前々回、そして前回までの記事(↓)で、「鏡が左右にだけ反転するのはなぜなのか?」という疑問について、僕なりの考え(という程でもなく、そこそこ多くの方が似たような考えを持っている感じでしたが)をまとめていましたが……
…おしまいの〆に「鏡についてはこのぐらいですね」とか書いていましたけど、次のネタへ行く前に最後の最後のまとめだけしておきますと……
僕の説明は、実は「鏡はなぜ物体を反転して映すのか?」については何の説明も加えておらず、単純に、
「前後か上下左右か何か知らんけど、鏡というものは何かが入れ替わるものであり、その入れ替わり方は、『自分がそうなるように鏡に映した/映り込んだ』からそうなっているだけ」
…というものでしかなく、「まぁ『そう映るように映した』ってのがそうだとして、じゃあそもそもなんでそう映るの?」と聞かれたら、「…鏡ってのはそういうもんなんだよ!」としか言えないんですけどね(笑)。
例えば、鏡と正対する状況、つまり極めて一般的な「左右が反対になる形で鏡に映り込む」状況を、僕は「背中側にあった鏡に自分が映り込む際、逆立ちして鏡と向き合うのではなく、回れ右をしたから」という説明で、「そう映るように、左右に回って鏡に映ったんだから、そらそうだろ」と言っていたわけですが、しかし、実は凹面鏡、いわばスプーンのくぼんだ方に顔を映すと、曲がっている鏡なので歪むのはもちろんなのですが、それ以上に面白い点として、上下逆になるという不思議な性質があるというのは、どなたも経験がおありで、イメージに容易いのではないかと思います。
画像を貼るまでもないですが…
…スプーンの内側に顔を映したら、こうなりますよね。
これは、僕が言う「回れ右して左右を回転させることで、スプーンに映った」と同じ状況だといえるのに、「上下逆になっとるじゃん」と言われたら言葉に窮するわけですけれども、まぁ上述の通り、「凹面鏡はそういう性質だから…」としか言えない話であり、結局前回最後にも書いていた通り、鏡ってのはそれだけ奥が深いものなのです…って話だといえましょう。
…まぁとはいえその辺の話は、実は高校物理で学ぶ程度の話なんですよね。
僕は物理選択ではなく、物理は高2の頃に必修の「力学」と「波動」の序盤までしかやっていないので習った記憶はないのですが、例によって「わかりやすい高校物理の部屋」に、この凹面鏡についてまとめられた記事がちゃんとありました。
まぁ必修の物理は受けていたので教科書も持っていましたし、中学理科ではこれの導入編と言えるレンズの話も学んでいたので用語などは見覚えあるわけですけど……
…出た出た、「焦点距離」に「写像公式」……文字が大量に出てきて、色んな方向に線が引っ張られているあれ……キッショ(笑)
もちろん流石に今見たら理解できますけど、こぉ~れ本当に嫌いだったなぁ~。
そんなわけで、説明したくもないため、スプーンの内側で反射した像が上下逆になる理由のカッチリした説明を知りたい方は、↑の記事などをぜひご覧ください、と丸投げさせていただきましょう(笑)。
(いつもは「わかりやすい高校物理の部屋」の解説記事を必ず「分かりやすい!」と膝を叩いて称賛していたのに、今回は一言も「分かりやすい」とは言わなかった辺り、苦手意識が垣間見えるってもんですね(笑)。
一応結論だけ一言で言えば、「焦点距離の外側から見たら、上下が反転する」って話ですけど、なぜそうなるかはやはり画像付きで↑の説明などをご覧いただくのがベストだと思います。)
…と、鏡のまとめというか補足で、意外と長くなりました。
本当は今回、「こないだ見ていた『斜めの部屋』の重力の錯覚とかに触れていて、これも触れてみようと思っていたのです…」というネタとして、その他の錯視・錯覚の面白い画像をまとめてみましょう、なんて話を見ていこうと思っていたのですが、色々貼るには前置きが長くなり過ぎました。
なので、個人的に好きな錯覚ネタはまた次回にまわすとして、錯覚の話を色々見ていたら目に付いた、まぁ同じ「錯覚ネタ」の一種ではあるんですけど、ふと、「初めて見たときは全く理解できなかったけど、そういうことだったのか!」と思えるものがあったので、今回はまず1つだけ、それを紹介してみようと思います。
それがズバリ、記事タイトルにもしました、ドレスの色の話!
インターネッツ大好き人間の読者の方なら、数年前に話題になっていた(具体的には2015年なので、もう9年前ですが(笑)……おっさんの言う「数年・ちょっと前」が「ほぼ10年」である衝撃よ(笑))、この画像(ウィ記事サムネ画像(↓))に見覚えがあることでしょう……
…あまりにも世界的に話題になっていたので、「The dress」でもうこのドレスのことを指すレベルになっているようですが、ズバリ、このドレス、
「青と黒に見える」
という人と、
「白と金に見える」
という人と、世の中には二種類いまして、実際はどっちなのかの大論争が起こっていたわけですね。
ちなみに僕は「青と黒」にしか見えず、「白と金?頭がおかしいのかな?そんなこと言うキモい人とは友達になりたくないね」などとずっと思っていたわけですけど、確か当時、
「若い女の子とかは白と金に見えやすいらしい。逆におっさんには青と黒に見えるんだって」
という情報も流れていまして(多分嘘ですけど(笑))、
「…やっぱ嘘。自分にはない発想を持った柔軟な人と友達になりてぇわ」
と手の平クルクルしてたわけですけどまぁそれはともかく(いや別に若い女の子と友達にも別になりたくないし、冗談ですが(笑))…
ちょうど錯覚ネタについて調べていたら、前回に続きまたまた知恵の泉Quoraがヒットしてきまして、まぁ次回はそのQuoraでまとめられていたネタを「この錯覚、本当に感動的で好きなんすよねぇ~」といった感じでしょうもない話をまとめる予定なんですが、その中に「このドレスの見え方の解説」があったのです!
当時、どう考えても白と金に見えるわけなさすぎて、不貞腐れて「もう知らん、やっぱり若い女の子とは気が合わんのや!」とか一人で拗ねてこのネタからは離れていたのですが、十年弱の悠久の時を経てナイス解説に巡り会えるとは嬉しい限りです……
何気に上記ウィ記事にも解説画像はあったのですが、ドレスの部分を切り抜き移動して「同じ色」であることを示してくれている分かりやすい、そしてより可愛らしい女の子のGIFアニメ画像がQuoraの方にあったので、こちらをお借りさせていただきましょう。
スゲェ~!
というかこういう、「影がかかることで実際の色とは全然違って見える錯覚」は色々見たことがあったのですが、「白金」がまさにこういう感じで見えているとは考えが及びませんでした。
白と金に見える人は、「ちょっと暗みがかった状態で写されたドレス」であると認識していたんですね…!
(あれ、でも、確か「明るすぎて光が飛んだ『白・金』に見える」なんて説明も当時見た気がしますが……まぁそれは勘違いだったかもしれません。)
ちなみに、実際この錯覚画像もかなりレベルが高く、この切り抜かれた「青黒」と、横の「白金」部が同じ色に見える人は相当色彩センスに優れた人だと思うといいますか、このアニメーション動画を見ても、「途中で色変えてるだけでしょ…?」と思う人すらいらっしゃると思うんですけれども、自分で画像処理ソフトから開いて切り取り移動してみたらよく分かります、マジで見事に完っ全に同じ色ですよ。
人間の目と脳はとても不思議といいますか、錯視というのは凄いですね…というところで、次回はまた他の錯視錯覚画像をお借りしていこうかな、と思います。