不快さを数字で表してみよう

ここ最近脱線して見ている湿度に関するお話、今回も1つ、湿度関連でちょっと脱線してみようかなと思えるネタがあったので、そちらに逸れさせていただきましょう。

 

こないだ飽和水蒸気圧(量)曲線グラフと、それに関する極めて分かりやすい解説記事(↓)を紹介していましたが…

 

www.s-yamaga.jp

こちらの一番下に、「不快指数」というたまに天気予報なんかで聞くことのある気がする有名指標について語られていました。


もちろん数字が高いほど「不快」に思えるというもので、気温と湿度の両方を考慮して算出される値になってるわけですけど、具体的な式は全く知らなかったので、今回取り上げてみようかな、と思った次第です。

 

全然関係ない話ですが、この「不快指数」、僕が初めて目にしたのは、小さい頃家にあったコボちゃんの単行本に収録されていた4コマ漫画の1ページになるんですけど、せっかくなので記憶を頼りに文字だけで紹介させていただくと…

 

「本日の不快指数は…」という天気予報を見たパパのコウジさんが、別室にいたイワオおじいちゃんに向かって「不快指数85だそうですよ、たまらないですねー」と言うのですが、次のコマでムスッと不快感極まりない表情をしたイワオさんが「100だよ」と吐き捨て、4コマ目で、当時まだ存在が珍しかったであろうエアコンの室外機から来る熱風が田畑家に向かってブオーと吹いているのがその理由と分かるオチ…

…正直、幼稚園児にはあんまり理解できなかったものの、一応なぜか今でも覚えてるぐらいに記憶には残った名作4コマですね(笑)。

 

面白いネタだと思いますが、実は不快指数は上限が100ではなく、青天井なので、イワオさんが「5000兆だよ」とか言ったらもっと面白かった気もしますけど(笑)、まぁそれは「5000兆円欲しい!」というネットスラングを知ってる人にしか受けないゴミみたいなネタなので、コボちゃん的には「不快指数100」で全く問題ないといえるかもしれません(笑)。

 

その不快指数、まぁ先ほど貼った山賀さんの記事にも計算式が載っていましたが、「感じ方の基準」の表なども貼られていたウィッキー先生の記事&その表も改めて貼らせていただくと…

 

ja.wikipedia.org

不快指数 体感
〜50 寒くてたまらない
50〜55 寒い
55〜60 肌寒い
60〜65 何も感じない
65〜70 快適
70〜75 不快感を持つ人が出始める
75〜80 半数以上が不快に感じる
80〜85 全員が不快に感じる
85〜 暑くてたまらない

 

不快指数85が我慢の限界を超える値らしいので、具体的な数字までは覚えていなかった先ほどのコボちゃんのネタも適当に「85」にさせていただきましたがそれはともかく、計算式としては、こんな感じ(↓)で導かれるものだったんですねぇ~。

 

  • 不快指数 = 0.81 × 気温 + 0.01 × 湿度 ×(0.99 × 気温 - 14.3)+ 46.3


めちゃくちゃごちゃごちゃした数字で、何でそんな複雑な形なんだろ?と思えるものの、まぁ偉い人が考えて上手いこと調節して作られた結果なんだろうなぁ、とは思えますけど、湿度には「負の項」も存在するので、気温が低すぎると、湿度が低いほど不快指数は上がることになりますから(具体的には「0.99 × 気温」が14.3を下回ると「湿度にかかる係数」はマイナスになるため、湿度が低いほど不快指数は大きくなる)、これは直感的にも納得の(=冬は乾燥してると不快)、まさに上手い形になっているといえましょう。


(…と思いましたが、先ほどの表を見ると寒いときは普通に不快指数が低いほど「不快な状況」と言える形になっている感じのため、そこは全然そうなってはいなかった……というか、低い温度での不快指数はあんまり的を射たものではないといえるのかもしれませんね。)

 

まぁ基本的に不快指数は夏の蒸し蒸しした状況で使われるものだということで、Wikipediaには気温25~45℃・湿度0~100%の不快指数が一覧で載っていましたけれども、湿度100%という究極状況だと、25℃で不快指数77であり、27℃で「全員が不快に感じる」とされる80に、30℃となると最早耐えられないレベルの85になるってことで、これは本当に直感的に納得のいく、上手い指標になっている感じですね。

 

逆に湿度が5%というカラッとした陽気なら、気温が35℃でも不快指数は75ということで、「25℃・湿度100%」より過ごしやすい(ほぼ同じぐらいの不快指数)というのは、まぁもちろん個人によって感じ方の違いはあるとはいえ、本当に言い得て妙な、絶妙な値付けといえましょう。

