片頭痛とは

おもむろに始めていました頭痛シリーズ、前回は「普通の頭痛」といえる「緊張型頭痛」について見ていましたが、今回は日本語でもおなじみ「片頭痛」の記事に行ってみるといたしましょう。

 

my.clevelandclinic.org

 

「緊張型頭痛」記事よりもかなり長い分量なのですが、「長いから後回しに…」と言って前回は先送りにしていたのに、前回よりも時間がない感じで泣いています……何事も後回しにするのは良くないですね(笑)。

 

日本語の「片頭痛」は馴染みがあるものの、英語としては上記リンクカードにある通り「migraine」というのが片頭痛という意味の専用の単語で、これは若干見慣れないかもしれませんね。

 

なお、日本語の「へんずつう」も、地味に「片頭痛」と「偏頭痛」表記があり、どちらも目にすると言いますか個人的にはむしろ後者の方が正しい…?って気がしていたんですけれども、医学用語としての「へんずつう」は、片頭痛が正しい表記だという話を目にしたため、ここでは「片頭痛」表記でいかせていただきましょう。

 

それでは早速今回も、クリーブランド・クリニックのHEALTH LIBRARY記事から翻訳引用という形での紹介です。

 

片頭痛(Migraine Headaches)

片頭痛とは、酷い頭痛以上のものです。片頭痛は、衰弱させるような、ズキズキする感じの、片側だけの頭の痛みを引き起こし、それにより何日も寝込んだままになることもあり得ます。運動、光、音、その他の引き金によって、疲労、吐き気、視界の変化、イライラやその他諸々の症状が引き起こされかねないものです。医療従事者が症状を管理する手助けをしてくれますから、片頭痛が人生を支配してしまうようなことはありません。

 

概要

片頭痛とは何?

片頭痛は、頭の片側がズキズキと脈打つように痛む激しい頭痛です。片頭痛の頭痛期間は通常、少なくとも4時間続きますが、何日も続くこともあり得ます。この頭痛は、以下のようなことで悪化します:

  • 身体的な活動
  • 明るい光
  • 大きな音
  • 強いにおい

片頭痛は破壊的です。日常生活に支障をきたし、個人的・社会的な義務を果たす能力にも影響を及ぼしかねません。片頭痛を管理するための治療法は存在しています。

 

片頭痛のタイプ

片頭痛にはいくつかのタイプが存在します。最も一般的な片頭痛の分類は以下の2つです:

前兆(aura; オーラ)とは、頭の痛みが始まる前の片頭痛の段階のことです。

片頭痛の他のタイプには以下が含まれます:

 

片頭痛は一般的?

片頭痛は一般的です。研究によると、アメリカでは推定12%の人が片頭痛を経験しているとのことです。

 

症状と原因

片頭痛の段階とは?

片頭痛には4つの段階(フェーズ)があります:

  1. 前駆期(Prodrome): 最初の段階は頭痛が起こる24時間前から始まります。
  2. 前兆(Aura):前兆とは、片頭痛の警告的予兆として現れる感覚症状、運動症状かつ/または言語症状の一群のことです。前兆は60分ほど続くこともあれば、5分ほどしか続かないこともあります。前兆と頭痛が同時に起こることもあるかもしれません。
  3. 頭痛(Headache)片頭痛は4時間から72時間続きます。
  4. 後駆期(Postdrome): 後駆期は通常数時間から48時間続きます。症状はアルコールによる二日酔いに似ているため、後駆症状フェーズは片頭痛の二日酔いとして知られています。

4つの段階全体で、およそ8~72時間かかります。

片頭痛の症状には4つの段階があります。最も顕著なものは3. 頭痛発作です。

 (※上の段落のイラスト化なので、内容は上の段落の通りです。)

  

片頭痛の症状

片頭痛の症状は段階によって異なります。全ての片頭痛は異なっており、各片頭痛で4つの段階全ての症状が出るとは限りません。

 

前駆症状
  • 気分の変化
  • 集中困難
  • 睡眠障害
  • 疲労・倦怠感
  • 吐き気
  • 空腹感および喉の渇きの増加
  • 頻尿
前兆症状
  • 筋力低下
  • 視覚の変化
  • 耳鳴り
  • 触覚過敏(誰かに触られているように感じる)
  • しびれやピリピリ感
  • 会話や集中力の困難・低下
頭痛発作の症状

頭の痛みが徐々に強くなっていきます。頭の片側が痛むこともあれば、両方が痛むこともあります。以下のような他の症状を伴うこともあります:

  • 吐き気や嘔吐
  • 光、音、臭いに過敏になる 
後駆症状
  • 疲労・倦怠感
  • 首のこわばり
  • 光や音に過敏になる
  • 集中力の低下
  • 吐き気
  • めまい

 

片頭痛はどんな風に感じるの?

