発光!!そもそも物はどうやって光るのか…

光と色に関していただいていたご質問から1つ、ネタを膨らませられそうなものを取り上げさせていただきましょう。

Q9. 紫色の懐中電灯……そんなのあるの?!

A9. まぁ紫色は視認性が悪いので、そんなものが市販されているとは思えませんが、理論上は普通に可能です。

ただ、いわゆる懐中電灯、古典的な電球を使ったものですと、「紫色の波長の光だけを出す」ことは不可能です。

(もちろん電球に紫色のセロハンを貼ればまぁ紫の光にはなりますが、それは「電球そのものが紫色の光を出している」わけではないですしね。)

「紫の光を放つ」物質は、電球ではなく、レーザーポインターとか、そういう単色で光るものなんかで見られるわけですが、これらはズバリLEDを使っているんですね。

…といっても、「いやいや『電球ではなくLED』とかいわれても、違いが全く分からないんですけど…」という話かもしれませんが、これは、完全に仕組みが異なる物体になっています。

せっかくなので、今回はモノが光るメカニズムについて、簡単にまとめてみるとしましょう。

…と、相変わらずしたり顔で偉そうに語っていますが、何気にこの辺の分野は完全に門外漢のモグリなので、単に検索して見つけた分かりやすい情報を紹介して、自分なりの理解を語り、もしあれば関連する小話を足すぐらいのもんでしかないんですけどね。


そんなわけで分かりやすい説明を求めてネットの海を彷徨った所、3秒ぐらいで見つかった中国電力の子供向け学習ページ『Kidsエネルギア』なるサイトが非常に分かりやすかったので、こちらを参考に引用紹介させていただくといたしましょう。

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https://www.energia.co.jp/kids/kids-ene/chosatai/lamp.htmlより

人類の歴史はに始まるともいわれていますが(いわれてないかもしれませんが)、人類が光を求め自分の手で生み出してきた歴史も、まさに最初は火に帰着するといえるんですね。

結局、物質を超高温に加熱すると、そこからエネルギーをもった様々な電磁波が放出されて(これは自然界の摂理であって、なぜ?といわれても、究極的には「世界はそうなっているから」としかいえない話ですね。「物体を構成する電子や原子などの素粒子は、熱運動をしているから」と答えてみても、「なぜ熱運動をするの?そもそも熱って何?」とかいくと、答に窮する哲学的問いであるといえましょう)、その中に人間の目に見える波長の電磁波=可視光線も大量に含まれているため明るく見えるという、そういう話に落ち着くわけです。

人類誕生以前から、最大にして最重要の光ソースである太陽も、結局は超々高温で核融合やら太陽フレアやら何やらの反応で爆発的な種類・量の電磁波が発生し、それが地球にまで届いているというわけで、単純にいえば、光というのは「アチアチのものから副産物的に生まれてきたもの」ということができましょう。

しかし、火というのは扱いに困る(燃える危険性があるのみならず、寿命も短いし、そもそも熱ばっかりで効率が悪く、明るさが足りない)わけで、もっと便利なものを、長い間人類は求めていたわけです。

そこで出てきたのがエジソンさん、小学生でも知る偉大な発明王ですが、何とかして炎を出して燃えることなく、簡単にスイッチを入れるだけで光を発する物体ができないかと考えて生まれたのが、フィラメントを使った電球になるわけですね。

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https://www.energia.co.jp/kids/kids-ene/chosatai/lamp.htmlより

上記Kidsエネルギアの説明にある通り、フィラメントに電流を流すと高温になり続け、2000度以上の高温になると、人間の目にハッキリと白く輝いて見える可視光線を発射することが知られています。

これが電球の光る根源的な仕組みなわけですが、時代が下り開発が続けられたことで、燃えないように電球内には酸素以外の特殊なガスが混入されているとか、より熱に強く高温に耐えるフィラメントが用いられるようになったとかいった様々な工夫がなされています。
エジソンさんが最終的にいきついたフィラメントは京都の竹であった、という話はあまりにも有名ですね。)

