多くの人が悩まされるお腹のトラブル…IBDとは?

クリーブランド・クリニックのHEALTH LIBRARY記事で取り上げられていた「ダイエット」記事を前回までで一通り見終えていました。

 

まぁ世界を代表する非営利の医療機関だけあって、怪しげなダイエット法みたいなのではなく、ほぼ全て特定の疾患のための食事療法的なものばかりだったわけですが、そういえばローカーボ・ダイエット、いわゆる糖質フリーを目指す低炭水化物ダイエットについては、流石にこれだけ流行ってるなら何らかの記載があるのかな…と思っていたんですけど、これは全く取り上げられていなかったですねぇ。

 

もちろん短期的な減量効果とかはあるには違いがないのでしょうが、それ以上に健康懸念も甚大なものがあって、最先端の医療機関が取り上げることはなかった…と推測されるものの、個人的にもやっぱり極端な糖質制限は、あんま良くないんじゃないかな…なんて気が、めちゃくちゃ偏った食事をしている僕の言うセリフでもないものの(笑)、そんな気はするかもしれません。

 

とりあえずダイエット記事は一息ついたということで、次の脱線は、前回の特定炭水化物ダイエット低FODMAPダイエット他、複数の記事で何度も「絶対誰でも知ってるから、特に説明なしで略語を使います」レベルで頻繁に出てきていた、IBDについて、まぁ非常に似たIBSというのもあって、どちらもほぼ全く同じ分量の記事だったんでどっちから見ようか迷ったのですが、今回はより症例数の多そうなIBDの方から見ていこうかなと思います。

 

まぁ英語圏の人にとっては誰でも絶対知ってる3文字なんだと思いますが、日本人的には全く馴染みのないこちら、Inflammatory Bowel Diseaseの頭字語で、日本語にすれば炎症性腸疾患というものになり、文字通り炎症を伴う腸の病気であり、極めて過酷な病気として知られているものですね。

 

my.clevelandclinic.org

 

早速参りましょう。

 

炎症性腸疾患(概要)(Inflammatory Bowel Disease (Overview))

炎症性腸疾患(IBD)には、クローン病潰瘍性大腸炎の2種の病気が含まれます。IBDは、腹痛およびけいれん、下痢、ならびにうんち(糞便)に血が混じる状態といった症状を引き起こします。炎症性腸疾患は慢性疾患で、根治することは不可能となっています。緩和させる治療法はいくつかありますが、IBDはしばしば再発してしまうのです。

 

概要

炎症性腸疾患(IBD)とは何?

炎症性腸疾患(IBD)とは、消化管(GI tract)に慢性的な炎症を引き起こす病気を指します。その症状は突然現れ(フレア(再燃))、種々の問題とともに激しい胃けいれんや下痢を引き起こします。しかし、IBDが影響を及ぼすのは胃腸だけにとどまりません―身体全体の健康、感情的な幸福感、さらには精神的な健康にまで影響を及ぼす可能性があるのです。

炎症性腸疾患は根治法の存在しない、一生付き合わなければならない病気です。そう聞くと重苦しい話に思えるかもしれません。しかし、IBDの症状を管理する治療法は存在しますし、IBDがご自身の生活に支障をきたさないようにするための対策も存在しています。

 

炎症性腸疾患(IBD)は消化管に影響を及ぼします。クローン病(Crohn’s disease)と潰瘍性大腸炎(Ulcerative colitis)がIBDの主要なタイプです。

(※Esophagus(食道)、Stomach(胃)、Inflamed tissue(炎症組織)以外の用語は本文中に出てきていたため、図に出てくる用語は本文で英単語も併記しておこうと思います。)

 

IBDの種類

クローン病(Crohn’s disease)と潰瘍性大腸炎(Ulcerative colitis)がIBDの主要なタイプです:

  • クローン病: 消化管にただれ(潰瘍 (ulcers))ができる病気です。口から肛門まで消化管のどの部分でも発症し得ますが、典型的には小腸(small intestine)と、大腸(large intestine)の上部に発症します。
  • 潰瘍性大腸炎(UC): UCでは、大腸に腫れやただれ(潰瘍)ができます。通常は直腸から始まり、大腸の一部または全部に広がることがあります。

 

IBDはどのくらい一般的な病気なの?

専門家の推定によると、アメリカでは160万人がIBDに罹患していると見積もられています。この病気は幼児から65歳以上の大人まで誰でもかかる可能性があります。しかし、最もよく罹患するのは15歳から35歳の方です。

 

症状と原因

炎症性腸疾患の症状は何?

IBDの症状は軽いものから重いものまであり得ます。症状は出たり消えたりで、いつ起こるかは必ずしも予測することができません。症状が出た場合、医療従事者に、IBDの再燃(病気の活動期)であると言われることがあるかもしれません。治療後に症状が治まった場合は、医療従事者から、病気が緩和状態にあると言われることがあるかもしれません。一般的なIBDの症状には以下が含まれます:

  • 胃痙攣(けいれん)のように感じられる、下腹部の痛み
  • うんち(便)に血が混じる
  • 慢性の下痢
  • 疲労
  • 意図しない体重減少

 

炎症性腸疾患の原因は何?