片頭痛の痛みは以下のように感じられるかもしれません:

  • ズキズキする
  • 脈打つ
  • バクバクする
  • 鈍い痛み

片頭痛は、人によって感じ方が異なり得ます。片頭痛は軽いものから重いものまであります。頭の痛みは、片側から始まり、反対側に移ることがあります。また、目の周りやこめかみが痛んだり、時には顔、副鼻腔、あご、首の辺りまで痛んだりすることもあります。

 

片頭痛の頻度は?

片頭痛の頻度は人それぞれで異なります。年に1回起こるかもしれませんし、週に1回起こるかもしれません。平均すると、ほとんどの人が月に2~4回経験します。片頭痛が最も一般的に現れるのは朝です。ほとんどの片頭痛は予測できませんが、月経の前やストレスを感じた後など、片頭痛がいつ起こるか見当がつくこともあり得ます。

 

何が片頭痛を引き起こすの?

片頭痛の正確な原因は研究者にもまだ分かっていませんが、遺伝が関与していることは研究で明らかになっています。

頭痛がすると、血管にある特定の神経が脳に痛みのシグナルを送ります。これが、頭の神経や血管に炎症物質を放出させてしまいます。なぜ神経がそのようなことをするのかは不明です。

 

何が片頭痛の引き金になるの?

引き金(トリガー)とは、症状が始まる原因となるものです。最も一般的な片頭痛の引き金には、以下が含まれます:

  • ストレス
  • ホルモンの変化
  • 特定の薬
  • 睡眠の変化
  • 天候の変化
  • 運動のしすぎ(過労)
  • カフェインやタバコといった中毒性物質
  • 欠食
  • 明るい光、大きな音、強い臭いにさらされること

かかりつけの医療従事者が、引き金を特定する手助けをしてくれます。片頭痛発作の類似性を追跡するために、片頭痛日誌をつけることを勧められるかもしれません。

片頭痛の引き金になる食べ物は何?

人によっては、食品に含まれる特定の化学物質や防腐剤に対して過敏になっている可能性があります。この過敏症は、特に他の引き金と組み合わさった場合に、片頭痛を非常に起こしやすくしてしまいます。

最も一般的な引き金となる食べ物は以下の通りです:

  • 熟成チーズ
  • アルコールを含む飲料
  • チョコレート
  • 硝酸塩やMSGなどの食品添加物
  • 加工食品または保存食品(ホットドッグ、サラミ)
  • 発酵食品や漬け物

 

片頭痛は遺伝するの?

はい、片頭痛は生物学的に同じ家族に多い傾向があります。片頭痛を持つ人の80%が、一親等の生物学的親族に片頭痛の人がいます。

 

片頭痛の危険因子は何?

片頭痛は、子どもから大人まで、年齢に関係なく誰にでも起こる可能性があります。女性や出生時に女性に割り当てられた人は、男性や出生時に男性に割り当てられた人よりも片頭痛を経験する可能性がより高くなります。

片頭痛になりやすい可能性のある他の危険因子には、以下のようなものが含まれます:

 

診断と検査

片頭痛はどうやって診断されるの?

医療従事者が、身体診察と神経学的診察の後、片頭痛と診断します。また、病歴や家族の健康歴についても詳しく調べます。かかりつけの医療従事者が、ご自身の症状について詳しく知るために、以下のような質問をしてくるかもしれません:

  • どのような症状がありますか?
  • 頭痛の感じ方や場所を説明できますか?
  • 症状はどの程度重いですか?
  • 症状はどのくらい続きましたか?
  • 何かによって頭痛が良くなったり悪くなったりしましたか?

頭痛の原因が他にないことを確認するために、血液検査や画像検査(CTスキャンMRIなど)を行うこともあるかもしれません。脳波検査(EEG)は、他の疾患を除外するのに役立ち得ます。

 

片頭痛は誰が診断するの?

