前回は動物が左右対称であることからおもむろに思いついたネタ「寝るときのオススメの姿勢」なんかに触れていましたが、どうやら横向き、しかも左向きが健康維持には一番いいらしいというのが現在の最新医学的見地とのことでした。
左寝好きの僕としては「いい情報が聞けましたわい」と気分を良くしたところで、また元ネタに戻っていこうと思います。
まぁ元ネタといってもそれ自体脱線から生まれたチョイネタだったわけですが、生物の分類について色々と垣間見ており、五界説…だろうと六界説だろうと、やはり常に主役だといえましょう、我々自身を含む「動物界」について、動物界を更に分けていくとどうなる?…という話から、「界」の次の区分である「門」を見ていました。
既に何度も掲載している門リストのスクショ画像を再度掲載させていただきましょう。
発生の段階でハッキリとした組織・器官に分かれる3胚葉性生物全体を含めて(=無胚葉・2胚葉という原始的なザコ生物を除いて)「左右相称動物」という分類で呼ばれることもあるという話でしたが、続いてはその「左右相称動物」こと3胚葉性の動物を分けるならどうなるか、ですね。
これはズバリ、表の左端3つ目にあります通り、「旧口(きゅうこう)動物」と「新口(しんこう)動物」に分けられる形になっています。
ここからはそこそこ大きな違いであり、高校生物でも習う話になっているため馴染みがある用語ですけど、この表では旧口・新口となっていますが、ウィキペディアの表題は意外なことに別名が掲げられていました。
↓のように…
前口・後口(ぜんこう・こうこう)という名前でも表記されるようで、「時代とともに変わったのかな?」と思いきや、上記ウィ記事によると、
専門書では「後口動物」の語が使われることが多いが、高校生物用の参考書では「新口動物」の語が使われている。
…とのことなので、僕はこの辺の分類学は高校生物で学んだぐらいでしたから、旧・新の方が馴染みがあるのはそういう理由だったんですね。
まぁ名前はともかく、こいつらの違いは一体何なのか…?
これは非常に分かりやすくまたハッキリした違いでして、あらゆる動物(※注)は雌性配偶子である卵に、雄性配偶子である精子がくっつくことで受精卵という一つの細胞が生まれ、そのたった一つの細胞が受精をきっかけに分裂を続けて新しい生命体として発生していくわけですけど……
…と、いつも本題に入る前に「※注」とかで話が逸れて本題が後回しになるのは僕の文の悪い癖な気もしますが、「※注」とマークを付けた通り、動物の中には無性生殖を行うものもいるので、「あらゆる動物が…」はちょっと語弊があったかもしれません。
有名な無性生殖を行う動物に、ヒドラなんてのがいますが…
…「は?ヒドラって、実在する生物やったん?」と思われるぐらいにマイナーな生物な気もしますけど、まぁ架空の生物はキングヒドラとかで笑、ヒドラは普通にこの世にいます笑。
ゲームとかでも強いドラゴンタイプのモンスターとして出てきそうな印象もあるものの、実際のヒドラは↑のスクショ画像のように、何かただビロビロとしたヒモが広がってるだけの、ハタキのような、裂けたビニールテープのような、何とも謎めいた感じですね。
クッソ弱そう(笑)。
とはいえナメてもらっては困ります、このヒドラさん、先ほどから仄めかしている通り、オスメスが協力しないと子孫すら残せないザコ生物とは違って、単一の個体から、ボコボコっとまるで芽が出る感じで新しい個体を形成可能になっているのです!
