放射線の話から、実は一口に「放射線」といっても2種類存在している…実体のある粒子が発射される粒子ビームと、物質としては実体がない、謎のエネルギー波動が発射される電磁波ビームの2つだ……などということに前回改めて触れており、電磁波の波長の話を出した所でタイムアップとなっていました。
説明に便利なので、引用していた電磁波の波長とそこに対応する名前の掲載されているWikiP画像をまた貼り付けさせていただきましょう。
図の左側が短い波長で、右側が長い波長の電磁波の種類として描かれている形ですね。
改めて、「波長」というのは「波の長さ」のことで(まぁそのまんますぎて情報量ゼロですが(笑))、いわば波の「上がって、下がって、また上がって最初の位置に戻る」までの長さ、要は「~」この形の長さを意味している感じです。
例えば分かりやすい可視光線でいうと、波長600 nm(ナノメートル…倍数単位なしで表すと、0.0000006メートルですね)の光線はオレンジ色にあたるわけですが(虹色のスペクトルにある通り、570-590 nmが黄色(Y)で、590-620 nmがオレンジ色(O)に、人間の目には映るわけですね)、これはつまり、「~」この波1つの長さが0.0000006メートルになっているということで、この長さのエネルギー波動が人間の目に入ってくると、「オレンジ色の光だ!」と認識されるという、正直あんま分かりやすい説明でもないですけど(笑)、そういう形になっているってわけですね。
(そもそも「だから波って何だよ!『~』1つとか言われても、そのクネクネが何者なのか分かんねんだから、想像しようもねぇだろ!!」というのが意味不明なポイントだと思うんですけど、まさに前回チラッと書いていた通り、これの説明は想像を絶する難しさがある話となっています。
まぁ、あえて書くなら、この世には目に見えず手でも触れられない「場」というものが存在し、この「波(電磁波)」が伝えるのは、その「場」のエネルギーの変化なのだ……なんていえるわけですけど、正直自分で書いてても全然意味分かんなすぎワロタ(笑)。
これの意味する所を正しく理解するにはマクスウェルの方程式を習得する必要があるので……
…↑の記事にある、4つの偏微分方程式、
- divB = 0
- rotE = - ∂B/∂t
- divD = ρ
- rotH = J + ∂D/∂t
…が理解できない場合、諦めましょう(笑)。
ちなみに僕は、大学教養課程で電磁気学は必修なので習ったわけですけど、まぁ~このレベルがホンマに自分の頭脳の完全に限界でしたね。
正しく理解できているかどうかも怪しく、言われた通りの記述をよく分からないままガチャガチャ動かしてギリ試験だけは点数が取れたけど…という、典型的な生命系専攻の学生な感じでした。
まぁゆーてこれは本当に電磁気の基本中の基本の方程式なので、これを使ってもうちょい応用的なことまで何とか頑張ったわけですけど、先ほどの方程式にあった「div」や「rot」ってのはベクトル場の「発散(ダイバージェンス)」と「回転(ローテーション)」を表すのですが、これが絡んでくる話、ムズすぎてマジで苦痛だったなぁ……
説明を受けても理解できるかどうかの瀬戸際だったのに、こういう話を1から築き上げたマクスウェルさんや更に理論を発展させていったアインシュタインさんらは、まぁやっぱりレベチですよね、オツムの出来ってやつが…!)
…と、「電磁波・電場磁場の話は、危険すぎるので深入りを避けましょう」という余談でした(笑)。
話を戻すと、波長600 nm(=1000万分の6メートル)の電磁波はオレンジ色の光線なわけですけど、見方を変えれば、この波100万個が並ぶと0.6メートル=60 cmになるので、60 cmの長さの中に100万回の上下運動をする大きさのエネルギー波が目に入ってくると、我々は「オレンジ!」と思える感じになってるわけですね。
(その仕組みについては、ずーっと前のビタミンAからの派生記事(↓)で見ていた通り…
…ってここではあんまりまともに説明してなかったかもですが、眼底に位置する視細胞が、波長に応じたエネルギーを感じ取って、それを電気信号に変えることで、脳に「オレンジ色の光を、この方向からこのぐらいの強さで受けました」と伝えてくれている、って感じですね。
何気に「物を見る」というのは、案外凄まじく高度なことが眼と脳内で行われているスゴいことだといえましょう(別に「案外」でもないかもしれませんが)。)
せっかくなので「波長」に触れていたついでに、最初の画像のもう1つの目盛り(グレーのバー上部の数字)の方についても触れておきましょう。
こちらは「Frequency (ν)」(ギリシャ文字の「ニュー」)となっていますが、波長とは完全に逆の関係にある値になっています。
つまり、波長が短いほどこちらは大きい(画像左が大きく、右に行くにつれ小さくなっている)という形になっているわけですけど、日本語でいえばむしろ「波長」よりおなじみの概念といえましょう、これは「周波数」で、単位は「Hz(ヘルツ)」という、耳馴染みのあるやつですね!
Hzというのは謎の単位ですけど、こいつの実体は「回/秒」(「かい・パー・びょう」で、要は1秒に何回振動するか、って話ですね)となります。
「波長」はもちろん長さなので、単位は「m(メートル)」ですけど、あえて書くなら、波の振動1回分の長さなので、「m/回」と書くことも出来ますね。
この波長(m/回)から周波数(回/秒)に変換するには、一体どうすればいいのでしょうか…?