片頭痛だと思ったら、まずかかりつけの家庭医(PCP)に症状を相談してください。片頭痛を診断し、治療を開始することが可能です。PCPが頭痛専門医や神経科医を紹介してくれることもあるかもしれません。

 

管理と治療

片頭痛はどうやって治療するの?

片頭痛を根治する方法はありません。しかし、以下の方法を通して、医療従事者が片頭痛の症状を抑える一助を与えることは可能です:

 

片頭痛を治療する薬は?

医療従事者が、片頭痛を治療するための薬の服用を勧めてくるかもしれません。これには2種類の薬があります:

  • 片頭痛を止める薬片頭痛の最初の徴候の際、この類の薬を服用することが可能です。痛み、吐き気、知覚過敏その他の片頭痛の症状を止めたり、抑えたりしてくれます。
  • 片頭痛を予防する薬: 日常生活に支障をきたすような重い症状がある場合や、頻繁に片頭痛が起こる場合は、通常、医療従事者から予防薬が処方されます。この類の薬は、片頭痛の頻度や程度を軽減します。これらの薬は指示通りに、通常は毎日服用します。

片頭痛を止める一般的な薬には以下が含まれます:

  • トリプタン(5-ヒドロキシトリプタミン)
  • ジタン(ラスミジタン)
  • ゲパント(リメゲパントおよびウブロゲパント)
  • ジヒドロエルゴタミン(プロクロルペラジン
  • 制吐薬(メトクロプラミド)

一般的な片頭痛予防薬には、以下が含まれます:

薬の投与法には、以下のような異なる種類があります:

  • 皮膚への注射(皮下注射)
  • 経口薬(口から飲む)
  • 点鼻薬
  • 静脈注射(点滴)
  • 座薬

特定の薬、薬の組み合わせ、および製剤について、ご自身の症状を最も良く管理できるように、かかりつけの医療従事者と議論しましょう。全ての薬は、頭痛専門医または医療従事者の指示のもとで使用する必要があります。他の薬と同様、医療従事者の指示に注意深く従うことが重要です。

市販の片頭痛

市販の片頭痛薬は、片頭痛の症状が軽度から中等度であれば効果的です。鎮痛薬の主な成分は、イブプロフェンアスピリンアセトアミノフェン、ナプロキセン、カフェインです。

市販の鎮痛剤を服用する際には注意が必要です。使いすぎると、時に、鎮痛剤リバウンド型の頭痛や、依存の問題を引き起こすことがあります。市販の鎮痛剤を週に2~3回以上服用している場合は、かかりつけの医療従事者にその旨を伝えましょう。より効果的な処方薬を提案してくれるかもしれません。

 

片頭痛の引き金(トリガー)を避ける

医療従事者が、片頭痛のトリガーとなるものを特定する手助けをしてくれます。片頭痛日誌や日記をつけるように言われることもあるかもしれません。片頭痛日誌は、片頭痛がいつ起こったか、どのように感じたか、およびどのくらい続いたかを記録するのに役立ちます。また、トリガーとなる可能性のある他のものを知るために、食べたものや参加した活動の詳細を追加するのも良いでしょう。

片頭痛日誌をつけるのに便利なスマートフォンアプリもあります。

トリガーとなるものを見つけたら、それを避けるための対策をとることが可能です。常にそうできるとは限りませんが、トリガーとなるものを意識しておくことは、片頭痛が始まったときにそれを特定し、治療するのに役立ちます。

例えば、もしストレスが引き金になっているなら、精神衛生の専門家に相談し、ストレス管理を手伝ってもらうと良いでしょう。食事を食べなかったときに片頭痛の症状が出る場合は、携帯電話にアラームをセットして、規則正しいスケジュールで食事を摂ることを忘れないようにしましょう。

 

片頭痛代替療法

片頭痛に対処するために、代替療法を試してみるのも良いでしょう。これには以下が含まれます:

  • リボフラビンビタミンB2)、マグネシウム、フィーバーフュー(ナツシロギクのハーブ)、フキ、コエンザイムQ10などのビタミン、ミネラル、ハーブの摂取
  • ヨガのようなリラックス法
  • 鍼治療
  • バイオフィードバック
  • A型ボツリヌス毒素注射(商品名: ボトックス®)

片頭痛代替療法を開始する前には、かかりつけの医療従事者に相談してください。

 

妊娠中にはどのような片頭痛治療が使える?

