すっかりクリーブランド・クリニックによるHEALTH LIBRARY記事を見るだけマンになってしまっていますが、時間があまりにもない日が続いているので、もう少しだけ面白そうな健康医療関連記事の紹介を続けさせていただきましょう。
前回の記事では、意外と面白い市販デバイスなんかもありました、脳波やら脈拍やら筋肉の動きやらを測ることで健康促進・回復に役立たせる、バイオフィードバック療法というものを見ていましたが、そこで、バイオフィードバックが役に立つかもしれない症例として、乗り物酔いが挙げられていました。
幸い僕は乗り物酔いはほぼというか全くしない方ですが、でも子供の頃、外出先で買ってもらった本を、帰り道待てずに車の中で読んでいたら、家に帰る頃には「あ゛ぁぁ何か気持ぢ悪い゛ぃ…(到着後)…地面が止まってて足を伸ばせるって気持ちいいなぁ」と毎回のようになってた気がしますけど、最新の知見が常時更新され続けている、世界を代表する医療機関、クリ・クリ記事ではどんな風にまとめられているのでしょうか?
まぁ、「乗り物酔いがこの世から根絶された」なんて話は聞きませんし、最先端医療でも別に特に何か画期的なことがあるわけではないと思うものの、何か面白い知見が得られるかもしれませんし、例によって今回はこちらの記事を参考にさせてもらおうかと思います。
誰しも一度や二度、少年時代の僕のように気持ち悪くなったことはあるのではないかと思いますから、そこそこ興味深い話といえましょう(…と言いつつ、単に、長すぎず程よい分量だったから「ちょうどいいや」ってピックしただけですけどね(笑))。
乗り物酔いは、英語で何というのか知らないとパッとは浮かんでこない気がしますが、日本語で使う「酔う=drunk」ではなく、より工夫のない言い回しにも思える「motion sickness」と呼ばれている形ですね。
「動作病」とか、何だか別のヤベェ病気を連想するものの(笑)、英語ではこれで「乗り物酔い」を指す感じのようです、早速参りましょう。
Motion Sickness(乗り物酔い)
乗り物酔いは、乗り物に乗っているときなど、静かにじっと座っているのに動いている場合に起こる一般的な症状です。目、内耳、体が、脳に相反するメッセージを送ることで起こります。症状としては、吐き気、冷や汗、頭痛が含まれます。幸いなことに、乗り物酔いを予防したり、その症状を和らげたりする方法がいくつか存在しています。
概要
乗り物酔いとは何?
乗り物酔いとは、目、内耳、および体が、脳に矛盾するメッセージを送ることで起こる症状です。車に乗っているときや船のデッキに立っているときなど、体はじっとしているのに乗り物によって動かされ続けているときに発症することがあります。
中には、ビデオゲームやバーチャルリアリティゲームをしているときに、一種の乗り物酔い(バーチャル乗り物酔い、VMS)になる人もいます。症状には、吐き気、冷や汗、頭痛が挙げられます。幸いなことに、乗り物酔いを予防したり、症状を和らげたりする方法がいくつか存在します。
症状と原因
(各症例の日本語は、ちょうど全て↓の段落で触れられていたのでそちらをご参照ください。)
乗り物酔いの症状は何?
乗り物酔いの症状は、ゆっくりと進行することもあれば、一気に現れることもあります。一般的な症状には次のようなものが含まれます:
- めまい(Dizziness)
- 疲労(Fatigue)
- 頭痛(Headache)
- イライラ感(Feeling irritable)
- 吐き気および嘔吐(Nausea and vomiting)
- 呼吸が速くなる(Rapid breathing)、または大量の空気を吸い込みたくなる
- 通常より唾液が多くなる(Salivating more than usual)
- 発汗(Sweating)、特に冷や汗
乗り物酔いの原因は何?
