トイレの渦は逆になるのか…?

前回の記事では、脱線ネタとして「コリオリの力」を取り上げていました。

 

その冒頭で、「一つ真偽の怪しげなネタを…」というようなことを書いていたのですが、その「真偽が怪しい」のは前回話に出していた偏西風(からの、飛行機の移動速度違い)では決してなく、時間が足らずに辿り着くことができなった今回のネタだったのでした。

 

そう、「コリオリの力」って、正直偏西風うんぬんでは別にあんまり聞くこともなく(これも前回書いていた通り、偏西風にはもっと地球全体の気圧配置・大気の循環的な、その他の要因も関わってくるので)、一番よく目にするのは、「トイレの渦」という話なんですよね。

 

まぁトイレに限らず、お風呂とか洗面台とかの方がむしろ挙げられるかもしれませんが、要は溜まった水を流す際に、排水口に大量の水が押し寄せると渦が発生するわけですけど、どうやら聞く所によると、コリオリの力の作用によって、北半球と南半球とでは、渦の向きが違うんだとか……。

 

もちろん、地球の自転は「北極から見たら反時計回り・南極から見たら時計回り」と逆向きの回転になっているため、赤道を向いて大地に立った際、左手の方へと回っていく北半球と右手の方へ回っていく南半球という違いがあることから生まれるものである…と言われる話なわけですけれども、果たしてこれは本当なのでしょうか…?

 

まぁ僕は南半球に降り立ったことがそういえばないので確認しようもないと言いますか、そもそもトイレとか浴槽の渦って、本当に常に同じ方向なんか…?なんてことが疑問に浮かびますけれども、今回はこの謎に触れてみようと思った次第です。

 

…と、謎に触れると意気込んではみたものの、こんな有名な話は僕があれこれ知った口を利くまでもなく、既にバッチリと解説がなされていました。

 

検索したらトップに出てきたのは、ログミーという良質なインターネット記事(動画)を日本語でまとめてくれているサイトによるもので……

 

logmi.jp

 

…↑の通り、そのものズバリの解説記事がありましたね。

 

サクッと結論から言うと、

 

コリオリの力は本当の現象ですが、実際に地球の両半球で流れる水の渦の回転も影響を受けるのでしょうか?

私たちの惑星は24時間ごとに1回転していますが、そのことは、5秒で流れる私たちのトイレに影響を与えるものではありません。

基本的に排水される水の流れる方向は、シンクやトイレなどの形によって左右されるのです。

 

…ということで、「流石にそうだよね、トイレの渦が毎回同じ向きとか、そんなわけなかろうもん」と、まぁ別にこれまでの人生で実際に違う向きになったことを確認したことはなかったので適当ぶっこいてますが(笑)、直感的に考えて、そうとは限らない方が腑に落ちます。

 

ただし、この記事の続きにもそんな話があった通り、コリオリ力の影響は「角度と速度が重要」ということで、基本的には「規模が大きくなればなるほど影響が出てくる」といえますから…

(=トイレの渦程度のショボさでは影響が出ないけれど(もちろんトイレを流した瞬間も地球は自転しているので、コリオリの力も確実にかかってはいるけれど、あまりにも影響が軽微すぎてその他の要因で渦の向きが決まる)、メリーゴーランドでボールを投げたら、確実に妙な方へ飛んで行ってしまう…のように)

…地球規模であれば絶対に大きな影響を生み出すものになっているんですね。

 

その最たる例が、前回も挙げていた偏西風で、もう一つより身近で有名な例としては、台風なんかがありますね。

 

台風というのは、高気圧の気団から、極めて低い気圧になっている低気圧団に向かって猛烈な風が吹き込む現象ですけど、このぐらいの規模ですと、本来であれば風は真っ直ぐそのまま高気圧→低気圧へと進むはずが、地球の自転の影響を受けて風向きが回転するんですね。

 

どのように曲がるのかについても、図などがあるとより分かりやすいでしょう、検索したら沢山解説記事は出てきましたが、我らがクイズノックのこちらの記事(↓)が、曲がる様子も分かりやすく図解してくれていて良かったですね。

 

web.quizknock.com

 

…そう、反時計回りに回転している北半球では、風の向きも真っ直ぐから右にぐにゃりと曲げられて、反時計周りのカーブを描きながらあの台風の円を形成している…と、そういう話になっているのでした。

 

まぁ今回は正直、分かりやすいまとめを貼るだけで終わりという何とも味気ないものになる所でしたが、しかしふと、「『規模が大きいと、コリオリの力を受ける』って、どのぐらいからなら受けるんだ…?」と気になって調べてみました所……

 

…流石は我らがYouTube、実験的に、しかも北半球と南半球の両方で検証してくれているという素晴らしい動画が見つかりました。

 

やはり、物理現象をこの目で分かりやすく見る上で、動画ほど素晴らしい教材はないですねぇ~!

まぁ英語ではあるものの、言葉はなして絵面だけでも本当に分かりやすいこちら(↓)、Veritasiumという科学・教育系のYouTubeチャンネルなんだと思いますが、そちらがまとめてくれていたこの動画が、非常~に良いですね!

 

www.youtube.com

 

動画の序盤では、「トイレで水を流すと、北半球だろうが南半球だろうが、渦の向きはそもそも時と場合によって異なる」(同じトイレでも、やっぱり水の状態とかで余裕で変わってくるんですね)ことが示されており、その後、彼らはそこそこ大きいプールを設置して、南北それぞれの半球で、絵の具を溶かし込んで渦の向きを分かりやすく示す実験を行ってくれましたが…

03:30辺り

…なかなか両方の回転が分かりやすい瞬間がなかったのですが、左側が北半球で行われたもの、右側が南半球で行われたプールの水抜き実験で、このスクショだと特に右側の南半球のやつが分かりやすいでしょう、ズバリ、南半球では右回り=時計回りに渦が発生しています!

 

別の場面では北半球ももっと分かりやすく示されていましたけど、もちろん北半球では逆の回転=反時計回りになることがハッキリ見て取れました。

このぐらい大きいプールで静かに水を抜くのであれば、ランダムな条件の影響はなく、確実にコリオリの力を見ることができるという、これは非常に面白い実験ですねぇ~。

 

ということで、当初「ガセです。トイレの渦が北と南で変わると思ってる人、バカです(笑)」とか書こうと思ってたのですが、コリオリの力はガセでも何でもなく、実際に働いている(大きな規模であれば、この目でみることができる)ということをこれ以上ない形で示してくれたVeritasium動画が大変印象的で素晴らしかった、の一言でした。


そろそろ面白物理ネタも切れてきが気もするものの、もうちょい粘って記事数稼ぎをさせていただこうかな、などと目論んでいます(笑)。

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