英語スラングである「basic(クッソつまらんもの・人)」からおもむろに脱線した「元素に親しもう」シリーズ(basicには「塩基性」という意味もあるため)、色々な基礎知識を経て、周期表の並びにまで話が及んでいました。
前回は最も特徴的な、右端=第18族、いわゆる貴ガス(元「希ガス」…どうしてもそっちの表記の方が好きな模様(笑))について見ていましたが、「いつの間にか第7周期に新顔が入ってきており、しかもこいつは貴ガスには分類されないのでややこしいことこの上ない…」などと書いていましたけど、せっかくなので周期表の覚え方へと話を軽く脱線してみようかと思います。
まぁ周期表の覚え方なんて基本語呂合わせで、語呂に意味なんてありませんし単純に自分が最初に覚えたものが自分にとってのオリジナル・黄金律になり、それ以外は違和感になるだけなので、既にマイ語呂をお持ちの方には「何やそれ」と笑っていただくしかない形ですが、とりあえず高校の授業で習った以下の呪文が僕にとっては周期表の覚え方だという感じですね。
改めて、実際の表があった方が便利ですし、今回もまたWikipedia掲載の周期表を再掲させていただきましょう。
貴ガスの話だったんで18族からいこうと思いましたが、やはり周期表の王道は最初の20個ということで、僕の覚え方(まぁこれは大分スタンダードだと思いますが)をご紹介してみようと思います。
【原子番号1~20の覚え方】
「水兵リーベ、ぼくのふね、名前がある、シップス・クラークか」
(水素・ヘリウム・リチウム・ベリリウム、B(ホウ素)C(炭素)N(窒素)O(酸素)F(フッ素)Ne(ネオン)、ナトリウム・マェグネシウム(これはもちろん強引に書いてるだけで、普通にマグネシウムですが(笑))・アルミニウム、Si(ケイ素)・P(リン)・S(硫黄)・Cl(塩素)・Ar(アルゴン)・K(カリウム)・Ca(カルシウム))
まぁぶっちゃけ「水兵」とか、「水平」なのかどうかすら大してイメージできておらず、全く意味のない語呂にも程がありますけど(笑)、「名前がある」が「七曲がり」とかになる以外、ほぼ全国的にこの覚え方ではないかと思います。
正直アルミニウムとアルゴンとか、カ行の区別が案外厳しくない?…とか思う所もあるものの(笑)、これは正直、元素の性質・いわば縦のグループ=族の方でもチェックできるので、多少あやふやになってもリカバリーが利く感じですね。
一方、こないだ書いた通り、高校化学でもこの20番まで覚えれば一応十分で、21番以降はオプションなんですけど、理系の学生の場合、大抵21番以降も、少なくとも第4周期のやつらは覚えてしまうことが多いように思います。
(周期表は、横の並びを「周期」、縦の並びを「族」と呼ぶのでした)
逆に、第5周期以降は流石によっぽどの化学マニアしか覚えておらず、僕もそこはノータッチですけど、縦の「族」は、1, 2, そして13から18までは覚えてしまうので(この「3から12族が飛んでいる」という点についても、また追って話に出そうと思っていた点ですが、結局は電子配置のアレがコレで、こいつらは両端側にある族の元素よりも挙動があやふやで、あんまり縦のつながりがなく意味がない感じになっている、って所ですね)、結局真ん中辺り=第5-7周期の第3-12族にいるごく一部のみが、周期表の「魔境」、すなわち何がいるのかよぉ分からんゾーンとなっているだけで、他は全部覚えてしまえる形になっているといえましょう。
(とはいえ魔境ゾーンも、一番右下が「白金(プラチナ)・金・水銀」という見覚えのあるやつがいるというイメージはありますし、非常に面白いことに第11族は「銅・銀・金」というメダルの並びになっているという大変印象深いものもいるので、まあまあ多少は埋まることもある感じではありますが)
第4周期の21番元素以降より、正直縦のつながりの方が遥かに重要なので、まずは第1族から順番に覚え方紹介へ行ってみましょうか。
ちなみに、古今東西色々な覚え方があれど、周期表の語呂はなぜか下ネタが妙に多いことで有名で、ちょっと書いてて恥ずかしくなるものもあるんですけど、「教養のためだ、赤面して覚えられるならむしろ安いもんよ」と開き直って、無修正でお送りしようと思います(笑)。
ではまずは左端の第1族から!