乗り物酔いは、体の動きを感知する部分(目、内耳、筋肉および関節)から、脳が相反する情報を受け取ることで起こります。以下が乗り物に乗っているときに、どうやって乗り物酔いが起こるかの例になります:
- 標識や木々など静止しているものが視界に入り、やがて視界から外れるのを見ると、目は動きを感知します。そういった静止物は、脳に、「動いている」というメッセージを送るわけです。
- 内耳や筋肉および関節の神経終末は、静かに座っていることを感知し、脳に「動いていない」というメッセージを送ります。
- 脳は相反するメッセージを処理できないので、吐き気を感じたり汗をかき始めます。
何が乗り物酔いの引き金になるの?
乗り物酔いは、感覚と脳の間に混乱が生じれば、いつでも起こる可能性があるものです:
- 遊園地の乗り物
- ビデオゲームや没入型バーチャルリアリティゲームをプレイすること
- 乗り物、飛行機、または船に乗ること
乗り物酔いの危険因子は?
乗り物酔いの症状は、大人よりも2~12歳の子どもにより影響を及ぼしやすいです。その他の危険因子は以下の通りです:
- 家族に乗り物酔いの病歴がある
- 良性発作性頭位めまい症(BPPV)などの内耳疾患
- 月経
- 片頭痛
- パーキンソン病
- 妊娠
乗り物酔いの合併症(併発事項)は何?
一般的に、乗り物酔いが深刻な健康問題を引き起こすことはありません。しかし、いくつかの症例では、乗り物に乗っていないにもかかわらず、吐き気や嘔吐が続くことがあります。過度の嘔吐は脱水や血圧の低下(hypotension; 低血圧)を引き起こす可能性があります。
診断と検査
乗り物酔いはどう診断されるの?
乗り物酔いを診断するための特別な検査はありません。医療従事者は、身体診察と耳のチェックを行うかもしれません。症状や、いつから始まったかについて尋ねられることでしょう。
管理と治療
乗り物酔いの症状を治すには?
乗り物酔いの症状をなくすことはできないかもしれませんが、以下のヒントで気分が良くなるかもしれません:
- 新鮮な空気を吸う: 乗り物に乗っている場合は、窓を開けましょう。飛行機に乗っている場合は、吹き出し口から涼しい空気を自分に向けて送り込みましょう。
- 視線を逸らす: 読書中なら、本や携帯電話、タブレットをしまって、遠くのものや地平線を眺めてみてください。
- 仰向けになる: もし可能であれば、後ろにもたれられるように座席を倒し、目を閉じましょう。
- 飲み物を飲む: ジンジャーティーやジンジャーエールをすすると、胃が落ち着くかもしれません。
- 甘いものを食べてみる: ペパーミントやジンジャーのキャンディーを食べると、気分が良くなるかもしれません。
- 乗り物酔い用のメガネやブレスレットを試してみる: 特別なメガネやブレスレットが効くという医学的研究は発表されていませんが、中にはそういったメガネやブレスレットで症状が和らぐという人もいらっしゃいます。
- 休憩を取る: ビデオゲームやバーチャルリアリティゲームをプレイしている際に、吐き気を感じる、あるいはその他のバーチャル乗り物酔い(VMS)の症状がある場合は、ゲームから離れましょう。
予防
乗り物酔いを防ぐことはできる?
乗り物酔いを避けることはできないかもしれませんが、ちょっとしたことが、症状が酷くなる可能性を大いに減らすことにつながり得ます。
例えば、移動中に前を向くことができる座席を見つけてみましょう。どのような方法で旅行している場合であれ、どこに座るかは役に立つポイントかもしれません。以下は、ほとんどの旅行タイプにお勧めの座席です:
- ボート: 上甲板の真ん中に座る。
- バス:窓側の席を選ぶ。
- 車: 助手席に座る。
- クルーズ船: 船の前方または中央のキャビンを予約する。できれば低層階で、水面に近い席を選ぶ。
- 飛行機: 翼のエリアに座る。
- 電車: 窓側の前向き座席を選ぶ。
乗り物酔いに効く薬は?
