鏡は前後を入れ替えてるだけなんだろうか…?

前回の記事では、「鏡はなぜ左右だけ反転するのか?」という点について、個人的にはそこそこ分かりやすく、また納得もいく気のする説明、「左右反転するように映したんだから、左右反転しますよね」(ダイソーの店員が言うように(笑)(参考:↓))という話を書いていましたが……

 

dic.nicovideo.jp

 

…まぁこの有名ネタは、色々な人が考察を積み重ねているもので、かの日本史上最高の物理学者の一人・朝永さんは「決定的な結論には至らなかった」と書いていた気もするこの難問も、何だかんだ各人が納得できる、それっぽい説明というものはされているものと言える気もします。

 

匿名質問に識者が回答をつける知恵の泉サイト・Quoraでも盛り上がっているトピックのようで(↓)……

 

jp.quora.com

 

…関連回答も含めたら91件ものアンサーがヒットしてきましたが、何気に、僕と全く同じ主張をしている(しかも、平仮名の「あ」を使って)回答も目に付いたので、まぁあの説明もそこそこ的を射ているのではないかという風にも思えて自信が湧いてきたわけですが……

(ちなみに昨日の記事はQuoraを見る前に書いていたので、決してパクったわけではなく、むしろもう20年近く前に自分で考えた説明ですから、逆に僕がパクられた気さえするぐらいですね(笑)。

…というのは冗談で、僕もネットの説明を見ながら考えた話だったので、全然自分オリジナルのアイディアでもなかったわけですけど(笑))


…色々見ているとやはり、「鏡は左右にも上下にも反転なんてしないんだよ。鏡は『前後』だけを入れ替えているのさ」って説明を最もよく目にする気がするわけですけれども……


まぁ、例の「自分がそう映しているだけ」という説明が大のお気に入りである僕には、「な~んか分かりづらい説明ちゃいますぅ~?前後が変わってるって言われても、僕の拙い空間把握能力では、全然納得感がありませんよ」とも思えてしまいます。

 

それに関して、まさしく全く同じように納得いかないと思われている方のコメントが、同じ質問に対する投稿としてついていました。

 

せっかくなので分かりやすい画像もお借りしたいので、岡野文彦さんによるこちらのポスト(↓)から、一部コメント付きのスクショ画像をペタリとさせていただきましょう。

jp.quora.com

 

https://jp.quora.com/doushite-kagami-wo-miru-to-sayuu-ha-hanten-shi-te-iru-no-ni-jouge-ha-hanten-shi-tei-nai-node-shou-ka/answers/96790153より(コメント前半)

 

まぁ正直、特にこのサバ缶の画像ですと「確かにこうして見ると、『前後を入れ替えている』というのも納得できるね…」と思えてしまうのですがとりあえずそれはともかく(笑)、結局全文掲載する形になりますが、後半でされていた問題提起の方から見て参りましょう。

 

https://jp.quora.com/doushite-kagami-wo-miru-to-sayuu-ha-hanten-shi-te-iru-no-ni-jouge-ha-hanten-shi-tei-nai-node-shou-ka/answers/96790153より(コメント後半)

 

そう、やはり、この状況を考えたら、「何が前後だよ、やっぱり鏡に映ったら、左右が変わってるじゃないか」としか思えないような気がするんですよね。

 

まぁでもこれも結局、前回書いていた、「そう映るように映ったから」に過ぎない話で、上の例の場合、自撮り棒でカメラをA君B君2人の顔に向けているわけですけど、ここで、2人を鏡に映した場合にどうなるか(というか、我々人間は普通どうするか)という話なわけですが……

 

この時、「自撮り棒についていたこちら向きのカメラを外し、カメラのレンズを鏡の方に向ける」というステップを踏むわけですけど、言うまでもなく、我々はカメラをくるりと左右に回転させて……要は、(一眼レフのような、いかにもなカメラを想定しますと)フラッシュやボタンの付いている上部は上で、平らな底面は下にしたまま、左右をくるり回してカメラの向きを変えてやるわけですけど……

…ズバリ、この操作こそが、「鏡の中の像を、あなたが左右逆に映るようにしただけ」って行為でしかないわけですね。

 

カメラの向きを変える際、(普通は絶対にそうしないですが)フラッシュや各種ボタンが下に、底面が上に来るようにグルんとひっくり返して撮影すれば、出来上がった写真は、最初と同じように、向かって左に(上下逆さまになった)A君が、向かって右に(上下逆さまになった)B君が写るということで、何てこたぁない、最初の状況と比較して、左右は全く反転されてない鏡像が得られるにすぎない話だったと、そう言えましょう。

