。

 

こんなの長々と見るものでもないですし、99.99%の方にとってはどうでもいいことだと思うのですが(笑)、僕は一応当事者になる可能性があるので、流れおよび各フォームについてもう少し詳しく、次回また見ていこうと思います。

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