お湯はかけないで…!

前回は季節はずれの融雪ネタに触れていましたが、今回もうちょびっつだけ関連話に脱線していこうと思います。

 

まず融雪剤に触れたついでにこのネタも…と思って忘れていた点なのですが、雪が積もって雪かきをする場合、子供の浅知恵だと「お湯かけたら楽勝やん」とか思いがちなわけですけれども、これは絶対にやっちゃいけない最悪の行為なんですね。


雪国の人には常識を超えた常識、しかし一方雪国経験のない方は案外ご存知ないかもしれない話で、まぁ一面に雪が積もってる状況でお湯をピシャーっと振りまくなんてことはしないと思いますが、雪かきの場合、路面が凍結して事態が悪化するだけですし……

他にも例えば車のフロントガラスが完全に凍ってしまっているような場合、雪国モグリの方ですとマジで「沸かしたお湯をかけて一気に解決!」という愚策をついつい取ってしまいがちで、実際滅多に氷点下に行かない地域ですと、それをやってしまったトラブルは結構頻発すると聞きます。

 

凍った窓にお湯をかけるとどうなるかといいますと、まぁ何となく推測が付くとは思いますが、ガラスは温度差に弱いため、マジであっさり割れてしまう危険性が高いんですね!


実際の例として、フロントガラスではなかったですが、動画で実演してくれているものが見つかりました(↓)。

 

www.youtube.com

開始4~7秒ぐらい、凍ってるサイドウィンドウにポットから熱湯をかけたら、3秒ぐらいであっさありパリンといっています。


では凍ったフロントガラス(これが凍結してまともに前が見えないと運転できませんしね)はどうすればいいのかというと、ちょうど動画でも方法が紹介されていましたが、ヒーターの温度を上げ、デフロスタースイッチ(車に必ず付いてる、温泉マークみたいなアレですね。動画でも、割れた窓の直後に押されています)をONにし、あとはスクレイパー(プラスチックやラバー素材で出来ている、氷除去用の器具ですね)でゴリゴリ削る……というのが最もやられる方法だといえましょう。


(ちなみにデフロスターは「de-froster」で、「フロスト=霜」に、「除く」という意の接頭辞「de」がついたものですから、しばしば高湿度の日や冬場暖まった車内の空気が窓に当たって冷えて結露したり曇ったりしてしまうような場合の「曇り除去」で使われることが多い印象ですけど、本来の意味的には「霜取り」であり、温風を当てることで窓を温め、付いた霜・氷を融かすためのスイッチだといえるものなんですね。)


しかし、冬の朝にヒーター付けて暖まるまで待って…としている時間は中々ないですし、アイススクレイパーは、もちろん車のフロントガラスは丈夫なのでそれぐらいでは傷はつかないものの、何となく個人的にはガラス表面にダメージを与えちゃいそうで気が引けます。


(といっても、子供の頃雪国にいた時は、親がスクレイパーを持っていたため、全く無神経な典型的なガキンチョよろしく、「削るー!」と思いっきりゴリゴリ、「おいおいコイツわざと窓に傷つけようとしてんじゃねぇだろうな…」って思えるぐらいにガンガンぶっ叩いてた気もしますけどね(笑)。

 僕は車を持ったことはないですが、もし自分の車を持つなら、あんまりスクレイパーは使いたくないな、って気がします(笑)。

 親に怒られたことはなかったですけど、「流石になんとなく傷つけてしまいそうで怖い」ということに気付いた次第で、僕もいつの間にか悪ガキから大人になったんだといえましょう(笑))

 

ではどうするのが良策かといいますと、これも化学の力を使うのがベストなんですね。


といっても、融雪剤=塩をフロントガラスにドバーっとかけたら、それはそれで窓がドロベタに汚れてしまうことになりますし、そもそも塩粒だと斜めや垂直に立ってる窓には使い辛いですしね、ここは、融点のより低いアルコールを主成分とする、いわゆる解氷スプレーってものが活躍する場面だといえるように思います。


この場合、液体と液体が混ざりあうことになる(まぁ水は凍ってる状態なのでほぼ固体ではありますが)ため、凝固点降下とはちょっと違いますけど、代表的なアルコールである、消毒にも使えるエタノールは融点がマイナス117℃ですから、こいつがぶっかけられることで氷点下数℃程度の気温では最早氷は氷ではいられなくなり、融けて流れ去っていく…と、そういう仕組みなんですね。

 

ぶっかけることで気になる「汚れ」については、例えば実験でガラス板を使う際、まずエタノールで表面を拭くこともあるぐらい、むしろ掃除にも使えるレベルの薬剤といえますから、残存の汚れとかも気にする必要が全くない優れものだといえましょう。


とはいえしたり顔で書いているものの、車に乗らない僕は実際解氷スプレーを使ったことがないので、使用感は全く分かりません。


直感的には、偉大なるアルコール様の力で、吹きかけたら見る見る氷が溶けていってくれるようには思えるのですが……


…と、検索したら、価格.comの商品レビューマガジンで、代表的な解氷スプレーの比較検証を行っていくれている記事が見つかりました(↓)。

kakakumag.com

まさに使用感も実際の写真込みでよく分かる大変素晴らしい記事でしたが、意外や意外、解氷スプレーといっても、冬の早朝にガッツリ凍った表面というのは意外としぶといようで、何気にほとんどの商品ではスプレー缶のフタが尖ったスクレイパーになっており、スプレーした上で、結局ガリガリ削る感じで氷を除くことが想定されているようですね……

