進化に失敗した成れの果て…?

前回の記事では、ダイエットのお供として有名なこともあったサナダムシについて見ていましたが、もちろん今でも諸説はあるものの、やはり主流な考えとしては、

「お腹にサナダさんを飼うのは危険性の方が高すぎて、全く推奨されないダイエット法になっている」

というのが今現在の真摯な見方だと思われます…という話をしていました。

もちろん、お腹に寄生虫がいることで、自分が食べた分をムシがパクパクしてくれて多少のダイエット効果があるというのは、理論的にも実践的にも正しいんだとは思いますし、ウィ記事にもあった通り、サナダムシの最終宿主はヒトであるため、寄生虫ってのは宿主が死んだら自分も死ぬ運命にありますから、宿主を殺してしまっては本末転倒であるゆえ、命が危険にさらされるようなことはサナダさんサイドもしないと考えられる…などともいえるものの……

(逆に、ヒトが終宿主ではない寄生虫をもらってしまうとこれは本当に危険で、そういうやつらは共存関係ではなく次の宿主を求めてヒトを食い殺してきますから、そういったムシの感染は命に係わってくる話になるわけですね)

…とはいえ場合によっては脳神経系の方にまでサナダムシが達することがある、なんて話も聞きますから、こんなのを飼うのはやめておくのが吉という話ですね。

 

そういえば前回は瓶詰めサナダムシダイエット薬の広告画像を貼っただけで(なお、記事初稿では触れていなかったのですが、論文をよく読んだらどうやらあの広告も実は後世に作られたフェイクだったみたいなんでその旨を後から追記しておいたんですけど、まぁ「そんな広告が作られる時代もあった」という風刺の意味もあるでしょうし、参考画像にはなる感じですね)、本体のお写真を貼っていませんでした。

 

まぁこんなキモいヤツ貼らない方がいいまであるんですけど(笑)、英名「テープワーム」だけあって幸い単なるテープみたいな見た目でそこまでグロくはないですし、ウィ記事からお借りさせていただきましょう。

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/サナダムシより

…長ぇーっ!!

 

記事の記述によると、全長10メートルに達することもあるということで、こんなもん仮にダイエット効果があっても飼うかボケ!…と思えるものの、まぁ本当にものすごく安全で効果的なら、間違いなく進んで飼う人もいるのが奥深きダイエットワールドかもしれませんが……

…まぁ、こういう寄生虫博物館に展示してありそうなのが、ズバリ成体のサナダムシさんだというお話でした(マジでただのヒモに見えますけど(笑)、ちゃんと動ける動物なんですね)。

 

面白い題材ではあるので名残り惜しいものの、いつまでも「プラナリアで頭が増えた!」だの「サナダムシを飼ってダイエット!」だのでキャッキャしててもしょうがないため、表を進めて参りましょう。

(進めても似たような話しかしないですけどね(笑))

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/門_(分類学)#動物界より

そんなわけで改めて動物界の門リスト、「まともな動物」といえる三胚葉性の内、最も原始的なグループである我らが扁形動物門を見終えたわけですが、一応、他の補助的なグループ分けとして、この扁形動物門とあと二胚葉性のサンゴやクラゲも含めて、「消化管は出入り口が同じ」というものがありますね。

 

要は、受精卵が分割を続けて胞胚になり、その後「原口」と呼ばれる、チクワの穴にあたるくぼみがどんどんと深まり続け、こいつらは旧口動物なのでそのくぼんだ穴が将来の「口」になるわけですけど、何とプラナリアやサナダさんは、原口が端に達することなく、いわばチクワ構造ではない、ただのくぼみ部分しかない生き物という形であり、まさに「消化管は出入り口が同じ」という記述にあるように、分かりやすく言えば食べ物を食べる口と、消化物すなわち便を出す穴が同じだという、なんとも「キッタネ(笑)」としか思えないやつらだったわけです…!

 

もし人間が進化の歴史で「口と肛門を分ける」というシステムを獲得していなかったら……考えたくもないですが(笑)、食べる所と出す所が同じということで、まぁそうならそうでそれが常識で、「食べた後、しばらくしたら同じ口からブー」も別におかしなこととは思わなかったのかもしれませんけど(笑)(例えば、まぁ下ネタになりますが、排泄と生殖は(厳密には違うものの)ほぼ同じ部分を使うというのも、よく考えたら「何でや」って話に思えますし、意外と複数用途のある器官というのは今でも存在しているといえるのかもしれません)、でもまぁ排泄物が物質として汚いというのは分子レベルで間違いないため、これを分けることに成功した原始生物さんはグッジョブでした。

 

そう、分けるのに成功したのは、当然進化的により発達したとみなせる、リストでいう扁形動物門の下にいるものになるわけですが……おや、しかしよく見たら、「消化管は出口と入口を持つ」というグループになる前に、いくつか謎グループがいるようですね。

 

その項目には「器官退化?」となっており、3つほどの門が存在するようですが、出入り口が同じとはいえ、既に口やら消化管やらを場所ごとに分けて体内での役割分担に成功していたプラナリア・サナダグループから、何をどうトチ狂ったのか、「胚葉=将来の器官は3種類持ってはいるけど、消化管とか特別なものは別に用意せず全身で漫然とエネルギーを取得した方がよくない?」と思ったようで、明白な消化管的部位をなくしてしまったやつらがいらっしゃるみたいでして、それがズバリ、無腸・菱形(二胚)・直泳動物の3門…!

 

ja.wikipedia.org

 

ja.wikipedia.org

 

ja.wikipedia.org

 

ズバリ、どれも名前もマイナーですし、形もむしろプラナリア大先生よりも全然愛くるしくもなければ特徴もない雑魚微生物の極みで、今となっては明らかでしょう、その進化的戦略は残念ながら全然いいものではなく、消化管や口など、それ専用の器官を持つコストはあるけれど、それに見合う圧倒的なリターンがあったということで、器官を退化させたこいつらはその形でそれ以上進化することはなく、発展しなかったという感じになってしまったわけですね。

(まぁ(時間がなかったので)進化系統樹・分子進化学的な話をしっかり追ったわけではなく、↑の考えは今僕が勝手に考えたストーリーなので、もしかしたら詳しくはそういうわけではないのかもしれませんが、恐らくそんな流れの、進化的に袋小路に入ってしまった生物かと思われます。

…とはいえ、絶滅せずに現存しているだけで立派ですし、決して「進化の失敗作」と断じられるわけではないのかもしれませんけどね。)

 

実際、逆に進化の流れを辿る上では貴重な学術的な研究対象になっているともいえますから、全く無意味な存在ではない、といえましょう。

(まぁそれも、「人類の叡智にとって、無駄ではない」という何とも人間のエゴが挟まった考えに過ぎず、こいつらも、もちろんサナダムシもプラナリアも、別にそんなことは考えずみんな必死に進化して生きている立派な生物でしかないんですけどね。)

 

真ん中のニハイチュウ(「菱形動物」で、「ひしがた」ではなく「りょうけい」と読むようです…まぁそもそも全然ひし形っぽくないですけど(笑))なんかは実際そこそこ研究対象として面白い生物のようで、結構歴史も深く昔から色々と調べられており知見も積まれているようですけど、まぁ細かすぎますし僕の専門でもなく、ウィ記事をなぞる以上のことはできないので、「興味ある方はウィキペディアやその他生物図鑑(よっぽど大きなものじゃないと、こんなの扱われてないかもしれませんが)などをご参照ください」という得意の丸投げコースでいかせてもらおうかと思います(笑)。

 

では、次回もまた引き続き動物の進化の道を辿って行こうかな、と考えている感じです。

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