世界一気圧が高い国は?

気圧とは、その上空にある「空気の重さ」に過ぎないのです、その証拠に、標準大気圧でかかってくる重さを地球の表面積倍してやれば、地球の持つ空気全体の重さになるりますから……なんてことを前回は書き連ねていました。

 

とはいえこれはあくまでも概算的な話であり、(こないだも書いていましたが)気圧というのは高度のみならず、天気図でおなじみの気圧配置なんかが示してくれている通り、普通に同じ場所ですら時と場合によって結構大きく変わるものになっています。

これはもちろん、その「重さのある空気」の流れによって発生する違いであり、我らが親方日の丸・気象庁の分かりやすい質問コーナー(↓)なんかが分かりやすくまとめてくれているように…

 

www.jma.go.jp

空気の流れ方や温度によって、この力が大きくなったり小さくなったりするので、高気圧や低気圧ができます。例えば、空気が下向きに下りてきているところは、地面を押す力が強くなり、高気圧となります。


…結局気圧というのはあくまで「圧力」であり、空気に含まれる分子が、物理的に接触する物体を押す力から生まれてくるものだということで、重さのみならず、そういう「空気の動き・流れ」も関係してくる話になるわけですけれども、元々その力を生み出すものはあくまで重力によって空気の分子が地球に引っ張られることによって生じる「空気の重さ」であるというのは、意識しないと案外抑えられていない人が多いポイントではないかな、と思います。


(まぁ、別にそれを抑えたところで、気圧性の頭痛がなくなるとかそういうわけじゃないですし、特に知る意味も何らない話でしかないんですけどね(笑)。)

 

気圧が低い所も高い所もあるけれど、基本的には海抜0メートル地点の標準的な大気圧は10万1325パスカル(「100倍」を意味する倍数単位「h」を付けて、1013.25ヘクトパスカルと表記することが多いやつですね)となっているといえ、標準気圧を生み出す空気の重さ(手の平を広げたぐらいの大きさ=150 cm2に150 kgのおもりを乗っけるのに等しい重さでした)と地球の表面積とを掛け合わせたら、この星の持つ全ての空気の重さに概ね等しい…という感じになってる話だといえましょう。

 

…と、その「気圧が低い所も高い所も…」と書いていて、「そういえばこの世界で一番気圧が高い所ってどこなんだろ?そこは天気頭痛に苦しむ人にとっての天国になるかもしれない…ってコト!?」という疑問がふと頭をかすめました。

(ちなみに、気圧が低い方なら、高い所へ行けばいくらでも気圧は下がりますから、まぁエベレスト山頂なんかが、陸地最低気圧なのはほぼ間違いない感じですね。)

 

例によってちょっと時間がない日が続いており、浮かんだネタは貪欲に使わせてもらおうということで、今回はちょっとその点を調べてみるといたしましょう。


日本語版のウィ記事にはなかったものの、英語版「大気圧」記事(↓)の方を紐解いてみたら、ズバリ掲載されていましたね…!

 

en.wikipedia.org

(翻訳引用)

地球上で最も海面気圧が高いのはシベリアで、シベリア高気圧はしばしば1,050hPa(15.2psi;31inHg)以上の海面気圧に達し、最高記録は1,085hPa(15.74psi;32.0inHg)近くまで達した。


…とのことで、「気圧が高い」=「スカッと青空、暖かい場所!」なんてイメージがあったので、「常夏の国とかかな…?」などと一瞬思えたものの、実際はその真逆、なんと、ロシアが一番平均気圧の高い国だったんですねぇ~。


そういえば引用文中にもあった、「シベリア高気圧」なんて、よく聞く気がしますもんね。

ja.wikipedia.org

ただ、文中にあった「最高記録」である1085 hPaは、もう少し読み進めてみるとシベリア=ロシアではなく、実はモンゴルのトソンツェンゲルだそうで、まぁモンゴルってめっちゃクリアな青空が無限に広がってそうなイメージがありますし、そこであれば何となく納得かもしれません……


…と思いきや、トソンツェンゲルは検索してみたら「モンゴル最強の極寒村」だそうで、テレビでもレポされたことがあったようですね…!(↓)

