「泌尿器系の知識を増やして嫌な病気に備えよう」シリーズ、前回はどうか死ぬまで出てきてほしくない結石の話を見ていましたが、今回は……
…まぁ正直、特に全く深く知りたいとも思いませんけど、前回の記事含め何度も何度も登場していました「Cystoscopy」、日本語では膀胱鏡検査とされるものですが、この検査というか器具についてもHEALTH LIBRARYでは単独記事が用意されていたため、石の破砕にも使えるという話ですし、いざ使われるとなった時に慌てないよう、どんなものなのかだけチェケラッチョさせていただこうかと思います。
こんなの普通に器具を紹介するだけと思いきや、そこそこの長さのある記事のようですね……どんな説明があるのでしょうか、正味本当に1ミリも気になりませんけど、記事水増しのために、お借りさせていただきましょう(笑)。
Cystoscopy(膀胱鏡検査)
膀胱鏡検査とは、医療従事者が尿路に関する問題を診断および治療するために行う手法のことです。おしっこに血が混じる、排尿痛がある、おしっこが漏れる、またはおしっこが出ないなどの症状がある場合、膀胱鏡検査が必要になることがあるかもしれません。膀胱鏡検査では、泌尿器科医が内視鏡を用いて膀胱と尿道の内部を観察します。
概要
膀胱鏡検査とは何?
膀胱鏡検査は、医療従事者が膀胱や尿道(膀胱からおしっこを体外に排出する管)の内部を観察するための検査法です。泌尿器科医が、カメラまたは観察レンズ(膀胱鏡)を備えた照明付きの装置を用いて行います。
泌尿器科医は、膀胱鏡を使って尿路疾患の診断と治療を行います。この検査は、膀胱ガンのような重篤な疾患を症状の原因から除外するために使用することが可能です。かかりつけの泌尿器科医が、膀胱鏡を使って、以下のことを行うかもしれません:
- 尿管(腎臓から膀胱におしっこを運ぶ管)から尿サンプルを採取する。
- 尿流を追跡する処置のために、色素を注入する。
- おしっこの漏れを止めるために、薬剤を注入する。
- 以前の手術で留置した尿管ステント(尿管を開くための小さな管)を除去する。
- 膀胱結石、異常組織、ポリープ、腫瘍を取り除く。
- 生検(研究室での検査)のために、膀胱や尿道の組織の小片を採取する。
- 尿道狭窄や瘻孔(2つの部位の間にできる穴)を治療する。
膀胱鏡検査は何を診断するのに使われるの?
膀胱鏡検査では、以下の診断が可能です:
- 膀胱ガンまたは尿道ガン
- 膀胱結石
- 膀胱のコントロール障害(尿失禁/おしっこが漏れる)
- 肥大した前立腺(前立腺肥大症/BPH)
- 間質性膀胱炎/膀胱痛症候群(ICS/BPS)
- 尿道狭窄および尿道瘻
- 尿路感染症(UTI)
医療従事者はどんな理由で膀胱鏡検査を行うの?
以下のような症状がある場合、かかりつけの医療従事者に膀胱鏡検査を勧められることがあります:
検査の詳細
膀胱鏡検査はどのように行われる?
膀胱鏡検査を行うために、泌尿器科医が膀胱鏡を尿道から膀胱に届くまで挿入することになります。そこで膀胱内を観察し、器具を使って組織のサンプルを採取したり、その他の検査や治療を行ったりします。
膀胱鏡にはどんな種類があるの?
膀胱鏡には2種類あります:
- 軟性膀胱鏡: かかりつけの医療従事者が、尿道の自然な形に優しく沿った経路で膀胱や尿道の内部を検査するために、曲げることが可能な内視鏡を使用することがあります。
- 硬性膀胱鏡: この膀胱鏡は曲がりません。生検や腫瘍摘出のために、かかりつけの医療従事者が管にこの器具を通すことがあるかもしれません。この膀胱鏡は通常、鎮静剤または全身麻酔と併用時のみ使用されます。
医療従事者は、患者さんの特定の処置に最も適したものを使用します。
膀胱鏡検査中は目が覚めている状態なの?
担当医が問題を診断するために処置を行うのであれば、その通りです、膀胱内視鏡検査をしている間、目が覚めていることが多いでしょう。膀胱鏡検査では、痛みを感じないように、しびれ止めのジェルが使用されます。膀胱鏡検査中に治療を受けたり、生検を行ったりする場合は、鎮静剤または全身麻酔が必要になるかもしれません。
膀胱鏡検査の際は、どんな準備をすればいい?
膀胱鏡検査の前に、服用している全ての薬や、妊娠の可能性があるかについて、かかりつけの医療機関に伝えてください。担当者から準備の仕方について指示があるでしょう。その指示に忠実に従うことで、合併症の危険性を小さくすることができます。
準備の仕方は、麻酔の種類や検査を受ける理由によって大きく異なります。膀胱鏡検査の前に、かかりつけの医療従事者が以下のことを尋ねるかもしれません:
- UTIをチェックするため、検査当日におしっこのサンプルを提出すること。感染症がある場合は、膀胱鏡検査を受ける前に治療が必要になることがほとんどです。
- 検査の8時間前から何も食べないこと(絶食)。これは通常、全身麻酔をする場合のみです。
- 処置の前に薬の服用を中止するか、水を一口だけ飲むこと。ただし、医師の指示がない限り、薬の服用を中止しないでください。
- 膀胱鏡検査中に鎮静剤を使用する場合は、膀胱鏡検査後に自宅まで車で送ってくれる人を手配しておくこと。
膀胱鏡検査の間、何が起こると予想すべき?