妊娠中、または妊娠を計画している方で、片頭痛がある場合は、かかりつけの医療従事者にご相談ください。妊娠中または妊娠の可能性がある場合は、片頭痛の治療薬を避けるよう勧められるかもしれません。薬の中には胎児の発育に悪影響を及ぼすものもあり得ます。

片頭痛のためのアセトアミノフェン鎮痛薬といった代替療法は推奨可能です。

 

片頭痛が起きたとき、どう対処すればいい?

片頭痛の発作が起きたときに、気分を良くするためにできる確かなことがあります:

  • 暗くて静かで涼しい部屋で休む。
  • 冷湿布や温湿布を額や首の後ろに貼る。
  • 頭皮をマッサージする。
  • こめかみを円を描くように圧迫する。
  • 落ち着いた状態を保つ(瞑想する)。

 

予防

片頭痛は予防できるの?

全ての片頭痛を予防することはできません。しかし、かかりつけの医療従事者の指示に従って片頭痛予防薬を服用することで、片頭痛の頻度や症状の程度を和らげることは可能です。また、ご自身のトリガーについて知り、それを避けるためにかかりつけの医療従事者と協力することもできましょう。

 

見通し/予後

片頭痛の見通しは?

片頭痛は各人によって異なります。片頭痛は一時的なものですが、生涯を通じて繰り返し起こります。また、完全な治療法もありません。かかりつけの医療従事者は、片頭痛が早く治まり、強くならないように管理する手助けをすることが可能です。ご自身に合った治療法を見つけるには時間がかかるかもしれません。症状が改善したり、悪化したりしたら、かかりつけの医療従事者に知らせてください。

 

受け入れる

いつ医療機関を受診すべき?

以下が起きた場合は、医療機関での受診を予約してください:

  • 新しい症状
  • 症状の悪化
  • 治療による副作用

以下のような場合は、911(または最寄りの救急サービス番号)に電話するか、直ちに救急科に行きましょう:

  • 人生で最悪の頭痛(雷鳴頭痛)を経験した場合。
  • 会話困難、平衡感覚障害、視力障害、錯乱、発作、しびれ/うずくような感覚など、これまで経験のない新しい神経症状が見られた場合。
  • 頭に怪我をした後に頭痛がする。

 

医療従事者にどんな質問をすべき?

  • 片頭痛は克服できすか?
  • どのような薬がお勧めですか?
  • 片頭痛を予防するにはどうしたらよいでしょうか?
  • 私の片頭痛のタイプは何ですか?
  • 私の片頭痛は慢性とみなされますか?

 

クリーブランド・クリニックからのメモ

どなたも頭痛の経験はあるでしょうが、片頭痛は違います。世界が終わろうとしているように感じたり、どうやっても痛みがなくならないように感じたりするのです。症状が一時的であっても、片頭痛が長く続くと、時間の流れが遅くなり、逆行しているように感じることがあります。しかし、片頭痛が起こったときに対処し、一日の生活に支障をきたさないようにするための治療法の選択肢は存在しています。片頭痛があなたの人生を支配することがないように、医療従事者が支援してくれますよ。

 

やはり相当長くて普段のアップ時間に間に合いませんでしたが、流石は最先端医療機関、相当な数の有用な薬を挙げてくれていました。

 

ちょうど、「片頭痛に長年苦しんできたオードリーの若林さんが新しい薬の注射を試したら、人生が変わるレベルで本当にスッキリした」という情報を最近小耳に挟んでいたので、「もしその薬が挙げられていなかったら、今まで散々『最先端の~』とか言っていたのにどうしよう…」と心配していたのですが、普通に、当然のごとく挙げられていましたね!

 

若林さんが注射で受けた薬は、↓の記事にもありますように…

dot.asahi.com

 

「エムガルティ」というもので、これは一般名「ガルカネズマブ」であり、モノクロ抗体性の予防薬として、きちんと記事内でも挙げられていました。

 

日本でも保険適用になったこれが本当に効くと評判ですし、もちろん誰でも受けられるわけではなく、恐らく慢性の片頭痛もちであると診断された場合のみ受けられるんだと思いますが、今ではそういう素晴らしい薬もあるということですね。

 

本当にきつい場合は、そういった人類の叡智に頼るのもとてもいい考えではないかと思います。

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