【第1族の覚え方】
「エッチでリッチなけいこさん、ルビーせしめてフランスへ」
(H(水素)・リチウム・K(カリウム)・Rb(ルビジウム)・Cs(セシウム)・Fr(フランシウム))
⇒これ、大学生の頃、塾のアルバイトでちょうどケイコちゃんに教えたのですが「『せしめて』って何よ(笑)。そんな日本語知らんし(笑)」と笑われたものの、まぁ「せしめる」で「横取りする・自分のものにする」って意味ですけど、所詮語呂なんて意味のないフレーズも多いですし、リズムはいいですから覚えやすいといえましょう(笑)。
【第2族の覚え方】
「ベースの見事にかすれたバラード」
(Be(ベリリウム)・Mg(マグネシウム)・Ca(カルシウム)・Sr(ストロンチウム)・Ba(バリウム)・Ra(ラジウム))
⇒まぁこれは「ベッドにもぐって…」みたいな覚え方もありますが、僕は品のある男なので、下ネタ以外で覚えやすいのがあったらそっちを優先していたこともあり、僕はベース派ですね(笑)。
Sr(ストロンチウム)はマイナー元素ですが、ぶっちゃけ「『かすれた』の『すれ』って何やっけ……」と悩んで、思い出せなくても、Srという元素名・元素記号が必要となった場面は生まれてこの方ただの一度もないので、適当で問題ないと思います(笑)。
では、続いては魔境ゾーンは飛ばして、13族ですね。
【第13族の覚え方】
「Bあるがインテリ」
(B(ホウ素)・Al(アルミニウム)・Ga(ガリウム)・In(インジウム)・Tl(タリウム))
⇒正直全く意味が分かりませんが(笑)、コンパクトにまとまっていて悪くない覚え方ではないでしょうか。
なお、この族の元素も、Ga以降、この語呂以外でお目にかかったことがないレベルなので、ぶっちゃけどうでもいいと思います(むしろホウ素すら、ほとんど登場しない気も)。
…おっと、そういえばここからは第7周期に新しい元素が見つかったパターンもある感じでした…!
第13族第7周期、ここは、日本人・森田浩介さんのグループが発見し、2016年に正式名称のつけられた、ニホニウムが入った所ですね!
これはズバリ、我が国はインテリなのだという響き的にもいいので、「Bあるがインテリ日本!」と覚えてしまうのでバッチリでしょう!
ちなみに、以下第7周期に新入りがいるやつも、僕の中ではもう族全体の語呂は決まっているので、強引に一語足すだけになりそうです(笑)。
【第14族の覚え方】
「タンスの下に現金すずなり」
(C(炭素)・Si(ケイ素)・Ge(ゲルマニウム)・Sn(錫(スズ))・Pb(鉛))
⇒大分無理のある語呂ですが(笑)、まぁ14族は4=シー・シーでCとSiという感じで覚えていることもあり、ゲルマニウムはともかく後半2つは和名もあるおなじみ元素なので、少々無理くり感ある語呂でもいける感じだといえましょう(笑)。
…あっとしかし7周期にFl(フレロビウム)とかいう謎の奴がいるぅ!
うーん、既に完成されている文だし難しいですが、「タンスの下に現金すずなり、触れたろ」とかいう、全くリズムもへったくれもない語呂でいかせていただこうと思います。
クッソしょうもねぇ(笑)。
【第15族の覚え方】
「ニッポンの朝は酢豚とビールで始まる」
(N(窒素)・P(リン)・As(砒素)・Sb(アンチモン)・Bi(ビスマス))
⇒「で始まる」に何の意味もない上、しかも第7周期に新顔・Mc(モスコビウム)がいますから、これは「ニッポンの朝は酢豚とビールとモスコミュール!」にでも変えた方がいいかもしれませんね。
なお、「日活ポルノ、あすサービス日」という覚え方もあり、こっちを覚えておくと「で始まる」は何もなしでOKだったな…と思い出せるため何気にそっちも覚えちゃってるのですが、地味に「ポルノ」はすぐ次にも登場するので、オススメできません(笑)。
【第16族の覚え方】
「おぉスゲェ、セックステクはポルノ並み」
(O(酸素)・S(硫黄)・Se(セレン)・Te(テルル)・Po(ポロニウム))
⇒そう、ポロニウム先生がいるため、15族のPリンを「ポルノ」で覚えてはいけないのでした(笑)。
(まぁ、「水兵リーベ…」でPリンは覚えているので、間違えようはないんですけどね(笑))
このフレーズのリズム感の良さは異常なんですが(笑)、しかし、なんと第7周期には新顔・Lv(リバモリウム)とかいうカスが追加されていました…!