 

とはいえ先ほど書いていた通り、また数式を見ても明らかな通り、湿度は100%以上がないので上限があるとはいえ、気温の方には(現実的に、日本なら浜松と熊谷の41.1℃が最高記録とはいえ(参考:気象庁の全国ランキングより)、理論上は)上限がありませんから、イワオさんの感じた「不快指数100」よりももっと不快極まりない、クソみたいな状況も普通にあり得るんですね。

 

Wikipediaの表には、現実的にありえない部分(不快指数95以上)は空欄になっていたのでパッとは見つかりませんでしたが、まぁこんなの小学生レベルの計算とはいえ、その程度の手間をも惜しむのが便利な時代を生きる令和男子……

 

検索したら、気温と湿度を打ち込むだけで不快指数をバシッと出してくれる便利な計算ツールを、我らがCASIOのページが公開してくれているのを目にしましたよ。

 

keisan.casio.jp

 

これを使って、まぁ最も不快指数100に早く達するであろう、湿度100%で不快指数が大台の3桁突破するのは何℃かチェックしてみた所…

 

https://keisan.casio.jp/exec/system/1202883065より

上手いこと一発で当たりました、ズバリ、38℃・湿度100%で、不快指数は「隣の家の室外機の熱風が我が家直撃」という「イワオ指数」を超えた、大台突破の100.4ということですね!(笑)

(ちなみに37℃なら98.6。ほぼピタリ100になるのは、37.8℃でした。)

 

実際その条件だと確実に死人が発生するレベルだと思いますから…

(その理由は当然、人間は汗をかいて、その汗が蒸発することで体温調節をするわけですが、湿度100%というのは何度も書いている通り、水がそれ以上蒸発することが一切出来ない状況ですので、体温調節機構が一切働かなくなっているも同然、かつ気温は体温より高い状況なので、冗談抜きにどんなに健康な人でも、数時間駆け回ったら確実に倒れる状況です)

…誇張なしに、室外機の熱風直撃の方がマシレベルだといえましょう(笑)。

 

あぁせっかくなので、「サウナとかはどうなんだろう?」と気になったので、そういう極限状態の不快指数もチェックしてみようと思います。


まぁ、ぶっちゃけ数式からどうなるかは何となく明らかなんですけど(笑)、詳しい式の係数とかは見ないことにして考えてみると、不快指数には「気温×湿度」の項があり、湿度が限りなく低い場合、この項からの寄与が極めて小さくなるため、意外とサウナの不快指数はそんなに高くはない…?という気もするものの、典型的なサウナでありそうな、気温110℃・湿度5%で見てみると……

 

https://keisan.casio.jp/exec/system/1202883065より


ギャヒョーン、流石はサウナ、不快指数は未知の領域、140.1!!

 

まま、そらそうですね、実際サウナの中で服着て走り回ったりしたら即ぶっ倒れるのは必然ですから、このクソデカ不快指数も納得のものといえましょう。

 

せっかくなので、ここ最近は全国的に殺人レベルの暑さが続いているとのことですし、昨日の東京の不快指数をチェックしてみますと……


もう画像は省略しますが、湿度も掲載されている天気.jpのデータを参考にすると、昨日2023年7月30日の東京の真昼間は、気温34.3℃・湿度58%という、そこまで湿度はべらぼうに高いわけではない感じではあったようですけど、こちらの数字を計算ツールに入れてみたら、不快指数は85.5


やはり、危険領域の不快指数なのは間違いない感じですね。


なお、何気に少し気温が下がった夕刻18時になると湿度が一気に上がっていたようなので、そちらの数字(気温30.5℃・湿度72%)を使ってみると……

…あぁそれでもやっぱり、気温の低下の影響の方が大きいようで、不快指数は1レベル低い82.4と出ました。

 

いくら何でも太陽の光の降り注ぐ暑い真昼間よりも、夕刻過ぎになって不快感が増すとは考えにくいですから(多分、空気中の水蒸気量はそんなに変わっていないのではないかと思えますし、湿度の上昇は、ある意味気温の低下による、飽和水蒸気量の低下による部分が大きいといえますしね)、不快指数、その意味でもかなり信用がおける指標といえそうですねぇ~。

 

…といった所で、関連ネタでもうちょい触れようと思った話もあったものの、ちょっとまた時間切れにつき、今回はこの辺にさせていただきましょう。

また次回、その辺りの話から気ままに始めてみようかと思います(大したネタでもないので、却下するかもしれませんが…)。

にほんブログ村 恋愛ブログ 婚活・結婚活動(本人)へ
にほんブログ村