…ただこっからは余談というか小話ですけど、今でこそ偉大な発明王としてその名が知られているエジソンさんですが、実は、ある程度サイエンスや科学史を学んだことがある人からは、こいつは結構なクズとして知られているというのも、一面の事実かもしれません…。

逆に、ほとんど名前は知られていないけど、エジソンさんと対立したテスラさん、こちらが真の天才・偉大なる発明家として、科学にうるさい玄人・業界通の人たちからは圧倒的な評価と称賛が送られています。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/ニコラ・テスラより

具体的には、一番の確執はWikipediaにもまとめられている通り、電気製品を稼動させるのに用いる電源が直流か交流かについてで、エジソンさんは自分が慣れ親しんでいて分かりやすい直流にこだわった一方、テスラさんは拡張性発展性において圧倒的に交流が優れていると主張、議論は平行線を辿り骨肉の争いにまで発展した結果、最終的にテスラさんはエジソンさんと袂を分かつことになりました(その後、泥沼裁判などあり)。

結果としては、現在全世界の家庭で用いられているのは交流電源であることからも、どちらがより正しい考えをもっていたかは一目瞭然といえるわけですが、エジソンさんは学校に通っておらず(これも偉人伝として有名な話だと思いますけど)、交流を理解するのに必要な科学的素養がなかったため仕方がない、ともいわれてはいるものの、以下のエピソードを見ると、やっぱり「何やコイツ…」と思える節もなくはないかな、って気がしちゃいますね…。

エジソンさんとテスラさんの直流交流確執エピソード、Wikipediaより引用~

エジソンは、エジソン好みの直流用に設計された工場システムをテスラの交流電源で稼働させたら、褒賞として5万ドル払うと提案した。直流の優位性や安全性に加えて交流の難しさなどを考慮した発言だったが、テスラはこれを成功させた。交流を認めたくないエジソンは褒賞を「冗談だった」で済ませ支払わなかったため、テスラは激怒して後に退社する。

後年にテスラら交流陣営とエジソンの直流陣営が紛争し、エジソンは交流の危険性を広めるためのキャンペーンとして有名な電気椅子処刑を発案するなどしたが、現在は全世界で交流送電が採用されている。


その下にある、テスラさんのインタビューコメントも、ちょっと哀愁を感じてしまいます。

私は少し理論を利用するか計算するだけで90%削減できたであろう労力を彼が費すのを残念に思いながらほとんど見ているだけだった。彼は本での学習や数学的な知識を軽視し、自身の発明家としての直感や実践的なアメリカ人的感覚のみを信じていた。
I was almost a sorry witness of his doings, knowing that just a little theory and calculation would have saved him 90 percent of the labor. But he had a veritable contempt for book learning and mathematical knowledge, trusting himself entirely to his inventor's instinct and practical American sense.


それでもやっぱり、電球を世界で初めて商品化までもっていき、あらゆる場所に普及させて地球を明るくしたのはエジソンさんの功績に他なりませんし、エジソンさんも偉大な発明家であることには変わりないのかもしれませんね。

(なお、あまりにもクズすぎて、エジソンさんの作った会社「ゼネラル・エレクトリック」は、当初「エジソンゼネラル・エレクトリック」だったのが、「株の過半を持ち実質上のオーナーとなっていたJ・Pモルガンから見切られ、エジソンは元々は自分が設立した同社の社長の座を失い、会社とは無関係とされ、社名から自分の名前も消されるという屈辱も味わった」なんてエピソード(エジソンさんのWikipediaより)もある模様……)


いずれにせよエジソン電球の登場後、人類は便利で画期的な人工光を手に入れたわけですが、現在はエジソンさんの作った「アチアチのフィラメントから光を出す」タイプの白熱電球はほとんど使われていません。

