恐怖のストーン

泌尿器系の疾患・重要部位などを見ている最近の記事ですが、こないだ膀胱について見ていた際(に限らずどの記事でもそうなのですが)、まだまだいっぱい知らないこと・気になることはあるなぁ…と思えていたため、今回はその中から一つ、また怖~い症状と言いますかむしろその代表例ともいえます「結石」について、僕は幸いにも未経験なんですけれども、だからこそ「痛いらしいし、これは恐怖!」と思えますし、そちらを見てみようかな、と思います。

 

かなり長めの記事の印象があったのでとっとと進めていきたいですが、膀胱記事で挙がっていたのは当然「膀胱結石」で、一般的な尿路結石の中ではややマイナーっぽくはあるものの、まぁ膀胱記事で触れられていて気になったということもありますし、今回は膀胱の結石、英語ではそのままBladder stonesと呼ばれるもののまとめを、例によって最先端医療を誇る我らがクリーブランド・クリニックのHEALTH LIBRARY記事から参考に翻訳引用させていただきましょう。

 

my.clevelandclinic.org

 

Bladder Stones(膀胱結石)

膀胱結石は、膀胱内に形成される、硬質化したミネラル成分の塊です。これは、おしっこが膀胱内に長時間留まることで発達していきます。最も一般的な症状は腹痛ですが、おしっこが出なくなることもあり得ます。膀胱結石でおしっこが出ない場合は、泌尿器科医に結石を砕いたり、取り除いたりしてもらうことが可能です。

 

概要

膀胱結石とは何?

膀胱結石は、膀胱(尿を溜める器官)内にできる、硬質化した鉱物(ミネラル)の塊です。膀胱結石は通常、トイレで排泄した後に、尿(おしっこ)が膀胱に残り続けたときに形成されます。

小さな膀胱結石には気付かないかもしれません。何の症状もなく、おしっこをしたときに体外に排出されることもあります。膀胱結石が大きくなると大変な苦痛を伴うこともあり、胃に不調を感じたり、おしっこが出なくなったり、血尿などその他の症状が出たりすることがあるかもしれません。激しい痛み、おしっこが出にくい、その他の症状が悪化するといった膀胱結石の徴候がある場合は、最寄りの緊急治療室(ER)を訪ねてください。

膀胱結石の別名は、bladder calculiです(※どちらも「膀胱結石症」で、日本語では区別がないですね)。

 

膀胱結石はどのぐらい一般的?

泌尿器系にできる結石のうち、膀胱結石は全体の5%程度です。

 

症状と原因

膀胱結石の症状は何?

小さな膀胱結石であれば、明白な症状は無しに、おしっこで排出されることがあります。大きな膀胱結石は膀胱を刺激し、激しい痛み、出血、およびおしっこの各種問題を引き起こし得ます。大きな膀胱結石の徴候や症状には、以下のようなものが考えられましょう:

  • おしっこの色の変化。おしっこの色が濁っていたり、黒っぽく見えるかもしれません。また、おしっこに血が混じることもあります(血尿)。
  • 頻繁な尿意。トイレに行ったばかりでも、常におしっこがしたくなることがあるかもしれません。
  • 苦痛。おしっこをするときに、痛みや灼熱感を感じることがよく見られます(排尿障害)。また、下腹部(お腹)や陰茎、睾丸へと、痛みが行ったり来たりすることもあり得ます。
  • おしっこ時の停止と再開。仮に本当にする必要がある状況でも、おしっこが出始めたり強い流れを維持したりすることに対し、困難を覚えることがあるかもしれません。時には、おしっこの流れが止まったり出始めたりすることもあります(尿線途絶)。
  • 尿路感染症(UTI)。膀胱結石はしばしば、尿路感染症を引き起こします。尿路感染症の症状には、頻尿や排尿痛が含まれます。おしっこが濁って臭くなることもあります。

 

膀胱結石の一般的な原因は何?

