レーザー光、蛍光・蓄光、サイリウム!

ビタミンAから派生した色と光の話、まぁ正直ビタミンとかミネラルについて語るよりよっぽど面白かったんじゃない?って書いてて思いましたが(笑)、残る大したことないネタに触れて光については一区切りとしましょう。


LEDを使った製品…とは厳密には違うのですが、同じく半導体を用いた発光体として、既に何度か名前を出していましたけど、レーザーポインターがなじみの深いものとして挙げられるように思います。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/レーザーポインターより

こちらは、最もよく使われる用途(一般個人が使う用途)としては、プレゼンテーションや教育の現場で、プロジェクターに映した大画面のスクリーンを指し示すというものになりますが、特に大学ではPowerPointを使った会議やプレゼンテーションがめちゃくちゃ日常的にやられまくっているので、個人的には極めて身近な製品になっています。

昔は物理的な指示棒みたいなのが使われていたのが…

(「指示棒」で検索しようとしたらサジェストで「指示棒 かわいい」と出てきたのでそれで検索してでてきた楽天の検索結果…

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https://search.rakuten.co.jp/search/mall/指示棒+かわいい/より

なぜかちゃっかり孫の手も交じってて笑いましたが(まぁでも確かに可愛い)、こういう指の形になった指し棒みたいなやつですね。)

…スクリーンの大画面化にともない、レーザー光を発射すればどこまででも届くポインターに取って代わられてきたという感じですね(あとは小さくて軽くて便利だし(ペンサイズとか、最近はもっと小さいのもあると思います)、暗くても見やすいというメリットもありますし、電池が必要なこと以外は良い点ばかりといえましょう)。

(ただ、そういった会議やプレゼン自体もこの感染流行でなくなってきたので、レーザーポインターもその内不要の長物になっていくのかもしれません…。)

ちなみにWikipediaのレーザーポインターの例で掲載されていた画像はあんな感じ(↑)でしたけど、日常的に使う製品では、こんな強ぇやつはあり得ません(笑)。

具体的には、レーザーポインターといっても光の軌跡が見えるほど強いものは市販されておらず、着地点の壁なりスクリーンの1点のみが光って見えるという感じですね。

まぁそんなのいわなくてもどなたもご存知かと思いますが、レーザーポインターは出力に応じてクラス分けがされており、僕は具体的なクラスの違いを知らなかったこともあって「へぇ~」と思えたため、Wikipediaから一部抜粋引用させていただきましょう。

クラス1
概ね0.2mW前後の出力。100秒間瞬きせずに直視しても問題無いとされる。光線の波長によって出力制限が異なる。後述のPSCマーク認定レーザーポインター、主に玩具用。
クラス2
1mW未満の出力。0.25秒間未満の直視は問題無いとされる。PSCマーク認定レーザーポインター、主にプレゼンテーション用。
2001年以降これより上の出力を持つレーザーポインター(正確には電池駆動の携帯用レーザー応用装置)の製造販売、及び輸入販売は法律で禁止されている。
クラス3A
法規制以前に販売されていたレーザーポインターやレーザーマーカーなど。直視してしまっても瞬きなどで回避できる場合がある。望遠鏡などで直視した場合は目に致命的な損傷を与える。
クラス3B
500mW以下の出力。光学ドライブのレーザーがこれにあたる。光線の直視はいかなる場合でも避けなければいけない。
クラス4
クラス3Bを越える出力。直視だけではなく、拡散反射でも目に悪影響を与え、やけどなどの皮膚障害を起こす。温度上昇により照射部分が発火することもある。レーザーショー向け。

光が尾を引いて軌跡が見える、いかにも「レーザー光」なレーザーポインターは、クラス3以上のもので、法規制で販売が禁止されているんですね。

ちなみに上にある通り、尾を引くぐらい出力の強いレーザーは、(何度も書いている通り光線というのはエネルギーをもった粒子・波であるので)やはりそれぐらいになると人体にダメージを与え得る力をもっています。

もちろんシューティングゲームのレーザービームみたいな、一撃で敵が爆発・雲散霧消するなんてことは流石に可視光レーザーでは難しいと思いますけど(笑)、一点に照射し続けるだけで目は危なすぎるのはもちろんのこと、皮膚にも火傷などの深刻なダメージを起こす危険物といえましょう。

…って、クラス3Bはかなりレベルの強いレーザーですけど、CDとかDVDの読み取り装置に使われているのはこれに当たるんですね…!

まぁ悪用はされないと思いますが(直視が危険なだけで、人への殺傷能力はほぼないと思われますし)、CDプレイヤーみたいなどこにでもあるようなものに意外とハイスペックなものが備わっているのは驚きです(…って、光学ドライブももう本当に姿を消しつつあるかもしれませんが…)。


なお、レーザーポインターで1つ驚いたことがあったんですけど、近年はディスプレイ・モニターもかなり大型化されてきており、僕のいる研究科でも、共用会議室の1つに、割と最近(といっても感染騒動前)かなり大きなモニターが設置され、プロジェクターからスクリーンに映すのではなく、モニターに直接PowerPointなりを表示するシステムに移行していました。

それで驚いたのが、モニターには、レーザーポインターの光が一切表示(反射)されないということ!