例によって単位に着目すればこれは簡単で、この2つを結び付けるには、「メートル」を消して「秒」を足してやればいいわけですから、メートルと秒の絡む数字……そう、ズバリ「m/s」(sはsecondで「秒」ですね)という、小学生でも知っている単位、つまり「速度」を絡めてやればOKということになります。
電磁波というのは可視光線を含むということからも分かる通り、こいつの速度は「光速」なんですね。
光の速さは、1秒で地球を7周半というのはおなじみですけど、正確には……またウィッキー先生の力を借りまして…
299792458 m/s(約30万 km/秒)というのが正確な値だそうです。
ってことで、波長(m/回)を周波数(回/s)に変換するには、単位をじっくり睨めば間違えることもなく、光速(m/s)を波長(m/回)で割ってやれば、分母の分母は分子に行って、「m」同士は約分され、無事に「回/s」という単位が得られるってことになるわけです。
なので、先ほど例として見ていた600 nmの可視光線の周波数は、
299792458/0.0000006=5×1014
と、ちゃんと画像の目盛りドンピシャの値となっている感じですね!
…と、大したことない補足で意外と長くなってしまったので、今回もちょっと予定していた電磁波放射線の話には入れなさそうなため、長波長(=長い方の波長)側の電磁波の話に軽く脱線しておしまいとさせていただきましょう。
そもそもずっと前の可視光線記事で書いていた通り……
(この辺の記事(↓)が、実生活にも結びついていて面白い感じだったでしょうか)
…光は、「波長が短いほどエネルギーが大きい」となっているんですけど、これはまぁ、今↑で書いていた話を思い返せば、波長が短い=周波数が大きい=一定の長さ・区間に、大量のエネルギー波が詰まっているから、と考えることで納得できそうですね。
つまり、波長が長いほど、その電磁波自体のもつエネルギーは小さくなっていくわけですが、長波長側の波を見ていくと、赤外線(IR;Infrared;「インフラ」は、「下」という意味の接頭辞ですね)の次に、マイクロ波(microwave)というものがあります。
これは何かといいますと、なんと実は、どこの家庭にもほぼ必ず存在するとある家電で使われている電磁波なんですね。
マイクロ波の使われている家電……何か思い浮かぶでしょうか…?
赤外線より波長が長い=小さいエネルギーの電磁波ってことは……何や?と思われるだけかもですけど(笑)、実は、エネルギーの大きさばかりに目を奪われてしまうと完全に見誤ってしまう話になっているので、そこに着目する人は、誠に残念ながら正直ド素人と言ってしまえるかもしれません……
(いやお前がエネルギーうんぬん言い出したんやろがい!(笑))
そう、このマイクロウェーブが使われているのは……
(そろそろ十分スペースを空けたと思えるので回答に移りますが(笑))そう、ズバリ!!
ドゥルルルルルル……チーン!
電子レンジでした~。
(あまりにも他に何もなかったので、「いや知ってっから(笑)」としか思えない電子レンジの画像を、アイキャッチ用にWikipediaからお借りしました(笑))
電子レンジがお弁当とかを温められるのは、ズバリ、マイクロ波をお弁当に照射しまくってるからだったんですねぇ~。
しかし、マイクロ波のもつエネルギーは、赤外線どころかむしろ可視光線である蛍光灯の光とかよりもずっと小さいものになっている、という話でした。
なぜそんな小さなエネルギーの電磁波で物が温められるのでしょうか…?
それはズバリ、この周波数の電磁波が照射されると、ちょうどたまたま水分子がめちゃくちゃ回転振動する(物理的に、ぶるぶる震える)という形に世の中はなっていまして、電子レンジで発生する熱っていうのは、実は水分子が強烈に回転しまくって発生する、摩擦熱(手と手を擦り合わせて温かくなるやつの、めちゃくちゃ凄い版)だった、って感じなんですね!
(その仕組みも、水分子内の水素原子と酸素原子の電子共有に偏りがある=極性を持っているから…という話に帰着しますが、まぁその辺はどうでもいいでしょう)
なので、電子レンジでは水分子を含まないプラスチックトレーとかコーヒーカップとかは熱くならず、水分をいっぱい含む食品だけを効率的に温めることが可能だったんですね。
ちなみに電子レンジって今や当たり前すぎるからあんまり意識しませんけど、冷静に考えたら、火も使わず、食べ物だけが一瞬でアチアチになるとか、ぶっちゃけガチで魔法に近い、めちゃくちゃスゲェ家電なんですよね、普通に。
(まぁ今はもっと凄いスマホとかインターネットがあるのでそこまででもなくなったかもですが、それでもかなりの不思議装置・魔法の箱だと思います。)
ちなみに、英語で「電子レンジ」というのはどう呼べばいいか、これは、普段めっちゃ使うものなのに知らないと絶対に出てこない単語なのでぜひ覚えておくのがオススメですけど、知らないと本当に「電子…エレクトリック?エレクトロニック?…の……レンジは流石に英語やろ…」と考えて「エレクトロ……ゥレーンジ」と言ってしまいがちなのですが、これは100%絶対に通用しません。
これはズバリ、まさに今見てきたそのまんま、英語では「microwave」と呼ばれています。
(正式には「microwave oven」かもですが、あまりにもよく使うものですし、日常会話では「microwave」一単語のみ呼びの一択ですね)
もちろんカタカナ的な「マイクロウェーブ」のイントネーションではなく、最初の「マ」を強く言う「マイクロウェーブ」って発音ですが、レンジを使いたいときは英語の場合そう言わないと絶対に通じないのでご注意ください、という話でした。
では、次回こそは電磁波放射線の方を見ていこうと思います。