乗り物酔いの症状を予防してくれるかもしれない市販薬があります:
- 抗ヒスタミン薬: アレルギーを治す用途で抗ヒスタミン薬を服用することがありますが、これは乗り物酔いを防ぎ、症状を和らげることも可能になっています。ドラマミン®(ジメンヒドリナート)は乗り物酔いを防ぎ得る抗ヒスタミン薬の一例です。ただし、眠気を催す抗ヒスタミン剤を使用することを忘れないようにしてください。眠気が出ない成分のものは効きません。
- パッチ: スコポラミン含有の皮膚パッチ(商品名: トランスダーム・スコップ®)または経口錠剤は、吐き気と嘔吐を防ぎます。旅行前に少なくとも4時間、耳の後ろにパッチを貼ります。3日後にパッチをはがし、新しいパッチを貼ります。この薬は口の渇きを引き起こす可能性があり、成人のみが使用できます。
空腹で旅行するのは役に立つの?
ほぼ間違いなく、役に立たないでしょう。お腹に何も入っていなくても、なお吐き気を感じることはあり得ます。旅行に出る前に、以下のステップに従うといいかもしれません:
- 水をたくさん飲む。
- 低脂肪で口当たりの良いでんぷん質の食品を含む、軽い食事で胃の準備をする。
- 胃を荒らす可能性のある喫煙やアルコールを含む飲料を飲まない。
見通し/予後
乗り物酔いになった場合、どんなことが予想される?
普通の人と同じならば、乗り物酔いの症状は、飛行機や船から降りたり、車から出たりすると治まります。
受け入れる
いつ医療機関を受診すべき?
乗り物酔いは深刻な医学的問題ではありません。しかし、次のような場合は医療機関にご相談ください:
- 慢性的に吐き気や嘔吐が永続する。
- 動く活動を行っていないのに乗り物酔いの症状がある。
- 脱水症状の兆候を示す。
クリーブランド・クリニックからのメモ
乗り物酔いは、旅行を悲惨な体験にし、ビデオゲームや没入型バーチャルリアリティゲームをプレイする楽しみを奪う可能性があるものです。幸いなことに、乗り物酔いを予防したり、症状を和らげたりするためにできることがあります。乗り物酔いしやすい方は、かかりつけの医療従事者に乗り物酔いを予防する方法と、乗り物酔いした場合の対処法について相談してみてください。
冒頭、「予防・症状を緩和する方法は、ありま~す」とあったから期待して読んだら、結局気休め程度の話に過ぎない、しょうもない記事でしたね、クリーブランド・クリニックに代わり、お詫びして謝罪申し上げます(勝手に引用しておいて、失礼にも程がありますが(笑))。
「流れる静止物を見て、目が『動いている』と脳に誤解させる。内耳や筋肉は、自分が静止状態であると認識するのに」という話だったのに、「本を読むのをやめて、窓の遠くを眺めてみましょう」って何か矛盾しているようにも思えましたが、まぁ世界最先端の医療機関でもあんまよく分かってない、ってことかもしれないですね。
小学校の遠足とか、やっぱり吐いちゃう子はいましたが、思い返してみると基本的にヒョロっとした虚弱な子が圧倒的に多かった気がしますし、強い胃腸を持ってることが一番重要なのかもしれません。
(まぁ胃腸なんて鍛えられませんし、対処のしようもないですが…。)
僕は使ったことがないですが、記事中にもいくつか挙げられていた通り、酔い止めの薬は実際効果があるようですから、どうしてもすぐに酔ってしまう人は、市販薬に頼るのがいいかもしれませんね(眠くなるものじゃないと効果がない、というのも面白いですが、寝ちゃえば勝ちですし、むしろ都合いい感じでしょうか)。