膀胱結石は、おしっこが膀胱に長く滞留することで生じます。体外に排出された老廃物―塩分、カリウム、タンパク質の老廃物など―が固まり(濃縮され)、硬い結晶を形成します。このプロセスは、おしっこをするときに膀胱を完全に空にできない場合に最も頻繁に起こります。

以下のようないくつかの条件や要因によって、膀胱結石の危険性は上昇します:

  • 増大膀胱形成術(膀胱増大術)。膀胱増大術では、外科医が腸の組織を使って膀胱を大きくし、膀胱の働きを改善します。この手術によって、おしっこが膀胱に溜まってしまうことがあり得ます。
  • 膀胱憩室。憩室とは、腸や膀胱といった空洞のある臓器にできる、ポケットや洞窟のような開口部のことです。憩室はおしっこを溜め込んでしまう可能性があり、膀胱が完全に空になりにくくなってしまいます。膀胱憩室は、生まれつき発生する場合(先天性)と、病気や前立腺肥大が原因で、後天的に発生する場合とがあります。
  • 膀胱瘤(膀胱落下)。出産後に膀胱瘤を発症する人もいます。こういった方では、膀胱を支える靭帯や筋肉が、伸びたり弱くなったりしています。これにより、膀胱が膣内に落ち込み、尿の流れが妨げられることがあります。
  • 脱水症状。水やその他の水分を摂ることは、おしっこの中のミネラルを薄め、膀胱を洗い流すのに役立ちます。水分を十分にとらないと、ミネラルが蓄積し、膀胱結石の原因となり得ます。
  • 前立腺肥大前立腺は、男性や出生時に男性に割り当てられた人(AMAB)において、加齢とともに肥大することがある部位です。この肥大は、尿道(おしっこを膀胱や体外から出すための管)を部分的に塞ぐことがあります。おしっこをする際に余分な圧力が必要となるため、膀胱を完全に空にすることが難しくなります。
  • 腎結石。膀胱結石は腎臓結石と似ています。時折、腎臓結石が腎臓から膀胱に移動することがあります。腎臓結石が膀胱に入った場合、通常はおしっこで排出することができます。しかし、ごく稀に、結石が膀胱に詰まって大きくなってしまうことがあり得ます。
  • 神経因性膀胱。神経因性膀胱とは、脊髄損傷、脳卒中、先天異常(二分脊椎など)、またはその他の病気や状態による神経障害が、膀胱の働きやおしっこの出方に影響を及ぼす膀胱のことです。神経因性膀胱の人は、膀胱から排尿するために、しばしば細く柔軟なチューブ(尿道カテーテル)を必要とします。しかし、カテーテルを使っていると時に、膀胱内の全てのおしっこが排出できないこともあり得ます。
  • 医療機器。膀胱に入る医療器具(カテーテルなど)は、膀胱結石の原因になる可能性があります。膀胱結石は、器具上で発達した結晶から形成されることがあるかもしれません。このような結石は通常、医療従事者が推奨する期間よりも長く体内に留置された場合にのみ発生します。

 

膀胱結石は伝染するの?

いいえ、膀胱結石は感染しません。性感染症STI)ではないので、他の人に伝染してしまうことはあり得ません。

 

膀胱結石はどんな人に影響があるの?

誰でも膀胱結石になる可能性がありますが、50歳以上の男性や出生時に男性に割り当てられた人(AMAB)は膀胱結石になる可能性が高くなります。

50歳以上の男性の約半数が前立腺肥大症(BPH)です。BPHは前立腺が大きくなる病気です。前立腺はゴルフボールほどの大きさで、オーガズムを感じる際に、精液(射精液)の液体の一部を作っています。前立腺が肥大すると、おしっこをするときに膀胱から完全に排出することが難しくなります。おしっこが膀胱に長く滞留していると、結石が形成される可能性があります。

また、以下のような場合も膀胱結石が生じやすくなります:

  • 脊髄損傷など、膀胱に影響を及ぼす神経障害がある方。
  • 増大膀胱形成術などの特殊な膀胱手術を受けた方。
  • 膀胱から排出不可能な腎結石がある方。

 

診断と検査

膀胱結石はどのように診断されるの?

医療従事者が、以下のことを行います:

  • 病歴を確認する。
  • 症状について質問する。
  • 身体診察を行う。

それに加えて、膀胱結石の診断を確定するために、種々の検査を指示することがあるかもしれません。

 

膀胱結石の診断にはどのような検査が行われるの?