…しゃあねぇ、リズムは悪くなるけど、ここは字余りになることには目を瞑って「おぉスゲェ、セックステクはポルノレベル」と改訂するといたしましょう(笑)。
【第17族の覚え方】
「ふっくらブラジャー、私にあてて」
(F(フッ素)・Cl(塩素)・Br(臭素)・I(ヨウ素)・At(アスタチン))
⇒いやぁ~、いい語呂です(笑)。
しかも、第7周期の新顔は、Ts(テネシン)だそうで、むしろ最後の「て」一文字も有効活用できる……というか、もしかしたら僕がこの語呂を教わった高校時代には既にもう存在したのか…?と思ったら、これも普通に2016年に承認された名前のようで、最後に「て」があったのは偶然ですね。
ja.wikipedia.org
元素記号Tsをより強く覚えるためには「あててっ」とでも考えて、名前を覚えるなら「あててね」と覚えておくのがいいかもしれませんね(笑)。
【第18族の覚え方】
「変なねーちゃん、ある暗闇でキスの練習」
(He(ヘリウム)・Ne(ネオン)・Ar(アルゴン)・Kr(クリプトン)・Xe(キセノン)・Rn(ラドン))
⇒そしてこれが18族ですね。
しかし、18族には幻の第7周期・2023年現在周期表のトリを飾るOg(オガネソン)が追加されているのでした。
…まぁこれは、「…、キスの練習、オガッ!」と、変なねーちゃんにはキスに失敗して暗闇の中で何かの物体とぶつかってしまったことになってもらいましょう(笑)。
(意味ないムチャクチャな語呂過ぎる(笑))
それでは最後、原子番号21番から、空白地帯である第3-12族の元素の語呂にいってみましょう。
【原子番号21~30(第4周期)の覚え方】
「スカチンボ、クロマン、徹子にどうしても会えん」
(Sc(スカンジウム)・Ti(チタン)・V(バナジウム)・Cr(クロム)・Mn(マンガン)・Fe(鉄)・Co(コバルト)・Ni(ニッケル)・Cu(銅)・Zn(亜鉛))
⇒これが一番ド直球の下ネタワードを含んでいますが、これは高2の頃の、以前何度か話に出したことのあった怖い感じ(若手で、生活指導担当とかもしていた、親しみのある怖さ)の化学の先生が教えてくれたやつで、「クロ・マンの後に「コ」を付けたくなるだろうが、コを付けると後ろのコバルトと区別が付かなくなるから付けないよーに!」と叩き込まれ、その印象もあって完全に覚えることに成功したのでした(笑)。
怖い先生が全く恥ずかしげもなくこの語呂を強い口調で言い切ってくれたおかげで、第4周期魔境地帯で悩むことは一切なくなった感じですね。
まぁ、別にここの順番なんて知らなくても特に何の問題もないんですけど(笑)。
…と、そんなわけで、今回はしょうもなさすぎる語呂だけで案外長くなりました。
周期表ネタの続きはまた次回にまわさせていただくといたしましょう。
アイキャッチ画像に使えそうなものも全くなかったため、「暗闇でキスの練習をしているイラスト」とかないかなと思って探してみたもののあるわけなかったので(笑)、途中出てきたアジア初の新元素・ニホニウムの記念モニュメント(理研の前にあるそうです)をWikipediaからお借りさせていただきました。
Jで始まる元素はないし、「ジャポニウム」でも良かったんじゃないかな、って個人的には思えるかもしれませんね(笑)。