まぁ偉そうに今まで解説してきたとおり、モニターは発光した光が表示されるものであって、外部光源からの光が反射するように作られたものではないので当たり前なんですけど、白く光ってるプレゼン画面ならワンチャン反射されねぇかな?とか思ったものの、当たり前ですがその白は「モニターのピクセルが光ってできた白」であって、「光を反射する素材による白」ではないから、当然ながら全く反射されませんでした。

そんなわけで、モニターに直接プレゼン資料を映す場合は、レーザーポインターは使えないので、モニター&リモコンにポインター機能(信号を送って、モニターの内部から光らせる)があればそれを、なければプレゼンファイルを表示している、モニターにつないだコンピューターの中でマウスカーソルなりを動かして指示する必要があるでしょう、という話でした。


レーザーポインターそのものに話を戻すと、僕が見たことがあるのは赤と緑のポインターしかないんですけど、Wikipediaによるとやはり視認性&発光のしやすさから、波長635 nm程度の赤、532 nm(そういえば特に触れずに当たり前のように出していたこの単位nmですが、ナノメートル=10のマイナス9乗メートル=0.000000001メートルのことですね)の緑の2種類が一般的なポインターとして売られており、それ以外はほとんどないとのことですね(こちらは特に色によって規制されているということではないようですが)。

必要エネルギーも小さいし、何だかんだ十分見やすいですから(逆に、緑ってそんなに見やすいかぁ?って気もする)、僕は赤いレーザーポインターが一番好きですねぇ。

ちなみに、波長と光の強度には一切関係ないのも以前述べた通りです。

光の波長は色を決めるだけのもので(もちろん波長固有のエネルギーが含まれているわけですけど)、光の強さ(明るさ)は主に光の量と振幅の大きさで決まる感じですね。


…と、それに関連して、そもそも誰しもが感じるであろう疑問としまして、レーザーと普通の電球のような光の違いは一体何なのかといいますと、ざっくりいうとレーザーは「位相が揃っている光」という点につきます。

普通の電球から放たれる光の場合、そもそも360°至る方向に放射されているということもそうですが、仮に一箇所だけ小さい穴を開けて光を通したとしてもなぜレーザーのようにターゲッティングポイントみたいな光ができないかというと、波の出方が揃っていないからなんですね。

一方レーザーの場合、発射される光の波が、波長は同じ色だから当然として、振幅も、位相も(=波の場所・形・向きなどの全て)、どれもほぼばらつきなく揃っているため、あらぬ方向に飛んでいくものが存在せず、壁に到着した1点で全波動の粒子が同じ輝きを見せるという仕組みなわけです。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/半導体レーザーより

(左が太陽や一般的な電球から放たれる光、右がレーザーから放たれる光)

ちなみに、「拡散しないなら、なぜレーザー光の軌跡は目で見えるの?」という点に関しては、「空気中の埃や微粒子によって微妙に散乱されるから」というのがその理由になります。

全く何もない真空中を通るのであれば、横から見る限り、レーザービームの軌跡は一切見えないはずですね。


最後、ちょうど一連の素晴らしいご質問をいただいていたアンさんから、「電球色(オレンジ色)のLEDなんてあるの?」という追加質問をいただいていたこともあり、LEDの色についての話に少し戻るとしましょう。

LEDもレーザー光も(位相が揃ってるかいないかだけで、発光の仕組みは同じ)、白熱電球などの「高熱にしたフィラメントから全色(全波長)の光をドバドバ垂れ流す」タイプのものとは違い、電圧をかけることで、半導体素子に使っている物質(化合物)に応じた特定の波長の光を発射するという性質のものでした。

なので、LEDには当然得意な色・不得意な色があるわけですが、歴史的には青色を安定的に発光するものが存在しなかったので、三原色として重要な青の欠けのせいで長らくLEDが白い光を生み出すことは不可能だったわけですね(その時代のイメージが強いので、未だに僕はLEDは不完全な光しか出せないような印象も強いです)。

しかし、青色ダイオードが生まれてからというもの、ついに全波長をカバーすることに成功し、むしろ光を作る効率の良いLEDが電球界・照明界隈を席巻しつつあるのが現在なわけですけど、実際、既に電球界での地位も確立した今となってはLED電球といえば明るく光輝いているイメージがあるので、あんまりボンヤリ光るオレンジのイメージとかはないのもむべなるかな、という気もするものの、もちろん電球色のLEDも可能だし存在しています。

…と思いきや、改めて調べてみると、コストの問題からか、何気に電球ではシングルチップ方式という、LED発光体として1つのものだけ(基本的には青色ダイオード)を用い、あとは蛍光体の力で光らせていることが多いようで、一般的にコストを抑えた安いLEDは「青白い光である」といわれているらしく、より自然な白や電球色のLEDは、ちょっとお高い感じになるのかもしれませんね。

(改めて、こないだも引用させていただいたパナソニックのページ(↓)にある通り、複数の蛍光体やマルチチップを用いないと、LEDは青味成分が断然強い光になる感じのようです。

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https://www2.panasonic.biz/ls/lighting/led/led/principle/より

…前回貼った、同ページ掲載の素材と波長の関係的にも、実は黄色・橙色のみの波長の光は、LEDのやや苦手とする色味なのかもしれませんね。

 元々フィラメントの発光から最も自然な形で得られたはずの色であった電球色は、LEDではやや頑張らないと作れないということで、電球色より昼光色が好きな立場としてはやや本末転倒な気もしますが、LEDでは企業努力であの色を何とか合成している、って形だったといえるようです。)


…と、今回で終わらせられると思い、5・7・5の音でリズムが良かったこともあり触れようと思ってた内容をタイトルに並べましたが、何かレーザーだけでいい分量になっちゃいました。

相変わらずノビノビになってますが、残る話題はまた次の記事にまわさせていただきましょう(最後出てきた蛍光の話も、ちょっと後でまた触れたい話だったので、今回は深追いせずほぼスルーする形でしたが、また次回ですね)。

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