医療従事者は、膀胱結石の診断に役立つ以下の検査を指示することがあります:

  • 尿検査(検尿)。尿検査では、専用のカップにおしっこをします。医療従事者がサンプルを研究室に送り、そこで技術者が小さな膀胱結石がないかどうかを調べます。また、そこでは、UTIや血液の徴候がないかどうかも検査されることでしょう。
  • 画像検査。膀胱の鮮明な画像を見るために、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、X線検査、かつ/または超音波検査が指示されるかもしれません。これらの検査は、膀胱結石の大きさ、形状、位置を示します。
  • 膀胱鏡検査。かかりつけの医療従事者が、尿道から膀胱まで、先端にカメラのついた鉛筆サイズの細長い照明付きチューブ(膀胱鏡)を通して結石を探します。

 

管理と治療

膀胱結石はどうやって自分で取り除くの?

典型的には、泌尿器科医が膀胱結石を取り除く必要があります。泌尿器科医は、泌尿器系や男性・女性の生殖器系に影響を及ぼす疾患を専門とする医師です。膀胱結石の治療法には通常、以下が含まれます:

  • 膀胱結石除去術。この低侵襲手術では、医療従事者が尿道から膀胱鏡を膀胱内に挿入し、膀胱結石の位置を特定します。その後、レーザーまたは高周波音波(超音波)を使用して結石を細かく砕きます。その後、液体で膀胱を洗浄し、小さな破片を取り除きます。
  • 手術。膀胱結石が特に大きい場合は、開腹手術で取り除く必要があるかもしれません。泌尿器科医が鋭利なナイフ(メス)を使って腹部に小さな切り込みを入れ(切開)、結石を取り出してくれます。前立腺肥大症が原因で結石ができた場合、泌尿器科医は尿道を塞いでいる前立腺組織も一緒に切除することがあるかもしれません。

 

膀胱結石を自然に治療するにはどうすれば?

小さな膀胱結石であれば、飲む水分の量を増やすことで自然に排出できるかもしれません。しかし、膀胱結石は多くの場合、おしっこが膀胱内に長く留まりすぎることで発症します。水分の量を増やしても効果がない場合もあります。

 

膀胱結石を早く溶かすものは何?

膀胱結石を溶かすのが可能となることは、非常に稀です。結石を構成する物質にもよりますし、長い時間がかかることもあります。

 

治療後どのくらいで良くなるの?

ほとんどの人は、膀胱結石除去術や手術後1~2週間で回復します。

 

予防

膀胱結石は予防できる?

膀胱結石を予防することはできないかもしれません。しかし、水をたくさん飲むことで危険性を下げることは可能です。水はおしっこに含まれるミネラルを薄めるので、ミネラルが固まって膀胱結石になってしまう可能性は低くなります。毎日どれくらいの水を飲むべきか、医療従事者に相談しましょう。

50歳以上で前立腺肥大症の方は、医療機関に相談することをお勧めします。膀胱を空にするための特別な方法や薬を勧められるかもしれません。

また、食生活を改善したり、特定の薬を服用したりすることで、一定のタイプの結石が発症するリスクを下げることも可能です。

 

見通し/予後

膀胱結石がある場合、どのようなことが予想される?

小さな膀胱結石であれば、治療しなくてもおしっこをしたときに体外に排出されるものもあります―自覚症状が一切ない場合すらあります。しかし、自力で通過しないほとんどの膀胱結石については、泌尿器科医が低侵襲手術や外科手術で取り除くことが可能となっています。適切な治療を受ければ、膀胱結石が長期的な健康問題を引き起こすことはありません。

治療を受けなければ、膀胱結石は苦痛、排尿困難、出血、感染を引き起こし得ます。膀胱結石を発症する可能性が高くなる疾患―BPHなど―がある場合は、かかりつけの医療従事者に相談しましょう。原因から治療しなければ、膀胱結石が再び作られてしまうかもしれません。

 

いつ仕事や学校に復帰できる?

ほとんどの人は、膀胱結石の治療を受けてから数日後には、仕事や学校、その他通常通りの活動に戻ることが可能です。

 

受け入れる

セルフケアはどのようにすれば良い?

