身近で面白い物理現象なんかをおもむろに見始めていたシリーズですが、一つまたチョイネタとして浮かんだものがありましたので、慢性的なネタ不足時間不足が悩み所な現状、藁にも縋る思いで今回はそちらに触れることでお茶を濁してみようかなと思います。
元ネタとしては、こないだ遠心力の話で、振り子運動をするトンデミーナという富士急のアトラクションでかかる「G」を計算しながら…
…最高速度では7Gに及ぶ重力がかかるということで(当初計算ミスにより13Gだと思っていたわけですが)、「精神と時の部屋を実感できるアトラクションといえますね!」などと書いていたことに話は遡るわけですが……
まぁとりあえず、「あたかも常識のように『精神と時の部屋』みたいなのを会話に出すのやめなよ、これだからオタクくんは……」って話だったかもしれないので(笑)そっから説明しますと、「精神と時の部屋」というのは、ドラゴンボールに登場する、カリン塔上空に存在する神殿の中に位置します…
「出入口横の簡易居住スペース以外には全く何もないただひたすら真っ白な空間(地球と同じ広さ)で、ここでの1年が外界での1日に相当し、さらに部屋の中は常に重力の10倍=10Gがかかっている」
…という、まぁ真っ白な空間とかはどうでもいいし、今回のポイントである10Gも正直どうでもよく、「1年過ごしても外では1日」というのが神過ぎる設定なわけですけど(でもまぁ、若い頃なら時間の有効活用=他人より圧倒的な密度でのトレーニングにつながりますけど、大人になってからは他人より365倍のスピードで老けるだけなので、全然嬉しくもない部屋かもしれませんが(笑))……
…って精神と時の部屋とかはどうでもよく(ただ記事水増しのために触れただけでした(笑))、ここでのポイントは、「高重力の部屋」って話だったわけです。
で、「トンデミーナで『精神と時の部屋』気分が味わえますね!」とか書いてたわけですけど、書いてて自分でも、
「動いてるアトラクションの何が『部屋』だよ、自由に歩き回ることもできねーじゃねーか(笑)」
と、全然上手いこと例えられていない状況に歯がゆさを感じていたのでした。
そこで思い出したのがズバリ、記事タイトルにもしました、「斜めの部屋」!
こちら、まぁ科学館とかの体験型アトラクションみたいなもので結構どこにでもあるものじゃないかと思うので、入ってみた経験がある方も大勢いらっしゃるように思うんですけど、僕は子供の頃に入って大変面白くて衝撃を受け、大人になってからも、こちらへ来てから博物館みたいなものに行く機会があったため、そこで久々に入って、「大人になって色々な知識をもってしても、やっぱり不思議で、面白い!」と感動した記憶があるのですが、ズバリどういう部屋なのか……
もちろんその名の通り「斜めになった部屋」でしかないんですけど、当然、部屋の内装は真っ直ぐに見えるように、錯覚を引き起こすように塗装されている感じで、部屋に入るとあら不思議……
…まぁ言葉では表しようがないんですけれども、真っ直ぐ歩きたい・立ちたいつもりが、どうしても体が斜めってしまうといいますか、より分かりやすい表現をすると、一方の壁に強烈な力で引っ張られるように感じるのです。
体験されたことない方からすると、「いやそんなわけないでしょ」と思われるかもしれませんが、本当に、実際は斜めに傾いているのにさも真っ直ぐであるかのように構築されているだけで、人間というのは本当に愚かなもので、見た目と実際の傾斜が一致しないというただそれだけのことにもかかわらず、
「凄まじい重力を感じる!!」
と、強烈なGで部屋の一方側に吸い込まれるような、まさに超重力の、「精神と時の部屋み」を感じるというもので、これは言葉では伝えようがありませんし、未経験の方はぜひとも入ってみていただきたく感じる、大人でも面白いと思う物理系アトラクションの傑作だと思えてなりません。