膀胱鏡検査を行うために、医療従事者は以下のことを行います:
- 処置の直前におしっこをするように指示する。
- 全身麻酔または鎮静剤を使用する(いくつかの症例でのみ)。
- ジェルで尿道を麻痺させる。
- 潤滑剤を塗った膀胱鏡を尿道から膀胱まで挿入する。
- 膀胱鏡を通して滅菌済みの塩水を膀胱に注入する。膀胱が引き伸ばされて満杯になることで、膀胱の内壁が見えやすくなります。ここでほぼ間違いなく、おしっこがしたくなることでしょう。
- 膀胱と尿道の内部を見る。
- 膀胱鏡を通して小さな器具を挿入する(いくつかの症例でのみ)。必要に応じて、担当の医療従事者がこれらの器具を使って組織サンプルや腫瘍を摘出します。
- 注入した液体を膀胱から排出するか、トイレで膀胱を空にするよう指示する。
膀胱鏡検査にはどのくらい時間がかかるの?
膀胱鏡検査は通常、5~10分程度かかります。生検や治療を行う場合は、処置にさらに時間がかかるかもしれません。
膀胱鏡検査は痛い?
膀胱鏡検査は不快に感じるかもしれませんし、おしっこがしたくなるかもしれません。しかし、全身麻酔や感覚を麻痺させるジェルを使用することで、痛みを感じることはありません。
膀胱鏡検査後はどのようなことが予想される?
膀胱鏡検査の理由に応じて、外来処置になる(その日の内に帰宅)または一晩入院することがあります。帰宅する際に、感染予防のために抗生物質が処方されるかもしれません。処方された薬は全て服用してください。
膀胱鏡検査から完全に回復するまで、どのくらいかかるの?
ほとんどの人は、膀胱鏡検査から1~2日で回復します。同時に他の処置(生検など)を受けたかどうか次第で、もっと時間がかかることがあるかもしれません。どのようなことが予想されるか、かかりつけの医療従事者にお尋ねください。
処置後1~2日は、お腹が痛くなる、血の混じったおしっこが出る、かつ/またはおしっこをするときに痛みや灼熱感を覚える可能性があります。また、頻繁に、そして突然緊急におしっこがしたくなることもあるかもしれません。
これらの症状を和らげるために、以下のことが可能です:
- 温めて湿らせたタオルを尿道口に当てたり、温かいお風呂でリラックスする。
- 毎日コップ数杯の水を飲んで、膀胱を洗い流す。
- 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)といった、市販の(OTC)鎮痛薬を服用する。
膀胱鏡検査の潜在的なリスクや合併症は何?
膀胱鏡検査は比較的危険性の低い検査法です。起こり得る合併症には、以下が含まれます:
結果とフォローアップ
膀胱鏡検査後、どんな結果が得られるの?
かかりつけの泌尿器科医が、検査中に気付いたことを全て記録してくれています。これには、尿道の閉塞や狭窄、膀胱結石、異常組織、増殖などが含まれます。また、全てが正常に見えるかどうかについても記録しています。担当医は、処置後すぐに結果について話し合ってくれるか、または結果について話すための、フォローアップの予約を組んでくれるかもしれません。
生検のために担当医が組織のサンプルを採取した場合、研究室にて、顕微鏡下でガン細胞がないか調べることになります。
膀胱鏡検査の結果はいつ分かるはず?
生検を受けた場合、担当医が結果を得るまで2週間かかることがあります。かかりつけの医療機関が膀胱鏡検査のみを行う場合(同時に他の処置を行わない場合)は、処置を行った際に結果が分かります。いつ記録された結果が見られるのか、または聞くことになるのか、担当医にお尋ねください。
いつ医療機関に連絡すればいい?
排尿痛や血が混じったおしっこのような処置後の問題のほとんどは、1日か2日以内に良くなります。問題が長引いたり、以下のような状態が認められる場合は、かかりつけの医療機関に連絡してください:
- おしっこをするときに激しい痛みがある。
- おしっこに明らかな量の血液や血の塊が混じる。
- 膀胱が満杯になるとともに苦痛を感じ、おしっこが出ない。
- 感染症の徴候(発熱、骨盤痛、強い臭いや濁ったおしっこ)を示す。
クリーブランド・クリニックからのメモ
痛み、おしっこに血が混じる、またはおしっこのタイミングがコントロールできないなどの症状があると、その原因についての答が気になって不安になるものです。膀胱鏡検査は、担当医がその答を得るために始める方法になります。膀胱鏡検査は、リスクも少なく、回復時間も早い検査です。処置の前後に心配なことがあれば、遠慮なくかかりつけの医療従事者にお尋ねください。何を予期するかを理解し、結果を読み解くための手助けをしてくれますよ。
意外と未経験者には気になること(痛いのか、どのぐらいの時間がかかるのか、など)が書かれていて良かったですね。
僕は胃カメラも膀胱鏡も経験がありませんが、冒頭にあった画像(言うまでもなく、上が女性で下が男性ですが、通る道が短くて、ズルいぞ女子!(笑))を見るだけで、「ひえぇ~痛そう~」と思えたものの、当たり前ですがちゃんと痛みについては対策がされているみたいで何よりです。
(でもやっぱり使わずに済むなら一生使いたくないですね。)
では次回も、もうちょい何かしら泌尿器系の記事を見てみようかな、と思います。