IBDは、消化管の免疫系細胞が誤って健康な組織を攻撃してしまい、クローン病潰瘍性大腸炎につながる炎症を引き起こすことで発症します。なぜこのようなことが起こるのか、正確な理由は研究者にも分かっていません。しかし、通常は以下のような役目を担っている特定の遺伝子に変異が入るのではないかと、現在研究されている所です:

  • 侵入者を感知した時に過剰反応しないよう、免疫系の正常なバランスを保つ遺伝子
  • 腸の第一防御ラインである粘膜バリアに影響を与える遺伝子
  • 腸内細菌の増殖をコントロールする遺伝子

こういった遺伝子が変異(変化)すると、IBDのリスクが高まります。研究者はこれらの遺伝子を感受性遺伝子と呼ぶ場合もあります。現在では160以上の異なる感受性遺伝子が知られています。その内のいくつかを受け継いだ場合、いくつかの日常的な行動がIBD症状の引き金(トリガー)を引く可能性があるのかもしれません。そういった行動は、病気を引き起こすわけではありません。一般的なIBDのトリガーには以下が含まれます:

腸内細菌叢の問題がIBDの原因となる慢性炎症に関与しているかどうかについても、研究者が現在調査中です。

 

食べ物がIBDの症状を引き起こすことはあり得る?

いいえ、ありません。しかし、特定の食べ物や飲み物を摂った後に症状が悪化することに気付くことはあるかもしれません。人それぞれですが、症状が悪化する可能性のある食べ物や飲み物には以下が含まれ得ます:

  • アルコール飲料
  • カフェイン入りの飲料
  • 炭酸飲料
  • ミルクを使った食品
  • 繊維質の多い食品
  • 脂っこい食品

 

IBDの危険因子は何?

最も顕著なリスクは、家族にIBDの病歴があることです。研究によると、IBD患者さんの5~20%は、近親者―親、兄弟姉妹、または子供―にIBD疾患持ちの方がいらっしゃいます。

 

炎症性腸疾患の合併症は何?

炎症性腸疾患は、消化管のみならずそこを越えた部分にも、他の病状を引き起こす可能性があります。中には、以下を含む緊急または重篤な疾患もあるかもしれません:

  • 大腸がんIBDに罹患すると大腸癌になる可能性が高くなります。
  • 腸穿孔: 激しい腹痛やけいれん、腹部膨満感、それからお腹を触ると痛むといった症状が含まれます。
  • 中毒性巨大結腸: 血の混じった下痢、激しい腹痛、およびお腹を触ると痛むといった症状が含まれます。

消化管に影響を及ぼすその他のIBD合併症として、痔瘻(痔ろう)と肛門狭窄があります。肛門狭窄とは、肛門管が狭くなり、うんちが身体から出しにくくなる状態のことです。

IBDは、以下のような合併症のリスクを高めるかもしれません:

  • 貧血(赤血球の減少)
  • 血栓
  • 目の痛みや炎症
  • 腎結石
  • 口内炎
  • 肝硬変や原発性硬化性胆管炎といった肝疾患
  • 吸収不良および栄養不良
  • 関節の腫れ
  • 皮膚のただれおよび発疹
  • 骨の脆弱化(骨粗鬆症

 

診断と検査

医療従事者は炎症性腸疾患をどう診断するの?

医療従事者が身体検査を行います。いつから症状があるのか、症状が軽いのか重いのか、および症状が出たり出なかったりするのかなど、ご自身の症状について尋ねられることでしょう。以下のような検査を指示されることもあるかもしれません:

  • 全血球算定(CBC
  • カプセル内視鏡検査
  • 大腸内視鏡検査
  • コンピュータ断層撮影(CT)検査
  • EUS(内視鏡的超音波検査)
  • 軟性S状結腸鏡検査
  • 磁気共鳴画像(MRI)検査
  • 上部内視鏡検査

 

管理と治療

炎症性腸疾患はどうやって治療されるの?

治療法はIBDのタイプによって異なりますが、どの治療法も全て、IBDを緩和状態に導くこと―そして緩和状態を維持することに重点を置いています。医療従事者が、症状を和らげるために薬を処方するかもしれません。いくつかの症例においては、薬物療法が効果的でない場合、手術が必要になることもあり得ます。

薬物療法

一般的に、IBD薬物療法は炎症を抑え、免疫系の反応をコントロールすることに重点を置いています。クローン病潰瘍性大腸炎の治療で、同じ種類の処方薬を使用することがあるかもしれません。薬剤には以下のようなものが含まれ得ます:

  • 抗生物質痔瘻による感染症がある場合は、抗生物質の投与を受ける可能性があります。
  • 下痢止め剤クローン病であれば、ロペラミド(商品名:イモジウム® A-D)のような下痢止め薬が処方される可能性があります。
  • 生物学的製剤: これは、免疫系を落ち着かせ、炎症性腸疾患のトリガーとなる抗体を放出させないようにする薬です。
  • 副腎皮質ステロイド: 炎症に対抗するために、この類の薬剤を受けるかもしれません。
  • 免疫調節薬免疫抑制薬: この薬も免疫系を落ち着かせるのに役立ちます。

手術

IBD薬物療法は、何年にもわたって症状を抑えることが可能です。しかし、薬が効かなくなった場合は、かかりつけの医療従事者から大腸切除のような手術を勧められることがあるかもしれません。

 

見通し/予後

炎症性腸疾患に罹ったら何が考えられる?