と、文字だけではやはり何のこっちゃという感じですので、実際どんな様子なのかを確かめてみるべく「斜めの部屋」で検索した所、大分科学館の計画段階の資料に、可愛い子たちがめちゃくちゃ分かりやすく斜めの部屋で立っている様子の写真があったので、こちらをお借りしてみましょう。
まぁ画像だけ見ると、「ふざけてるのか?」と思えるといいますか、「器用に斜めに立つ子供じゃのぅ」なんて思えるかもしれませんけど、本人たちはこれでまっすぐ立ってるつもりなんですね。
(いや、流石に斜めってるのは自覚できたような気もしますが(正直そこまでどうだったかは覚えてません(笑))、「こう立たないと安定しない」という感じだといえましょう。)
調べたら、一般的に「斜めの部屋」の傾斜角度は25°とのことなので、25°傾けて見てみるとしますと…
そう、まさにみんなピッタリ正立している感じになりましたが、やっぱりこの子らは、自分たちの中では「真っ直ぐ立ってるつもり」になってるんですねぇ~。
とはいえこれだとあんまり部屋の面白さが伝わってこない気もしますね……。
もう少し分かりやすい画像はないのか、検索を世界に広げるべく、英語で「tilted room gravity」と、「tilted(傾いた)」のみならず「gravity(重力)」というキーワードも入れて調べてみたら、我らがピッツフォードの子供博物館がトップでヒットしてきまして、そこに掲載されている写真が、小さい男の子が引っ張られてる様子がとても分かる感じでナイスだったので、こちらもお借りさせていただきましょう。
このように、真っ直ぐ歩こうと思っても、(この写真で言うと)左側の壁に吸い寄せられてしまうんですね~。
…というか、部屋の名前はまさしく「gravity room」ということで、斜めというよりも「重力の部屋」という感じのようで、英語だと僕の感じた「精神と時の部屋」感がより強いものだといえそうです。
まぁ画像も分かりやすいですけど、よく考えたら今の時代、動画でどんなものなのか実感するのが一番でしたね。
そんなわけで、早速gravity roomで動画検索をしたら、そのものズバリのものが出てきました!
まぁ、先ほど書いていた「傾き25°」というのはこの動画の33秒ぐらいの資料を参考にしていたのですが、動画では51秒ぐらいから部屋に入るわけですけど、レポーターのお二人はあまり「重力感」を出すムーブはしてくれなかったものの、1分16秒ぐらいからの、(このサムネでは見づらいですけど)後ろの棚にある緑のボールを転がして、まるでボールが坂を上っていくかのように感じる錯覚は初めて見ましたが、脳が混乱するレベルで面白いですねぇ~!
まぁ、期待通りのリアクションではなかったので、アメリカのおっちゃんにリアクションを期待した僕がバカだったかもしれませんけれども(同行してる姉ちゃんにいたっては、おもむろに腕立て伏せとかする始末(笑)…重力ルームでやることじゃなさすぎる(笑)…けど、精神と時の部屋と考えたらむしろいいトレーニングアクションかもしれませんが(笑))、調べたら何気に日本の「斜めの部屋」の動画もあるじゃあないですか!
こちらは栃木県子ども総合科学館の斜めの部屋の様子のようですが、子供科学館の割に大人しかいない気がするのはご愛敬として(笑)、流石は我らが日本人、ナイスリアクションで、重力で端っこに引っ張られる不思議な感覚が、よく伝わってきますね…!
大人がみんなとても楽しそうにしていますが、実際とても面白いと思います。
ご近所に科学館がある方はぜひ体験してみて欲しい限りですが、僕なんぞも、もしいつか家を建てることがあったら、1つぐらい斜めの部屋を作って、精神と時の部屋ごっこをしたいなぁ、などと思ってやみません(要らねー(笑))。
という所で、(錯覚ではあるけれど)すさまじい重力を感じる、とても面白いグラビティ―ルームの紹介でした。
もう一回ぐらい、物理関連小ネタに触れていこうかなぁ、などと予定しています。