 

www.ntv.co.jp

まぁモンゴルもシベリアの一部っちゃあ一部な気もしますし(地理弱い勢の適当意見かもですが(笑))、スカッと青空の印象は朝青龍関の笑顔などによるものが大きいだけかもしれず、モンゴルって環境省のパンフによると普通に「年平均気温は-8℃~6℃」だそうで、かなり寒い、雪と氷に包まれた国、ってイメージの方が正確だったのかもしれませんね。

 

いずれにせよ、何気に気圧が高いのはそんな永久雪原的な北の大地だったわけですけど、そういえば「気圧は高緯度の方が高い」って話を耳にしたことがあった気もします。

 

理由について検索してみたら、知恵袋のQ&A記事(↓)がトップに来ていましたけど……

 

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

…「自信がないけれど、こういう考え方でいいのか」というご質問、めちゃくちゃ深く考察されていて、大変ためになる内容でした…!

 

やはり、知恵袋も馬鹿にできないですねぇ~。

 

まぁ回答される方も大変丁寧な説明をくれており、ぜひ実際の説明をご覧いただきたい限りですが、結局は気温が低いほど、空気の移動や、それ以上に空気の密度が大きくなる関係で重量が重く=気圧が高くなる、ってのが基本原則だったといえそうですね。


(改めて、前回触れていたボイルの法則にもつながる所ですが、気体というのは温度が低いと運動が鈍くなり、当然、キュッと縮まって体積は小さくなります(ちなみにその関係性は、ボイルの法則と一緒に習う、シャルルの法則と呼ばれるもので記述されるものになりますが)。

 その結果、同じ分子数で体積が小さくなる=密度が大きくなる=重くなる=圧力が大きくなる(最初と最後のイコール関係は、ボイルの法則からもいえます)といえるわけですね。)

 

そう考えると、常時高気圧=北国の寒~い地域、ってのも納得の話といえましょう。

 

もちろん高気圧と低気圧が並んでいる場合、空気は高→低の方向に流れるため、低気圧の場所には空気が流れ込んで上昇気流が発生して雲となり雨が降る……という感じで、

「低気圧は、基本的に天気が悪く、気温も低くなる」

…とはいえるわけですけど、それはいわば局所的な気圧差により生じる話であり、もっとマクロな、地球規模のレベルで考えれば、常に寒い場所は基本的に気圧がめちゃくちゃ高い場所になるといえる…って話だったわけですね。


なので、逆に常夏の島・赤道直下の国とかは平均すると常に低気圧であるといえ、実際局所的な超低気圧=台風なんかは、トロピカルな地域から発生するものですもんね。

 

もちろん、気圧性頭痛の原因は「気圧の変化」であるというのはこないだ書いていた通りですし、むしろ気温が低いとあらゆる体調は悪化しますから、「低気圧頭痛に悩む方は、シベリアへGO!」とは全くいえないばかりか、時間がゆっくり流れてそうな常夏の島にでもバカンスへ行けば治るんちゃいます?……とすら思えるぐらいですけど(笑)、いずれにせよイメージに反して、世界一気圧が高い国は吐く息が白くなりそうな北国で、逆に、ずーっと晴れてそうな南の楽園はデフォで低気圧なようです、という面白い話でした。

 

アイキャッチ画像は他になかったので、例のトソンツェンゲル村の画像をWikipediaからお借りさせていただきましょう。

https://en.wikipedia.org/wiki/Tosontsengel,_Zavkhanより

…あれ、「極寒村」とあったし、日テレのリンクカードサムネイルは真っ白だったので永久凍土的な白銀の世界を想像していたら、夏は普通に地肌が見える、のどかな場所だったんですね!

(逆に、まさにどんぴしゃ、いかにもイメージ通りのモンゴルとはいえそうです。)

 

このだだっ広い土地なら頭の痛みなんてなくなりそうですし、実際、常に高気圧であることは保証されているも同然の土地ですから、天気頭痛に悩む方の移住先にはもってこいかもしれませんね…!

(ただ、7月の日中平均気温は15.8℃とありましたが、1月は-30℃超、史上最低記録は-53℃とのことで、やっぱり流石に移住はキチぃかもしれないですね(笑))

 

※後日追記※

…と思いきや、後日、また別の候補地が浮かんできました。

より「楽園」に近い感じなので(笑)、そちらもぜひご覧いただければと思います(↓)。

con-cats.hatenablog.com

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