膀胱結石の症状がある場合、以下のヒントが安心材料になることでしょう:

  • 水分をたくさん摂る。水、お茶、コーヒーなどを多く飲むことが、小さな膀胱結石を取り除くのに役に立つかもしれません。おしっこは透明か薄い黄色である状態が望ましいです。おしっこが濃い黄色の場合は、十分な水分摂取ができていません。
  • ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)。NSAIDsは痛みを和らげる効果があります。全ての人がNSAIDsを服用できるわけではないので、服用する前に医療従事者に確認することをお勧めします。
  • 吐き気止めを服用する。膀胱結石の痛みは、時に吐き気や嘔吐を引き起こすことがあり得ます。次サリチル酸ビスマス(商品名ペプト・ビスモル®)のような市販(OTC)の吐き気止めは、胃のムカムカを和らげるのに役立ってくれるでしょう。
  • α遮断薬を服用する。医療従事者が、小さな膀胱結石を通過させるために、α遮断薬(血管拡張を生じさせ、降圧作用を有する薬)を処方してくれるかもしれません。

 

膀胱結石がある場合、食べたり飲んだりしちゃダメなものは何?

特定の食べ物や飲み物は、膀胱結石になる可能性を高める可能性があります。ナトリウム(塩分)や糖分を多く含む食品などがそれに含まれます。膀胱結石を予防するためには、次のようなものは避けた方が良いでしょう:

  • 加工食品
  • ファーストフード
  • 缶詰のスープや野菜
  • ランチ・ミート(スライスし、冷やして出される、ソーセージや成型肉の塊の総称)
  • 炭酸飲料

 

いつ医療機関を受診すべき?

膀胱結石の症状がある場合、医療機関に相談しましょう。結石は膀胱内に留まると成長し続けるので、徴候に気づいたらすぐに治療を受けることが大切です。

 

どんな場合にERに行くべき?

痛みがあまりにも酷くなり対処ができず、排尿が困難になった場合は、最寄りの救急外来を受診してください。

 

医師にどのような質問をしたらよい?

  • 膀胱結石があることはどうやって知れますか?
  • 私の体内にある膀胱結石は一つですか、それとも複数ですか?
  • 私の膀胱結石の大きさはどのくらいですか?
  • 自然に膀胱結石を排出することはできますか?
  • どのような治療をお勧めしますか?
  • 再び膀胱結石になる確率はどのくらいですか?
  • 膀胱結石を予防するために、食生活を変えるべきでしょうか?

 

その他のよくある質問

腎臓結石と膀胱結石の違いは何ですか?

腎臓結石は、腎臓の片方または両方にできます。腎臓は泌尿器系の一部です。血液をろ過し、おしっこを作ります。

膀胱結石は膀胱にできます。

 

クリーブランド・クリニックからのメモ

膀胱結石は、軽い症状や自覚症状がない場合もあれば、おしっこが出にくい、激しい痛みがあるなど、イライラするまたは不快感を伴う症状を引き起こすこともあり得ます。トイレ関連に問題があることは、少し恥ずかしいことかもしれません。しかし、膀胱結石の症状に気付き始めたら、医療機関に相談することをお勧めします。膀胱結石は小さなものから始まり、より大きくなって問題が大きくなることもあります。医療機関では、膀胱結石の原因となる他の健康状態に対処することも可能です。治療によって、膀胱結石の再発を防ぐ一助とすることができますよ。

 

何となく、男性にしか見られない症状かと思ったら、一応やはり高齢男性が一番できやすいようではあるものの、性別を問わず誰しもに発生する可能性があるのが、恐怖の膀胱ストーンだということですね。

 

ウィッキー先生に、禍々しい石の実物が掲載されていました。

英語版のトップの方がよりイヤな形だったので、「何としても作らないぞ」という意思を固めるべく、こちらをお借りしましょう(笑)。

https://en.wikipedia.org/wiki/Bladder_stoneより

しかし、「36ミリ=3.6 cm?そんなにデカイって、あり得る…?3.6 mmの間違いかな?」と思って「bladder stones size largest」で検索してみたら、ギネス記録は17.9 x 12.7 x 9.5 cmとのことであり、数センチというのはミスではなく普通にあり得るもののようで、しかも、検索結果をもう少し見てみたら、かなり大きい実物の写真が、医学論文に堂々と掲載されていました。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9358262/より

…デケェーッ!!(直径およそ6センチ、300グラムとのことです。)

「いやあり得ないでしょ、こんな野球ボールよりデカそうなやつが、どうやって体内に留まるのよ、ってか、何でこうなるまで生活できてたのよ(笑)」…と最早笑えるレベルですけど、あまりにも怖いので、「必ずしも意味があるとは限らないけれど…」と書かれていたものの、やはり水分摂取は重要でしょうから、今まで以上に水をグビグビ飲みまくりたい限りですね(笑)…!

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