IBDは、残りの人生でずっと付き合っていかなければならない慢性疾患です。また、大腸がんといった重篤な病気のリスクも高まります。

そのため、症状がなくても定期的に医療機関を受診するようにしましょう。かかりつけの医療機関から、IBDが緩和期にある場合は6ヶ月ごとに、IBDが再燃している場合はより頻繁に受診することが推奨されるかもしれません。30代または40代の方は、定期的な大腸内視鏡検査を受け始めることが推奨されこともあり得ます。

 

受け入れる

セルフケアはどうやればいいの?

IBDと共存するのは必ずしも容易なことではありません。症状が再燃するかもしれませんし、その後数週間から数ヶ月は治まることもあるかもしれません。次の再燃発作はいつ来るのだろうと不安でたまらなくなることもあるでしょう。突然の下痢でトイレに駆け込むような症状に対して、恥ずかしさや自我の毀損を感じることもあるかもしれません。IBDを管理するのに役立つかもしれないいくつかの提案を以下に示してみます:

  • 上手に食べるIBDのトリガーとなる食べ物や飲み物を時間をかけて追跡し、特定しましょう。IBDのトリガーとなる食べ物や飲み物を避けつつ、十分な栄養を摂取できるような食事計画について、栄養士に相談してみてください。
  • 再燃時の症状を追跡する: 症状が出やすい時間帯を特定できれば、一日の計画を立てることが可能になります。これには、トイレの場所を特定することで、本当に行きたくなったときにどこに行けばいいかを知っておくことも含みます。
  • 非常用キットを用意する: 事故は起こり得るし、起こっていくものです。予備の下着、おりものシート、トイレットペーパー、および赤ちゃん用お尻拭きが入った緊急用キットを携帯することを考えてみましょう。このキットが必要になることはないかもしれませんが、手元にあることで万が一の時の不安が軽減されるかもしれませんよ。
  • 自分の状況を共有するIBDの詳細については、自分の中だけで内緒にしておきたいかもしれません。それは本当に理解できます。しかし、親しい友人や職場の友人にIBDの問題を話すことを検討してみてください。助けが必要となったとき、呼び出すことができる誰かがいることは救いとなるかもしれません。
  • ストレスを管理する: ストレスはIBDの症状を引き起こし得ます。ストレス管理プログラムが、症状を軽減したり、遅らせたりしてくれる可能性があります。
  • サポートを求めるアメリカでは何百万人もの方がIBDに罹っています。ご自身の境遇を理解している人たちと一緒に過ごすことができる、サポートグループが各地に存在しています。
  • 精神的なサポートを検討するIBDうつ病を引き起こす可能性があります。心理カウンセラーに相談するとよいでしょう。
  • 禁煙する: 種々の研究により、タバコの喫煙が炎症性腸疾患症状のトリガーになるということが示されています。

 

いつ医療機関を受診すべき?

薬物療法とセルフケアは、しばしばIBSの緩和期を維持するのに役立ちます。しかし、IBSの再燃がなかなか治まらない場合は、かかりつけの医療機関に相談すべきです。

 

いつ緊急外来に行くべき?

IBDに罹っている場合、中毒性巨大結腸症や穿孔性腸炎のような緊急事態のリスクが高くなります。以下のような症状がある場合は、911(または最寄りの救急サービス番号)に電話するか、救急救命室を受診してください:

  • 華氏100.3度(摂氏37度9分)以上の発熱や、感染症の徴候と思われる悪寒
  • 治まらない激しい腹部のけいれんや痛み
  • 激しい吐き気や嘔吐
  • うんちに血の塊が混じる直腸出血
  • 腹部の腫れ

 

その他のよくある質問

IBDIBSの違いは何?

IBDIBSも、腸に影響を及ぼすものです。違いは、IBDは炎症を伴いますが、IBSは炎症を伴わない、というものになります。

 

クリーブランド・クリニックからのメモ

炎症性腸疾患と診断された場合、腹痛や下痢が何日も続く理由を知れて安心できるかもしれません。そして、どのように治療すれば症状が治まるのかを知ることも、間違いなく助けになることでしょう。しかし、不快で時には恥ずかしい症状が前触れもなく起こる慢性疾患であることについては、心配になるかもしれません。かかりつけの医療従事者は、IBDがご自身の日常生活をかき乱す可能性があることを熟知しています。症状を改善し、IBDと上手に付き合っていくための方法を提案してくれることでしょう。

 

言うまでもなく、本当に大変な病気ですね。

せっかくなので、次回はIBSの方も見ておこうかなと思います。

にほんブログ村 恋愛ブログ 婚活・結婚活動(本人)へ
にほんブログ村