 

(あるいは、カメラなどを考えなくても、元々背中側にあった鏡に映り込む際、おもむろに逆立ちしたら上下だけ変わる…というのは、前回も書いていた話でした。)

 

ただこの説明だと、逆に最初のサバ缶の話が一瞬ちょっとどう説明すればいいのか悩めてしまったんですけれども(この画像だと何となく、正面向いて立っているだけのサバ缶を普通にそのまま鏡に映したら、左右がひっくり返っているようにも思えるので)、これも結局、

「鏡を左右反転するように置いたから」

…ってのがその理由でして(まぁ、円形の缶だとちょっと分かりづらいので一瞬迷うものの、鏡は動かさず、缶を上手く鏡の前に置くことで「上下反転」にもできるんですけどね)、鏡が一般的によくある垂直に立っている形ではなく、地面に置かれたらどうなるか?……を考えてみますと……

 

…ってまぁこの説明もたまに聞くし、個人的には(例によって空間把握能力が低いこともあって(笑))「地面に鏡を置いたら、物体はどのように映るか」がイメージしづらく、絶対に「鏡固定で、被写体が鏡に映るようにする際、どう回る(回す)か?」と考える方が分かりやすいように思えるんですけど、

「立ってる物体はそのままで…つまり、街角に立っている位置を動かせないようなオブジェが街角の鏡に映りこんだら、左右が変わってるじゃないか」

という主張への良い反例として、「鏡を立てるという常識を疑え」というのもいい説明に思えてきたので、これも考えてみる価値がある状況だといえましょう。

 

サバ缶の例はこの画像しかなかったのですが、一連の質問の、現在おすすめトップに挙げられていた回答に、ズバリ並べて表示してくれているものがありました。


こちらは木工用ボンドを鏡に映した写真ですね、これまたスクショ画像をお借りさせていただきましょう。

 

nakatsujiさんによる、トップ評価回答より

そう、立てた鏡に映った「木工用ボンド」は、言うまでもなく左右反転して、濁点が左上に、「ン」の一画目は右上から左下に書かれる形で鏡の中には映っているわけですが…


下の画像、地面に置いた鏡に映ったものはどうかと言いますと、濁点は文字の右下に、「ン」の一画目は左下から右上に向かって書かれているという形で、まさしく左右は全く変わっておらず、上下だけが変わった像になっていると、そういえるんですねぇ~。

 

ということで、鏡の置き方一つ取っても、「自分がそう反転するように映しただけ」という主張は大変説得力があるものになっているのではないかと思います。

 

ちなみに、「前後を反転させる」という僕が見る限り最も主流な鏡の説明に関しても、これを否定する大変分かりやすい回答がついていました。


市田孝之さんによる、「これは納得!」という解説も、明快なイラストに説明文込みのスクショでお借りさせていただきましょう。

 

https://jp.quora.com/doushite-kagami-wo-miru-to-sayuu-ha-hanten-shi-te-iru-no-ni-jouge-ha-hanten-shi-tei-nai-node-shou-ka/answers/293159102より


まさに画像にある通りで、やっぱり鏡って必ずしも「前後を反転」ってわけでもないんですよね!

 

市田さんの説明では「面対称の像を作るだけ」というものでしたが、まぁそう言われても正直物理苦手民としてはあんまりどういうことなのか想像できず「そうなの?」としか言えない気もするんですけど(笑)、画像を見ると説得力がありますね~。

 

まぁこの説明も正しいんだと思いますが、これは見方を変えれば「どう映すか」に帰着されるものだと思いますし、(これは↑の説明や、その他多くの回答にもありますけど)結局の所、人間がほぼ左右対称であること、および重力の存在といった要素から、

「鏡は左右対称に映すように使うことが多いので、左右を反転させるものだと錯覚する場面が非常に多くなっている」

…ってだけなのかな、って気がしますね。

 

とはいえこの考え方も、現象の一部を切り取って単純化しただけに過ぎず、(しつこいですが)朝永さんをも悩ませた難問だけあって、実は深く考え出すと思いのほか難しい話な気もするんですけれども(実際、考え方によっては、「前後を反転させている」という説明も、上の画像の3パターンどの場合でも一応成り立つ話とも言えますしね)、やっぱり僕は、

「自分が左右反転するように映したから、左右反転するのだ」

という、進次郎構文にも思える面白さがあるこの考えを貫きたい次第です。

 

Quoraの説明をいくつかなぞるだけの大した話にもなりませんでしたが、まぁ鏡はこの辺にしておくといたしましょう。

では次回は、いい加減そろそろ保留中の話に戻っていこうかなぁ、と考えています。

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