まさに「出芽」と呼ばれる増殖形態で……
…こんな感じで、本当にクローンかのように、完全に自分のコピーを生成できるというイカしたやつですけど(この出芽の際に、頭が複数あるように見える様子がギリシャ神話のヒュドラを彷彿とさせるということで、こんな大層な名前がついたとのことですね)、これは結構面白いといいますか、人間でもできたら凄いことになってただろうなぁ…と思えますけど、まぁそれはSFの世界すぎるので想像でしかない話ですね。
(言うまでもなく、分裂するかのように自分を増やせるのは、こういう単純な生物だからこそできるものになっています。)
とはいえ、「ヒドラといえば出芽」のイメージでしたが、上記ウィ記事によると、栄養状態が良い場合は出芽でガンガン増えるものの、そうでない場合は普通に受精して増える有性生殖も行うということで、あれ、やっぱりこいつらも一応卵と精子を用いた増え方も可能でしたか。
他にも「受精を介すことなく新しい子をなす」といえば、ミツバチなんかも有名ですけど、これもこれで、「そういう風に子を増やすこともあるけれど、受精で増やすこともある」タイプですし、このタイプは一般的に「単為生殖」と呼ばれるもので…
…まぁ僕はこの辺の生活環的な話も専門ではないので詳しくないのですが、パッと調べてもやっぱり、動物界に存在する生物で、完全無性生殖で増えるもの(=有性生殖を一切行わないもの)はいないっぽいですねぇ~。
(一番原始的な、胚葉の区別すらない海綿動物でも、有性生殖と無性生殖の両方を行うとのことですしね。)
そんなわけで、「注」を入れずとも基本的に動物はみな卵と精子がくっつくことで発生する、たった一つの「受精卵」という細胞から1個体へと成長していく…という話で問題なかったかもしれませんけど、せっかくなので脱線ついでにもう一つ……
そもそもの「オス」と「メス」という区別というか両者の定義は一体どうなってるのか、これは学んだことがないと意外とパッと答えられる人が少ないのではないでしょうか…?
まぁ最近流行りの性の多様性とかそういった話ではなく、あくまで生物・動物として、オスとメスはそういえばどうやって定義されているんだろう?という話ですね。
人間に着目すれば、まぁ体の特徴があまりにも顕著ですけど、他の動物、犬猫とか…はまぁこれも、人間と違いぱっと見の大きさや雰囲気では即座に判別が付かないことが多いものの、生殖器を見ればまぁ分からんでもない感じではありますが、例えば昆虫とかまでいくと、見た目的にはほぼ区別がつかないものも大勢いるわけです。
もう少し詳しい人ですと、「X染色体を複数持つものがメス、X染色体とY染色体という異なるものを持つものがオスだろ?」と思われる場合もあるかもしれませんが(まぁそこまで知っていたら、そうではないこともご存知だと思いますけど(笑))、これも、人間ならそうでも、実は全然そうではないパターンもあり…
そのまんま「雌ヘテロ型」と呼ばれるタイプの動物も存在しまして(ホモ=同じ、ヘテロ=異なるという意味)、例えば鳥類やヘビなんかがこのタイプ=オスが同じ染色体を持ち(雌ヘテロ型の場合は、ZとWと呼ばれ、ZZですね)、メスが異なる染色体を持つ(ZW)形になっているため、染色体の異同パターンで決まる話でもないのでした。
しかし言うまでもなく、有性生殖する生物は基本的に「オス」と「メス」に分けられていまして、これはどういう定義で分けられているかといいますと、身体の形態的特徴でも染色体のパターンでもなく、ズバリ、命のもと=配偶子の大きさで分けられているのでした!
言うまでもなくどちらがどちらかはどなたもご存知でしょう、より大きな雌性配偶子=卵を作る方がメス、より小さくしばしば運動性に富む雄性配偶子=精子を作る方がオス(まぁ「雌性・雄性」って書いてるので当たり前ですが、論理の流れは逆ですね(笑))であるということで……
まぁ人間の場合は例によって心の問題とか、「配偶子を作れない人に性別はないというのか?!」となりかねないので、むしろ人間の場合にはあまり適用されないルールかもしれませんけれども、一般の動物でオスメスをどう区別(まぁ区別というより、これも人間が勝手にそう決めてるだけなので、「定義」と言った方が正確ですけどね)しているのかと言いますと、これは「配偶子の大きさの違い」で決まっている…ということなんですね。
もちろん二種類の配偶子が同型(ほぼ同じサイズ)のこともありまして、その場合はオスメスの区別はなくなりますけど、それは原始的な単細胞生物なんかにしか見られないはずのもので、少なくとも動物界に所属する高等生物は、全て異型配偶子で、大きいものを作る方がメス、小さいものを作る方がオスと決められている感じになるわけです。
まぁ、「だから何だよ」という脱線ネタで、まさかの本筋ネタであったはずの旧口・新口の話に辿り着かず時間切れになってしまいましたが、そちらはまた次回改めて見てみようと思います。