現在一般家庭・商業施設などで最もよく使われている電灯は、やはり蛍光灯といえましょう。

蛍光灯は、まぁ白熱電球とあんまり区別はつきませんけど(同じ形の電球だったら特に)、発光の原理は全く違います。

こちらはアツアツの熱ではなく、電子による放電効果を用いて光を生み出しています。

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https://www.energia.co.jp/kids/kids-ene/chosatai/lamp.htmlより

もちろんこの反応でも熱は発生するので(具体的には紫外線が使われていますしね。ただ、発生した紫外線は、蛍光灯の外には基本的に漏れないようになっています)、長時間つけっ放しの蛍光灯はそれなりに熱くなりますが、ダイレクトに熱を光に変えている白熱電球の比ではない感じですね。

ちなみに、蛍光灯を発明したのもテスラさんになります。

スゲェやテスラさん、やっぱりテスラがNo.1!エジソンとかいうクズはポイーで!

(ちなみにWikipediaに載っていた逸話によると、「テスラは天才肌の発明家で、おまけに長身で美男であったため女性から人気があった」そうですが、「生涯を通じて、幻覚や数々の強迫観念・重度の潔癖症といったさまざまな精神障害に悩まされ、生涯を独身で通した」とのことです。
 う~ん、やはり、清貧ながらも努力・努力で、事故で耳が不自由になってもなおアメリカンドリームをつかんだエジソンさんの方が、偉人伝には向いているのかもしれませんね。)


一方、登場から約一世紀にわたり世界を照らし続けてきた蛍光灯も、近年、上位互換ともいえる画期的な光源の登場に、徐々に光の地位が取って代わられつつあります。

それが、LED!(日本語では、発光ダイオード

キッズには難しすぎるのか、KidsエネルギアにはLEDの説明画像は目に見えないレベルの小さいものしかなかったので、我らがパナソニックから、説明画像を拝借するとしましょう。

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https://www2.panasonic.biz/ls/lighting/led/led/principle/より

右側の画像はGIFアニメだったので、スクショではなくGIF画像も貼り付け…

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https://www2.panasonic.biz/ls/lighting/led/led/principle/より

…といっても、こんなのを見てもイマイチ原理は分からないわけですが、結局LEDというのは半導体というあらゆるコンピューターや電子機器で用いられている人類史上最大の発明品の一つに電圧を加えることで、電子のもつエネルギーが直接光に変換されているという仕組みで輝くという感じです。

色々な色のLEDがありますけど、半導体を構成する化合物の種類に応じて、放たれる光の波長が異なるという形ですね。

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https://www2.panasonic.biz/ls/lighting/led/led/principle/より

青色LEDは、割と長いこと安定した光を出す半導体素子が見つからなかったのですが、画像にある通り窒化インジウムガリウムを使用することで日亜化学工業が製品化に成功し、この発明で中村修二さんがノーベル物理学賞(2014年)を受賞した、というのも記憶に新しいです。)

よくいわれる通り、LEDは電子エネルギーを直接光に変換しているから白熱電球や蛍光灯より高効率=電気代が安い、そしてフィラメントを用いないため軽量で衝撃に強く長寿命と、いいとこ取りの塊のような感じですが、電球そのものは、普及度の違いで、まだまだ従来の蛍光灯などより高価な印象があるかもしれません。

でも、LED自体は単純な仕組みで安価に大量生産も可能とのことなので、将来的にはもっと安くなり、全ての光源がLEDになるかもしれませんね。


そんなわけで、人類の創り出した三大発光体・電球→蛍光灯→LEDの仕組み(ってほどでもなく、テスラさんの話の方が多かったぐらいですが(笑))について簡単に見てみました。

大した話もなく一瞬で終わりそうですが、あとレーザーポインターの話とかも面白そうなので、次回それについてチラッと見て、光については一区切りをつけてビタミンAの話に戻ろうかな、と思っています。

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