(しかも、見た目かなり鋭利なフタになっており、まさに「こんなのでガラス表面をこすって、大丈夫?」という不安がつきまといます…)


しかし、最後に登場してきた本命、我らがKUREの「アイス・オフ」という商品はこの中でも最強のようで、まさに「お湯をかけるがごとく、グングン氷が溶けていく!」という感じとのことで、溶ける速度も速く、また再凍結する気配もないということで、これは雪国における一家に一本レベルの必須アイテムといえるかもしれませんねぇ~。

 

まさにこういう魔法のような力のスゲェやつを求めていましたが、しかし説明を読むと、それだけ強力な作用をもたらすものってことはそれなりに強力な化学物質が含まれているもののようで、ウィンドウを撥水コーティングしているような特殊な表面の場合、そのコーティングも溶かして流してしまう可能性もあるので注意が必要、って点があるのはネックかもしれませんね…!

 

塩を擦り込むほどではないと思えるものの、強力なものにはどうしても副作用もある、って感じでしょうか。

 

しかし、個人的にはやっぱり、「アルコールを吹きかけたら融点がガッツリ下がってすぐ融けてくれそうな気がするけどな…単純にアルコールをかけるだけじゃアカンのかえ?」…と思い、検索してみたら、やっぱり単にアルコールをスプレーに入れて吹きかけるだけでも、かなりの効果が見られるように思えますね!

 

www.practicallyfunctional.com

こちら(↑)の「自家製フロントガラス用解氷スプレー」記事によると、消毒用アルコール(英語では「Rubbing alcohol」と表記され(rub=擦る;肌に擦って使うアルコールですね)、伝統的に、この表記で指すのはエタノールではなく、炭素がもう1つ増えた、イソプロピルアルコール(通称イソプロ)のようです。ただ、イソプロの融点はマイナス89℃であり、エタノールの融点よりも若干高いので、酒税がかかって値段が高くなる可能性もあるものの、エタノールを使うのでも全く問題ない(むしろより強力)かと思います)

…と補足が長くなったので仕切り直すと、消毒用アルコールを、70%あるいは90%で使えばどちらも完璧な作用を発揮する(50%まで薄めてしまうと効果が弱まった)とのことなので、まぁ×7/10倍程度に薄めて使うのが経済的でしょうか……そんな単純なスプレーで、なんと!

 

これが…

 

https://www.practicallyfunctional.com/homemade-windshield-de-icer-spray/より

 

こう!

 

https://www.practicallyfunctional.com/homemade-windshield-de-icer-spray/より

…と、スクレイパーガリガリ擦るような重労働もなく、ただシュッシュと吹きかけて放置するだけで、かなり深く積もっていた雪が、見事に爆融け!!


所要時間は2分とのことで、シュッシュしてエンジン付けてあれこれしてたらもう覇者準備完了といえましょう。

 

…とはいえこれはもしかしたら、画像のようなふんわりした雪で効果的なもので、カッチカチに張り付いているタイプの氷には、若干効き目が弱いのかもしれませんね(ツルツルの氷だとアルコールがすぐに滑り落ちていきそうですし、氷状態でもしっかり保持されるように粘度を足すなど、各社の解氷スプレーには色々と工夫がされていそうな気がします)。

 

…が、コロナ禍後、消毒液は家庭に常備されているものでしょうし、ある日突然「フロントガラスが凍っちゃった!何も備えがないよ、どうしよう!!」というような場合、その辺に転がっている消毒液を窓に振りかけてやるだけで、何もしないよりは確実に速やかにクリアな視界を獲得できると思いますから、オススメの方法(もちろん熱湯をかけるという愚策より圧倒的に!)といえるように思います。


手指の消毒液には何か別成分も含まれていそうな気はしますけれども、他の解氷スプレー自作記事(↓)を見てみると…

www.bobvila.com

こちらの記事では消毒用アルコールに、さらに食器用洗剤を小さじ1ほど加えて使っているようなので(まさに粘度アップの目的もあるように思えます)、多分石鹸みたいな成分があっても全く問題ないというか、改めて普通に清掃用にも使えるものだといえるわけで、(もちろん消毒液の方が解氷スプレーより確実にコスト高になりそうとはいえ、緊急解決策用には)消毒液をピュッピュとかけてやるのがオススメかな、と思えます。

 

ただ、あまりにも高濃度のアルコールは、(アルコールは揮発性が高いので、走ってたらすぐ飛んでいくから問題ない気もするとはいえ)ワイパーのラバーとかにはもしかしたらちょっとダメージを与えるかもしれないため、出勤後、気温の上がったお昼などにでも車の様子を見て、何かボディに成分が残ってそうだったら(特に混ざりもののある手指用消毒液を使ったような場合)、軽く水洗いしてやった方が車には優しいとはいえるかもしれませんね。

 

…ってなところで、牛歩のごときスローペースの脱線ですが、まだもうちょいひとネタ逸れていけそうなので、次回も関連話を続けてみようかな、と思っています。

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